電脳筆写『 心超臨界 』

何もかもが逆境に思えるとき思い出すがいい
飛行機は順風ではなく逆風に向かって離陸することを
ヘンリー・フォード

中東に混乱をもたらしただけのアメリカ外交――宮崎正弘さん

2016-03-10 | 04-歴史・文化・社会
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【 宮崎正弘&馬渕睦夫、ビジネス社 (2016/3/5)、p49 】

【宮崎】 ISを誰が作ったんだと。アメリカが作った。そして、その前のアルカイダは誰が作ったのか。これも、もともとはアメリカが作った。そこで、アメリカの中東政策を大づかみに中期的なところまで遡及させて再考したいと思います。

1979年にソビエト連邦の軍隊がアフガニスタンに侵攻する。それに対抗させるためにムジャヒディン(イスラム人民戦士機構)にカネと武器を渡し、そのなかには虎の子のスティンガー・ミサイルも含まれていました。なおかつパキスタンに膨大な軍事援助をしたのがアメリカでした。そこから育ってきたお化けがアルカイダですよね。

そのアルカイダはある日突然アメリカに牙をむき、ニューヨークのテロを仕掛けて、それから中東をかき荒らし始めた。アメリカの対テロ戦争が始まり、アメリカがアフガン(2001年)に、イラク(03年)へ軍事介入する。

当時はブッシュ・ジュニア政権で、チェイニー副大統領が軍事戦略を立案し実行していました。チェイニーは国防長官を歴任したタカ派で、介入したことにより、結果的に中東を二重にも三重にも悪くし、泥沼にしたといえます。

このイラク戦争への介入の失敗が、ISを生み出しました。

サダム・フセインを吊るしたところまでは順当だったのかもしれないけど、「民主化」できると楽天的にマリキをイラク首相にもってきた。そしたらマリキはじつはシーア派で、いつの間にやらバアス党員や、軍人含め全員閑職に追いやって、バグダッド政権をシーア派で固めて、スンニ派の弾圧を始め、イラクは事実上の三分割。スンニ派の国だったのにシーア派がほとんどバグダッドまで占拠して、スンニ派を弾圧する。追い込まれたクルドは独立の旗を鮮明にかかげ始めた。イラクは無政府状態になった。

サダム・フセインの残党であるバアス党の幹部と軍人と、イラクと隣接するシリアにいた反アサド勢力(アルカイダ)が糾合してできたのがIS。さらに厄介なことに、チェチェンから流れてきているややこしくて凶暴な連中が、ISの戦闘部隊の中枢を占め、いまIS内にチェチェン・マフィアは2千5百人いるといわれている。

ISは一種の連合体で、一枚岩とはとうていいいえないところに、今度は中国の反政府勢力が混入する。それでSNSを通じて世界中から兵士を募集したら、何万と拡大し、今日の収拾のつかない状態になってきた。というのが表向きの動きですが、裏側で考えてみれば、すべてはアメリカの介入の失敗における結果じゃありませんか。

しかも、ISは黙ってシリアで戦っていればいいものを、イラクに戦場を移して、みるみるうちにイラクの北方のほぼ半分を獲ってしまった。ふつうに考えればたかだかゲリラみたいなのが、どうしてこんなにやすやすと敵の陣を獲れるのか。

そしたら何てことはない、要するにフセインの残党がISにほとんど入っていて、イラクの政府軍はアメリカから大量の武器をもらっていながら、全部残して逃げてきたのを彼らは奪ったわけです。アメリカのハイテク兵器も戦闘機までも含めて獲った。これを失態といわずして何というか。しかもISは油田地帯も占領しましたから、資金源としても、石油の密売をやって儲けた。

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