電脳筆写『 心超臨界 』

何もかもが逆境に思えるとき思い出すがいい
飛行機は順風ではなく逆風に向かって離陸することを
ヘンリー・フォード

不都合な真実 歴史編 《 アメラジア事件――福井義高 》

2024-10-02 | 04-歴史・文化・社会
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CIAの前身であるOSSの東南アジア課長ケネス・ウェルズは、『アメラジア』1945年1月26日号を読んで驚いた。なんと、彼自身が書いた、英国の戦後アジア政策に関する機密の政策メモと、ほとんど同じものが掲載されていたのだ。FBIが誰もいない『アメラジア』事務所に踏み込むと、写真のない雑誌なのに立派な暗室があり、部屋には大量の政府文書のコピーがあった。トルーマンの承認も得て、FBIは6月6日にジャフィら6人を逮捕する。そのなかには、親中共派の外交官ジョン・サービスも含まれていた。


◆アメラジア事件

『日本人が知らない最先端の「世界史」』
( 福井義高、祥伝社 (2016/6/30)、p158 )
=第7章 ヴェノナの衝撃」より=

左翼からはでっち上げと言われ、日本とも因縁浅からぬアメラジア事件についても、やはりソ連の謀略の手が及んでいたことを、ヴェノナは白日の下(もと)にさらけ出した。

『アメラジア』は東アジアに関心を持つ進歩的知識人が集まる太平洋問題調査会(IPR)の準機関紙ともいうべき存在で、編集兼発行人はグリーティング・カード会社のオーナー、フィリップ・ジャフィが務めていた。ジャフィは米国共産党書記官でソ連エージェントのブラウダーと親しく、従妹(いとこ)が中国共産党秘密工作員冀朝鼎(きちょうてい)の妻という、親ソ親共の赤い資本家であった。

ちなみに、IPRにはゾルゲ・スパイ網の尾崎秀美、西園寺公一(さいおんじきんかず)、アグネス・スメドレーらが関わっていたほか、ヴェノナにより、中心的メンバーでGHQの一員だったトマス・ビッソンがGRU(*)エージェントだったことも明らかになっている。

  (*) GRU:ロシア連邦軍参謀本部情報総局  

CIAの前身であるOSSの東南アジア課長ケネス・ウェルズは、『アメラジア』1945年1月26日号を読んで驚いた。なんと、彼自身が書いた、英国の戦後アジア政策に関する機密の政策メモと、ほとんど同じものが掲載されていたのだ。FBIが誰もいない『アメラジア』事務所に踏み込むと、写真のない雑誌なのに立派な暗室があり、部屋には大量の政府文書のコピーがあった。トルーマンの承認も得て、FBIは6月6日にジャフィら6人を逮捕する。そのなかには、親中共派の外交官ジョン・サービスも含まれていた。ところが、この一大スパイ事件に発展するかにみえた機密文書漏洩事件は、いつのまにか言論弾圧事件にすり替わり、ジャフィともう一人が形式的な微罪に問われただけで、うやむやになってしまう(クレア他『アメラジア・スパイ事件』)。

しかも、折から開催中の国連創設のためのサンフランシスコ会議に出席していたエドワード・ステチニアス国務長官に代わり、逮捕時の国務省の総責任者であった前駐日大使のジョセフ・グルー国務次官は、メディアによる批判の矢面に立たされ、6月16日に辞表を提出――正式辞任は8月――し、省内での影響力を失う。こうして、国務省の極東政策は、グルーとユージン・ドーマンの知日派反共ラインから、次官補から昇格したアチソン次官とジョン・カーター・ヴィンセント極東局長という中国共産党に好意的な容共ライン主導となった。

アメラジア事件はもちろんでっち上げなどではなく、ジャフィと頻繁に接触していたジョセフ・バーンスティンがGRUのエージェントだったことを、ヴェノナは明らかにしている。ジャフィは逮捕前、バーンスティンにもっと積極的に協力すべきかどうか思案中であった。ソ連のエージェントとなることに良心の呵責(かしゃく)を感じていたのではない。米国公安当局の罠かもしれないと用心していたのである。なお、逮捕された6人のうちのひとりであるマーク・ゲインは、何の罪にも問われず、占領下の日本で、鳩山一郎の公職追放に大きく「貢献」した。
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