電脳筆写『 心超臨界 』

一般に外交では紛争は解決しない
戦争が終るのは平和のプロセスではなく
一方が降伏するからである
ダニエル・パイプス

読む年表 明治~戦後 《 日米安保条約調印/新安保条約成立――渡部昇一 》

2024-07-10 | 04-歴史・文化・社会
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大事なのは、アメリカが安心して日本と共有できるような核を持つ方法を考えるということだ。旧安保条約で吉田首相が頼み込むような形で日本の安全をアメリカに委ねた時と同じように、いまの中国と核の脅威が同居する世界における日本は、アメリカの軍事力との協同がなければほとんど丸裸の状態であることを認識しなければならない。


◆日米安保条約調印/新安保条約成立

『読む年表 日本の歴史』
( 渡部昇一、ワック (2015/1/22)、p272 )

1951(昭和26年)/1960(昭和35年)
日米安保条約調印/新安保条約成立
戦後の平和と繁栄をもたらした“日米安保”の新たな形――

戦後、日本の平和が保たれたのは、戦後教育が教えてきたような「憲法第九条のおかげ」ではなく、日米安全保障条約、通称“日米安保”があったからである。

日米安保には旧安保と新安保がある。旧安保は昭和26年のサンフランシスコ講和条約調印と同時に吉田茂首相が署名したものだ。日本は非武装国となったから、もしも米軍が日本から撤退すると言い出したら、事実上軍隊もなく愛国心も奪われた日本が独立を回復したところで丸裸状態である。吉田首相は日本の独立を望みながらも、やむをえずアメリカに日本の防衛を頼み込むような形をとった。したがって、この旧安保条約はアメリカの言い分が主である。

「日本を防衛するのは義務ではないが、アメリカは日本に基地を置き、ほぼ自由に使用できる。それゆえに日本の安全も保障される」というような内容が柱になっていた。

だが、日本が見事に復興を遂げると、岸信介首相は占領・被占領の関係ではなく、平等な立場での軍事同盟を結ぶという立場をとり、昭和35年(1960)1月に改定安保条約、つまり新安保条約を調印、5月19日の強行採決の後、6月に成立した。

このとき「60年安保闘争」と呼ばれる激しい抗議行動が起こった。猛烈に反対した社会党・共産党などは日本の独立回復のためのサンフランシスコ講和条約にも猛反対したことを思い出してほしい。最後には安保阻止国民会議を中心にした三十万人の国会デモがあり、1万人弱の学生が国会に突入する大騒動となった(6月15日)。だが、岸首相が結んだ改定安保条約の下で、その後の内閣は安心して経済政策を遂行し、それが日本の繁栄をもたらして今日に至っている。「あの時、安保改定をしなかったら、どうなっていたか」と問いたいくらいである。

岸首相の時代のソ連にかわって、現在、直接の脅威となっているのは中国である。驚異的な経済成長をとげている中国に対して、経済優先の立場から各国は強い態度に出ることができない。中国の露骨な覇権主義にもかかわらず、アメリカは中国への配慮とイスラム諸国のテロなどに対する自国の防衛で手一杯である。だから、いま新々安保条約が必要な時期にきている。おそらくそれは、日本も核をアメリカと共有するというものになるだろう。これだけ核が拡散したなかでは、日本が実際に核攻撃を受けたとしても、アメリカが報復の核を撃つ可能性は低い。報復の核を撃ち込めば、今度はアメリカが報復の対象となるからである。

大事なのは、アメリカが安心して日本と共有できるような核を持つ方法を考えるということだ。旧安保条約で吉田首相が頼み込むような形で日本の安全をアメリカに委ねた時と同じように、いまの中国と核の脅威が同居する世界における日本は、アメリカの軍事力との協同がなければほとんど丸裸の状態であることを認識しなければならない。
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