電脳筆写『 心超臨界 』

明日死ぬものとして生きろ
永遠に生きるものとして学べ
( マハトマ・ガンジー )

自分を鍛える! 《 先人の“いいところ”を学ぶ――それが一番簡単な自己実現法――渡部昇一 》

2024-08-08 | 03-自己・信念・努力
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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価値あるものは常に価値がある。アメリカの土地に新文明をつくった人たちの勉強の仕方、しかもそこで病身を克服してエネルギーあふれた活動をし、長寿をまっとうしたという人間の生き方、ゆるぎなき人生観などは、依然として読者に対して貴重な示唆を与えてくれるものだと思うのである。


『自分を鍛える!』
( ジョン・トッド、三笠書房(2002/02)、p246 )
訳者解説――渡部昇一

5 先人の“いいところ”を学ぶ――それが一番簡単な自己実現法

トッドの勉強法および健康法でおもしろいのは、それが、アメリカ人の一番いい時代のいいところを示していると思われる点である。私は宗教的にはトッドと同じではないけれど、ニューイングランドを開発し、そこにハーバード大学やイエール大学やプリンストン大学を建てて、そこで人材をつくった頃の人たちの気力、生活の送り方というものには、さすがと思えるよさがあることを認めるのに吝(やぶさ)かでない。

きわめて深い哲学的な思考をも示した、アメリカの心理学者エイブラハム・マズローの言葉で、私がいつも思い出すものにこういう話がある。それはマズローが観察したニワトリの話である。

彼の観察によると、多くのヒナを飼った場合、あるニワトリは他のニワトリに比べてきわだって大きくなる。どういうニワトリがきわだって大きくなるかとよく観察してみると、エサの食べ方が他のニワトリよりも合理的なニワトリである。だから逆に、そのきわだって大きくなるニワトリの食べているものを綿密に調べて、それと同じものを他のニワトリにも食べさせるようにすると、他のニワトリも大きくなるという。

これは、きわめて示唆に富む観察である。というのは、手本がよくて、それをまねると、ニワトリでも体の大きさが変わるぐらい影響を受けるということなのである。

日本人は敗戦後、アメリカ人のような体格を持ちたいと思い、食べ物の種類を変えた。その結果、すくなくとも平均身長などにおいては、われわれの祖父母の世代に比べて見違えるほど大きくなった。背の大きくなること自体がよいか悪いかは別として、これは背の高い人間と同じものを食べれば同じように大きくなるということを示すものである。

それならば、宗教の自由を求めて新大陸に渡り、そこに新しい文明をつくろうとした人たちの知力の鍛錬の仕方や健康保持法の実例を見せてもらって参考にすることは、ハーバードやイエールやプリンストンを建てた頃の人たちと同じ精神的エネルギーと活力を得る一つの方法なのではないかと思う。価値あるものは常に価値がある。アメリカの土地に新文明をつくった人たちの勉強の仕方、しかもそこで病身を克服してエネルギーあふれた活動をし、長寿をまっとうしたという人間の生き方、ゆるぎなき人生観などは、依然として読者に対して貴重な示唆を与えてくれるものだと思うのである。

さてここに、参考のために、『アリボン著作大辞典』によるトッドの主著一覧を下にあげる。

■ジョン・トッド 著作リスト■
Lectures to Children『子供への説教』
Index Rerun『諸事指針』
Sabbath School Teacher『日曜学校の先生』
Truth Made Simple『真理明解』
Great Cities『大都市』
Young Man『青年』
Simple Sketches『素描集』
Future Punishment『未来の罰』
Serpents in the Dove’s Nest『鳩の巣のヘビ』
Woman’s Rights『女性の権利』
Mountain Flowers『山の花』
The Sunset Land『日の沈む国』
Summer Gleanings『夏の落穂集』
The Angel of the Iceberg『氷山の天使』
The Bible Companion『聖書の友』
Daughter at School『女生徒』
Mountain Gems『山の宝石』
Nuts for Boys to Crack『少年たちの大問題』
The Water Dove『ウォーター・ダブ』
Polished Diamonds『磨かれたダイヤ』
Sketches and Incidents『素描と小事件』
Lost Sister of Wyoming『ワイオミングの迷える娘』
Stories Illustrating the Shorter Catechism『小教理問答物語』
Questions on the Life of Moses『モーゼの生涯に関する論点』
Hints and Thoughts for Christians『キリスト者のための助言と考察』
Questions on the Books of Joshua and Judges『ヨシュア記と士師に関する論点』
Questions on Lives of the Patriarchs『イスラエル十二氏族の先祖の生涯に関する論点』

以上がトッドの主な著作であるが、私自身、若かった頃にトッドの本を読んでどれほど多くのヒントを受けたか計り知れないことを思う時、トッドの名は、故神藤克彦教授に対する感謝の念となるのである。かつての私に学問に対する意欲と精神的エネルギーを与えてくれ、どちらかと言えば病弱な体を強くすることに関心を向けさせた本は、今の読者にとっても同じような効果があるのではないだろうか。そして、この名誉を今の読者に贈ることは、故神藤教授の教育的なお考えを、教授を知る機会のない方々に紹介するよすがとなるものと期待しているしだいである。そのようなわけで本訳書を先生の霊に捧げたいと思う。

なお、翻訳をすすめるにあたっては、下谷和幸氏の協力を得た。厚く御礼申しあげるしだいである。
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