電脳筆写『 心超臨界 』

幸せは外部の条件によって左右されるものではない
自分の心の持ちようによって決まるのである
( デール・カーネギー )

用意ができたとき師が現われる 《 人生を語り歌うシャントゥーズ――加藤登紀子 》

2024-06-25 | 03-自己・信念・努力
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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禅の中に、「用意ができたときに師は現われる」という教えがあります。自分に準備がなければ、すべては無意味な存在でしかないということです。意志が生まれたとき、手をさしのべる師は現われる。師はいたる所にいる。ふと目にした新聞の記事や子供の質問に答えた自分の言葉であることもある。「師はどのように現われるのか?」との質問への答えは、「これがそうだ」という以外にない。たとえば死にかけた虫を見て、自分の中に同情心がかき立てられた瞬間に、師が出現したことになるのである。


ハルピンに生まれ、ロシア民謡を聴いて育った私には、日本人じゃないというコンプレックスがあった。歌謡曲を歌っても、理解できない風土に立つ孤立感がある。「私は私」と思っても、歌で自分を出し切れない思いがずっと続いた。「シャントゥーズ・トキコ」。88年のニューヨーク公演で、新聞にこんな評が出た。このときもシャンソンは歌っていない。なのに、人生を語り歌うシャンソン歌手と評された。涙が出るほどうれしかったのと同時に、「そうだったのか」と肩の力が抜けた。


◆人生を語り歌うシャントゥーズ

「こころの玉手箱」歌手・加藤登紀子
( 07.11.29 日経新聞(夕刊))

1965年、シャンソンコンクールの優勝がデビューのきっかけだが、実は前年も出場している。そのとき歌って四位に終わったのがエディット・ピアフの「メア・キュルパ」。「恋をした人はなんでもできる/七つの罪も犯してしまう」という激しい恋の歌だ。

当時、CMで安っぽく使われていたのが我慢ならず、「これが本当のピアフよ」という意気込みだった。しかしコンクールでは、審査員の芦原英了さんに「君のような子供がこんな歌を歌ってもねえ」と苦笑された。以来、彼女の歌を歌うことはなかった。

翌年、優勝の副賞で訪れたパリでは、予想に反して、大御所のシャンソンを歌う人などいない。若者たちは今の時代の自分の歌を歌っていた。自問した。私の歌とは何だろう。シャンソンではないのではないか。

ハルピンに生まれ、ロシア民謡を聴いて育った私には、日本人じゃないというコンプレックスがあった。歌謡曲を歌っても、理解できない風土に立つ孤立感がある。「私は私」と思っても、歌で自分を出し切れない思いがずっと続いた。

「シャントゥーズ・トキコ」。88年のニューヨーク公演で、新聞にこんな評が出た。このときもシャンソンは歌っていない。なのに、人生を語り歌うシャンソン歌手と評された。涙が出るほどうれしかったのと同時に、「そうだったのか」と肩の力が抜けた。

封印が解けたように、翌年はパリに足しげく通い、ピアフのお墓や、生誕地を何度も訪ねた。その経験から二歳の子を失ったピアフの心情を描いた「名前も知らないあの人へ」という彼女に捧(ささ)げる歌を書いた。この写真はお墓の前でこの歌を歌ったときのものだ。

ポーランド・ワルシャワのゲットーには、ドイツ兵に銃を突きつけられながらも、目を見開いて立ち向かう女性の写真がある。ピアフと重なり合う姿だ。歌うことは運命や嵐に立ち向かって飛び立つようなものだと思う。ピアフの人生はそれを体現していた。

歌手生活40年を過ぎた昨年、初めて彼女の「愛の賛歌」を録音した。私の歴史を知っているのは、やはりピアフだという思いだった。
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