電脳筆写『 心超臨界 』

変化することは
真の学習がみな到達する最終結果である
( レオ・ブスカーリア )

用意ができたとき師が現われる 《 『憲法と裁判官』――武藤敏郎 》

2024-08-06 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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禅の中に、「用意ができたときに師は現われる」という教えがあります。自分に準備がなければ、すべては無意味な存在でしかないということです。意志が生まれたとき、手をさしのべる師は現われる。師はいたる所にいる。ふと目にした新聞の記事や子供の質問に答えた自分の言葉であることもある。「師はどのように現われるのか?」との質問への答えは、「これがそうだ」という以外にない。たとえば死にかけた虫を見て、自分の中に同情心がかき立てられた瞬間に、師が出現したことになるのである。


放課後に友人とよく立ち寄った東京・神田神保町の三省堂書店で、平積みしてあった岩波新書の新刊をたまたま手に取った。「われわれは憲法のもとにある。けれども、憲法とは、裁判官が、これが憲法だというものにほかならない」。この書き出しは1930年代に活躍したヒューズ第11代米最高裁長官の言葉だ。紙の上の法律は、裁判官という人間が現実に適用して初めて生きたものになる、と言うのである。法律など無味乾燥で、黒を白と言いくるめる道具くらいに思っていた。個性的な米最高裁判事の系譜や憲法問題を巡る著名な判決を紹介した本書はそうではない、法を生かすも殺すも人次第だと説く。


◆『憲法と裁判官』

大和総研理事長・武藤敏郎
[2] 鵜飼信成『憲法と裁判官』――進路決めた「法も人が生かす」
(「こころの玉手箱」09.04.14日経新聞(夕刊))

数学が得意で、手先も器用な子供だった。中学のころは外科医も志したが、血を見るのが嫌であきらめた。理系か文系か、進路選択でなお迷っていた高校2年の冬。放課後に友人とよく立ち寄った東京・神田神保町の三省堂書店で、平積みしてあった岩波新書の新刊をたまたま手に取った。

「われわれは憲法のもとにある。けれども、憲法とは、裁判官が、これが憲法だというものにほかならない」。この書き出しは1930年代に活躍したヒューズ第11代米最高裁長官の言葉だ。紙の上の法律は、裁判官という人間が現実に適用して初めて生きたものになる、と言うのである。

法律など無味乾燥で、黒を白と言いくるめる道具くらいに思っていた。個性的な米最高裁判事の系譜や憲法問題を巡る著名な判決を紹介した本書はそうではない、法を生かすも殺すも人次第だと説く。同じ問題に向き合っても保守かリベラルか、考え方一つで法律判断ががらりと変わる。多数派の判決と少数意見を並べて論理をたどると、どちらもなるほどと思えてくる。

推理小説のようにわくわく読み進んだ。判事は大統領が任命するが、政治の思惑通りに動くとは限らない。特に少数意見に回りがちなリベラル派の判事たちが憲法解釈をテコに米国社会の変革にまで挑もうとした物語は、法律の持つ意外な面白さや人間臭さを強烈に感じさせてくれた。この1冊で法学部志望を決めたと言ってもいい。

東大では司法試験を第一目標に法律を勉強し、国家公務員試験と両方、通った。大蔵省が採るという段になって迷った。現実の政策にも興味があった。弁護士なら後からでも司法修習すればなれると考えてひとまず大蔵省を選んだが、何年か頑張るうちに行政官も面白くなってきて、次官まで37年間、勤め上げる結果になった。

1990年代後半、大蔵省は過剰接待問題で大揺れした。官房長だった私も監督責任を取り、前に一度務めた総務審議官に降格された。厳しい時期が続いたが、意外に気は楽だった。辞めるしかなくなったら、法律家志望の原点に戻ろうと自分に言い聞かせていたからだ。それもこの1冊のおかげだったかもしれない。
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