司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

外国会社の清算結了登記 その2

2015年11月13日 | 渉外関係

おはようございます♪

外国会社の清算のオハナシ。。。の続きです。

まぁ~。。。多くの方にとってはどうでも良いハナシだと思いますが、何となくご興味のある方はお付き合いください。

清算手続きに関しては、債権を取り立て、債務を弁済し。。。というトコロは、日本の会社と同じでございます。
ただね~。。。株主総会の承認。。。??。。。要らないでしょ!?。。。とか、残余財産の分配。。。??。。。ないよねぇぇ~?(~_~;)。。。
という感じでございまして、何をもって(或いは、どの時点において)清算結了となるのか。。。に関しては、良く分かりませんでした。

それから、日本の会社の場合には、租税債務は残して良いよ♪。。。ってコトになっておりますケド、ココはどうなのか?
さらに、日本の会社は租税債権を残してはいけないのですケド(=還付金を受領して株主サンに分配しないといけないので)、それだって、会社自体がなくなるワケじゃないのですから、残しても良さそうな。。。(~_~;)

そして、残余財産の分配に当たる行為。。。というのは、日本支店での残余財産を本国に送金等する必要があるのか???。。。ってコトに関しても、ギモンが残ります。

とにかく、法律にはその辺のコトは定められていないのですし、主務官庁サマが「はい!清算結了しましたね♪」と言ってくれるのかと思っていたら、そういうコトもないのだそうです。
(清算事務の進捗状況に関しては、報告をされていたようなのですが、「ここで終わり」というような、明確な手続きはないらしい。。。)

。。。とすると、問題は清算結了の登記との兼ね合い。。。というコトになったワケです。

まず、租税債権・債務に関してですが、納税管理人(清算人ではないヒト)を定めて、そのヒトに事後の手続きを任せようと思います。。。とのコトでした。
日本の会社の場合は、「清算結了=法人格消滅」ですし、清算結了の前提として株主サンへの残余財産分配が必要ですケドね。。。外国会社は、日本で清算結了しても会社は存続しているので、租税債権・債務は残っていても良いのじゃないか?。。。と考えた次第です。

コレに関しては、法務局も同意見とのことでした。

次に、清算結了の前提として、日本の銀行口座を解約しなければならないか。。。
⇒何となくハッキリしませんが、解約した方がよさそうな感じ。。。(~_~;)

さらに、清算結了の時点はいつなのか???

1.実際に残余財産の額が確定した時(=通常の債権債務が消滅し、租税債権・債務は額が確定していれば可)
2.決算報告書を作成した日
3.残余財産を本国に送金した日(=租税債権の方が多い場合には、残りは後日送金すれば可)

う~ん。。。これもですね。。。結構適当なハナシのような気がしますケド、株主への残余財産の分配と同じような行為が「本国への送金」なのかな~。。。って感じでして。。。(@_@;)
1も2も、何か特別な基準があるワケでもなし。。。結局テキト~に会社が決めるコトが出来ちゃうんだよなぁぁ~。。。と考えると、やっぱり「本国への送金行為」というモノがあった方が、据わりが宜いのかな。。。と、会社の方と相談して、3に決めました。

。。。で、やっと、清算結了登記は無事終了。。。となりました \(^o^)/
外国会社の場合は、通常、本国の決定があったコトなどの証明書を添付することになるんですケド、今回の清算結了に関しては、日本サイドの事情ですんで、清算人さんが仕切ることができました。

珍しいケースだし、理論的なハナシではない部分が多くって、何となく自信も持てずに進めましたが、無事に終了してホッとしました。

ワタシが思うに。。。清算結了登記はしないとダメなんだケド、キチンと清算が終わっているコトが分かれば、清算結了日に関しては、会社が任意に決めて差し支えない。。。という取扱いなのでしょうね~(~_~;)
(この点は管轄の法務局によって、扱いが異なるのかも知れません。)

関係者の皆様方には(法務局の方を含め)、色々とご迷惑やらご面倒やらお掛けしました。
この場をお借りして、御礼申し上げます。

ありがとうございました m(__)m

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外国会社の清算結了登記 その1

2015年11月11日 | 渉外関係

おはようございます♪

少し時間が経ってしまったんですケド、以前、ご紹介した外国会社サン。。。やっと清算結了登記を申請いたしましてね。。。
レアケースなのでしょうけれども。。。。一連の流れを書き留めておきたいと思います。

以前の記事はコチラ⇒ http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/a19feca85eae213f3a27f3208ef7539a

なんだかんだとイロイロ大変だったようでして。。。清算開始から2年以上かかってしまいました。
その間、本国においては、役員サンが交代しましてね。。。意味があるかどうかは別として。。。法務局の仰る通り、変更登記を数回申請いたしました。

。。。で、清算結了なのですけれども、やっぱり、ハナシが具体的になるにしたがって、分からないコトがいくつか出て来ました(@_@;)
ホント、何となく頭の中で想像するだけだと、漏れがたくさんあるんですね~ ^_^;。。。って、ワタシだけかも知れませんケド、日本の会社の清算との比較をしてみましょう♪

まず、日本法人の清算手続でございます。

清算人は、ざっくり言うと、債権の取り立てと債務の弁済をいたしまして、最後に残った残余財産を株主サンに分配し、その後、株主総会の承認を得て、清算結了の登記をいたしますね。

一方、普通の外国会社の場合。。。

通常、日本から撤退する場合には、債権者保護手続きなるモノを致しますケド、日本の会社の清算とはチョット違っています。
すなわち。。。外国会社の債権者保護手続きって、「ウチの会社は日本から撤退しますよぉぉ~♪ 文句があるヒトは言ってくださいよ~っ♪」。。。というモノなんですよね。
日本の会社の場合には、「債権がいくらあるか申し出てくださいね♪」。。。というように、弁済をする前提でその額を確定するために行うモノなので、債権者に平等に弁済するために(早いモノ勝ちにならないように ^_^;)弁済禁止期間が設けられております。
。。。が、外国会社の場合には、会社自体が無くなるワケではありませんから、債権者に弁済をするコトは必須ではない。。。よって、弁済が禁止される期間はないデスし、債権者の異議申述期間も1か月。。。ということになっているワケです。
(とは言え、事実上は、キチンとお金の精算をしてから撤退されているようですケドね。)

ですから、外国会社の債権者保護手続きは、組織再編の場合と同じような感じ。。。で、「黙って出て行かないで、ちゃんと挨拶してってよねっ!!」。。。ってコトでしょうか。。。(~_~;)
そして、「文句があるヒト(=債権者)には、弁済等をして、債権者保護手続きが終了しないと出て行けない(=登記できない)。。。(・.・;)」。。。日本における代表者全員の退任(=日本からの撤退)は、登記が効力要件である。。。としたワケです。

以前は、単に本国で「日本支店を廃止する。」って決議をすれば良かったんですケドも。。。
「ぇえっ!!外国会社が知らない間に日本から撤退してた。。。知らなかった。。。(-"-)。。。困った!!!」というようなケースがいくつかあって、現在のように改正されたと記憶しておりマス。

。。。以上が、通常の外国会社のハナシ。。。でございますね。

しかし、今回は外国会社なんだケド、ちゃ~んと清算をしなければいけないケースでございます。
やっぱり、アレコレ不思議でした。。。次回へ続く♪

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会社分割に伴う根抵当権変更登記 その2

2015年11月10日 | いろいろ

おはようございます♪

早速昨日の続きデス。

今回の会社分割。。。当初は、分割会社が所有している(立派な)ビルだけを承継会社に移そう。。。という予定だったのであります。
ところが、何故だか分かりませんが、段々とハナシが変わってまいりましてね。。。対象物件が徐々に増えてゆき、最終的には、所有物件全部を対象にしよう!。。。というコトになり。。。(~_~;)

モトモト、分割会社所有の不動産の全部を対象にするんだったら、単に「分割会社が所有するすべての不動産」などと契約書に記載すれば済むハナシだったんですケドも。。。当初は一部の物件を対象にしていましたから、契約書には個々の不動産を記載していてですね。。。せっかく書いたので、そのまま使おう!!!ってコトにいたしました。

。。。で、不動産登記を受託する可能性は低いのだろう。。。と思っていたら、すんなり受託できちゃいまして。。。(~_~;)
だったら、最初っから謄本を取っちゃえば早かったのに。。。^_^;。。。というように、何となくスムーズに進まない感じ。

。。。というワケで、不動産登記(会社分割による所有権移転登記)も受託することができましたが、ソコで、「んんん???」と思ったコトがあったんです。不動産登記を別の司法書士サンが受託するんだったら、あんまり考えなかっただろうと思います。

それね。。。根抵当権のハナシ。

え~。。。担保と言っても、根抵当権が設定されているのは、当初から予定されていたビルとその底地のみ。
。。。で、分割会社を債務者とする根抵当権は、他には設定されていないとのこと。

こういう場合(←所有権が移転する場合)って、普通は、分割会社の借入金(←根抵当権の被担保債権)は承継会社に移すモノなのですケド、今回の会社分割では借入金債務は承継されず、担保権もそのまんま。。。で良いのだそうで。。。^_^;

。。。とすれば、通常は、会社分割を原因として、根抵当権の債務者(←承継会社)を追加し、その後、別途債務者を分割会社のみとする変更登記をするのでしょうね。。。。ちなみに、債権の範囲については、被担保債権の債務引受等はありませんので、変更登記は必要なし、ということだと思います。

。。。ところが。。。
今回の根抵当権ね。。。。。
そもそも共用根抵当権だったのです^_^;
こういうの。。。初めて見ました。

。。。というコトは???
モトモト根抵当権の債務者が「分割会社と承継会社」なのですから、会社分割があっても状況は変わりない。。。ですよね?(@_@;)
債権の範囲も、借入金は承継債務に入ってませんので、変わらず。。。のハズ。。。
会社分割によって共用根抵当権になる場合には、根抵当権で担保される承継会社の債務は、会社分割後の債務となりますけど(←会社分割前の債務は担保されない)、承継会社が会社分割よりも前から債務者になっている場合には、そもそも、過去の債務も担保されていますから、民法の規定は空振りってコト???(@_@;)
( ↑ 会社分割によって担保される被担保債権の範囲よりも、もともとの被担保債権の範囲の方が広いので。)

何となく気持ちが悪い感じはしますケド。。。そう考えるしかなさそうだよね~。。。との結論に達しました。

共用根抵当権って、今は普通なんでしょうかね?(*_*)

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会社分割に伴う根抵当権変更登記 その1

2015年11月09日 | いろいろ

おはようございます♪

会社分割により不動産を承継させた会社サン。。。先日は、名変のハナシをご紹介したワケですが、他にも、ちょっと珍しいかな??と思うコトがありました。

。。。というのは、根抵当権でございます。

会社分割をいたしますと、分割会社が債務者になっている根抵当権は、共用根抵当権になってしまいます。
つまり、分割会社甲・承継会社乙、根抵当権の債務者甲としますと、根抵当権の債務者は「甲」⇒「甲および乙」になってしまう。。。というワケ。

(根抵当権者又は債務者の会社分割)
民法 第三百九十八条の十  第二項
元本の確定前にその債務者を分割をする会社とする分割があったときは、根抵当権は、分割の時に存する債務のほか、分割をした会社及び分割により設立された会社又は当該分割をした会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継した会社が分割後に負担する債務を担保する。

これね。。。まぁ、所有者と債務者が同一で、かつ、会社分割で所有権が移転する場合だったら、まだしも。。。物上保証なんかの場合でも強制的にそうなっちゃう。。。(@_@;)
したがって、会社分割とは何の関係もない不動産に設定されている根抵当権も対象なのですケド。。。
(例えば、所有者丙の不動産に設定されている根抵当権の債務者が甲だった場合。。。)

ただコレって、クライアントさんに上手に説明するのは、ナカナカ難しいのです。

会社分割で承継される不動産の場合だったら、その不動産の登記事項証明書なんかも確認しますんで、根抵当権が設定されているかどうかが分かります。
なので、コチラで不動産登記を申請するかどうかは別にして、一応、根抵当権の取り扱いに関しても、一通り説明をするようにしています。

ただし。。。
結局のトコロ、根抵当権者と設定者の共同申請によって変更しなければならないし。。。
そもそも、ワタシの知る限り、金融機関は共用根抵当権のまんまにするコトはなかったような気がします。

つまり。。。会社分割によって債務者を「甲および乙」に変更したとしても、その後、債務者は甲・乙どちらか一方に変更するのですよね。。。
。。。んで、そのためには、別途変更契約を締結する必要がありますから、結局、金融機関の対応如何。。。ってコトになるのです。

ところが。。。これね~。。。金融機関が会社分割による根抵当権への影響を理解していないコトが多くって。。。しかも。。。コチラから直接説明することが出来なかったりもして。。。何となくウヤムヤに。。。というコトが非常に多い。。。(~_~;)

こういうのって、同業者の皆様はどのように対応されていますかね~。。。

。。。で、今回!
なかなか不思議なケースでございました。

次回へ続く♪ 

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存続会社の商号変更と消滅会社の解散登記申請書 その2

2015年11月06日 | 商業登記

おはようございます♪

わざわざ2回に分ける必要がなかったような気もしておりますが。。。(~_~;)。。。先日の続きでございます。

え~。。。今回の吸収合併消滅会社の登記申請書。。。いつもは、こうしてマス↓

*****
1.商号 甲
1.本店 ○県○市●町一丁目1番1号
1.登記の事由 吸収合併による解散
1.登記すべき事項 平成●年●月●日 ○県○市●町一丁目1番1号 株式会社甲に合併し解散
1.登録免許税 金3万円

上記のとおり登記の申請をする。
平成●年●月●日

○県○市●町一丁目1番1号
申請人 株式会社甲

○県○市●町一丁目1番1号
存続会社 株式会社甲
代表取締役 B

東京都港区●●×丁目●番●号
上記代理人 司法書士 C
*****

存続会社と消滅会社が全く同一の商号・本店ですんでね。。。
どっちがどっちだか、良く分からない申請書ではございますケドもね~。。。^_^;

しかし、今回作成された申請書はこうっ! ↓

*****
1.商号 甲
1.本店 ○県○市●町一丁目1番1号
1.登記の事由 吸収合併による解散
1.登記すべき事項 平成●年●月●日 ○県○市●町一丁目1番1号 株式会社乙に合併し解散
1.登録免許税 金3万円

上記のとおり登記の申請をする。
平成●年●月●日

○県○市●町一丁目1番1号
申請人 株式会社甲

○県○市●町一丁目1番1号
存続会社 株式会社乙(変更後の商号 株式会社甲)
代表取締役 B

東京都港区●●×丁目●番●号
上記代理人 司法書士 C
*****

↑ いかがでしょう?

存続会社側の商号変更の場合って、解散登記申請書の登記すべき事項には旧商号を書いても良い。。。ってハナシは聞いておりますケド、「存続会社 株式会社乙(変更後の商号 株式会社甲)」なんて、カッコ書きは初めて見ました。。。(@_@;)

。。。んで、コレ、「商業登記ハンドブック(第3判)P559」 に、同じ趣旨の記載例がございます。
「さすがにカッコ書きは変じゃない!?」。。。と思い、第2版も確認しましたが、変わってませんでした(*_*)
さらに、解説はなし。。。

ぃやねぇ~。。。登記すべき事項に記載する存続会社の商号は、旧商号の方が良いのか。。。はたまた新商号が良いのか。。。って、若干迷うトコロではあるのです。
ケド、新商号で登記した方が、後日、会社の検索がしやすいだろうな(←商号変更した場合、旧商号だと検索に引っかかりません)。。。という気がして、ワタシ自身は、旧商号で登記申請したコトがないんです。。。実は。。。(~_~;)

。。。なので、単に知らないだけかも知れませんが、さすがに申請人は新商号で書かないとダメなんじゃないのかしら???って思うんですケドね~。。。(・.・;)

ハンドブックは、大変すばらしい本なのですケド、申請書の記載例に関しては若干ギモンな点がありまして。。。。^_^;
なので、失礼ながら、ハナッから参照していないモンですから、今回、初めて気付いた。。。というワケでございます。

これってどうなんですかね~???
ご存じでしたら、教えていただけると嬉しいデス(#^.^#)

ちなみに、申請書はいつもどおりの内容(←存続会社は新商号にし、カッコ書きは削除)に修正して申請しました ♪

コメント (11)
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