司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

利益相反取引の外形を有する所有権移転登記 その5

2015年11月20日 | いろいろ

おはようございます♪

本日も横道の続き。。。でございます(~_~;)

K先生もですね。。。昔のハナシは当然覚えておられましたが、詳しい結論はどうだったけ???。。。ということでして。。。
今回のコトを相談しましたところ、「だいだいさぁ、そんな証明要らないんじゃないの?!」とか仰るのです。

んんん???何だって。。。?
売主であるB社は、他管轄から現在の管轄に本店移転されていて、さらに、売買当時の代表取締役は同一人物だったワケですが、現在(←売主側は特別清算終結時の代表清算人)は別人。。。

つまり。。。
添付する資格証明情報から、売買当時の代表取締役が同一人物だったことが判明しないのであれば、そもそも利益相反ウンヌンのハナシはする必要がない。。。という。。。
もともと、利益相反取引に該当しなければ何の証明もする必要がない。。。にもかかわらず、形式上、利益相反取引の外形を有するコトが添付書類から明らかだから、「実質的には利益相反に該当しないんで、承認も取ってません!」という証明書が必要なのであって、外形を有するかどうかが分からないのであれば、何も要らないじゃない。。。ってコトです。

はぁぁ~なるほどね~。。。
例えばですケド、代表取締役の資格証明情報や住所証明情報として、代表者事項証明書を添付した。。。としますと(現在の手続きでは、原則として会社法人等番号を記載するので、全部見られちゃいますが。。。)、売買当時の代表取締役が誰だったのか???。。。については、確かに分からないハズです。

利益相反の承認を受けていないコト自体が適法なのだから、別段、後ろ暗いハナシというワケでもありません。
法務局に対して、その消極証明をする必要がなくなるってだけのハナシ。。。

「そっかぁ~!!良いハナシを伺いました♪ ありがとうございました m(__)m 」
などと言いながら電話を切ったのですケドね。。。やっぱり、それ、難しいコトが判明しました。

売主のB社は、特別清算して、すでに法人格が消滅していますから登記記録が閉鎖されていますから(←法人格は消滅していませんが、会社の印鑑証明書は取得できません)、その場合の登記申請の添付書類は通常とは異なりますね。
すなわち、登記申請は、特別清算終結時点の代表清算人が行えば足りる。。。ってコトになるのですケド、会社の閉鎖事項全部証明書ってモノも添付しなければなりません。
しかも、登記記録自体が閉鎖されていますから、本店移転後のすべての登記記録が載ってしまいます。

さらに、本店移転だけだったらば、新本店管轄の閉鎖事項全部証明書で足りますケド、商号変更は旧本店管轄で登記していましたんで、商号変更した証明書として、旧本店管轄の閉鎖事項全部証明書も必要。。。となります^_^;
(コレも、本店移転による閉鎖ですから、旧本店管轄での登記記録は全部載ってきます。)

ですので、結局のトコロ、閉鎖事項全部証明書を添付すると、売買当時の代表取締役が同一人物だったことが丸わかり。。。なのです^_^;

もちろん。。。その当時に遡って代表取締役が同一人物なのかを確認されるかどうかは分かりませんが、賭けみたいなコトをしても仕方がありませんし、そういうのって、ちょっとドキドキしちゃうんでねぇ~。。。(~_~;)
やっぱり、証明書は添付する方向で考えた方が良さそうだなぁ~。。。との結論に至りました。

。。。というワケで、一瞬。。。「思いがけず、解決っ♪♪♪」 と思ったものの、ハナシは逆戻りでございまして。。。。イロイロ上手くいかないもんです。
続きはまた来週♪

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利益相反取引の外形を有する所有権移転登記 その4

2015年11月19日 | いろいろ

おはようございます♪

昨日の続き。。。ではなく、ちょっと横道でございます^_^;

100%親子会社間の売買とか担保権の設定とかって、世の中にはたくさんあるような気がしますよね。
その昔。。。K事務所の勤務していた頃のコトなんですが、不動産登記の世界では、「100%親子会社間の取引は利益相反取引に該当しない。。。なので、取締役会議事録(+印鑑証明書)を添付する必要はない。」というようなハナシは常識ではなかったようなんです。

今考えると、ビックリですケドね。。。^_^;

ある日、ある会社の法務部長(=すごく切れ者)サンから、売買の登記の相談がありました。
「100%親子会社間なので、当然、利益相反取引には該当しないハズなんです。なので、利益相反の承認決議は不要だし、登記の際に添付する必要はないと思うんですが。。。」というお問い合わせでしてね。。。ワタシ、東京法務局に相談に行きました。(←まだ、司法書士に見えるかどうか。。。の娘っ子だった頃ですよ(~_~;))
当時はまだ大手町の旧庁舎でしてね。。。。なんか、懐かし~。。。^_^;

。。。で、相談官の顔つきはとっても険しくなりまして。。。そんなハナシは聞いたコトがない。。。という。
結局、即答されずに後日回答だったような気がしますが、「利益相反取引には該当しないから、その承認は要らない」。。。ってコト自体は納得してもらったのです。

しかしっ!
問題は、どうやって100%親子会社であることを証明するのか???。。。ってコトです。
「外形は有する」ワケですからねぇぇ~。。。
それに、簡単な書面で良いデス♪。。。ってコトにしちゃえば、それを悪用するヒトが出てくるかも知れない。。。とお考えになったんじゃないでしょうか!?

前例はない(あったとしてもごく僅か?)という状況だったのだと思います。

。。。で、肝心の証明書類はどういうモノだったのか。。。というコトでありマスが、ちゃんとしたコトは覚えてません。。。。(;O;)
確か、株主名簿は添付したような気がするんだケド。。。それだけではなかったと思います。

それで、K先生にご意見を伺おう!と思ってお電話してみたんですよ。
そうしたら、思いもよらないコトを仰って。。。。ですね。。。(@_@;)
う~ん。。。まぁ、言われてみればそういう考え方もあるかもね。。。という気がしたのですが。。。。

続きはまた明日♪

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利益相反取引の外形を有する所有権移転登記 その3

2015年11月18日 | いろいろ

おはようございます♪

早速昨日の続きです。

利益相反取引に該当しないコトの証明として、取締役全員の実印を取り付けるのではなく、客観的に100%親子関係が疎明できる書面はないモノか。。。と考えてみました。

ただし、ここで一つ問題がありまして。。。
管轄の法務局は、東京ではない県の出張所。。。でございました。
アタマ固そう。。。事前相談したら、ダメって言われそう。。。(~_~;)

なので、却下されるコトを覚悟して、事前相談はせず、その代わり、あれこれ資料や説明書きを添付して申請しよう!!!ということにしたのです。
会社としては、ぶっちゃけ、ダメ元で依頼されたようですし、当事者はグループ会社ですから、どうしても早く登記をしないと困るという状況ではありません。

それよりも、通常考えられる書面を添付せずに登記をするコトの方が重要。。。なのだから、申請しちゃえぇぇ~っ♪。。。ってね。。。ハハハ。。。

え~。。。こんなトコロでぶっちゃけ話をして良いモノかどうか分かりませんけどね。。。(~_~;)
こういうことって良くあるのです。

法務局サイドもですね。。。面と向かって相談されたら「ダメ」って言うしかないコトもあるようで。。。そういうの。。。黙って申請してくれたら受理するんだケドね。。。聞かれると困るのよ。。。と思われているらしい。

一方、ワタシ達司法書士としても。。。たぶん、聞いちゃったら「ダメ」って言われて、そうなると、もうそのまま申請できなくなる。。。ということになるワケです。。。。つまり、ヤブヘビ。。。(~_~;)

この辺の暗黙の了解的な事柄って、ヒジョ~に難しいですよね~。。。。おそらく、このブログをお読みの方々も、ワタシが以前相談しちゃったハナシについて、「そういうコトは面と向かって聞かないでよね~っ!!チョ~迷惑(怒怒怒)」と思われているかも知れません。

この辺のビミョーな空気を読むのって、とっても苦手です。
だから営業が下手くそなのかも知れません。。。。はぁぁ~。。。(-_-;)

何だか中身のないハナシですみません。
続きは、また明日~♪
 

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利益相反取引の外形を有する所有権移転登記 その2

2015年11月17日 | いろいろ

おはようございます♪

早速昨日の続きです。

何だかアレコレありまして。。。とにかく、一つ一つ解決しなければなりません。
まずは、最重要となる「利益相反取引に該当しないことの証明」をどうするか。。。

これね~。。。まず、インターネットをググってみました。
「うんうん。。。いくつもあるじゃないの !(^^)!」
確かにたくさんヒットしたんですよね~。。。。だけど。。。変わったコトを書いてるヒトは見つかりませんでした。

。。。でね。。。ちょっとハナシは戻るのですけれども、利益相反取引に該当しないコトの証明書として、どんな書面を添付すれば良いか。。。ってコトは、先例や質疑応答として出ていないみたいなのですよね。
ただし、以前、「登記インターネット24号204頁」に相談事例として載っていたらしい。。。
しかし、残念ながら、事務所にはない雑誌なので、原典は読めておりません。

とにかく。。。実務上はその「登記インターネット」に書いてあるとおりに運用されているってコトらしいのです。

ウチの事務所内(←不動産登記をイッパイやってる方の部署)でも聞いてみたのですケド、今回の会社サンのように、「利益相反取引じゃないのに、取締役会の決議が出来るワケないでしょ!」。。。という会社は滅多にないようです。

。。。しかし、ケースとしてそんなに少ないとは考えにくいですからね。。。利益相反取引には該当しなくても形式的には代表取締役が同一人物だったりすれば、便宜、不動産登記のために取締役会の承認を得ている。。。。ってコトが行われているのではなかろ~か???と、勝手に想像しています。
。。。で勝手にこれを前提として、何故、そういうコトが起こるのか。。。?
 ⇒その方が書面が簡単に整うから。。。なのだろうと思います。

確かに、取締役会議事録ならば、過半数が出席すれば良いのだし、代表取締役(取締役の場合もありマスが)は特別利害関係人に該当しますから定足数に参入されません。。。。なので、必要最低限にしようとすれば、何人かの取締役の押印と印鑑証明書は不要となるワケです。(取締役が3人しかいなかったら、契約を締結した代表取締役以外の取締役全員の分が必要になりますケド。。。とりあえず置いといて。。。(~_~;))

一方、利益相反取引に該当しないコトの証明書を添付しようとした場合、完全親会社側としては、契約当事者(=代表取締役)を除く取締役全員の実印を押して、印鑑証明書を添付しなければならない。。。というのです。
(あ。。。契約していない代表取締役が会社の印鑑を登録していれば、証明書は、そのヒトだけの押印でも良いらしいですが、そんな会社は滅多にないでしょうし。。。今回は、代表取締役は1人しかいません。)

そして、完全子会社側に関しては、株主名簿にこちらも代表取締役以外の取締役全員の実印を押印し、印鑑証明書を添付しろ。。。というコトらしい。
(。。。というようなコトが、「不動産登記の実務相談事例集(日本加除出版)P45(Q16)」に書いてありました。。。。ただし、実はこちらは、完全親会社側または完全子会社側いずれかの証明書で可。。。とされていまして、登記インターネットの方は両方(←親会社および子会社の分)必要というコトらしいデス。)

利益相反取引に該当しないコト。。。って、消極証明のハズなのに、利益相反取引の承認よりも厳格な書類が必要になるワケですよね~。。。
それって、どう考えてもおかしいじゃないですか!?
要するに、形式的に証明できれば良いんでしょ!!!??
そんな、ワケの分かんない解説に絶対に従わないといけない理由はないですよねぇぇぇ~っ!!!???

。。。またしても、結構熱くなっておりますが。。。(~_~;)

次回へ続く~♪

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利益相反取引の外形を有する所有権移転登記 その1

2015年11月16日 | いろいろ

おはようございます♪

またしても、不動産登記のハナシ。。。でございます。
こちらは、商業登記のオマケ(?)ではなく、普通の売買。。。。ともちょっと違うのですが、ま、一応、売買ではある。。。というケース。

たぶん、お題を見れば想像できちゃうのでしょうケド、グループ会社間の売買でございます。

ある日、いつものクライアントさんからお電話がありまして、「所有権移転登記をお願いしたい。」と仰る。
まぁ~、ありがたいお話ではあるのです。。。が、内容を伺ってみると。。。珍しいハナシ。。。(~_~;)
大体ね。。。ちょっと面倒な案件なんで、顧問税理士サンご紹介の司法書士サンに依頼するハズだった。。。という。

だけど、どうも、その司法書士サンが仰る通りの書類を集めるコトはできない。。。ので、「何とかなりませんかっ=3」。。。ってコトでこちらにハナシが来たようです。

不動産登記って、大体はパターンが決まってますんでね。。。。おカネは儲かるかも知れないケド、あんまり面白くないんだよね。。。という気がしています。しかも、リスクは高いし、急ぎも多いし。。。で、ストレスがたまっちゃう。。。
(な~んて。。。。負け惜しみですかね。。。(~_~;)。。。こんなコト言うと、上司にお叱りをうけるかしら。。。ナイショ ナイショ。。。)
ですから、今回のようなハナシはなかなか興味深い。。。のですけどね。。。でも、儲からないんだよなぁ~。。。(~_~;)

。。。で、どんなハナシか。。。??。。。というと コチラ ↓

・A株式会社はB株式会社から、数年前に不動産を買いました。
・B社はこの売買当時、A社の100%子会社で、A社とB社の代表取締役はいずれも甲野一郎でありました。
・売買の後、B社には特別清算の開始決定がなされ、現時点において特別清算は終結し、法人格は消滅しています。
・B社の特別清算開始決定時点の代表清算人は甲野一郎で、特別清算終結時点の代表清算人は乙野二郎であります。
・B社は所有権の登記済証を紛失しています。
・B社は不動産を売却する前に商号をCからBに変更したうえで、他管轄に本店移転しています。

いかがですか???
イロイロありますでしょ?。。。ビックリしました。。。ハハハ。。。(~_~;)

。。。でですね。。。
一番の問題は利益相反のハナシなのでございます。

皆様ご承知のとおり、100%親子会社間の売買は、利益相反取引には該当いたしません。
そのため、利益相反取引の承認は不要。。。というコトなんですけれどもね。。。それはそれで、なんか厄介はコトに!?

そういうコトなら、利益相反取引に該当しないコトの証明書を提出してよねっ!!。。。というトコロは良く分かるんですが、その証明書というのが、(親会社側は)契約を締結した代表取締役を除く取締役全員が「利益相反に該当しないコトの証明書」のような書面に個人の実印を押印して、印鑑証明書を付けなさい。。。というコトらしいのですよ。。。

。。。で、今回、もともと頼もうとしていた司法書士サンが、法務局に対して、一般的な質問として添付書類の照会をしたところ、上記と同じような回答だった。。。という。

ところが、会社としては困った。。。
利益相反取引に該当しないモノを取締役会で承認することはできないし、売買からずいぶんと時間が経ってしまった今になって、社外の取締役にそんなお願い(←証明書に実印を押して貰い、印鑑証明書を取得してもらう)はできない(←売買当時は取締役じゃなかったヒトもいるしね~)。。。なので、別の方法で何とかして欲しい。。。というワケなのです。

くどいようですが、不動産登記はたまぁ~にやる程度のワタクシ。。。
それなのに、困ったときに頼ってくださるなんて。。。とっても光栄なコトですよねぇぇ~。。。ウルウル。。。

。。。というワケで、「分かりましたっ!!何とかしましょう♪。。。たぶんね。。。(~_~;)」。。。って感じでお引き受けしたのです。

次回へ続く~♪

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