司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

株式併合の端数処理 その7

2011年06月07日 | その他会社法関連

かくして(←突然!?)、端数相当株式の売却許可決定が申立てどおりに下りまして、関係者一同ホッ。。。っとしたわけです。
結局、税務のモンダイも絡んでいるし、その辺のこともよぉ~く裁判所に説明されたようです。
裁判所としては、結局、売却される端数株主サンがこの売却代金で納得しているならば良いか。。。。ということらしい。
ただし。。。これ、関係者が数十人(端数株主サン)ですので、このような結果になったと思われます。
ですから、「じゃ、当社もそれでっ=3」とは行かないかも知れません^^;

許可が下りましたので、「じゃあ、(第三者に)売却をしよう!」ってことになりまして。。。ワタシのところに「どうやって売却すれば良いのでしょうかねぇ??」 と、ご質問。
「普通に売れば良いのでは??」と思いましたが、やっぱり通常の売買とは微妙に異なるトコロがございます。

まず、売主は誰になるか。。。。?
これ、便宜、会社が売主(の立場)になります。 元の株主サンが本来は売主になるはずなのですが、共同で売主になるのは実務上困難なので、会社が代わりに売却するのでしょう(会社法235条2項)。
条文の解説(新基本コンメンタール 会社法Ⅰ P416)によりますと、商法時代、この株式の所有権は、過渡的に端数株式の株主サン達の共有に属すると解されていたそうで、会社法下においても同様と解されるだろう、との記述があります。
会社はこの株式の処分権限を持っているだけですので、便宜上、売主の立場になるのでしょうね。

そして、譲渡承認ですが、そもそも会社が売却先を決めていますので不要と思われます。
次に、株主名簿の書換請求(正しくは、「株主名簿の記載または記録の請求」)が必要になるか。。。ってことですが、これも不要なようです。本来でしたら、元の共有株主と買主さんの共同請求になりそうなのですけれども、便宜会社が売主になって売却していますから、会社法133条1項によって不要になると思います。

その後、実はこの会社サン、株式交換をする予定になっておりました(完全子会社側)。
当初、株式併合をする予定はなかったので、かなりキチキチのスケジュールを組んでいまして。。。
株式併合が株式交換に影響を与えるか。。。。つまり、株式併合の効力が発生した後なら、裁判所の許可前に株式交換して良いか?ってことがモンダイに。。。。

本当のところ、良く分からなかったのですけれども、売却許可というのは株式交換完全子会社株式についてされるものですよね!?
もし、許可決定前もしくは売却前に株式交換されてしまったとしたら、どうなるんでしょうか??
最終的には、株式を買った後、すぐにその株は株式交換完全親会社の株式に代わってしまうのですけれども、売却対象株式が完全子会社の株式から完全親会社の株式に自動的に変更される。。。。なんてことはないよねぇ~^^;

。。。というわけで、会社法上、株式交換ができない。。。って理論構成は出来なかったものの、どう考えてもムリそうだと思いまして、弁護士さんも同意見だったし(←ホッ)、売却後に株式交換の効力発生日を設定することにいたしました。
元々許可決定まで時間がかかることが想定されていたので、効力発生日は当初予定より1ヶ月半程度延びてしまいました。

出来ないなら出来ないなりのちゃんとした理由があるはず。。。今もモヤモヤしています。
そうそう、考えてみたら、買主さんは買った株式がすぐに株式交換されてしまうのですよね~。
今回は株主サンの一人が買主さんだったので、株式交換の説明はしていませんが(←当然知ってるからデス)、これも「いかがなものかな(-"-)」 と思ったりいたしました。

やっぱ、「端数」嫌いです!!

コメント
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