司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

特例有限会社の組織再編 その3

2010年09月09日 | その他会社法関連
株式交換の手続を開始するまでに有限会社が株式会社に商号変更していないといけない、というのは衝撃的でしたが(勉強不足でスミマセン)、不幸中の幸いというべきか、まだ何とか間に合う時期でした。

ところで、Q&Aに出てくる「商号変更後20日を経過していないと、株式交換の登記は受理されない」というヤツですが、Q&Aでは、この20日間というのは、株主の株式買取請求期間であって、総株主の同意があっても短縮できないから、20日間以上空いていなければならない、と説明されています。

そこで、このQ&Aの取扱いについて、法務局に電話してみました。
結果としては、変更はなく、このとおり運用されているというお答えでした。

あ~。。。そぉなんですか。。。。と思いつつ、また別の本を読んでいましたら、さらなる事実を発見ししました。登記専門誌には、「株式買取請求期間は短縮できる」とする記述があるようなんです。

そこでその記事を読みました(登記情報554号104頁)。
結論から言うと、20日間の期間は必要ないのだそうです。
この記事によりますと、株式買取請求権は株主全員の同意によって放棄できるんだそうです。ただし、その同意書については登記の添付書類になる、ということです。

結局、株式会社への商号変更の翌日以降を株式交換の効力発生日とすることができるそうです。な~んだ(^_^;)。。。じゃ、そんなに気にすることなかったかしら~。。。と思ったりもしましたけど、知ってるのと知らないのじゃ大きな違いですよね~。

それで、ここで気をつけたいのは、株式買取請求権の期間短縮だけ同意を得るのでは足りなくて、例えば株主総会の期間短縮の同意とか、手続上の必要日数が満たされていないことの同意が必要ってことですね。

ま、法定の日程で手続を行えば何の問題もないんですケド、結構、「早く、早くっ!!」ってクライアントさんは多いので、やっぱり最短日程は知っておいた方がベンリでしょうね。

それにしても、天下の○○法務局さんの職員さんも、この記事のことはご存知ないのは何故なんでしょう?
「モシモシ~。。。Q&Aは変更されてるって、どっかに書いといてもらえませんかねぇ~(^_^;)」←法務局へお願い

期間のことをもう少し掘り下げてみますと(?)、債権者保護手続のない組織再編では、同じような事が言えると思うんです。つまり、株券提出の手続や株式買取請求手続が必要なケースでは、契約締結とか取締役会決議との間がある程度空くはずなのですが、法務局ではそこまで確認されているのでしょうか?

例えば、取締役会で招集決定をした直後に株主総会を開催した。。。な~んてことはよくありますが、同意書なんてことは言われませんよね?

ちょっとイヤ~な感じだな~(^_^;)
実体上の手続をキチンと行っていれば、書類だけのことなので後から何とでもなるでしょうけど、でも、何となく気になりませんか??
コメント
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