孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

猛暑の北朝鮮では「首」をかけた突貫工事 数十年後には致死的な「熱波」が中国を襲うとの予測も

2018-08-04 22:50:20 | 環境
(今回、中国・華北平原に関する熱波予測を行った米マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究チームは、昨年は南アジアに関しても“地球温暖化に歯止めをかけるための対策を何も講じなければその高気温と高湿度がさらに進み、今世紀末までに人が生存できないレベルに達する恐れがある”とする研究結果を出しています。

上記写真は、水路で暑さをしのぐ人々。パキスタン・ラホールで(2017年6月4日撮影)【2017年8月3日 AFP】

何やら楽しそうですが、事態が進むと下記のような状況にも。

http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/150.html】)

世界各地を襲う猛暑
昨日(7月3日)は名古屋市で40.3度の最高気温を記録し、観測史上初めて40度を超えるなど、連日“猛暑”が続いています。もう、37度や38度は当たり前・・・といった感も。

私が暮らす鹿児島は、南国ながらも35度を超えることはあまりなく、40度の暑さというのは想像できません。

もの暑さは日本だけでなく、世界各地から“猛暑”のニュースが伝えられています。
欧州ポルトガルでは、45度を超えたとか・・・。

****欧州も猛暑 ポルトガルで45度超****
世界各地で猛暑となる中、ヨーロッパでも40度を超える日が続いていて、このうちポルトガルでは、45度を記録しました。現地のメディアは、ヨーロッパの最高気温の記録がおよそ40年ぶりに更新される可能性もあると伝え、住民や観光客に注意を呼びかけています。

ヨーロッパでは、アフリカから吹き込む高温の空気の影響で、各地で40度を超す猛暑が続いていて、このうち、ポルトガル中部の都市、アルベガでは、2日、45度2分を記録しました。

首都リスボンでも、3日に42度を記録し、郊外のビーチでは涼を求めて多くの人が訪れ、海水浴を楽しんだり、パラソルの下で休んだりするなどしてにぎわっていました。

また、スペインでも、3日、45度に迫る厳しい暑さとなり、道路工事の作業員など3人が熱中症で死亡しました。

ヨーロッパで、これまで最も高かった気温は1977年にギリシャのアテネで観測された48度で、現地のメディアは、週末にかけてさらに気温が上がることが予想されることから、この記録が41年ぶりに更新される可能性もあると伝えていて、住民や観光客などに対して、注意を呼びかけています。【8月4日 NHK】
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“海水浴を楽しんだり、パラソルの下で休んだり”で済むならいいのですが。

北朝鮮 農作物被害も 猛暑の中、命がけの突貫工事
日本を含む東アジア各国も、記録的な暑さとなっています。

核廃棄への対応が注目されている北朝鮮も首都平壌で8月1日、37.8度を記録、全国的に農作物被害が拡大しているようです。

****ここも40度超え! 北朝鮮が記録的猛暑で農作物に被害、食糧不足深刻化か****
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は2日、記録的猛暑で農作物が打撃を受けているとして「総力をあげて戦う」と宣言した。

猛暑による干ばつで「前例のない自然災害」が起きており、持てる力をすべて挙げて対抗すべきだと呼び掛けている。

北朝鮮では7月末以来、一部地域では気温が40度を超すなど記録的猛暑となっており、コメやトウモロコシといった農作物に被害が出始めている。

労働新聞は「秋に豊作となるかどうかは、今の熱波や干ばつを克服できるかどうかにかかっている」と訴えた。

同様の警告がすでに何度か行われており、国内の結束を呼び掛けるとともに、海外援助を求める意図もあるとみられる。

脱北者で北朝鮮問題専門家のキム・ヨンヒ氏は、たびたび異常気象に関する報道があることについて、自然災害への対応に限界があることを示していると指摘した。

北朝鮮では核問題を巡る経済制裁ですでに食糧不足が起きている。【8月3日 Newsweek】
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「今年の高気温はかつてない自然災害だが、克服できない困難ではない」(朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」)とのことですが【8月4日 AFPより】、灌漑等のインフラが脆弱でしょうから、そう言われても・・・・。

猛暑による農業被害・食糧不足の深刻化となると、思わぬところから核問題への対応に影響する可能性もあります。

金正恩朝鮮労働党委員長は、この暑さの中、精力的に視察に励んでいるとか。

****正恩氏、猛暑の中視察=トロリーバスに試乗―北朝鮮****
北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、金正恩朝鮮労働党委員長が「例年にない暑さ」の中、平壌のトロリーバス工場やバス修理工場を視察したと報じた。具体的な日時は伝えていないが、これら工場の現地指導は1月以来という。

厳しい制裁の下、人民の生活向上に配慮する姿勢を強調する狙いがあるとみられる。

正恩氏は新型トロリーバスに試乗し、「前回よりも内装の質などが向上し、騒音や振動が減った」と評価した。また、「老朽化した大衆交通手段を利用せざるを得ないわが人民に、不便な思いをさせた。タクシーが増えるのを見るたびに心が重かった」と心情を吐露、「今や展望が開け、本当に満足だ」と述べたという。【8月4日 時事】
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暑さの中、金委員長を迎える方は大変でしょう。
かねてより健康不安も伝えられる金委員長も、健康面へのダメージも懸念されています。

ただ、この猛暑の中で決められた工事期限をクリアしなければならない現場はそれどころではありません。文字どおり“首”がかかっています。

****金正恩氏の猛暑対策「昼に寝て夜に働く」でも効果なし****
(中略)
「首」を取られる心配
北朝鮮当局は、最高指導者の健康維持に万全を期しているものの、普通の人と同じトイレを使えないなど特殊な生活環境にある上、このところ建設現場や工場の視察を精力的に行っている金正恩氏だけに、猛暑からダメージを受ける不安はぬぐえない。

不安なのは、金正恩氏の健康だけではない。同氏は今年9月9日の建国70周年、そして10月10日の朝鮮労働党創建73周年を飾る様々な建築プロジェクトを進めているが、猛暑のせいで完成が遅れそうだというのだ。

デイリーNKジャパンの取材の取材に答えた平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋によると、「猛暑による熱射病で、今の病院の施設では収容しきれないほど多くの人が倒れている」有様だとのことだ。

さすがの金正恩氏も猛暑被害の報告に焦り、午前11時から午後4時までの野外作業を中止するように指示を下した。この指示は、先月18日に朝鮮労働党の中央、各地方の組織、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の各部隊に伝えられた。

指示に基づき、20日から建設、農業部門の労働者の作業時間、兵士の日課生活時間が変更され、作業時間は午前5時から11時、午後4時から6時までの8時間となった。

建国記念日に向けて建設が進められている咸鏡北道(ハムギョンブクト)の漁郎川(オランチョン)第5発電所。

北朝鮮メディアは先月、金正恩氏が現場を訪れて問題点を指摘、幹部を叱責したことを報じた。それもそのはず、現地の情報筋によると、まだ外壁の工事すら終わっていない状況だというのだ。

「一部施設の竣工は8月30日に予定されているが、暑さで昼間は作業が全くできない状況だ」(情報筋)

8月15日まで続くと予報されている猛暑のせいで工期が遅れれば、金正恩氏から厳しいダメ出しを食らった幹部らは、クビを飛ばされかねない状況だ。いや3年前に処刑されたスッポン養殖工場の支配人のように、本当の意味で「首」を取られかねない。

そこで現場では、昼を就寝時間にあてて、暑さが幾分やわらぐ夜に作業を行う措置が取られている。

本来、漁郎や清津(チョンジン)など咸鏡北道の海岸部は、オホーツク海高気圧の影響を受け、夏でも比較的冷涼な日が続く。韓国気象庁の天気予報によると、6日から13日までの清津(チョンジン)は最低気温20〜22度、最高気温28〜29度が予想されている。

平壌など他の地方と比べると涼しいが、これでも例年よりかなり高いのだ。そのせいで、夜の作業でも倒れる労働者が続出しているという。

「冷房がないため、昼間は暑くて寝られず、後方供給もまともに行われていないので、建設労働者はきちんとした食事もとれない。そんな状況で建設現場に追いやられている。そのため、涼しい夜の作業でも毎晩数百人が倒れている」(情報筋)

これは、党創建日までの完成を迫られている建設現場だけの問題ではないと情報筋は語る。わずかばかりの小銭を稼ぐために市場で商売している庶民の中にも、熱中症などで亡くなってしまう人が少なくないとのことだ。

北朝鮮では従来から、金日成・正日親子の誕生日や政治的に重要な日に成果として発表するために、無理やり工期を短縮する突貫工事「速度戦」が繰り返されている。

「中身はともかく、とりあえず速くできればいい」という考え方が蔓延しているのだ。そのうえ、実績作りばかり考えている幹部の「過剰忠誠」も相まり、事故が多発しているのである。【8月4日 デイリーNKジャパン】
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2070〜2100年に生存不可能なレベルの熱波が中国を襲うかもしれない
“本当の意味で「首」を取られかねない”北朝鮮の工事現場も大変ですが、もっと恐ろしい予想が出ているのが中国。

「2070〜2100年に生存不可能なレベルの熱波が中国を襲うかもしれない」とのこと。

****生存不可能なレベルの「熱波」、今世紀末の中国を襲う可能性****
2018年8月2日、環球時報によると、英紙ガーディアンは1日、「2070〜2100年に生存不可能なレベルの熱波が中国を襲うかもしれない」と報じた。

致命的なほどの熱波が襲うと予想されるのは、中国北部の華北平原一帯。世界で最も人口が密集する地域の1つであり、中国にとって最も重要な食料生産地でもある。

その原因は気候変動だ。二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に減らさなければ、ほんの数時間さらされるだけで人を死に追いやるような熱波が同地域を繰り返し襲うかもしれないという。

こうした予測をしたのは米マサチューセッツ工科大学(MIT)のエルファティ・エルタヒル教授。気温だけでなく湿度も考慮した湿球温度の指標を用いて予測した論文を専門誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。

温室効果ガスの最大排出国であり、世界最大の人口を要する中国の最も人口が密集する地域が最大の影響を受けることになり、その居住可能性にも影響が生じることになると指摘されている。すでにその痕跡は現れており、50年前から強い熱波の発生が明らかに増えているという。

エルタヒル教授は、中国は温室効果ガスの排出を抑制するとともに、人々の健康への対策を進める必要があると注意を促している。【8月3日 レコードチャイナ】
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気候変動のもたらす影響に加え、“華北平原は、中国最大の沖積平野で、人口およそ4億人を擁する人口密度の高い地域であるとともに、灌漑農業が盛んなエリアでもある。とりわけ、集中灌漑は、温度と湿度を上昇させ、より厳しい熱波をもたらすことがあるという。”【8月2日 Newsweek】という灌漑農業による大気中水蒸気変化などを定量化した数値モデルによる予測のようです。(あくまでも、ひとつの数値モデルですが)

“この研究チームでは、2015年10月に、カタールのドーハ、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ、ドバイなど、ペルシャ湾岸地域で2050年以降に厳しい猛暑が襲う可能性を指摘しているほか、2017年8月には、インドやパキスタン、バングラデシュといった南アジア地域でも数十年以内に厳しい猛暑が始まるとの予測を示していた。しかしながら、華北平原で予測されている猛暑は、ペルシャ湾岸や南アジアよりもリスクの高いものだと警告している。”【同上】

中東ペルシャ湾岸でも、南アジアでも、さらに深刻な事態が中国・華北片言でも・・・ということで、要するに、世界中で熱波が猛威を振るい、人が住めなくなる・・・・ということのようです。

温暖化防止のパリ協定を離脱したトランプ大統領は、この中国への破滅的な影響を狙っていたのか・・・というのは冗談です。おそらく、現在も高温・渇水に悩んでいるアメリカ中西部も同様の惨状になるでしょう。
一方、日本は殺人的熱波に襲われなくても、数十年以内に巨大地震で壊滅的な被害も予想されています。温暖化による海面上昇の影響も。

人類的規模の災難が数十年後に迫っているときに、本来は歴史認識だ何だで互いに足を引っ張りあっている場合ではないのでしょうが・・・現実に災いに直面しないと行動に移せないというのが人間の愚かさです。
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