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半藤、保坂「憲法を百年いかす」

2022-01-18 | 気になる本

保坂正康、半藤一利(2017)『憲法を百年いかす』筑摩書房

 2021年の総選挙で支持率の下がった菅総理をハト派ポーズの岸田氏に替え、改憲派は2/3を確保した。連合の横やりなどで政権交代はなく、野党4党の共闘を進めた枝野氏は交代した。維新が躍進し改憲が騒がしい。憲法のどこが悪いのか、先の戦争で日本人は310万人死に、侵略したアジアの人が2000万人死んでいる。日本は日清・日露戦争、台湾と朝鮮の占領支配、中国への侵略からアジアへ戦線拡大し、そして敗戦した。その反省の上に立って平和憲法がある。現憲法を理解するには戦争の歴史を正しく学ぶ必要があり、改憲論者のように歴史を捻じ曲げてはいけない。ここでは第3話 戦後と軍事と自民党からメモ書きする。(カッコ内は私のコメント)

 保坂 安倍首相やその同調者は「大東亜戦争」を肯定しているんじゃないか。侵略戦争であったとは言わないし、アジア解放のために日本が尽力した戦争だと考えている。

 半藤 戦争国家体制には4つの条件がある。1,昔は軍機保護法、今は特定秘密保護法。2,資源や労力を動員できる。昔は国家総動員法、これは緊急事態条項で狙っている。3,戦争に反対するものを引っ張る。昔は治安維持法、今は共謀罪法。4,メディアを抑え込む。共謀罪の中に密かに入れてある。

 半藤 自民党改憲案の98条と99条には頭にきている。憲法改正すると三権分立はなくなり、地方自治もなくなる。内閣がすべてを決める。首相が全権委任される。昭和の一番悪いところを復権させようとしている。

 半藤 従来の政府見解は1項、2項でも自衛隊は合憲だった。3項を創設しても矛盾はない。憲法学者の自衛隊違憲論を一挙に封殺したいから。公明党は加憲論である。(後法優先の原則があり、1項、2項が否定される)

 半藤 集団的自衛権による武力行使の容認、特定秘密保護法、通信傍受法改定、安全保障関連法など、5年間で安倍がやってきた。共謀罪法が施行され、緊急事態法が通せば、憲法はあっても無くても同じ

 保坂 4つの条件を押さえ、なぜ戦争のできる国にしたいのか。仮想敵国はどこなのか。北朝鮮か中国と闘うつもりなのか。(北朝鮮のミサイルや中国の台湾有事を煽り、「日米同盟の強化」で米軍に守って貰うことを幻想し、米軍に従属し、「抑止力」の名のもとに軍備拡大し、平和から遠ざかっている。核戦争に勝者はいない。マッハ5,10のミサイルが開発されている。ましてや敵基地攻撃能力は戦争へのチキンレースである。)

 保坂 憲法改正を叫んでいるのは安倍晋三のみ。中曽根すら、我が国の戦後の発展は、憲法のもたらした民主主義と自由主義によって発揮されたとしている。

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