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奈良町の暮らしと福祉

2008-03-16 | 気になる本
黒田睦子「奈良町の暮らしと福祉」東信堂、2006
 「奈良町は高度成長期に若者が去り、お年寄りばかりになった」。研究会を発足させたのは1979年である。著者は新聞で見て好奇心から会員になったのであり、「よそ者」を受け入れたところが素晴らしい。奈良町は89年に伝建地区の検討があったが、住民合意がえられなかったのは足助と同じである。登録有形文化財制度の活用を薦めたのは足助との違いである。「奈良町の原風景である率川の流れを再び取り戻したいと思うのは誰しもの思いである。水辺は町の生命であり潤いである。」として、水路の暗渠化には反対している。「87年、奈良市は建物の高さ制限を31mから40mに緩和を進めた。」が、西山卯三も奈良の建築高さ制限には、「歴史的景観とまちづくり」など論陣を張っていた。奈良まちづくりセンターは行政と住民との中間組織として、社団法人となっている。多様な人が参加し、楽しむ組織形態の最も学ぶべき点である。調査し、研究し、提案して行政を動かしてきたのである。瀬戸市の職員は世田谷と由布院と奈良に若い職員を2年間無償で、研修に送り込んでいたのである。世田谷のまちづくりセンターで、瀬戸市職員に会ったが、豊田市と大きな違いがある。アジアとの交流もあり、武漢市やハノイは行って見たい都市である。TMOは「地域住民の自発性、主体性がないまま進められても、『笛吹けど踊らず』になりかねない」とは、全く同感である。
人口減少、高齢化の中で、「居住福祉」の視点からのまちづくりは、足助に必要なことだと思います。この本は奈良の奈良市写真博物館で購入しました。奈良町はもう一度訪ねたいところです。
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