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日本の円安・物価高は止められるか!

2024-04-14 | 気になる本

河野龍太郎(2022)『グローバルインフレーションの深層』慶應義塾大学出版会①

 日銀は3月19日金融政策会合で物価上昇率2%が見通せるとして、マイナス金利をやめた。YCCもETF=上場投資信託とREIT=不動産投資信託の新規の購入も終了して、金融緩和の転換へ舵を切ったように思える。しかし、国債は買い入れるとした。円高に向かうと思えたが、1$153円と円安に向かい株価も上昇した。生活必需品、輸入品は上がっているし、賃上げは大手のみで定昇分を引けば物価上昇に追いつかない。円安やインフレを止めるには、日銀が利上げすべきだが政府と日銀の莫大な国債が持たない。

 本書はアメリカを中心にインフレの深層を丁寧に検証している。日本はアベノミクスの異次元の金融緩和、そして日銀のデフレ脱却で「物価上昇率2%」だけを追求してきたが、大企業のトリクルダウンはなく内部留保は増えても、国民の所得・消費は増えず経済成長は止まっている。借金先送り、経済・金融政策の失敗が、歯止めなきインフレを招くのではないか、というのが私の懸念と関心であった。問題点を指摘するが、各種政府の審議会などの委員のせいか遠慮気味である。河合小百合「日本銀行 我が国に迫る危機」、山田博文「国債ビジネスと債務大国日本の危機」の方が、現実味がある。軍事費拡大、少子化対策の財源論をどうするか、消費税か国債発行か富裕層増税か、日本はアルゼンチンの道か。財政の無駄は公共事業か、社会保障か、軍事費か、裏金かなど興味ある論点である。

現在興味のあるテーマの1つは、人口減少と少子化対策である。まずは、少子化対策に関する部分を紹介し、感想を次回書く。

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