磯崎、安藤、藤森、伊東(2006)『住宅の射程』TOTO出版
4氏は現代の著名な建築家である。今日に通じる気になった点を、以下にメモする。
磯崎新は丹下健三とル・コルビジェの影響を大きく受けている。『ル・コルビジェ』の中で、「建築家は今世紀にいたって、大都市に敗北した」、「大都市に挑戦したル・コルビジェの英雄的な行動への私なりの愛着がある」、「彼が推進した理想の未来都市と語られた『ユートピアの死』の両方を見てしまった」、「これらの死を発現させる元凶、大都市が、いま溶けはじめている」。(大都市は多様な魅力がある。しかし、掴み難い、棲みづらい。アジアの大都市、東京、上海、香港、バンコックなど超高層建築群は、形は違っても同じような顔に見える。地方に住む私は大都市に興味がわかない)。
住宅のパターンは全てnLDKで収まる。(なるほど、戦後の西山夘三の「食寝分離」から、今日に引き継いだ基本形だ)
住宅は建築じゃない。(立場によるが今でもテーマだと思う。住宅設計は型が決まっているから、自由度は少なく「組み合わせ」かも知れない。でも、地形、家族、資産など多様である。木造と違って壁式RCは自由度がます。コルビジェの時代から鉄骨、RC,EV,ガラスが普及し、特に高層への自由度が広がった)
(*都市にとって住宅は最も重要な要素である。単体と集団との関係をどう構成するか。産業、所得、家族、場所を背景に、個人やディベロッパーの自由に任せるか。ルールに基づく温もりのあるまちづくりをすすめるか。都市計画の文献が2000年頃に叫ばれたが、今も続く「規制緩和」の濁流の中、そんなまちづくり思想は薄れていると思う。)
(時の話題)
森友学園の国有地払い下げ問題。時価9億円が実質200万円で取得。アベ首相夫妻の関与が問題である。値引きの根拠が曖昧、資料を「廃棄」、大阪府の学校認可も・・・
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