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Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「バウンティーハンター」

2010年07月18日 00時24分33秒 | 映画(2010)
看板の魅力を最小化。


主演の2人は好感度が高いのに、まったく感情移入ができない不思議な映画だった。

とにかく性格が悪い。仕事優先でとげとげしい元妻・ニコール、自己中・ギャンブル好きのだらしない元夫・マイロ。

お互いに悪態を突くところだけ共感ができたが、なんだかんだ再び惹かれ合うのは予定調和と言いながらもまったく理解不能。

おまけにこの手の映画に不可欠なきらりと光る脇役もまったくいない。笑いを取る役として設定しているだろうニコールの同僚なんて、ただ悲惨な目に遭うだけでくすりとも笑えない。

これでは全米BOX OFFICEで大した成績を残せなかったというのも十分理解できる。

それにしても、「好感度が高い」と言ってみたものの、G.バトラーにしてもJ.アニストンにしてもこれでいいのだろうか。

ラブコメをするなとは言わないけれど作品は選んだ方がいいでしょ思った。

(40点)
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「トイストーリー3」

2010年07月14日 23時12分13秒 | 映画(2010)
運命を切り拓く先の「さよなら」。


10年以上の間隔を置いて公開されたシリーズ最新作は、半ば運命づけられていた最終作である。

「2」でもカウガールのジェシーを通して描いていた子供時代との決別に今回は真っ向から向き合った。製作側は強い覚悟で脚本を練りに練ったことだろう。

ラスト10分くらいの物語は評判どおりの素晴らしさだ。そこに至るまでの展開もよくできている。

しかし、本作は冒頭から「別れ」を前面に押し出していることもあり、全般を通してある種の寂しさを感じながら観ざるを得なかった。

楽しいのが当たり前のアニメ作品としては異例であり、作り手は相当苦労したことと思う。

個人的にはバズの長押しや復活などに強引さを感じる部分もあったものの、その点は、むしろ「別れ」の話によくぞ笑いを取り込めたものと感嘆するべきなのかもしれない。

余談だが、このバズの見せ場が吹替え版でどうなっているのかが非常に気になった。西語独特の調子を吹替えで表現するのはまず無理だから、原語のまま流していることを祈る。

もう一つ気になったのは、敵役扱いとなったストロベリーの香りがする熊のぬいぐるみ・ロッツォだ。はじめから怪しいキャラではあったが、辿る道はもう少し違えてほしかった。

エンドロールでもハッピーエンドの回収を丁寧にしておりほっこりさせられたものの、ロッツォは(確か)登場せず。個人的に残念に思った。

いずれにしてもウッディやバズと会えるのも最後なんだなって思いながら観ていたら、3-Dの眼鏡はあまり気にならなかった。裏を返せば、3-Dである必要性もあまり感じられなかったわけだが。

いつものことながら、同時上映の短篇は今回もおもしろかった。発想もさることながら、さりげない絵づくりに唸らされた。

(80点)+5点

7月18日、子供と一緒に吹替え版(2D)で再度観賞。2度めは気付くところも多く初回よりも感動しました。

異例だけど点数変えます。歴史に残るシリーズへの敬意も込めて(8月29日再改)。
コメント (5)
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「劇場版ポケットモンスターダイヤモンド&パール 幻影の覇者ゾロアーク」

2010年07月10日 13時34分24秒 | 映画(2010)
何故かいつも欧州風舞台。


相変わらずポケモンの映画はよくできている。

男児向けのアクション、女児向けのキュートさを備えつつ、説教臭くなることなく不変の道徳的な主題を盛り込む。

毎回訪れる街の風景は外国取材に行ってまで丁寧に練り込んであって非常に綺麗だし、キャラクターインフレの権化とも言える圧倒的な数のポケモンたちの扱いも手馴れたもの。

特に今回は、以前劇場版の主役として登場した伝説のポケモンに再度スポットライトを当てるなど、むしろキャラクターへの愛情が感じられて良かった。

新登場の伝説のポケモン・ゾロアークとゾロアもこうしたシリーズの基本を踏襲しており安定感は抜群。

見たものに姿を変えられるって今までになかったっけ?と思うくらい馴染んだ設定で、サトシやヒカリに化けたゾロアがしっかり笑いを取っていた。

なんでも今回はダイヤモンド&パールシリーズの完結篇だそうで、秋からはゲームはBlack&White、アニメはBest Wishesというシリーズに生まれ変わるらしい。

まあ完全新作とは言えども、突然サトシやピカチュウが消えることはないだろうし、本作のようなテイストが残り続けるうちはシリーズの安泰が揺らぐことはないでしょう。

(75点)
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「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」

2010年07月07日 22時51分41秒 | 映画(2010)
反省しないサル以下のぼくらへ。


相当お下劣という評判を聞いていた。初登場でいきなりお尻丸出しのアランを見て嫌な予感が走った。

満席の観客から笑いが起きても何か無理やり感があってノレない。今の場面、そんなにおもしろくないじゃん。

米国のおバカコメディといえばこのまま堕ちっ放しなのが定番であったのだが、しかし意外なことに、このどうしようもない男たちは見れば見るほど愛着が湧いてきてしまった。

確かに下品なんだけど何処かかわいい。この紙一重の差が何なのか解説する術はないが、そう思っちゃったんだから仕方ない。

彼らに降りかかる身に覚えのない過去の所業。トラ、赤ちゃん、パトカー、マイク・タイソン、中国マフィア? 一つ一つが突拍子もないのだけど、きちんと繋がっているところがおもしろい。

そして一つ一つの謎を解く度に襲う悲劇。文字通り体を張って受け入れざるを得ない苦痛。

まさに二日酔いの代償。そっか、同胞意識が作品への思い入れを呼んだのか。

物語の軸となる新郎ダグの捜索も、謎解きとまではいかないまでも、何度か外された上の解答には唸らされる。

しまいには結構笑っていた。彼らと一緒にハッピーな気分になっていた。

1,000円デーの渋谷は満席で久々の立ち見。半券も発行されず観賞の記録がまったく残らなかったけど、映画の彼らとは逆に記憶にはしっかり残すことができた。

(90点)
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「レポゼッションメン」

2010年07月04日 02時55分31秒 | 映画(2010)
物語も回収。


はじめは結構ダメダメな要素が蓄積していた。

妻のキャロルが仕切りに「販売員に」と促すが、それは家庭を顧みない父親を戒めたのか、REPO-MENという職種自体に嫌悪感を抱いていたのか。

前者ならレミーの立場への理解がなさ過ぎだし、後者であれば販売員になったとしても仕事の忌わしさが変わるわけではなく、むしろ手を汚さない分罪深いかもしれない。

底の浅い設定なのか、敢えて偽善的な人物に描いているのか。

ヒロインとなるベスとの出会いは、レミーと同僚ジェイクが立ち寄ったバー。ベスの歌声にレミーが聞き惚れるのだが印象は唐突だ。

出逢いが唐突なら、2人の逃亡劇の始まりもいきなりの変速である。「助けてくれなんて頼んでない!」と怒っていたはずがあっという間に熟練のパートナーになってしまう。

ジェイクの裏切りは想定内だし、息子ピーターが母親をテーザーガンで撃ってしまったときは、どうなってんの?これと思ってしまった。

でも、これは最後の最後で覆る。

どこかで見たような気もするが、このどんでん返し、いや回収はなかなか心地良い。

レミーに対するジェイクの歪んだ愛情ぶりも、裏切り者から本当はいい奴へ振っておいて、最後に微妙なねっとり感に至るのだが、F.ウィテカーが抜群の存在感でしっかりとした印象を残している。

やっぱりSF・近未来系はこうじゃないと。

ぎりぎりのところで良作に踏みとどまった感じだ。

(75点)
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「ザウォーカー」

2010年06月20日 00時43分59秒 | 映画(2010)
心眼一刀流師範代が強いのなんの。


宗教観というのは語るのが非常に難しい。

宗教観が違う人とは、もはや次元が違うとしか言いようがないほど相互理解が進まないことがままある。

戦争や紛争の原因の多くが宗教という印象があるが、しかしその一方で、信仰心は時に自分が持つ数倍もの力を発揮させてくれる原動力にもなってくれる。

その本があれば、人々をいとも簡単に統治することができるのに。

G.オールドマン扮するカーネギーの思いである。しかし宗教観にうまく自分を委ねられなければ、振り回された挙げ句に周りを混沌に巻き込んでしまう。

本作のオチ(2点)は結構飛び道具系であるが、語るのが難しいはずのテーマを強引に落とし込むのはさすが米国産映画だと思った。イーライって・・・だったの?

結局よりどころはないとダメでしょ。悪い輩は報いを受けましょう。そんな感じ。

腑に落ちない気もするけど、別に毛嫌いするほど居心地が悪いわけでもない。

(65点)
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「クレイジーハート」

2010年06月19日 00時40分28秒 | 映画(2010)
保守本流にとっての明るい明日。


米国といえば自由の国。あとのイメージは歴史が浅い、人種のるつぼ、そして好戦的。

おおよそ保守と縁遠い言葉が並ぶが、しかしなんだかんだ言ってこの国、むちゃくちゃ保守王国である。今でこそCHANGEの人が大統領を務めているものの、根強い保守勢力にかなり押され気味という話もよく聞く。

音楽はといえば、ヒップホップ系全盛の中にあっても必ずカントリー系にメガヒットが生まれている。対極とも言えるオルタナのチャートにBON JOVIが入っていたりするのも保守的な嗜好の表れに見える。

本作の主人公はかつてのスター歌手バッド・ブレイク。ヒットから遠ざかる彼が刻む日常は、ステージとも言えない場末の営業の連続である。

生き方をなかなか変えられない不器用な姿は、言うまでもなく昨年の「レスラー」と被る。キャリアに疲れる中で家庭に安息を求めようとするところまで似ている。

しかし実際の中身は大きく異なる。

何よりバッドはまったく孤独じゃないのだ。

家がある。親身になってくれる友人がいる。管理してくれるマネージャーがいれば、過去にわだかまりがあったかもしれないが尊敬の念を口にしてくれる後輩もいる。

バッド自身も案外頑なではない。「あいつの前座なんて」とはじめは言いながらすぐに折れるし、がさつではあるが決して粗暴なわけではない。

そんな彼に結末は多少のほろ苦さを湛えた上で優しく微笑む。

そんな簡単に病を克服できるのかなんて声も出るかもしれない。甘いのは承知の上だが、優しい陽射しの下での再会の場面は、それこそカントリーソングのように穏やかで心地良い。

きっといいことがあるから明日も頑張ろうと単純に思ってしまった。

アカデミー主演男優賞を受賞したJ.ブリッジスは、予想していたとおりの「ど」が付くハマりぶり。もう生まれながらのカントリー歌手と言ってもいい。

逆に可笑しかったのがC.ファレルだ。出ているの知らなかったから、あのE.イグレシアスばりの濃いラテン風の風貌とスーパースターのギャップに思わず受けてしまった。歌は上手かったけどね。

M.ギレンホールは生活臭漂う泥臭いヒロインが合っていた。「ダークナイト」の違和感はまさにこの役との距離に相違ない。

(80点)
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「アイアンマン2」

2010年06月13日 08時29分29秒 | 映画(2010)
中継ぎとしてそこそこ。


低迷から這い上がって、今やキャリアの最高潮にあると言っても過言ではないR.ダウニーJr.。今回は同じく浮上のきっかけを掴みこれから這い上がろうとしているM.ロークを敵役に迎えた。

年齢や境遇は違うが一度底を見た人間の強さと言うのだろうか。存在自体の重みが作品に安定感をもたらしている。

トニー・スタークのヒーローらしからぬ自堕落ぶりが魅力的に映るのもダウニーJr.が演じていてこその話。まあ、実際にあんなヒーローだったら、公聴会で吊るし上げを食らうのも無理はない。

敵役・イワンはロシア人の設定。あまりしゃべらない。トニーとの絡みも、予告でさんざっぱら観たカーレースの場面を含めてそれほどない。

「おまえの負けだ」と余裕の笑みを浮かべたままの退場はもったいない気がした。M.ローク、これからです。

恋愛か仕事か微妙な立ち位置からトニーを支えるパートナーを務めるG.パルトロウはこれまた安心の配役で健在。

ここに今回はアベンジャーズのエージェントとしてS.ヨハンソンが参戦。色香とアクションでグウィネスの不足部分を補填。

スターク社の同業者でトニーをやっかむ軍事企業のオーナーにS.ロックウェル。器の小さい男を妙演。

見渡せばかなり豪華な出演陣で、この辺はいかにも続篇である。

でも、当たり前と言えばそれまでだけど、前作の「誕生」に匹敵するドラマ性を出すのは難しい。

アベンジャーズに結びつくエピソードも、米国本国やコアなファンにはたまらないのだろうが、個人的にはこの世界にずっとついて行けるのかと不安になるくらい。

アクションもやたら派手ではあるものの、レイトショーで眠いことも手伝ってやや冷めた目で見てしまった。

(60点)
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「マイブラザー」

2010年06月12日 00時22分41秒 | 映画(2010)
戦場は時に死よりも過酷な生をもたらす・・・ってことで。


100%作品が悪いわけではない。

予告を何度も観た後では、T.マグワイアがいかに優しい父親を演じていても、これ後でキレちゃうんだぜって思ってしまうのは仕方のないところだ。

でも、それを差し引いたとしても、やっぱりこの話は気に入らない。

まずは弟・トミーだ。

刑務所から出てきて、最初の家族そろった食事の席では激昂して子供たちを怖がらせた彼だが、不意にするっと更生してしまう。

もちろん自分を省みるきっかけになる場面はあるのだが、それにしても前後のトミーがあまりに違い過ぎて開いた口が塞がらない。

それに合わせるように子供たちは彼にすっかりなつき、義姉であるグレースまでが「なついて」しまう。おやおや。

その割りに、トミーがまともに仕事してる様子が映されてなかったりするので、これで更生していることになるのかますます分からない。父親が台所のリフォームを褒めていたが、あれでお金稼いだわけでもなかろうに。

その父親も問題で、兄・サムとトミーに対する偏見に満ちた差別発言はそれは酷いもので、トミーだけでなく兄弟双方に同情したくなる有様。

そんな酷い父親だから、何か最後に思い改める機会でもあるのかと思ったら、おとがめ一切なし。

最後はサムだ。

彼を変えてしまった事の次第を描こうとした勇気は認めたいが、悲しいかなあまり伝わってこなかった。

「なぜ助けたんだ!」という台詞をそのまま使いたいくらい、二等兵・ジョーの存在がとってつけ。おまけにその奥さんがなんか知り合いだったり。

こんなところにばかり目が行ってしまうようでは、作品の機微をどうこう言う段階には至らないわけで、子役などはがんばって演じていたけど、とにかく残念でした。

(30点)
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「告白」

2010年06月05日 23時26分24秒 | 映画(2010)
過酷という種類のエンタテインメント。


「嫌われ松子の一生」が06年2位。「パコの魔法の絵本」が08年1位。

競馬予想で言えば連対率10割、本命ぐりぐり二重丸の中島哲也監督作品と来たら、期待しないわけがない。

しかし果たして、その大きな期待を決して裏切らない、というよりも、またあらぬ方向から強烈な一撃を打たれた。簡単に言えばそんな作品だった。

宣伝の中では、「いのちの授業」なんて言葉が見られるのだが、観終えると単純にそんな話なのかなと疑問が湧く。

突き詰めていけば少年の狂気のお話だし、物語の背景もそれほど目新しいものがあるわけでもない。気味悪いクラスの雰囲気もややステレオタイプだ。

何より犠牲者はためらいなく出てくるし、主人公の教師の信念が「復讐」である以上、命の大切さと真っ直ぐに言ったら上滑りしてしまう。

ただ観続けるほど入り込んでしまう。理由を考えればそれはただ一つ、やはりこれは復讐を描いた娯楽作なんだと思う。

そう考えると、中島監督と相性が悪くないことも十分理解できる。

さすがに、これまでの作品と比べると色調は全体に抑え気味の感はあるが、それでも映像と音楽のメリハリの効き具合が心地良い。

たとえば冒頭の森口の告白の場面。

淡々と独白を続ける教師、単純に無視しているのではなく半分は聞こえていている生徒。これだけで作中における両者の立ち位置をあっさり描き切っているし、時折挟み込まれる短い映像が、微細な緊張感とともに話の鍵となる物を確実に伝えている。

スロー、リピート、逆回し。正攻法な手法も多用。特に終盤の爆発の場面では、大きな力に押されるように観ている側は溜飲を下げる。

「いのちの授業」じゃ、すっきりしちゃいけないでしょ。と思いかけたところに森口の最後の言葉。

主演に松たか子を選んだのは正解だった。凛とした中に、覚悟の毒を持っているたたずまいが素晴らしい。

子役たちも熱演だった。秀才も凡人も誰もが過酷。よく耐えてよく演じた。

Radioheadも良かったね。

(95点)
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