日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

妻が椎茸だったころ

2017-07-24 | リブレリア
占いは気にしだすと止まらないのだけど、うっかりを注意とか、人に優しくとか日頃疎かにしがちな事に対しの注意喚起だと思えばなかなかありがたいもので、ずどーんと分かりやすく落ち込んだ日に挨拶は元気よくとかいわれちゃうとACの広告より説得力があって困ってしまう。
ジャングルで生き抜くサバイバーには、時に灯りとなり、矢印となる(かも)占い。

VOUGE girlで連載のしいたけ占い
内容が前向きで気に入っている。



時に膝をうつような的確な日本語はもやもやによく効く。
言い表せないような微妙な倦怠感に病名が与えられるてスッキリみたいな。
病名がわかれば手のほどこしようもきちんとあるわけで。

あんまり得意ではない椎茸だけど、椎茸すばらしなどと思いつつ、なぜに椎茸なんだとも思うのだ。キノコという言葉のメルヘンさを差し置いての椎茸推し。
キノコ占いならぬしいたけ占い。
地味ながらの存在感では一理あるか。
さて、そんな椎茸のはなしを一歩進めて、さらに一歩先をゆくはなしへ。


中島京子著 妻が椎茸だったころ



あたしは椎茸だったこともなければ、椎茸だった記憶もないのだけど、不思議なタイトルのこの一篇は確かに妻が椎茸だったころの話で、実によく椎茸の味わいがきいている。
サーロインでもなく、白菜でもない、椎茸。
タイトルの妙で手にとったことも鑑みれば、椎茸がじつによい仕事をしている。
派手さはないけど、特有の旨味が地味滋養となって、出汁を丁寧にとった煮物みたいな味わい。
もちろん干し椎茸の戻し汁がポイント。
地味な和食こそ手間がかかるのよね、実は。
そんな味わいの美味しい小説。


椎茸ギライのしいたけ話。
こんな椎茸なら食べず嫌いは勿体ない。
召しませ 椎茸!
コメント
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