日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

生き急ぐのこと

2010-11-26 | リブレリア
本を読み返すことは宝探しと初恋の思い出に似ている。

活字の海から貴重な言葉を探す様なもの。
そして褪せない鮮烈さに出会うこと。
幼い恋のお相手に出逢ったら記憶の君以上だったという感覚かな。

同じ経験を再び感動をもって味わえるといのは類いまれで貴重な経験に違いない。



このところ折りにふれ、気になっていた本を読み返す。
宮城谷昌光著 華の歳月

「生き急ぐ」
死に急ぐという言葉は知っていたけど、この小説で初めてみる言葉。
人として行き着く所が同じなら生き急ぐも死に急ぐも結果は同じだと思うのだ。
ただ、この言葉が重く心に残って早数年。
その間、まさに「生き急ぐ」人に何人も出会う。
うまく説明出来ないけど生き急ぐとはこういう人のことだなあと思ったりしたりして。

やはりこの言葉に出会いたくて再びページをめくります。

生に執着するでもなく
刹那でもなく、
生き急ぐということ。

生き急ぐからこそ悩みは増える。

本当はあせらず、
くさらず、
あくせくせずで生きて行くのが理想なんだけどね。
なかなか、それも難しい。
だからこそ人は本を読むんだろうか?


大切な本とは生き急ぐ自分の小さなブレーキ。
振り返り、確認して、時に立ち止まる。
再読のススメ


アクセルを踏み込むよりブレーキをタイミングよく踏む方が難しい。
かっ飛んでいるあなたにブレーキを。
安全第一、再読、再確認のススメです