原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

一瞬にして崩壊した新幹線安全・確実・快適神話

2015年07月02日 | 時事論評
 去る6月30日に発生した 新幹線内焼身自殺事件 報道に触れた瞬間、“これ、実に参った…”なる衝撃的感覚を抱かされたものだ。

 と言うのも、つい先だっての「原左都子エッセイ集」4本前のバックナンバー 「列車を乗り継ぐ旅に出ます」 内で、新幹線を含めた列車旅の確実性・快適性に於ける(航空便に比しての)優位性に関し綴り、鉄道旅を褒め称えだばかりだからだ。

 しかも、6月23日(火)に新幹線のぞみ号にて旅に出た私だが、おそらく今回焼身自殺火災事故が発生したのぞみ225号とは、私が利用した博多行の1本前に東京駅を発車した車両であろうと推測する。
 もし旅程が一週間ずれていたならば(出発は火曜日と決定していた上に、娘の就活の都合次第では6月30日出発の可能性も十分あった。)、必ずや火災事故に巻き込まれ、おそらく新横浜辺りで足止めをくらっていた事だろう。

 そんな理由の下に、まったく他人事ではない感覚で6月30日の新幹線火災事故の実況中継をテレビニュース報道にて見守った。


 既に皆さん、当該事件の事は十分ご承知であろうが、ここで今一度新幹線内火災事件に関して各種情報を引用しつつ振り返ってみよう。
 東海道新幹線の車内で男が焼身自殺をして乗客ら30名程が死傷した事件で、国土交通省は1964年に東海道新幹線が開業して以来初の「列車火災事故」と認定した。 警察は7月1日、火をつけた男の自宅を殺人と放火の疑いで家宅捜索する方針。
 事件があったのは6月30日午前11時半頃。 神奈川県小田原市内を走行中の東海道新幹線「のぞみ225号」の車内で、男が油をかぶり焼身自殺をして火災が起きた。 容疑者は71歳職業不詳の男性。 
 同じ新幹線に乗り合わせ巻き添えになって亡くなった横浜市の女性は、容疑者とは無関係とみられる。
 小田原市消防本部によると、ほかに1歳から65歳の乗客乗員26人が負傷、中には重傷者もいる模様。

 更に、本日(7月2日)付ネット上情報より引用すると…
 東海道新幹線の放火事件で焼身自殺した容疑者(71)が車内に持ち込み火を付けた液体はガソリンだったとの検査結果が出ていたことが2日、消防関係者への取材で分かった。 神奈川県警は密閉された車内で引火性の強い液体に着火した行為には、乗客が巻き添えで死んでも構わないという「未必の殺意」があったとみている。
 容疑者男性は始発の東京駅から、ポリタンクをリュックに隠して乗車。 県警は2日、ポケットに入っていた乗車券は通過駅の掛川(静岡)行きだったことを明らかにした。


 ここから、原左都子の私事及び私論に入ろう。

 6月30日昼頃、ちょうどNHKテレビの画面を付け、天気予報と昼のニュースを確認しようとしていた時に、その前のバラエティ番組内でニュース報道が入った。
 その速報及び実況映像によると、どうやら新幹線のぞみ号内で火災が発生しているとの事だ。 確かに映像内では白い煙が新幹線から出ている様子が確認出来るのだが、当時の私見としては「恐らく老朽化している新幹線のぞみ号内の電気系統か何かが故障し、少しばかり発火したのだろう」との印象を受けた。
 その後直ぐのNHK昼のニュースでも、新幹線火災事故に関する扱いは手薄だった。 おそらく私見同様、単に新幹線内でのちょっとした設備トラブルとして処理したのだろう。

 ところが、その直後にニュース内容が一変するではないか!
 なんと、新幹線内で男女二人が心肺停止状態との事だ。 しかも男性の方は油を被り自身で火を付け、女性の方は後部トイレにて大音量が響いた後心肺停止との報道だ。

 そのNHKニュース報道を見聞した私は咄嗟に、国内幹線動脈である新幹線を利用しての「自爆テロ」 を勘ぐった。
 (ここからは単なる推測私論に過ぎなかった事を先に明記しておくが)
 2020年東京五輪が近づきつつある現在、開会式に使用する新国立競技場建設を巡り、国家(文科相)が墓穴を掘りまくっている現状だ。  900億円もの追加予算を計上せねばならない醜態。 しかもその一部を東京都に依存する体たらくぶり。 この責任のすべてが安倍政権にあるはずだ。 にもかかわらず、下村大臣は“建設費が高騰した”とマスメディアにて嘘ぶく始末…。 その元凶はアベノミクス経済政策の失敗だろうが!!と声高々に叫んだとて届かない現在の自民党政権の“血迷いぶり”には、この私とてテロでも起こしたい思いだ。
 しかもしかも、更には安保関連憲法に関する国会強行採決…  こんな自民党政権の暴走を許しておいたなら、我が国も現在のギリシャのごとく、2020東京五輪後には財政破綻に陥り、若者達が暴動を起こすに決まっている!


 ただ今回の新幹線事件に話を戻すと、犯人の意図はそうではなかったようだ。
 そうは言えども、新幹線内焼身自殺犯人が抱えていた事情とは、年金受給年代にして貧困に耐える日々だったとの事だ。 
 それは我が身も同様だ。 現役時代に精一杯精進・努力した身にして、何故これから先にこれしきの微々たる年金しか受給されないのかと、私とて怒りに満ち満ちている!

 ならば、違うテロ対策があったはずだ。 
 「テロ」との言葉は度が過ぎるとしても、年齢を重ねた人間どもが国家に異議申し立てする手段は他にもあろう。 
 それを、今後年配者達で培おうではないか?!

 来る2020年東京五輪後、ギリシャのごとく我が国の若者達に暴動を起こさせるより、現在比較的高額の年金を享受出来ている日本国内高齢者達こそが、お国の政策の行き過ぎに対して異議申し立てするべきだ。

 底辺労働者及び身の程知らずの若者達に「未必の殺意」判決を国家から下させる以前の問題として、この国を真に守るため、年寄り連中達こそが正当な手段で国家に反旗を翻そうではないか。

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