原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

“内定取り”を焦るより、就職先は自力で選別・決定しよう

2015年05月15日 | 仕事・就職
 今春大学4年に進級した我が娘が現在「就活」真最中につき、街に出るとどうしてもリクルートスタイルの女子学生に真っ先に目が行く。

 昨日も上野まで美術鑑賞に出かけたのだが、いるわいるわ、あちらこちらにリクルート娘が。
 黒スーツ姿の女性は何も就活以外にも珍しくはないのだが、どういう訳か就活娘達とは目立つ存在である。 スーツが真新しいせいか、あるいは社会人として経験を積んでいない女性達とは、良く言えば“フレッシュ”かつ“世間ずれしていない”、悪く言うとスーツ姿が板についておらず“未熟さ”“ダサさ”が目立つ故だ。

 そんな中、(親の欲目以外の何物でもないが)我が娘のリクルートスタイルは板についている?!?
 と言うのも、親の私が娘に着用させるスーツを厳選したのが一つの理由だ。 とにかく娘の体型に合うリクルートスーツをパーツごとに根気よく選んだ。 それに加えリクルート講習をも受講させて、リクルート化粧やヘアスタイルもバッチリ決めさせている。 
 (そんな陰なる努力が実を結ぶか否かは、親の力が及ぶ範囲でない事ぐらい心得ているが…) 

 それにしても、何を考えてるんだ?! と言いたいのは、就活に友達と一緒に出かけているらしき女子学生連中だ。 たまたま目指す企業が一致しているのかもしれないが、そうだとせよ集団で徒党を組んで就活に出向くメリットがあるとは到底思えない。  混雑した電車内で周囲の迷惑も顧みず集団でくっ喋りつつ就活する主体性なき女子学生を、採用したいと思う企業があるのかどうか…


 話題を大幅に変えよう。

 現在NHKにて放映中の連続テレビ小説「まれ」は、どうやら放映後1ヶ月半にして視聴率が低迷状態であるらしい。 それもそのはず、とマイナス面で納得している私である。
 放映前の裏情報によれば、今回の連続テレビ小説は定例のごとくの“若い娘のドタバタ劇”を取り止め、主人公の成長を地道に丁寧に描くとの前評判だった。
 ところがいざ蓋を開けてみると、何の事はない。 これまた日々出演者全員による“ドタバタ劇”が繰り広げられる始末…   貧乏一家にして「地道にコツコツ」がスローガンのはずが、主人公のまれは日々走ってばかりで落ち着きがない。 こんな主人公が何故高卒時点で輪島市役所職員として採用され得るのかのバックグラウンドの描き方も中途半端。 更にはせっかく採用された市役所を1年足らずで退職する始末…
 如何に贔屓目に考察しようが、娘の給与をあてにしている貧乏一家にとって、娘側に公務員を退職するとの身勝手な行動が許される訳がない。 元より“能力不足一女子”に次なる道程が保障されているとも到底考え難い。 善意に解釈するなら、まれの公務員就業に当たっては、塩づくりに励む輪島市地元の桶作家のコネがあったのかもしれない。 それにしても就職後1年足らずで桶作家の顔に泥を塗り、横浜へ旅立つとは何事か!
 もっと呆れたシナリオ展開は、昨週 まれ のパティシエ祖母がフランスから帰国した場面だ。 結局そういう事なのねえ…、と呆れ果てるしかない。
 NHK連続テレビ小説とはいつもこうだ。 せっかく主人公が貧乏にめげず励んでいても、そこにひょっこり世界的成功を遂げている親戚類等が登場する。 これぞ愕然とさせられる。「地道にコツコツ」へったくれも何もあったものではない。 原左都子に言わせてもらうならば、物語のすべてがこれで帳消しだ…。(だから、視聴率が下がるんだよ…。

 それでも私は、一昨日視聴したNHKドラマ「まれ」のストーリー展開に“一抹の光”を見た思いである。
 それは、主人公 まれ が横浜に出て、ケーキ屋に就職しようとしている場面だ。
 まれは、そのケーキ屋で一切れのケーキをご馳走してもらえる事態と相成った。(実際の就活場面では到底あり得ない風景だが。)  出されたケーキを食した まれ は首を傾げる。
 結局、まれにとってその店のケーキの味が自分が目指す道とは違うと推し量ったようだ。 すぐさま、店への就業を まれ 側から断り、横浜中のケーキ屋を彷徨う。
 そして出会ったのが主人公 まれ が目指す横浜のケーキ屋との、現在までのNHKドラマストーリー展開である。 (“ミラクル虚像”もここまで描けば、視聴者として賛同可能なのかなあ…)


 話を大学生の「就活」に戻そう。

 我が娘が就活関連諸機関より入手している一般書類を垣間見ると、どうやら現在の大学生とは「自分が目指す企業から如何に“内定をいち早く取れる”か!」こそが最大の命題の様子だ。
 片や娘が通っている大学は女子大学のためか、学内でさほどの「内定取り競争」の話題は出ない様子だ。 加えて娘が通学している女子大学はある程度の専門性がある故に、卒業後「家業を継ぐ」学生も少なくなく、将来の就業先が多岐に渡っているのも特徴である。

 我が娘の就活は、そんな事実が幸いしているとも表現可能だ。
 今に至って、娘に一切の“焦り”がない事実に親の私こそが安堵させられる。 それよりも娘が大学4年に至り、初めての経験として「就活」を“楽しんでいる”とも伺える様子に拍手すら贈りたい思いだ。 
 確かに、「就活」とは楽しい事象かもしれない。 私など(亭主も含め)就活経験が一切無く(元よりそれを経験せずに済んだ)専門職種に就業している。
 NHK連続テレビ小説主人公の まれ や我が娘を見ていると、私も就活をして、こちらから就職先をバッサバッサと次々斬り捨てつつ、自分の人生を決めたかった思いすら抱く。


 現在の大学4年生の就活とは、これから夏に向けてが本番である。
 我が娘よ。  決して、くだらぬ「内定取り」を急ぐでないぞ!
 貴女には両親ほどの“決定的専門資格”がない事こそを武器として、今後共自分に見合った就業先を自分の力で見定めるとよい。

 今後共、母は貴女の就職先選別・決定力を信じ、応援しているよ!

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