(写真は、仁川『インチョン』国際空港へ向かう高速道路から撮影した北朝鮮との国境付近。 写真中央遠方に見える山脈の向こうが北朝鮮。 撮影場所から車で1時間もあれば行ける距離だそうだ。 ちなみに北朝鮮による韓国哨戒艦撃沈事件は、写真の西側の黄海で起きたとのことである。)
今回のソウルツアーガイドであるキム氏の一番のお勧めオプショナルツアーは「板門店観光」とのことだった。
板門店と言えば、韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある停戦条約が締結された村である。 この地で朝鮮戦争の停戦条約に調印されたのは1953年の事であるが、北朝鮮と国連軍との間における「停戦」状態は今現在も続行していることについては皆さんご承知の通りだ。 すなわち北朝鮮と国連軍(及び韓国)との戦争は今尚終戦を迎えていない現状なのである。
板門店はドイツのベルリンの壁と並んで世界の“冷戦の象徴”とされてきているが、ベルリンの壁の崩壊と共に世界のほとんどの国や地域で冷戦が終結した今日尚、この地は「板門店」という“冷戦の最前線”を抱えるという厳しい現実にあるのだ。
この「板門店オプショナルツアー」に参加するには、種々の条件がある。 日本人の場合は比較的参加し易いのではあるが、それでも服装制限を満たさなければならない。例えば、短パン、ミニスカート、Tシャツは禁止。パスポートは必ず携帯。12歳未満はお断り、等々…。 しかも服装に“USA”や星条旗の絵柄があるものは厳禁だそうで、それを着用していた場合、販売店で洋服を買って着替えてからでないと板門店地域入所は許されないとのことである。
後半の“米国がらみ”の規制に関しては話が分かり易いが、前半部分の服装制限の理由が多少理解しにくい。(北のあの独裁指導者様など、女性が身体を露にするのを好んでいらっしゃって、わざわざ「よろこび組」なるものを結成させ身近に侍らせているのではなかったのか??)
ここではガイドのキム氏の説明談を引用しよう。 この「板門店ツアー」には韓国側のみならず北朝鮮側からも参加者が結構多いそうである。 その北からの参加者が(塀越しに??)南側から訪れている観光客の姿恰好を写真撮影するそうだ。 短パン、ミニスカ、サンダル、あるいはファッションでわざと穴をあけたジーンズ等々、布地や素材が少ない衣装を「南が“貧しい”故にあのようなみすぼらしい恰好しか出来ないのだ」云々の解釈で、北のマスメディアがこぞって北の全国民に吹聴するから故とのことである。
韓国における上記の北朝鮮問題に平行して存在するのが「徴兵制」問題である。
既述の通り現在の韓国は“停戦状態”である。 言い換えると韓国は今尚“戦争中”なのだ。
そこで韓国軍は今後尚国防力を維持し続ける必要性に迫られている。 国防力維持のための国家財政を最小限に留める最高の政策が「徴兵制」であるのだ。
韓国軍は徴兵制と志願兵制を併用する国であるが、徴兵に応じることは若い韓国男性の義務とされている。 韓国の徴兵制は19歳から29歳までの全国民男性を対象として2年間の徴兵期間を課すらしい。それに当たっては18歳の男子への徴兵検査により徴兵されるか否かが判定されるとのことである。 そして、判定最下位級の身体異常者のみ徴兵を完全免除されるとの情報である。 あるいは五輪メダリストやサッカーワールドカップでベスト16に入った選手、はたまた学業が特に優秀な人材も徴兵を免除されるらしいが、有名人であるのみの理由では免除対象にはならないとのことである。
ここで今回ガイドのキム氏より伺った興味深い話を紹介しよう。
今、韓国で大ブレイクしている人気絶頂歌手のMCモン氏が、この徴兵逃れのためにあえて前歯を意図的に抜いて身体不具者になりすましたそうである。 これが“兵役忌避疑惑”に問われモン氏は韓国警察に取調べを受ける身となり、ファンを中心に韓国では大騒動となっている事態だそうだ。
何とも悲しい話であり、徴兵制のない国に安穏と“平和ボケ”気味に生きている私は胸が痛む思いである。
ガイドのキム氏は中1の息子さんともう一人の子どもさんをもつ勤労母であられるのだが、キム氏の思いが私の心にさらに響く。
「私の夫は徴兵経験者であり韓国男児は徴兵制をもって“男”になれると強調するが、これから徴兵させねばならない息子を持つ母の私としては、韓国の徴兵制には断じて反対だ。ソウルの街で徴兵として奉公している若き男子を目にしては心が痛む。この現状だけは息子を持つ母としてどうしても廃止せねばならない思いである。」
さらに、ガイドのキム氏のウィットに富んだ話が続く。
「韓国政府がどうしても徴兵制度を続行したいのならば、対象年齢を変更するべきだ。 未来ある若き世代に徴兵制を強いるのではなく、現役を退いた65歳以上の男性にターゲットを当てるといい。その世代はおそらく働きが悪いから、徴兵期間を7、8年と長く設定することでお役目を果せるかもしれない。 日本の主婦の皆さん、退職後の亭主に家でゴロゴロされること程、鬱陶しいことはないですよね!」
キム氏のおっしゃる通りであり、これは妙案であろう!! (いや~~、経済発展とはいずこの国にも一般家庭の奥方に“退職後の亭主という大いなるお荷物”を課すことを実感させられる思いである!)
韓国政府は本気で現役引退後の男性活性化の意味で徴兵制を利用してもいいのではないかと、キム氏に賛同する原左都子であるぞ。
今回の原左都子のソウル旅行記を締めくくる意味で、最後に朝日新聞9月2日朝刊オピニオンページの記事より多摩大学教授であられるキムミドク氏の論評を以下に紹介しよう。
韓国が走り続けるのは北朝鮮との緊張関係にあるのに加えて、ロシア、中国、日本に囲まれ、米国ともうまくやりながら国を維持せねばならない難しさ、危機感があるからだ。 さらには植民地支配や朝鮮戦争後の貧困時代へのコンプレックスに対する反動もある。 とはいえ、経済的に成熟した日本が50歳代とすれば韓国はまだ30歳代の青年である。韓国の発展は今後当分続くとみてよいであろう。
今尚戦争の再開を想定しつつ歴史的混乱ゆえの緊張感にも耐え、過去に虐げられた歴史のコンプレックスにもめげず大いなる経済発展を成し遂げ、さらなる成長を志す日本から一番近い韓国という隣国に、今回旅立てたことを心よりうれしく思う原左都子である。
今回のソウルツアーガイドであるキム氏の一番のお勧めオプショナルツアーは「板門店観光」とのことだった。
板門店と言えば、韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある停戦条約が締結された村である。 この地で朝鮮戦争の停戦条約に調印されたのは1953年の事であるが、北朝鮮と国連軍との間における「停戦」状態は今現在も続行していることについては皆さんご承知の通りだ。 すなわち北朝鮮と国連軍(及び韓国)との戦争は今尚終戦を迎えていない現状なのである。
板門店はドイツのベルリンの壁と並んで世界の“冷戦の象徴”とされてきているが、ベルリンの壁の崩壊と共に世界のほとんどの国や地域で冷戦が終結した今日尚、この地は「板門店」という“冷戦の最前線”を抱えるという厳しい現実にあるのだ。
この「板門店オプショナルツアー」に参加するには、種々の条件がある。 日本人の場合は比較的参加し易いのではあるが、それでも服装制限を満たさなければならない。例えば、短パン、ミニスカート、Tシャツは禁止。パスポートは必ず携帯。12歳未満はお断り、等々…。 しかも服装に“USA”や星条旗の絵柄があるものは厳禁だそうで、それを着用していた場合、販売店で洋服を買って着替えてからでないと板門店地域入所は許されないとのことである。
後半の“米国がらみ”の規制に関しては話が分かり易いが、前半部分の服装制限の理由が多少理解しにくい。(北のあの独裁指導者様など、女性が身体を露にするのを好んでいらっしゃって、わざわざ「よろこび組」なるものを結成させ身近に侍らせているのではなかったのか??)
ここではガイドのキム氏の説明談を引用しよう。 この「板門店ツアー」には韓国側のみならず北朝鮮側からも参加者が結構多いそうである。 その北からの参加者が(塀越しに??)南側から訪れている観光客の姿恰好を写真撮影するそうだ。 短パン、ミニスカ、サンダル、あるいはファッションでわざと穴をあけたジーンズ等々、布地や素材が少ない衣装を「南が“貧しい”故にあのようなみすぼらしい恰好しか出来ないのだ」云々の解釈で、北のマスメディアがこぞって北の全国民に吹聴するから故とのことである。
韓国における上記の北朝鮮問題に平行して存在するのが「徴兵制」問題である。
既述の通り現在の韓国は“停戦状態”である。 言い換えると韓国は今尚“戦争中”なのだ。
そこで韓国軍は今後尚国防力を維持し続ける必要性に迫られている。 国防力維持のための国家財政を最小限に留める最高の政策が「徴兵制」であるのだ。
韓国軍は徴兵制と志願兵制を併用する国であるが、徴兵に応じることは若い韓国男性の義務とされている。 韓国の徴兵制は19歳から29歳までの全国民男性を対象として2年間の徴兵期間を課すらしい。それに当たっては18歳の男子への徴兵検査により徴兵されるか否かが判定されるとのことである。 そして、判定最下位級の身体異常者のみ徴兵を完全免除されるとの情報である。 あるいは五輪メダリストやサッカーワールドカップでベスト16に入った選手、はたまた学業が特に優秀な人材も徴兵を免除されるらしいが、有名人であるのみの理由では免除対象にはならないとのことである。
ここで今回ガイドのキム氏より伺った興味深い話を紹介しよう。
今、韓国で大ブレイクしている人気絶頂歌手のMCモン氏が、この徴兵逃れのためにあえて前歯を意図的に抜いて身体不具者になりすましたそうである。 これが“兵役忌避疑惑”に問われモン氏は韓国警察に取調べを受ける身となり、ファンを中心に韓国では大騒動となっている事態だそうだ。
何とも悲しい話であり、徴兵制のない国に安穏と“平和ボケ”気味に生きている私は胸が痛む思いである。
ガイドのキム氏は中1の息子さんともう一人の子どもさんをもつ勤労母であられるのだが、キム氏の思いが私の心にさらに響く。
「私の夫は徴兵経験者であり韓国男児は徴兵制をもって“男”になれると強調するが、これから徴兵させねばならない息子を持つ母の私としては、韓国の徴兵制には断じて反対だ。ソウルの街で徴兵として奉公している若き男子を目にしては心が痛む。この現状だけは息子を持つ母としてどうしても廃止せねばならない思いである。」
さらに、ガイドのキム氏のウィットに富んだ話が続く。
「韓国政府がどうしても徴兵制度を続行したいのならば、対象年齢を変更するべきだ。 未来ある若き世代に徴兵制を強いるのではなく、現役を退いた65歳以上の男性にターゲットを当てるといい。その世代はおそらく働きが悪いから、徴兵期間を7、8年と長く設定することでお役目を果せるかもしれない。 日本の主婦の皆さん、退職後の亭主に家でゴロゴロされること程、鬱陶しいことはないですよね!」
キム氏のおっしゃる通りであり、これは妙案であろう!! (いや~~、経済発展とはいずこの国にも一般家庭の奥方に“退職後の亭主という大いなるお荷物”を課すことを実感させられる思いである!)
韓国政府は本気で現役引退後の男性活性化の意味で徴兵制を利用してもいいのではないかと、キム氏に賛同する原左都子であるぞ。
今回の原左都子のソウル旅行記を締めくくる意味で、最後に朝日新聞9月2日朝刊オピニオンページの記事より多摩大学教授であられるキムミドク氏の論評を以下に紹介しよう。
韓国が走り続けるのは北朝鮮との緊張関係にあるのに加えて、ロシア、中国、日本に囲まれ、米国ともうまくやりながら国を維持せねばならない難しさ、危機感があるからだ。 さらには植民地支配や朝鮮戦争後の貧困時代へのコンプレックスに対する反動もある。 とはいえ、経済的に成熟した日本が50歳代とすれば韓国はまだ30歳代の青年である。韓国の発展は今後当分続くとみてよいであろう。
今尚戦争の再開を想定しつつ歴史的混乱ゆえの緊張感にも耐え、過去に虐げられた歴史のコンプレックスにもめげず大いなる経済発展を成し遂げ、さらなる成長を志す日本から一番近い韓国という隣国に、今回旅立てたことを心よりうれしく思う原左都子である。
表記したように私は年齢的には「お荷物亭主」です。しかし、どなたが考えても第一線で戦える体力はありません。昔陸上自衛隊の体力強健な隊員は、50kgの土嚢(どのう)を担いで50mを7秒前後で走ったらしいです。こんな若者と無負荷で50mを10秒もかかる爺さんと戦える訳がありません。
母親にしてみれば戦争になどやりたくは無いのは当然でしょう。しかし、軍隊を経験する事の意義は韓国人にとって大きな財産になっているように思います。私の義妹の亭主が韓国人ですが、男として根本的に出来が違います。言動は愚か体力には相当の差が感じられます。
しかし、韓国も日本と同じ道を歩み始めたと思われるので近い将来は軟弱になっていくのかもしれません。「鉄は熱いうちに打て」!
日本は、限りなく戦争を連想させるものを避けて来ました。平和でボケるのもしょうがないのかも?
65歳以上の“お荷物亭主”に出兵してもらう妙案は冗談としても、やはり徴兵制の廃止に私も賛成です。ですが、そうは言っていられない韓国の置かれている立場が辛いですね。
上昇エネルギーに満ち溢れる韓国が経済発展を続ける限り、若者が軟弱化するのはずっと先のことのように思えます。
日本の子ども達にそれを教えず、教科書問題ではいつも近隣国より謝った記述とバッシングされ、それでも尚居直り続け謝罪を曖昧にしている政府にはイライラさせられます。
“侵略の歴史”すらまったく知らずに育ち、戦争など他人事とノラリクラリ生きるこの国の国民の平和ボケ醜態の有様こそが、国の堕落の根源であるのでしょう。