原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

東京都のコロナ感染者数が 900人/日 を超えた今

2020年12月27日 | 医学・医療・介護
 (冒頭写真は、本日先程ネット上より転載した東京都の“コロナ感染者数”の推移グラフ。)



 冒頭から、本日2020.12.27付朝日新聞「社説・余滴」 “緊急事態もう少し長ければ” の内容を一部要約引用しよう。

 今話題の変異ウィルスの監視を含め、各地の新型コロナのゲノムを分析している国立感染症研究所のグループが先頃、興味深い調査結果を公表した。
 コロナのゲノムは約3万個の塩基からなり、2週間に1塩基程度のペースで変異を繰り返す。 その変異に着目して比較をすれば、ウィルスが時間を追ってどのように伝播していったかがおよそ推測できる。
 10月末までに国内の感染者から分離された約1万株を分析したところ、3月に欧州から入ったウィルスは一時期、300を超える系統に分かれて広がった。 だが、対策の効果で6月頃には2系統を残して消失したという。 この2系統を押さえ込むことができていれば、7月以降の感染拡大はなかったかもしれないというのだ。
 政府は5月31日に設定した緊急事態制限の期限を待たずして、25日に全面解除した。 この日、全国で確認された陽性者は20人。 解除を巡っては、現在の政府分科会の前身、旧専門家会議と攻防が繰り広げられた。
 専門家は当初、感染者が限りなくゼロに近い水準でなければ解除するべきでないと考えたようだが、やがて「クラスター対策が有効に行える水準」へと転換していく。 政府側は「専門家の意見に従っていたら、一生解除できないと思った」という官邸スタッフの証言に象徴されるように経済への懸念が強く、最後には間隙を縫うように政治指導で解除が決まった。 (中略)
 政府は緊急事態宣言の検証作業を未だ怠ったままだ。 宣言をめぐる判断や意思決定の詳細はわからない。 民間臨調の報告書も、ウィルスを一旦封じ込められた可能性まで検討できていない。 いずれ検証されるべき大事な論点だ。  
 
 (以上、本日付朝日新聞「社説・余滴」より一部を引用したもの。)



 私見に入ろう。

 東京都のコロナ感染者数は年を越えると1000人/日まで到達するであろう、との専門家筋の推測は既に発表されていた。 
 どうやらそれよりもずっと速いスピードで“コロナ感染”が激増している現況だ。😱 

 それにしても上記社説の一部を繰り返すと。
 専門機関によるウィルス調査研究によれば、我が国で緊急事態宣言が発令されていた6月頃には一旦300を超える系統に分かれて広がった欧州から入ったウィルスが、その宣言により2系統を残して消失した、とのことではないか。
 この2系統を押さえ込むことが出来ていれば、7月以降の感染拡大はなかったかもしれないとの記述だ。
 社説内には、台湾の事例も記されている。
 台湾ではウィルスの封じ込めに成功し、春以降感染者数がゼロに近い状態で推移している、とのことだ。

 同じく島国の我が国に於いても、政権トップの科学に基づいた正しい決断・勇断が成されていれば、もしかしたらこれ程までの感染拡大をもたらさなかったのかもしれないと、残念無念である。

 「経済への懸念」を優先せんとの政府の方針も分からなくはない。
 ただ我が国の場合、安倍・菅政権共々あまりにも科学をないがしろにしている感が私は否めない。
 と言うよりも、政権運営の基本理念が何にあるのか理解不能な部分が大きいとも言えるのではなかろうか。

 方や、我が国に於いては科学者側の発言力も軟弱なのではなかろうか? あるいは、そうならざるを得ない“政権との力関係”に我が国に於ける特有の体質でも存在するのだろうか??   と疑わざるを得ない風習がありそうにも思えてくる。

 菅政権による「日本学術会議・任命拒否問題」に関しても、未だ解決の糸口すら見えていない。 
 “コロナ禍”に関する科学分野との関係に於いても、同様の歪みが存在すると思わざるを得ない。


 科学者側がいくら“新型コロナウィルス”に関する研究活動を頑張ろうと、政府側がこれ程までに科学を軽視し、国民には理解し難い自らの非科学的な政権運営にこだわているうちは。

 既に国内に入り込んでしまっている病原性が更に強靱な“変異ウィルス”による国内感染を塞き止めることは、残念ながら叶わない事実であろう。😭  
 

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