小中高校生の子供さんをお持ちのご家庭ではご存知のことであろうが、毎年新学期を向かえた春の時期に全校生徒対象に学校が全員強制で健康診断を実施する。
大学や職場等の集団組織においても厚労省より同様に検診が義務付けられているが、こちらの方は検診後の個々人の病院受診に関して強制力がある訳ではなく、本人の意思判断に委ねられることになる。
これに対して小中高に於ける学校健診の特徴とは、異常結果が出た場合「病院受診勧告書」が当該生徒の保護者宛に手渡され、期限を設けて医師による受診結果を学校にフィードバックせねばならない義務が課せられる点にある。
学校健診の内容とは、身長・体重等の身体計測、内科検診、尿検査、視力、聴力、歯科検診、そして学年を限定して胸部X線撮影や心電図と多岐に渡る。 それらの健診に於いて異常が出た場合、各々の分野から「受診勧告書」が家庭に届くこととなる。
我が家ではこの「受診勧告書」を我が子が小学校入学以来「赤紙」と読んで、これが学校から舞い込んで来る事を毎年恐れていたのである。
何故ならば本エッセイ集において小出しにしているが、我が子は生まれながらに若干の事情を抱えているためである。 誕生以来様々な身体異常が次々と表出する我が子を連れて、親の私は頻繁に病院通いを余儀なくされてきている。
私は元医学関係者であるため、過去における病院受診により我が子の身体状況をある程度総合的かつ客観的に捉えた上で、子供の健康維持に日々努めてきている。 例えば、同時に複数の疾患の症状が見られる場合どちらを優先的に受診するべきかという判断を迫られるが、その判断力も発揮できていると自負している。 このような事を書くと、もしかしたら親の勝手な判断よりも病院医師等専門家の診断を即刻仰ぐべく受診することこそが子を持つ親の責任だとの反論があるかもしれない。
ところが病院受診とは特に幼い子供には心身共に大いなる負担となることは間違いないのだ。
病院受診とは、その病状によっては各種検査や投薬がついて回る事は皆さんもご存知であろう。 まだ発育途上の我が子の幼き体が検査目的とは言えどもX線に何度も晒されたり、投薬による副作用に耐えるのを横で見るのは親として忍びない。 もちろん子供が命がけの病状ならばその措置もやむを得ない話であろう。 だがそうでない場合もしも親自身に医学的知識が少しでもあるならば、子供の将来を考えそれらの危険を避けるべく親として冷静にその判断力を発揮するに越した事はないのではなかろうか? 加えて、受診の恐怖心による子供の後々の精神的トラウマにも配慮するべきと私は考えている。
特に我が子が小学校低学年の頃は、自民党政権の下、学校健診と地元医師会との癒着が悠々と蔓延っていた時代背景だったかもしれない。 そのせいか、当時はこの「赤紙」が大量にばら撒かれていたようだ。
我が子の場合、学校健診科目のすべてにおいて「赤紙」が届いたとも言える。 例えば、内科をはじめ、眼科、耳鼻科、歯科、…… 毎年、毎年、嫌になるほど来るわ、来るわ…
学校からこれが届くのが鬱陶しく、その事前対策として春休み中に前もって娘の主治医に受診しているにもかかわらず、やはり「赤紙」は届いたものだ。
耳鼻科など“耳垢”が溜まっているとのことだった。 その“耳垢”を親である私も日々取るのだが素人には取り切れないとの学校からの説明で、医師が取らない事には本人が音声が聞き取れにくい故にどうしても病院受診せよとの勧告だった。 この「赤紙」は我が子小学校在学中6年間配られ続けたものだ。
歯科に関しては「赤紙」によると毎年虫歯の疑いがあるとの事だが、事前に歯科を受診して虫歯がないことが証明されているにもかかわらず「赤紙」が届いた故に致し方なくもう一度主治医を受診し直して、「治療の必要なし」との証明書を発行してもらったものだ。(昔はこの証明書の発行だけにも個人負担があったものだ。)
現在は全国何処の自治体でも義務教育期間までの子供の医療費は無料となっているため、このような「赤紙」が届いても保護者の負担とは子供を病院に連れていく労力のみで済むのであろう。
ところが我が子が幼少及び小学生時代はそうではなかった。 (元医学関係者である原左都子としての)親の判断で自ら我が子を病院に連れて行く分には医療費高額負担も承知の上での行動である。 片や当時、学校と地域医師会との癒着が疑われる「赤紙」発行による“無駄”な病院受診費用負担には辟易とさせられたのが事実ということだ。
現在は国や地方自治体の医療政策により現在中学生までの子供の医療費が無料になっている。 ただその現実とは、むしろ政府や自治体と医師会との間で更なる癒着が進んだ結果とも考察できそうだ。 子供の医療費が無料となれば、学校は厚労省の指示により今まで以上に「赤紙」を保護者宛に発行可能との論理なのか???
我が子が私立中高入学以来、しばらく届かなかった「赤紙」が何故か娘高3になった今、大量に届いてしまった。
これに関しては、後に娘の学校の養護教諭より我が子に説明があったことは保護者として救われる思いである。 娘の話によると、養護教諭氏曰く「今回沢山の受診勧告書を発行しましたが、今までに家庭内で解決している疾患に対しては受診を強制するものではありません。今回初めて指摘された医療分野だけを受診して下さい。」 (やはり、私学は公立ほど医師会との癒着はないのかな~、と一応安心する私である。)
早速親である原左都子が学校から発行された「赤紙」に基づき娘の主治医を受診したところ、結局は“学校がそう言うのだからやはり検査をしましょう”とのご意見である。 娘の検査はまだ続き、学校から発行された「赤紙」にいつ返答できるのかは見通しが立たない状況である。
いえいえ、我が娘は大丈夫ですよ!
学校健診という国家から指示された“お達し”により毎年「赤紙」が発行されようと、たとえそれで多少の異常を指摘されようと、原左都子は我が子の将来に繋がる“真の命”を守るべく日々論理科学的、客観的に思考行動してきているつもりである。
一例として福島近辺の皆さんには誠に申し訳ない話だが、まさか我が子に福島原発事故以上の放射能を医療という人為的なX線検査により浴びさせることなど絶対に無きよう、我が身に替えても回避できる我がバックグラウンドがあると信じて、我が子幼き頃より共に生き延びているのだから。
大学や職場等の集団組織においても厚労省より同様に検診が義務付けられているが、こちらの方は検診後の個々人の病院受診に関して強制力がある訳ではなく、本人の意思判断に委ねられることになる。
これに対して小中高に於ける学校健診の特徴とは、異常結果が出た場合「病院受診勧告書」が当該生徒の保護者宛に手渡され、期限を設けて医師による受診結果を学校にフィードバックせねばならない義務が課せられる点にある。
学校健診の内容とは、身長・体重等の身体計測、内科検診、尿検査、視力、聴力、歯科検診、そして学年を限定して胸部X線撮影や心電図と多岐に渡る。 それらの健診に於いて異常が出た場合、各々の分野から「受診勧告書」が家庭に届くこととなる。
我が家ではこの「受診勧告書」を我が子が小学校入学以来「赤紙」と読んで、これが学校から舞い込んで来る事を毎年恐れていたのである。
何故ならば本エッセイ集において小出しにしているが、我が子は生まれながらに若干の事情を抱えているためである。 誕生以来様々な身体異常が次々と表出する我が子を連れて、親の私は頻繁に病院通いを余儀なくされてきている。
私は元医学関係者であるため、過去における病院受診により我が子の身体状況をある程度総合的かつ客観的に捉えた上で、子供の健康維持に日々努めてきている。 例えば、同時に複数の疾患の症状が見られる場合どちらを優先的に受診するべきかという判断を迫られるが、その判断力も発揮できていると自負している。 このような事を書くと、もしかしたら親の勝手な判断よりも病院医師等専門家の診断を即刻仰ぐべく受診することこそが子を持つ親の責任だとの反論があるかもしれない。
ところが病院受診とは特に幼い子供には心身共に大いなる負担となることは間違いないのだ。
病院受診とは、その病状によっては各種検査や投薬がついて回る事は皆さんもご存知であろう。 まだ発育途上の我が子の幼き体が検査目的とは言えどもX線に何度も晒されたり、投薬による副作用に耐えるのを横で見るのは親として忍びない。 もちろん子供が命がけの病状ならばその措置もやむを得ない話であろう。 だがそうでない場合もしも親自身に医学的知識が少しでもあるならば、子供の将来を考えそれらの危険を避けるべく親として冷静にその判断力を発揮するに越した事はないのではなかろうか? 加えて、受診の恐怖心による子供の後々の精神的トラウマにも配慮するべきと私は考えている。
特に我が子が小学校低学年の頃は、自民党政権の下、学校健診と地元医師会との癒着が悠々と蔓延っていた時代背景だったかもしれない。 そのせいか、当時はこの「赤紙」が大量にばら撒かれていたようだ。
我が子の場合、学校健診科目のすべてにおいて「赤紙」が届いたとも言える。 例えば、内科をはじめ、眼科、耳鼻科、歯科、…… 毎年、毎年、嫌になるほど来るわ、来るわ…
学校からこれが届くのが鬱陶しく、その事前対策として春休み中に前もって娘の主治医に受診しているにもかかわらず、やはり「赤紙」は届いたものだ。
耳鼻科など“耳垢”が溜まっているとのことだった。 その“耳垢”を親である私も日々取るのだが素人には取り切れないとの学校からの説明で、医師が取らない事には本人が音声が聞き取れにくい故にどうしても病院受診せよとの勧告だった。 この「赤紙」は我が子小学校在学中6年間配られ続けたものだ。
歯科に関しては「赤紙」によると毎年虫歯の疑いがあるとの事だが、事前に歯科を受診して虫歯がないことが証明されているにもかかわらず「赤紙」が届いた故に致し方なくもう一度主治医を受診し直して、「治療の必要なし」との証明書を発行してもらったものだ。(昔はこの証明書の発行だけにも個人負担があったものだ。)
現在は全国何処の自治体でも義務教育期間までの子供の医療費は無料となっているため、このような「赤紙」が届いても保護者の負担とは子供を病院に連れていく労力のみで済むのであろう。
ところが我が子が幼少及び小学生時代はそうではなかった。 (元医学関係者である原左都子としての)親の判断で自ら我が子を病院に連れて行く分には医療費高額負担も承知の上での行動である。 片や当時、学校と地域医師会との癒着が疑われる「赤紙」発行による“無駄”な病院受診費用負担には辟易とさせられたのが事実ということだ。
現在は国や地方自治体の医療政策により現在中学生までの子供の医療費が無料になっている。 ただその現実とは、むしろ政府や自治体と医師会との間で更なる癒着が進んだ結果とも考察できそうだ。 子供の医療費が無料となれば、学校は厚労省の指示により今まで以上に「赤紙」を保護者宛に発行可能との論理なのか???
我が子が私立中高入学以来、しばらく届かなかった「赤紙」が何故か娘高3になった今、大量に届いてしまった。
これに関しては、後に娘の学校の養護教諭より我が子に説明があったことは保護者として救われる思いである。 娘の話によると、養護教諭氏曰く「今回沢山の受診勧告書を発行しましたが、今までに家庭内で解決している疾患に対しては受診を強制するものではありません。今回初めて指摘された医療分野だけを受診して下さい。」 (やはり、私学は公立ほど医師会との癒着はないのかな~、と一応安心する私である。)
早速親である原左都子が学校から発行された「赤紙」に基づき娘の主治医を受診したところ、結局は“学校がそう言うのだからやはり検査をしましょう”とのご意見である。 娘の検査はまだ続き、学校から発行された「赤紙」にいつ返答できるのかは見通しが立たない状況である。
いえいえ、我が娘は大丈夫ですよ!
学校健診という国家から指示された“お達し”により毎年「赤紙」が発行されようと、たとえそれで多少の異常を指摘されようと、原左都子は我が子の将来に繋がる“真の命”を守るべく日々論理科学的、客観的に思考行動してきているつもりである。
一例として福島近辺の皆さんには誠に申し訳ない話だが、まさか我が子に福島原発事故以上の放射能を医療という人為的なX線検査により浴びさせることなど絶対に無きよう、我が身に替えても回避できる我がバックグラウンドがあると信じて、我が子幼き頃より共に生き延びているのだから。
原さん、赤紙とは古いですね。私も実物は博物館で見ただけです。毎年多くの指摘事項があったようですが、医師会との癒着は別として保護者にとって見れば有り難い事だと思います。指摘に従うかどうかは家庭の事情によりますが、昔は歯医者などには行けなかった家庭も多く、虫歯が多かった様に思います。最近は虫歯が少なくなった代りに顎の縮小による抜歯と矯正に通う子が多いです。今後の国歌予算の圧迫で恵まれた学校健康診断が縮小される事の無いように望みます。
「受診されるのが、望ましい」と言う書き方なら、親に選択肢を与えた格好ですね?
医療知識を持たない親ならば、上記の様に「望ましい」だけなら、病院で再検査しそうです。
世の中の多くは、医療知識を持ちませんから、厚生省に「あいまいな指導を止めて欲しい」って事になりそうですね?
元気な子供を持つ一般家庭とは、普段そうそう病院を受診しないものなのでしょう。そういう家庭にとって、年に一度の学校健診は子供の健康管理のまたとはない機会という訳ですね。
それに引き換え、我が家のように生まれながらに事情を抱えている場合、しょっちゅう病院通いです。 今さら学校でスクリーニング検査などしてもらわずとて、子供の体の状態は隅々まで把握できています。そんな我が家にとっては学校健診後の病院受診は二度手間でしかなく、無駄に子供を検査に晒す結果となります。
コメント欄ですから書きますが、例えば娘の奇病の一つに「側彎症」があります。一旦これの診断を受けてしまうと、何年にも渡って3か月毎に定期検診を受けねばならず、その都度何枚ものX線撮影を強制されます。(おそらくその総被爆量は福島原発事故の比ではないでしょう。)親としては自分の身が削られる思いです。
ただこれは持病ゆえに致し方なく受診しましたが、これ以上、スクリーニングのためのX線検査など是が否でも拒否したいのです。
他にも複数の持病を抱えています。
ゴチさんが書かれているように、確かに学校における歯科検診が子供たちの虫歯を減らした功績は大きいでしょう。
健常な子供を持つ一般家庭にとっては、年に一度の学校健診が有効であることは理解できます。
我が家のような特殊ケースの場合、家庭の自治に任せてもらえる方がうれしいです。
ただ、どうしても一律で実施せざるを得ない場合は、せめてドカドンさんが書かれているように「赤紙」は“受診するのが望ましい”程度の表現に留めて欲しいものです。
ただし一般家庭に目を向けると、これも難しいのが実情でしょう。 医学経験のない保護者の勝手な解釈で子供の受診の是非を判断した場合、下手をすると子供の命が危険に晒される事になりかねません。
そうなると、現行のように受診を強制するという結論しかないということになるのでしょうね。
「赤紙」に苦しめられ続けた我が家の娘も今年で高校卒業です。 来年からは娘の健康状態を家庭で一貫管理できますから、もう少しの辛抱です。
本音を言いますと、学校の健康診断は有料制とし、且つ希望者のみにした方が良いと考えています。ここで問題となるのが希望者が健康診断を受けている間、受けない子供達の過し方です。授業の進み方を平滑にするためには、体育館、図書室等で時間を消費する事になるしょう。これは一つの提案です。
学校健診は国民の健康維持の目的で、国の政策として実施されていることと思います。
考え様によったら、一律に“子ども手当て”などばら撒くより健康維持を優先して当然ですが、その裏側には何らかの癒着の存在が否めないという矛盾を抱える宿命にあるのかもしれません。
稀な事例である我が家に言わせていただくと、全員一律に検診及びその後の受診を強制するのではなく、個々の事情や保護者の考えも聞き入れる柔軟性が学校にも国や自治体にも欲しいものです。
何でも一律に処理して例外を認めないのがいわゆるお役所仕事。本当に腹が立ちます。ベビーブームの時代じゃあるまいし、個々の事情を汲み取って丁寧な対応をして欲しいと思うのは当たり前のことです。。想像力の欠如が、すべての悪の根源でしょうか。
それでも世を見渡すと、他者に強制されないと行動できなかったり、集団心理で皆と同じ事をすることで安心感を得ている人種も未だ多く存在するようです。 そういう行動様式を作り上げているのは学校教育の責任でしょう。
文科省や自治体、学校は教育の根本に戻って、個性の尊重の真意を問い直して欲しいものです。
私は今後も、我が子の命を主体的に冷静に守っていきたく思っております。