原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

太陽系 「第9惑星」 発見? の壮大なロマン

2016年01月23日 | 学問・研究
 私は、プラネタリウム映像を観賞するのが好きだ。

 趣味と言うには程遠いが、リクライニングシートにゆったりと身を委ねて室内天空に映し出される宇宙の映像を短時間なりとも観賞出来る、あの時空間を好んでいる。
 私にとってのプラネタリウムとは、一時であれ、現世に於いて地球上で繰り返される愚かな争いの馬鹿さ加減を超越可能な世界へ誘ってくれ、科学の進化・発展を目の当たりに出来る時空間と表現出来よう。 


 さて一昨日の1月21日、そんな私は「太陽系に9番目の惑星か?」なるメディア報道に引き込まれた。
 早速、ネット情報より上記のニュースを要約引用しよう。

 【ワシントン=共同】米カリフォルニア工科大のマイク・ブラウン博士らの研究チームは20日、海王星の外側に新たな惑星が存在する可能性があると発表した。 太陽系外縁部にある天体の軌道を分析した結果、分かったという。 実際に観測によって見つかると、準惑星に「格下げ」となった冥王星に代わり太陽系の第9惑星になると期待される。
 チームは米メディアに対し「五年以内には望遠鏡で発見されるのではないか」と予測を示している。
 チームによると、惑星は地球の十倍程度の質量があり、太陽から海王星までの平均距離(約四十五億キロ)の二十倍遠い軌道を回っている。 太陽の周りを一周するのに一万~二万年かかるという。 木星や土星などと同じガス惑星とみられる。
 チームは、無数の天体が密集する太陽系外縁部の「カイパーベルト」と呼ばれる領域の周辺にある六個の天体に注目。太陽の周りを回るスピードや、軌道の傾きなどから計算すると、これらの天体の動きが、大きな質量を持つ未知の天体の影響を受けていることが分かり、新たな惑星が存在すると理論的に示した。
 宇宙科学に詳しい的川泰宣(やすのり)・宇宙航空研究開発機構名誉教授の話  太陽系の外縁部に第九の惑星があるのではないかという指摘は以前から繰り返されているが、観測や第三者の再計算によって確かめられてはいない。 そうした惑星があってもおかしくないし、あれば、太陽系の成り立ちを解明するのに非常に大きな一石を投じることになるので面白い。
 米カリフォルニア大が二十日に理論的に存在を指摘した新天体は、質量も地球の十倍近くあるとみられ、実際に観測で発見されれば惑星と認定される可能性が高い。
 冥王星が準惑星に格下げされたのは、質量の小ささに加え、同程度の天体が相次いで見つかり、周囲にある天体に埋もれてしまう程度の大きさしかないと判明したのが理由だ。 
 今回の新天体の大きさは不明だが、米メディアによると、海王星ほどの大きさになり、地球の月のような衛星も持っている可能性があるという。 (ワシントン・共同)


 次にウィキペディアより、「太陽系」に関して現在までに判明したり議論されている科学的認識に関する情報を要約引用しよう。

 太陽系とは、太陽および太陽の周囲を公転する天体(惑星系)と微粒子、さらに太陽活動が環境を決定する主要因となる空間から構成される領域をいう。
 太陽の周囲を公転する天体には、現在確認されているだけで8個の惑星、5個の準惑星、多数の太陽系小天体がある。 太陽系のうち、地球型惑星である火星が位置するまでの領域を内太陽系、それより外側の領域を外太陽系と呼称する場合がある。

 太陽は、約10万光年の直径を持つ銀河系と呼ばれる銀河を構成する約2000億個の恒星の一つである。 銀河系の中ではオリオン腕に位置する。
 太陽系とは、太陽の重力の影響によって構成される天体の集団のことであり、太陽はその中央に位置している。銀河系の中で太陽は典型的な恒星の一つであると考えられている。

 地球が宇宙の中心ではなく、他の惑星と同様に太陽の周りを公転しているという地動説が受け入れられるようになったのは16世紀から17世紀にかけてのことである。 太陽系を構成する天体のうち、当時知られていたのは太陽と6個の惑星(水星、金星、地球、火星、木星、土星)、地球の衛星である月、そして木星の4個の衛星(ガリレオ衛星)のみだった。
 それから300年ほどの間に、2個の惑星(天王星、海王星)、約20個の衛星、数百個の小惑星が発見された。 天王星と海王星の軌道が計算と一致しないことから「惑星X」の存在が予想され、捜索が始まった。 1930年に冥王星が発見され第9番目の惑星とされたが、海王星の摂動を説明するには冥王星の質量が小さすぎる事(後に海王星自体の質量推定を間違えたための計算ミスであったと判明)から「惑星X」の捜索は尚も続けられた。

 20世紀終盤からは海王星より外側のエッジワース・カイパーベルトと呼ばれる領域で、かつて想定されていた惑星Xほどではないが比較的大きな天体が続々と発見され始めた。 
 21世紀に入ってから発見されたクワオワーやセドナなどは第10番惑星として報道された事もあるが、いずれも冥王星より小さかったり極端な楕円軌道だったりするため正式に惑星としては認められなかった。 しかし2005年1月に至って、ついに冥王星より大きいエリス(仮符号:2003 UB313)が発見された。
 2006年8月24日のIAU総会で、惑星の定義を確定することが議題となった。 結果として冥王星が惑星という分類からはずれ、新しく定義された準惑星に含まれることとなった。
 日本学術会議は、2007年4月9日の対外報告(第一報告)において前年のIAU総会で決まった新たな分類の日本語名称を提言し、同6月21日の第二報告で新しい太陽系の全体像を示した。
 (以上、ウィキペディア情報より一部を要約引用。)


 最後に、原左都子の私論を語ろう。
 
 まさに太陽系の一番端っこに新たな惑星が存在するとのニュースは劇的だ。
 しかも今回発見されたらしき新惑星とは、その“巨大さ”が特徴の様子である。 実際にその存在が近き未来に於いて実証されたものならば、「冥王星」の小さき存在に右往左往されて来た太陽系に関する宇宙科学史など吹っ飛び、新惑星こそが“太陽系第9惑星”として日の目を見る事であろう。

 米カリフォルニア大学チームが“太陽系第9惑星”として新惑星存在との仮説を導いた理由こそを、私も支持したい。
 何でも、太陽系が太陽系として総合的に成り立つためには、その一番外側に巨大惑星の存在が必然的であったとの報道だ。(私の認識に誤りがあったらお詫びするが。)
 太陽系に属する天体達が軌道上に存在するためには、大きな質量を持つ新たな惑星が存在し太陽の一番外側の周囲を回る実態無くして太陽系が成り立たないとの発想が、元々科学者達にあったとの報道だ。

 これぞ凄い。
 まさに科学の業とは、その分野にかかわりなく地道な「仮説・検証」の繰り返しで成り立っているのだ!

 日本の科学者達も米国の報道を受け、「もし本当に『第9惑星』が観測によって見つかれば、なぜそこに惑星が存在し得るのかという新たな謎が生まれるし、太陽系の規模や成り立ちそのものが問い直されることになるだろう」と指摘した上で、「こうした予測が出ること自体、太陽系は実はとても広く、まだまだ分かっていないことだらけだということを示している」と話しているとの事だ。

 引き続き、今後の宇宙科学者達の精進に期待したいものだ。
 科学者達の日々の弛まぬ研究努力こそが世界に生きる人々の希望を産み出し、ひいては世界人民をグローバル、ユニバーサルな観点から物事を議論可能な人材に育成する事に貢献するであろう。

 その結果、世界規模で馬鹿げた争いが撲滅される事態へと繋がるものと、私は信じている。