原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

学生達よ、「就職活動」など軽々乗り越えて良き就職先をゲットしよう!

2014年10月20日 | 仕事・就職
 我が娘が通う大学に於いて3年時後期に入った現在、いよいよ就職活動前哨戦ともいえる「就職ガイダンス」が本格的に始まったようだ。

 それに伴い、とりあえず「進路調査(求職)カード」とやらを大学へ提出し、学内第一回目の模擬面談の運びとなっているらしい。


 昨日の日曜日午後、娘がその「進路調査カード」とやらの下書きを持参して私の元へやって来た。
 自分で記載した内容を、チェックして欲しいとの事である。

 元教育者でもある私にとって、この種の作業はお手の物だ。  「どれどれ」などと言いつつ、娘が自分で記載したカード下書き内容を詳細にチェックした。
 (私の診断では)私よりも亭主のDNAを生まれ持って多く表出させている割には、生育環境面で娘の教育を現在までほぼ100%担当してきた母の指導教育成果を併せ持っている事実を、娘が書いた“下書き”にて改めて実感させられ感慨無量である。 

 ただ、まさか「これでOK!」などとは言っていられない。

 現在に於ける就職戦線激化状態を鑑みるならば、娘には未だ備わっていない「自己PR力」こそを、親の責任としてこれを良き機会に開花させねば!!

 そんな思いで、娘が記載した「進路調査カード」を今一度点検し直した私だ。
 その書式とはほぼ履歴書形式なのだが、当然ながら就職活動に特化した箇所があるのが特徴であろう。 そうであるにせよ、小中学校の通信簿とも思しき「自己評価欄」が大学現場に於いて存在する事実にも驚かされ、辟易とさせられる。

 そんな“くだらない書面”に我が娘が実直に応えている内容にも、大いに落胆させられた母の私だ。  なんと、我が娘とは自分を卑下しているではないか!??
 「あのねえ。進路調査書とは自分の“長所”を売り物に出して就職をゲットしようとの書面であると思うよ。」 「あなたの記載を尊重するとして、少し前向きに表現を変えようか。」
 「例えば貴方は“コミュニケーション能力に欠ける”と記載しているけど、それって、官民を問わず集団組織内に於いて、とりあえず採用者側に一番嫌われる対象だよ」  「(母である私自身も)今尚集団活動は大いに苦手だけど、何も就職活動時期にそれを前面に出さずともよい! 自分が培っている専門能力を職場にて最大限発揮出来た暁には、何処の就職先とてコミュニケーション能力など二の次で、専門能力こそを最大限評価してくれる事に間違いない!」
 「要するに就職に際しては、今まで自分が培ってきたプラスの能力を全面的に売りに出せたならば、それで十分ではないのか。」


 我が家の場合、娘の母(私)も父(亭主)も過ぎ去りし時代に“恵まれた「就職」しか経験していない事が娘本人のネックであるのかもしれない。

 まず私自身の新卒就職を振り返るならば、過疎地田舎の国立大学医学部に学んだのだが、国家試験資格取得を前提として皆が100%就職をゲットできた時代だったと言える。  私の場合当時特異的な行動を採った。 同級生の皆が名立たる地元大病院に次々と就職を決める事を傍目に、一人単身で上京し、民間の医学関連企業に就職を決定した事が現在の私の人格を創り上げ、その後の我が人生に繋がっている。

 片や我が亭主の場合、附属早稲田高等学院より早大進学後、理工学部博士課程にて順風満帆に「理学博士号」を取得した後、筑波大学等でいわゆる“ポスドク”時代を謳歌した模様だ。 その後、生物物理学分野に於いて(小保方氏が論文取消し措置を受けた)科学誌「ネイチャー」に論文を掲載した事により、某一部上場企業研究所が“中途採用研究者”として採用してくれたのが幸いして、その後定年まで当該企業で生き延びられたようだ。


 そんな我が亭主と原左都子間で、娘の留守中に「新卒就職」に関して久しぶりに激突した。
 
 亭主曰く、「専門力なくして大手企業が新卒採用してくれるはずもない!」
 私曰く、「何言ってるのよ。 確かに大手企業とは専門力を武器とする新卒者を採用したい事は分かるが、その実とはいつの時代も新卒者の個性は千差万別なのよ!」  「私の経験から言うと、自己主張ばかりが激しい人材よりも、むしろ底辺で真面目に頑張ってくれる若者こそが捨て難い。 いろんな個性の人材が企業や職場を支えているのよ。 私は民間企業経験でそれを十二分に理解出来ているけど、あんたは一体民間企業で何を学んで来たの?!?  所詮、若き新人など最初は使い物にならないものだよ。 我が娘だってとりあえずは底辺を支える立場を地道に務め挙げた暁に、自分の実力で這い上がれる資質を今後私が育てるわよ!」


 我が娘の「就職活動」前哨戦が、本日始まったばかりだ。

 身勝手な馬鹿親どもである我々が娘の可能性を潰すことなく、今後共見守り応援したいものであるが…。
 はてさて…。