原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

菅さん、仙谷氏・枝野氏人事はベストチョイス!

2010年06月05日 | 時事論評
 昨日(6月4日)、民主党の菅直人氏が衆参両院本会議において第94代首相に指名された。

 これに先立って民主党代表選挙が党所属議員の投票により行われた訳であるが、この党代表選は事実上“小沢派”と“その他のグループ”の闘いであったとも捉えられる。

 実は私は樽床伸二氏という人物の存在を今回の民主党代表選において初めて知った。 小沢派若手グループの中では人望が厚いという報道であったようだが、さて、如何なる政治的ポリシーの下に代表選に臨もうとしているのか興味を持っていた。 (参考のため、原左都子は元々民主党支持派でもなければ、さらには民主党内の事実上の“小沢氏独裁体制”に対して昨夏以来嫌悪感を抱き続けている部類の人間である。)
 その樽床氏の代表立候補演説であるが、これにはとことん幻滅させられた。 「今は民主党は一丸となるべきである」趣旨の表明を述べたのみで、ご自身の政治家としてのポリシーは元より、政権を担っている民主党が現在直面している危機的状況を如何に乗り越えるのかの党首候補者としての見解にはまったく話が及ばず終いである。
 代表選は党内で行われるとは言え、全国的に生中継で報道されることは候補者本人も周知のはずである。 元々菅氏の圧勝結果になることは本人も予想していたであろうとしても、国民に名を売る滅多にないチャンスを樽床氏は何故に活かさなかったのか??
 結局、小沢氏支持派議員とは小沢氏独裁に抱き込まれその“手厚い加護”の下に日々安穏としているだけの存在なのではないのか?  すなわち言い換えれば、親分である小沢氏とは自らの親分としての利権のみを狙うが故に、自分が寄せ集めた子分達の教育には手薄にならざるを得ないのか?、との疑念を再度抱かされた思いの私である。


 私は決して、今回の民主党代表選に菅氏が選出され首相に指名されたことを喜んでいる訳ではない。
 「原左都子エッセイ集」の前記事に於いても記述済みであるが、政権の失策により国民の支持率を大幅に失っている政権政党が“党首をすげ替える”という手段で政権の座を死守しようとするのは、過去における自民党の失態の繰り返しでしかなく一国民感情としても失望の思いだ。
 ただ、現時点において党首をすげ替える手立てしか打てなくなっている民主党に国政を委ねる以外に今の我が国の政治が進むべき道がないのであれば、せめて民主党には“よりよい政党”に生まれ変わるべく精進して欲しいものである。


 上記のごとく相変わらず危機的状況下にある民主党ではあるが、今回首相に指名された菅氏が「小沢氏にはしばらく静かにしていて欲しい」と公言して、小沢氏の影響力を極力排除する方向性を打ち出しているところのみは大変心強い。

 あれだけの得票数を得た昨夏の衆院選にもかかわらず、鳩山政権がわずか8ヶ月で終焉したその敗因に関しては、この8ヶ月間に渡って「原左都子エッセイ集」の時事論評バックナンバーにおいて分析しつつ既述しているのでそれを参照いただきたい。
 ここで端的に鳩山政権の短期間にしての敗因を結論付けるならば、それは民主党内の“小沢独裁体制”に尽きるのではないかと原左都子は分析している。
 小沢氏崇拝者がこの国において今尚多く存在する所以とは、まさに自民党が過去において展開してきた旧態依然とした政治を、現政界における実質的最高権力者である小沢氏が自己利益追求のために内面に引きずりつつそれを再現しようとしているノスタルジーを支持する一部国民の懐古趣味に他ならないのではないのか?
 この国の「縁故」文化の下で育った弱輩者の中には、周囲に有無を言わさない権力者の傘下でその恩恵に授かることにより、何でもいいから我が身を立てたつもりになりたい輩も存在するのであろう。 それが証拠に、昨夏の衆院選では素人若手議員が小沢氏の縁故のみに頼って大量当選しているし、来る参院選に“人寄せパンダ”として立候補させられている“ヤワラちゃん”とてその大いなる犠牲者と言えるであろう。

 前首相の鳩山由紀夫氏に関しては、その失態故にこの8ヶ月間国民に迷惑をかけ続けたことは重々反省して欲しいものだが、氏の今後の動向に関しては私はさほど懸念していない。
 何故ならば鳩山氏は元々政治家としての資質が疑われるのに加えて、周囲への“影響力”が乏しい人材であると捉えているからだ。 大変失礼な言及ではあるが、この方はもしかしたら世襲故に“レールが敷かれていた”のみの理由で政治家の道を歩んだのではなかろうか? そしてこの方、一般人として生きていたならば至って“いい人”なのではないかと私は想像するのだ。 次期衆院選には立候補しないとも表明しているらしいが、どうか今後は“不倫婚”のあの目立ちたがり屋の奥方と共に一般人としてのセレブ人生を幸せに歩まれますように。
 (余談だが、菅氏の奥方は“硬派”であるらしく、鳩山夫人のようにチャラチャラと表舞台には一切出ないと今から公言しているらしい。 やっぱり、一国の首相とて“内助の功”は重要であろう。 鳩山さんも政治に精通した適切な助言が可能な奥方を選択しておけばもっと長期間首相の座をキープできたであろうに…。 だから貴方はセレブの域を超えられていないと原左都子に分析されているのだ。)


 一方で侮れないのが、やはり小沢氏である。
 もういっそこの際、小沢氏は“小沢フリーク議員”を伴って民主党から離脱して“小沢独裁新党”でも立ち上げたらどうか、とも言いたくなる。 きっと小沢氏の影響力なくしては議員として自立できない輩が沢山くっついて来ると思うよ~。
 小沢グループが民主党から消え去れば、新民主党党首の菅氏も動き易いであろうにねえ。
 そのための人事として、非小沢派の最たる存在である仙谷氏と枝野氏の党要のポジションへの抜粋人事を何としても遂行して欲しい思いの原左都子である。 歯に衣着せず発言できる党内では貴重な存在の長老仙谷氏と、小沢氏の金権問題で真っ先に辞任すべきと堂々と発言した若手枝野氏の民主党内における存在は貴重である。

 菅さん、この際まさに「世襲」も「縁故」もぶった斬って、選挙の票取り対策もやめて、本気で新しい国政を打ち建てましょうよ!   
 この期に及んでまたうだうだしてると直ぐに国民や野党や新党から叩かれるし、単なる参院選の票取り対策では鳩山政権の“二の舞”に終わることは間違いない。 何度も言うけど、貴方達が昨夏新政権を立ち上げて以来失策続きの醜態を晒してくれたお蔭で、国民の国政を見る目や耳が十分に肥えてしまってるのだから。 
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