原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

いっそ、一人で生きる覚悟をしたら?

2009年11月19日 | 恋愛・男女関係
 現代社会における“人間関係の希薄化現象”の行き着くところが、今マスメディアで盛んに報道されている「婚活詐欺による複数男性不審死事件」であろうか。

 犠牲者には大変申し訳ないが、「いい大人が何故にネットで知り合った女ごときに騙されるの?」との思いがどうしても私の頭を過ぎってしまう。


 ご覧の通りこの私も我がブログをネット上で公開している関係から、ブログを通してコメントをいただく等のネット上の人間関係はある。
 以前は「原左都子エッセイ集」の宣伝活動のために、某ブログコミュニティを積極的に活用していた時期もあるため、そのネットコミュニティを通じて不特定多数のブロガーと交流した経験もある。

 当ブログのバックナンバーでも再三述べているが、私はネット上での人とのかかわりに関して“現実感”や“実体感”が摑みにくい欲求不満感にずっと苛まれていた。 
 ブログにいただくコメントに関しては、「原左都子エッセイ集」はオピニオンブログであるが故にコメント欄は意見交換の場として有効に機能している感覚があり、そういう観点からの満足感は今現在も得られている。
 その一方で上記ブログコミュニティについては、コミュニティの存在趣旨がブログから離れて“ブロガー同士のネット上での友達付き合いの場”に重点が置かれて以降、その目的で利用する意思のない私は現在疎遠状態を貫いている。


 マスメディア報道によると、今回の「婚活不審死事件」の犠牲者一男性が綴ったブログに、追悼のコメント書き込みが殺到しているとのことである。
 「実は婚活中でして、… 今日相手のご家族と会う、云々…」との遺体発見前日に本人が綴った記事に対して、「結婚を信じた○○さんの無念を想像すると、耐え難いほど悔しい」等々、同じくお見合いサイトを通じて婚活を試みている男性らからの多数の書き込みがあるらしいのだ。

 朝日新聞の記事によると、05年の調査資料では未婚男女の9割が「いずれ結婚するつもり」と回答する一方で、男性の未婚率は35~39歳が約30%、40~44歳も22%と現実と希望とのずれが際立っている現状だ。
 上記調査から4年が経過した今現在、未婚者の比率は大きく拡大し、現実と希望のギャップ現象もさらに加速度的に拍車がかかっていることであろう。


 ひと昔前の結婚の出会いの場と言えば、“職場”が圧倒的多数だったのではなかろうか?? あるいは学生結婚等自身の活動範囲内でお相手をゲットするパターンや、田舎の場合は見合い結婚が多かったような記憶がある。 私の周囲にも職場結婚や学生時代からの恋愛相手との結婚、はたまた田舎ではお見合い結婚が蔓延っていたものである。
 “適齢期”当時に結婚願望がほとんど無かった私など、「よくまあ皆さん、手短な相手で満足できること…」などと自分勝手な観点から、当時はその種の“手短結婚”を蔑んでいたものである。(いえいえ、ご本人同志が幸せならば十分でございますぞ~~。)
 
 ところが今となっては結婚対象年齢世代の就業さえおぼつかないために、職場で人に接する機会も制限されざるを得ないのであろう。 あるいは学生時代に恋愛相手をゲットできたとしてもその恋愛関係がいつまで続くことやら…。 ましてや今の時代、近親者からの紹介等の周辺コミュニティによる“見合い結婚”など一部の田舎を除き既に廃退した慣習なのであろう。 かと言って、大手企業が展開している“結婚出会い”産業を利用するにはコストが格段に割高だし、入会資格が厳しいし…

 そうなると、結婚相手との出会いを一体どこに求めるのか?
 その答が、今の時代は「ネット世界」という短絡的結論とならざるを得ないのか???


 それにしてもこの事件において複数男性殺人疑惑で起訴されている女が、殺した複数の男から騙し取った金額の総額が わずか 320万円 との報道が泣けてしまう。
 それしきの金を騙し取るために、何故にネット上で見知らぬ男を漁って何人もの人を殺そうとする発想が出るのであろうか?
 弱者が弱者を標的にして陥れるという、救いようが無いほど荒廃した今の世の中を実感させられざるを得ない、何とも悲しい事件である。

 結婚願望のある未婚者の皆さんには、空虚なネット世界を彷徨って得体の知れない相手をゲットしたつもりで一時の安らぎを得て死に陥るよりも、「いっそ、一人で生きる覚悟をしたら?」と申し上げたくもなる。
 この種の分野は新政権にその対応を期待してもまだまだ時間がかかる問題であるし、新政権お得意の“金のバラまき政策”では社会の荒廃に追い討ちをかけるだけであろう。
 
 とにかく我が身を守るために、ネット上での人との付き合いとは「怪しきは疑ってかかる」ことを信条に、くれぐれもご注意を!
         
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