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原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

原左都子も若かりし時代に医学職務にて「鏡検作業」を頑張っていました!!

2024年06月11日 | 医学・医療・介護
 (冒頭写真は、原左都子23歳頃に医学関連企業にて 鏡検(顕微鏡を覗く)作業を頑張っていた時代に同輩が撮影してくれた写真。)



 本日のエッセイは、2024.06.10付朝日新聞夕刊記事 「ぶらっとラボ・2種類の照明でみる顕微鏡」より引用する。

 早速、当該記事の本文を以下に要約引用しよう。

           
 
 (阪大などの研究チームが開発した、細胞の内部まで観察できる顕微鏡の写真。  いつものことながら、どういう訳か写真が縦にならないことをお詫びしておきます。)

 大阪大学吹田キャンパス・工学部ナノフォトニクス研究室に、新たなタイプの顕微鏡ばあると聞いて尋ねた。 なんでも、複雑な細胞の内部まで見られると言う。
 以前から光学顕微鏡を使えば、細胞を生きたまま観察することが出来た。 しま状の光を当てる「構造化証明顕微鏡で、細胞内の構造や動きまで見られるようになっている。
 それでも、厚みのある資材の場合、不要な光が混じることで、ぼやけてしまい、内部の細かな観察をすることは難しかった。
 そこで辿りついた解決策の一つが、シート状の照明の活用だ。 さらに、発行状態を切り替えられる「傾向たんぱく質」を使う手法を開発した。 
 L字型の片方の装置ではシート状の照明を、もう片方からは構造化照明を当てるしくみで、これまでに研究室が培ってきたノウハウを詰め込んだ。(中略)
 球状になった細胞のかたまり「スフェロイド」の内部まで細かく観察できた。 臓器に似せた組織「オルガノイド」の観察などへの活用も期待される。
 現在の装置は操作が複雑で、扱える人が限られるのが弱点だ。 研究者は、「よくある顕微鏡のように、誰でも観察できるタイプも開発中です」と意気込む。

 (以上、朝日新聞記事「ぷらっとラボ」より一部を引用たもの。



 一旦原左都子の感想と見解だが。

 冒頭写真で私が顕微鏡を通して観察している対象も、「細胞」だ。
 もう少し詳しく述べるならば、「ヒトの免疫細胞(T細胞、B細胞及びそのサブクラス」の分類・観察によるヒト血液中のそれらのパーセンテージの定量測定をこのラボ(実験研究室)で私は日々担当していた。

 免疫細胞は、その種類によりそれぞれ特徴がある。
 例えば、T細胞は“何故か”羊の赤血球”とくっついたり(ロゼット形成との表現をしていたが)。  あるいは T細胞の種類の一つであるサプレッサーT細胞は、羊の赤血球に加えてニワトリの赤血球もくっつける、なる特質が既に研究されていた。
 B細胞に関して我が記憶に頼って表現すると。 こちらは細胞表面に免疫抗体の受容体があり、それが免疫グロブリンに対する抗体を引き寄せる現象を蛍光顕微鏡を使用してそれらのパーセンテージを求めれば、T細胞同様にある程度のヒトの体内のB細胞数を定量できたものだ。
 それらの特徴を活かして、それらのサブポピュレーションの定量試験をおこなったものだ。

 
 この鏡検(顕微鏡を覗く)作業の経験がおありの方はご存じだろうが。
 
 特に、私が過去に扱っていた生の細胞等の画面上で動く対象物を鏡検するのは、並大抵のことではなかった。
 慣れないうちは、まるで「車酔い」のような症状が誰しも出たものだ。
 この私もその一人だったが、とにかくほとんどの研究者がこの作業には難義させられたものだ。
 ところが経験を積むほどにその作業に慣れるもので、この私など気が付けばずっと1.5を誇っていた我が効き目である右目の視力が0.7まで下がった… その後も執拗に当該業務を続行していると、不思議と車酔いの症状が無くなるのだ… それが無くなった後も数年この業務を続行したと記憶している。
 (参考だが 今尚我が右目視力は0,7なのだが、これが不思議! このお陰で我が右目の老眼化が阻止されていて。?!?!  有難い事に、私は高齢域に達した今も「老眼鏡知らず」の身だ!!)😁 😶 😷 



 最後は、話題が大いにズレたが。

 冒頭の話題に戻すと。

 大阪大学の研究者たちによる「構造化照明顕微鏡」の開発研究は、今後更なる素晴らしく目覚ましい医学や理学方面の発展をもたらすことであろう。
 
 今度機会があれば、その顕微鏡を一度覗かせていただきたい気もするなあ。


ヒトの男性から卵子が出来れば男性同士で受精卵が作れる!?!

2024年05月26日 | 医学・医療・介護
 (冒頭写真は、2024.05.21付朝日新聞「命のもと 試験管で再現 生殖応用 生命観塗り替える可能性」より転載したもの。  冒頭写真が横向きとなっていますが、時間の経過と共に縦になると信じます。)


 ヒトiPS細胞から、精子や卵子になる手前の細胞を大量につくる方法を京都大学の斎藤教授(細胞生物学)らグループが開発した。
 将来的に研究が進めば、皮膚や血液など体の一部から精子や卵子をつくり受精させることも技術上は可能になる。

 (以上、2024.05.21付朝日新聞一面記事より一部を引用したもの。)


 引き続き、同朝日新聞別ページ記事「同性同士の受精卵・知らぬ間に作製 ルール作り 議論は途上」より要約引用しよう。

 将来、iPS細胞などからヒトの卵子や精子がつくれるようになったとしても、生殖に使うかどうかは様々な観点で議論が必要だ。
 研究者らでつくる国際幹細胞学会の指針は、安全性を理由に生殖に使うことは容認していない。 (中略)
 この分野の第一人者の林克彦・大阪大学教授は、 「見た目がヒトの卵子のようなものなら、5年程でできるだろう。 それが本当に体内でできる卵子と同じなのかというと多分違う」と釘を刺す。
 「マウスでもiPS細胞から作った卵子は、やはり体内で出来る卵子と違うなと思う。 改良は並大抵のことではない」
 さらに、この技術は従来の生命感も塗り替える可能性がある。
 林さんのグループは昨年、オスのマウスから卵子をつくることに成功。 別のオスの生死と受精させ子どもがうまれた。 (中略)
 ヒトの男性から卵子ができれば、男性同士で受精卵がつくれる。 さらに自身の生死と受精させれば、遺伝的には一人の親になる。
 あるいは、知らないうちに体の細胞を誰かに採取され、勝手に卵子や精子がつくられるかもしれないーー。
 基礎研究に関する文部科学省の指針は、現状ではiPS細胞から卵子や精子ができても、受精に使う事を禁じている。(中略) 内閣府の専門調査会は、研究の目的によっては受精を認める方向で議論に入る。
 一方、医療応用に向けた法的ルールや規制は議論の対象外だ。
 生命倫理に詳しい東大の神里准教授は「社会的に一番の問題になるのは『その技術を生殖利用していいのか?』だ。 そもそも、これまでの様々な生殖医療の技術についても、どう使われるべきかコンセンサスが定まっていない。 すでにある技術を含めた全体像を示した根幹となる法律をつくることが理想的だ」と指摘している。

 (以上、朝日新聞記事より一部を引用したもの。)




 最後に、原左都子の感想だが。

 無限に増やせて体を構成するあらゆる細胞に変化できる能力を持つiPS細胞をはじめとする再生細胞研究が、破竹の勢いで進展を遂げている現実に関しては、医学関係者として多少把握していたものの。
 (参考ですが、私自身はこの「再生細胞」発展時代には既に医学者としての現役を引退していて、残念ながら実際に「再生細胞」研究実験を自身で執り行った経験はありません。)
 

 「ヒトの男性の細胞から卵子を作る」なる(歪んだ)方向性においてもiPS細胞研究が既に着目されている時代に移ろいでいる事実には、驚かされる。

 目覚ましい医学研究の発展は、もちろん喜ばしくはあろうが。 
 半面、その発展が行き過ぎてしまう懸念も大きいものがあるだろう。

 上記朝日新聞記事内にも書かれているが。
 iPS細胞から、例えば卵子や精子がつくれない人でも自分の卵子や精子が得られる事例は良しとして。
 例えば、細胞さえあれば死者からも卵子や精子が作れるまでに研究が進んでしまったとしたら…

 ヒトの出生に伴う「倫理観」が大いに歪み、世の中の秩序が成り立たなくなりそうな混乱と空恐ろしさをもたらし。
 それは、結果として人類の滅亡に繋がるかのような危機感すらいだかされる…

 そんな意味での、再生細胞研究・実験に対する今後の見識者らによる確固たるルール作りこそが肝要だろう。


原左都子も「軽度認知障害(MCI)」か???

2024年05月13日 | 医学・医療・介護
 (冒頭写真は、2024.05.09付朝日新聞記事「認知症2040年に584万人 『前段階含めると3人に1人』」より転載したもの。)



 冒頭写真が掲載されていた朝日新聞記事の一部を、以下に引用しよう。

 2040年には、65歳以上の高齢者のうちおよそ3人に1人は認知症か、その前段階の軽度認知障害(MCI)になる。 こうした推計を厚労省が8日に公表した。 高齢になるほど有病率は上がるため、将来的には認知症などの人はさらに多くなる可能性があるという。
 軽度認知障害(MCI)について。  記憶力の低下などの症状があっても、家事や買い物などの日常生活では支障が出ない状態のこと。 認知症となる手前で、その後に生活機能障害が出て、認知症に移行する場合もあれば、生活習慣の見直しといった認知症予防の取り組みによって、健常な状態に戻る可能性もある。 厚労省によると、MCIの人のうち、5~15%程度の人が1年で認知症に移行する一方で、16~41%程度の人は1年で健常な状態になるという。

 (以上、朝日新聞記事より一部を引用したもの。)



 実は、この原左都子も近頃 時折自分が「認知症」ではないか??と思う機会が多くなって来た。😱 
 その状況に関して、ネット上でお知り合いの某医師先生に簡単に質問させて頂いたところ。
 既に後期高齢域に達しておられる某医師先生がおっしゃるには、「この高齢の私も同様の物忘れ等々の症状がよく出ますが、それをすぐさま認知症とは診断できないでしょう。」とのご返答を頂き、ひとまず安堵した私である。

 この我が症状を振り返るに、コロナ禍にて「自粛生活」を余儀なくされた3,4年前頃から出始めた記憶がある。
 その頃、私は同時に高齢者域に差し掛かったのだが。 
 コロナ禍に伴う自粛生活がたたり、我が行動範囲や活動が極度に狭くなってしまった。 (これは多くの皆さんも同様のご経験をしておられたであろうが。)
 この自粛生活に伴って生活上の浮き沈みが極端に乏しくなってしまった。日々行くところと言えば、近くへの買い物か、同じく近くの公園でのランニングかと相場が決まってしまい…
 たまのサプライズと言えば、美術館へ行ったり、娘の住居地へ行ったりはしたのだが。 (これらに関しては、記憶がしっかりしていた。)

 半面、例えば近くのスーパーマーケットへ買い物に行った等のルーチンワークに関し。  後で振り返って、「今日私は何処のスーパーへ行ったのだろう?!?」などと、記憶の一部が一時飛んでいることに気付くことが多発したのだ!!
 酷い時には、「私って、今日出掛けたのか?!!?」と自問する事態まで発生し、冷蔵庫内を確認して、「これ今日〇〇スーパーで買って来たから、そのスーパーへ行ったんだ…」などと納得したりすることもあった。

 
 私には身近に、既に認知症(かなり重度です…)を患っている高齢者の義母がいる。
 現在92歳になっているその義母の施設での様子を、垣間見て思うに。
 認知症とは単なる物忘れとはまるで異なり、“厳しい世界”であることを思い知らされている身にして。

 確かに 私に時折出る一時の“物忘れ症状”は、それ(認知症)とは異質で無縁と判断可能なのだが。

 それにしても冒頭に提示した通り、我が国の認知症患者は急激にその割合が増加していることに気付かされる。


 今年の1月には、認知症に関する初の法律「認知症基本法」が施行されたようだ。

 そんな法律を制定するべく我が国も急速に高齢化社会へ向かっている事実を、“物忘れ症状”が時折出現する我が身を持って実感させられる。


私が住む自治体の40歳以上対象者のうち、健診受診者は半数らしい

2024年05月08日 | 医学・医療・介護
 (冒頭写真は、最近自宅まで郵送されてきた自治体の「健康診査・がん検診等のご案内」の裏面より一部を撮影したもの。)


 この裏面の以下の文言を見て、医学関係者である私はかなり驚いた。

 “40歳以上の対象者のうち約2人に1人が受診しています。”

 早速我が感想だが。  「へえ、意外と中高年層以上の年齢層の健診受診率は低いんだ…」


 かく言う原左都子も、職業現場を退職後は「自治体等々の健診を受けない派」だ。

 これには もちろんの事、医学関係者である私なりのポリシーがあってのことだ。
 基本的に、医学関係者とは医学・医療に関する学業・実習・実務経験の積み重ねによる経験値により、自身の身体状況をある程度冷静に把握できていると私は察する。
 身体の各所に異常が発生した場合にも、あわてて医療機関を頼るのではなく。 まずは自分自身である程度のその異常に関する推測や自己診断が可能な場合も多いのではあるまいか?
 そしてそれに基づき冷静な行動の上に選択肢を模索し、自己の異常状態と相談しつつ回復を待ち、その症状が収まったならばそれでよし、との結論に至るのではなかろうか???

 この記述は、あくまでも原左都子本人の身体に異常が発生した場合の措置なのだが。
 
 確かにこの私も年齢を重ねる毎に、身体の各部署に「異常」が発生する事態が増加している感がある。

 それでも慌てず騒がず、まずは自身の身体状況の観察・把握から開始し。 
 例えば痛みが激しい場合などは、この私とて辛いため。 
 亭主(物理学研究者ではあるが、医学には素人で薬のコレクションをしている😱 😷 ため)、その薬コレクションの中から適切なものを選択して飲んだりはする。 (医学素人の皆様は、決して真似はなさらないようにお願いします!!) 
 これがてきめんに効いたりするのはある意味では怖いが、それでも後々回復するので、この習慣を続行したいと考えている。😖 


  原左都子にとって近年一番つらかったのは、「左膝複雑骨折」時の手術入院中の “投薬に関する医療従事者とのいざこざ” 事件だった。
 我が主治医先生に関しては、“あうんの呼吸で” 私が無駄な医療行為や投薬を拒否したい人種であることを、ご理解いただけたようだが。
 さほどの接触が無かった薬剤師の方から、「痛み止め薬」を強制的に処方された。 (これに関しては、その処方が退院時だったのが幸いして、退院後すべてを廃棄処分として事無きを得た。)


 
 自治体の健診に関しては、徹底して毎年「無視」を決め込んでいる原左都子だが。
 それによって、我が身体が病魔に襲われるとの事態には一切陥っていない。

 失礼な発言かもしれないが、あんなものに貴重な時間を指してのこのこ出かけたとして。 
 まあ、何らの異常値も出ない自信はあるものの。
 それが出てしまった後の、医療関係者たちとの面談の“鬱陶しさ”をまずは思い描いてしまうのだ…😨 😵 

 私自身が医療従事経験者であることを、今更「伏せて」ものを言う訳にもいかないだろうし。
 それを言った途端に“嫌悪感”を抱く医療関係者も必ずや存在するし。😖 

 最悪の事態は、「異常値」の解釈が私と医療関係者との間で割れる事態も想定可能だ。 

 実は、この事態を左膝複雑骨折の入院時に既に経験している。
 バックナンバーにて公開済みだが、某医師は私の検査値“のみ”を一見し、すぐさま「重病」を指摘して譲らなかった…
 そんな訳が無く私から完全否定した挙句、その医師とは関わらない方策を練って大正解だった。

 あれから既に1年半の年月が流れたが、私は重病とは何らの縁もなくこの通り元気に生きている。


 とにかく、自治体の健診はこれぞ市民の自由で受診すればよい。

 ただし、あくまでもそれを拒否している市民の中には私の如く医学関係者としての苦悩の実態がある事実も、自治体には少しはご理解いただきたい。


原左都子も、若かりし時代に「月経」が実に重かった!!……

2024年04月15日 | 医学・医療・介護
 この「女性特有」の災難を取り上げてくれたのが、現在NHKにて放映中の連続テレビ小説「虎に翼」である。

 それは割愛するとして。

 この原左都子も、未だうら若き乙女時代に「過多月経」に実に苦しめられたものだ。


 本日は、そんな我がエッセイ集より。
 2020.01.22付公開の「思い起せば、私も『過多月経』だった…」を、以下に再掲載させていただこう。


   娘が小学校時代に、地元公立小学校よりPTAによる「下校時パトロール」との業務が課せられた。
 その時ペアになった、娘の同級生のお母上とパトロールしながら会話をしたのだが。
 お母上曰く、「小6の娘に未だ“生理”が来なくて心配している…」
 それに私が応えて「まだご心配なさる年齢じゃないと思いますけど。」
 お母上「原さんちの〇〇ちゃんはもう始まっているんですか?」 
 私 「ええ、始まっていますけど、あんなもの遅い方がラクで良かったのにと思っているくらいです。」

 それに一瞬驚いたお母上「えっ??? どうしてですか? 女の子にとっては大事な事だと思いますが…」
 おっしゃる通りであり、私が反省して、「失礼申しました。 実は私自身が“過多月経”だったため娘時代に苦労の連続で、生理に良い思い出が何も無いんです…」

 実際、我が“過多月経”ぶりはもの凄いものがあった。

 私の生理開始は中一だったのだが、未だ始まって時が経たない頃にブラスバンド部の夏合宿と生理が重なった。
 合宿も後1日を残す朝方の事だ。 目覚めると、持参した布団や毛布が血だらけだ!  (こんな時に生理が始まるなんて…)と未だ12歳の私は泣きそうになりながらトイレに駆け込むと、当然身につけていた下着類のすべてが真っ赤っ赤状態! それを急いで着替えして…
 ただ、合宿も最終日だったことに助けられた。 まるで殺人事件かのごとく多量の血に染まった布団や毛布類・下着類を急いで丸め込み、そのまま家へ持ち帰った。
 それを見た母が洗ってくれたのはよいものの。  「何でここまで汚すの! だらしない!」  母とて単に無知で悪気は無いのだろうけど、これが辛くて辛くて…
 
 その後もこの失敗の繰り返しだ。 
 何故か今生理が始まったら困る時に、私の生理は始まる。😰  
 
 例えば、高校時代の“野外合宿”の時もそうだった。 全員トレパンを着用させられるのだが、どういう訳か当時そのトレパンの色が「白」なのだ! この白トレパンが真っ赤に染まったのに気づいたものの、すぐさま着替えする訳にもいかず… ついに泣き始めた私に、級友がこっそりと「泣くな! 泣くと余計に目立つ。 私が後ろについて隠してあげるからとにかく泣くな!」 (Thank you …)と思いつつ涙が止まらなかったものだ…

 あるいは医学部時代の付属病院検査室実習時にも、白衣に生理の血が滲んだことがある。 その時は既に病院職員であられた先輩が、これまたこっそりと「白衣に患者さんの検体の血がついたようですよ」とフォローして下さった。 私自身の生理出血であるのは明白だが、とにかくすぐに白衣を着替えに行かせてもらえたのはラッキーだった。

 高校までの学校の制服は紺色だったことに助けられた。 スカートを汚しても目立たずに済んだ。 あるいは私服の時は、生理中は絶対に薄色の洋服を着ない事が閉経まで身に付いていた。  昔テレビにて「あの日も白…」と歌う生理商品のCMが流行った事があるが、私には無縁の世界だった…。

 社会に出て、同じく“生理過多”の同輩と出会った事がある。 その女性とその対策に関して色々話し合えたのが収穫だったものだ。  夜間はどうする? ナプキン3枚重ね、等々…  殿方には永遠に分からない話だろう。
 現在では、生理ナプキンも場面に合わせ進化を遂げているが、当時はそうではなかった。 どれほど苦心して、出血過多状態を乗り越えてきたことか。

 私は医学関係者であり、自分自身で自分の血液像を顕微鏡で見る機会も多かった。  実際、末梢血に赤芽球が観察出来るほどの貧血状態を余儀なくされていた。 これが自己申告で“生理過多”がその理由だと主張しても、いや単に栄養不足だ、鉄分が足りていない等々の自己責任論の反応が、同じく医学関係者の同僚等から返ってくるのも悲しかった…

 その証明が出来たのは、高齢にて妊娠した時だ。 
 妊娠すると、必然的に生理が止まる。 これが何と楽ちんなのだ!  いや、人並みにつわりはあったが、何と言うのか、身体がまるで生き返ったがごとく軽やかだった。 今まで苦しめられ続けた“立ちくらみ”も一切無い。 本当に元気な妊婦時代を過ごせた。

 そして閉経後。
 私の血液のヘモグロビン値は、閉経後ずっと正常値を保っている。 (いや、現在では定期検診を受けない主義のためその値を知らないが、感覚的に生理に苦しめられ続けた現役時代の辛さが嘘のごとく一切無い。)  参考だが、我が生理があった時代のヘモグロビン値は基準値の約半分程でずっと経緯していた。 末梢血に赤芽球が出現しても不思議では無い程の貧血状態だった…
 
 我が“過多月経”失敗談義が続いたが。
 今回、このテーマでエッセイを記そうと志したきっかけは、朝日新聞2020.01.18付「ひどい痛みや貧血、病気かも」と題する女性の月経に関する記事を見たことだ。

 何故か、この種のメディア情報は昔から少ない。
 女性に特有の「生理」に関して語ることが、今尚メディア界に於いて御法度なのか???  そんな事は無いと信じたいものだが…
 よくぞまあ、朝日新聞は毎月訪れる「生理」に苦しむ女性に光を当ててくれたものだ。
 この種の記事が、我が「生理現役時代」にも公開されていたならば、どれだけ勇気付けられた事かとも思う。

 とにかく、女性陣よ。
 生理とは女性のみに与えられた、特権だ! 
 もしもご自身に毎月訪れる「生理(月経)」に関して異常性を抱いたのならば、すぐさま専門医を受診される事をお勧めする。
 今の時代は、その要請に医学・医療現場が応えてくれるはずであると信じたい。



 今回は、“血生臭い”話題で恐縮だが。

 今回、この話題をNHK連続テレビ小説「虎に翼」にて取り上げた勇気に、原左都子は拍手を贈りたい!!

 実際問題 ドラマの寅子と原左都子以外にも、この世には「過多月経」等々で、それが訪れる都度辛い(と言うよりも本人にとっては毎月“壮絶の苦しみ”だ!!)との思いをしている女性が存在するはずだ。

 あるいはまったく逆に「月経」が不定期等々の問題を抱えている女性も世には数多いことであろう。

 私の場合は、自分自身が望むところの「一女をもうけたい!」なる欲求が達成されたのだが。
 この「月経」のせいで、御自身の人生が大きく違わざるを得ない女性やその配偶者のためにも。

 この辺に関する現在の医療の進捗度合いを把握していない身にして、全ての子どもを欲するご家庭が良き結果に達することに切に期待したい思いだ。