NHKの連続テレビ小説「マッサン」に出ている鴨井の大将、鴨井欣二郎を見ていると、大人の男という感じがします。マッサンが北海道で自分のウイスキーづくりをしようと退職願を出したとき、鴨井の大将は「金はあるのか」と聞きます。
マッサンは「あと10万円が足りません」と答えます。すると、大将は「従業員とその家族の生活を守るため、どんなことでもするのが経営者の務めだ。お前にそれができるのか。10万円が足らないのなら、俺に土下座をしてでも貸してほしい、と頼まないのか」と言います。
マッサンが土下座をすると、大将は小切手に「拾萬円」と書いて「返す必要はない。退職金だ」と手渡します。当時の10万円は現在の5000万円に相当するそうです。
かっこええなあ!
このシーンを見ながら、思い出したのが、友人の話です。
高校時代の友人はネットワークサービス会社の経理担当役員をしていました。時代を先駆けるベンチャー事業でしたが、利益が出始めると、大手通信会社が乗り出してきたことなどから、経営が行き詰りました。ソフトバンクが買収したのですが、社員の当面の生活費を退職金として支払わなければなりません。その金がないのです。
困った友人はソフトバンクの孫正義社長にお願いしました。孫さんは「いくら必要なのか」と尋ねました。「一億円です」と答えました。
その場で小切手に一億円と書いたといいます。それだけのお金がなければできないことですが、生まれ変わったら、こんな大人の対応ができるようになりたいと思います。整骨院を開院して4年が過ぎたのに、いまだに赤字経営のタケちゃんやから、とっても無理やろうけど。