中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第5回 紬塾「織る準備――糸量の計算、デザイン」

2010年10月05日 | 紬塾 '9~'12
自分で紡いだ糸を織るための準備と糸量の計算、それからデザインを考えました。
実習の内容は昨年のブログ記事を参考にしてください。


デザインというと、気持ちが改まって肩に力が入りがちですが、
真綿紬の糸はそれ自体が趣きのあるもので、
濃い色の地糸と薄い色の手紡ぎの糸2色を織りまぜるだけでも
充分に豊かな表情が生まれてくると思うのです。デザインすることが目的ではなく、
織りながら生まれてくる模様をしっかりと捉えることが大切です。


私自身は図案を描くことはほとんどしません。
糸量を計算する必要があるとき(絣を織るときとか)のみ多少は描きますが、
その場合にも、アバウトにやる程度です。
それよりも大切なことは、素材が持つ美しさに目を向けていくことです。


自分の思いどおりのデザインとか、絵画的(?)とか、
現代アート風(?)とか、私は好みません。
絵も現代アートも好きですが、紬の着物の中にわざわざ織り込まなくても、
糸や色から自然に放たれてくる宇宙感が大切ですし、自由なものづくりだと思っています。


今回、織りの実習をする人たちには、糸の計算のために
大まかな図案を描いてもらいましたが、そのことにあまりとらわれず、
大切なのは実際に織り出しながら、自由な気持ちで臨んでもらうことです。



次回の更新予定は10月下旬です。



中野みどりのHP


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