中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

'16新作紬のショール

2016年11月13日 | 着姿・作品

合着の時期にも重宝するやや薄手のタイプ。(品番1611-03)





桜染の落ち着いた黄茶色。畝のところに使っている真綿引き出し糸はもう手に入らない貴重なものですが、空気を含み温かいです。(品番1611-04)




角型のビーズは天然石のヘマタイトです。

木枯らし1号も吹き、寒くなってきました。
昼間は温かくても夕方から急に冷えてくるのがこの季節です。

この時期特に役に立つ紬のショールはいかがでしょうか?
経糸、緯糸に真綿紬や太い節糸を使った、軽くて温かいショールです。
経糸の節糸使いが特徴的です。
草木染め、手つむぎ、一点ものです。

嵩張らずバッグに忍ばせてお出かけになると安心です。
使い込むうちに、シワになりにくくなるのもこの紬の特徴です。
真冬には四つ折りにしてグルグル巻でマフラーのように使うのも良いです。

ショールを織るのは織密度や打ち込み加減が着尺や帯とは違う難しさがあります。
この二十数年で徐々に改良を進めてきました。

肩にかけた時のドレープが綺麗で、なおかつ堅牢性も持たせるために節のある糸をタテ・ヨコに使い、柔らかいけれど地の目がずれないよう織っています。 
節のある糸は糸巻きも織るのもとても手間と時間がかかりますが暖を取るショールにもってこいの素材です。

絹は手入れが大変と思われがちですが、紬に関してはウールよりも楽なんです。
絹糸自体が縮む事はありませんので、中性洗剤やシャンプーで手洗いをしていただき、5秒脱水で竿などに干し、後はスチームアイロンで整えるだけです。

洋服にも惜しげなくお使いいただき、洗って毛羽が取れてきた頃のなめらかになる風合いも楽しんでいただきたく思います。左右の向きを替えるとまた違った印象になります。
リピートしてくださる方も結構いらっしゃいます。

Online Shopでも2点upしておりますが、ブログ掲載のものもご注文頂けます。
草木染の色は微妙で写真での再現も難しいので、ご覧の環境(PCやブラウザの違い)によって実物とイメージが違う場合はご容赦下さい。
ブログ掲載の作品価格は共に85,000円(税抜き)です。

また、東京・青山のkomamono玖(こまものきゅう)さんで期間限定(11/14-11/24)で「紬の会」に先がけて販売します。お近くの方は、手にとってご覧ください。 
自然光の入る窓辺にかざして風合い、色、お顔映りなどご確認ください。
この期間、諸事情でお休みの日が多くなっていますのでサイトの営業日をご確認の上お出かけ下さい。

玖さんは着物を着るにあたっての小物をいろいろ取り揃えています。
homeにある「コンセプト」は同感です。
特に「面積の小さなものほど意外と印象を左右します」とありますが、着物を着てみると、実は小物ほど目に飛び込んでくるものです。
もちろん着物も帯も大事ですが、草履の鼻緒や前坪が真っ先に目に飛び込んできたりします。あるいは羽織紐とか、帯揚げとか少し覗く襦袢なども。
小物は脇役、後回しー、ではないのです。
せっかくの良い着物や帯が台無しにならないよう日本の上質の手仕事のものを慎重に選びたいです。
礼装用から、茶席や茶事のことにもお詳しいので、いろいろご相談されて選ばれると良いと思います。

また来年春からスタートされる子供(小学生)のための着物教室を立ち上げるプロジェクトをスタートされています。
親も全く着物を知らない時代ですので、見たり、触ったり、着てみる機会を作っていくことは良いことだと思います。とても大変なことだとは思いますが。。。
こちらに詳しく店主の渡邊英理子さんの思いを綴られています。ご興味のある方はぜひご覧ください。







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「中野みどり 紬の会’16 冬の装い」お知らせ

2016年11月08日 | 紬の会

                  絣着物「雪が解ける」・帯「冬の訪れ」・紬綾織ショール・梨染帯揚

紬の会を下記の通り行います。
冬の装いに是非お役立ていただきたいと思います。
ギリギリまで制作を続けますが、また近くなりましたら詳細をお知らせします。

神楽坂のアートスペースKでの開催に続き、櫻工房でも行います。
工房では紬を着ることに関してのご相談事やご注文にも対応いたします。
若干出品内容も変わります。

[中野みどり 紬の会’16 冬の装い]
11.30 [Wed] - 12.4 [Sun] 10:30 - 17:00 ※最終日16:00まで
アートスペースK 和室
新宿区神楽坂2-11 2F

着尺 帯 角帯 ショール マフラー
帯揚 帯締 ヘンプ肌着 他

*会期中お仕立代無料で承ります

*櫻工房でも開催します
12.9[Fri] - 15[Thu] 10:00 - 16:00

詳細はこちらをご覧ください。


新春の清らかな空気に合わせて綺麗めなお色の帯揚、帯締も用意しております。





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第8回紬きもの塾―取り合わせの美

2016年11月02日 | 紬塾 '15~'16


紬塾も終盤になり、ようやく着物を着る話になってきました。
みなさんからも質問なども多く、時間延長で盛り上がりました。

今回は着物(八掛)や帯、小物(帯締、帯揚げ)、襦袢、羽織(羽裏、羽織紐)、コート、その他の小物について一つずつ私の見解や、世間的に言われていることなどを話しました。
紬の取り合わせは、ただ色合わせや柄合わせにとどまるのではなく、質感やものが持つ力を合わせることも大切で、単なるカラーコーディネートではないという、そんな話にも及びました。

取り合わせワークショップも行いました。
2反の着尺と紬帯、染帯、銀糸の入った織帯
など6本を用意し、いつ、どこで、どんな目的、心情で着るのかを想像してもらい、2パターンを相談したりせずに、一人で考えてもらいました。帯揚げ、帯締ももちろん合わせます。

あとから結果を各自発表してもらいましたが、一組も同じ組み合わせはなく、いかに人の見方や考え方が僅かな選択肢の中からでも違う組み合わせになるのかがよくわかります。
誰かの真似っ子でもなく、色彩学的な刷り込みでもなく、とてもその方らしさも感じられる素敵な取り合わせでした。
みなさんため息や驚き、歓声などが上がりました。
自分では選ばないけれど、こういうのも素敵!と刺激を受けます。

こじんまりとまとめるのもよいですが、時にはちょっと冒険もいいですね。
ユニフォームのような統制された取り合わせは息苦しいです。
紬はおしゃれ着で、基本的なことさえ抑えれば自由です。

ただ大切なことは、違う色や柄、素材を合わせながらもちぐはぐや、めちゃくちゃにならないためにはどんなものでも上質なものを選ぶことが良いと思います。
ある一定以上のクオリティが保たれたもの同士を選ぶという力を自分の中にも持ちたいです。

そして何より取り合わせで最も大事な「着る人」。
自分に合わなければなりませんが、人生合わないものに遭遇することも度々です。(~_~;)
大枚投じながら似合わないものを買ってしまうことはありますよね。あるいは譲り受けた着物の色が合わないとか。そんな時のカバーの仕方も話しました。

20年以上前ですが、パーソナルカラーの診断を受けたことがあります。
ピンクとか黄色とか赤、青…の色の違いではなく、色相による違いを見ます。
例えばピンクといっても黄色味を含む、青味を含むで全く違ってきます。
それを春、夏、秋、冬とカテゴリーに分けられていて、その人の肌の色や髪の毛の色、瞳の色、他にも顔立ちや人柄までもトータルで見ていきます。

私の似合う色は青みを含むビビッドカラーの冬で次に柔らかな黄色味を含むペールトーンの春が続きます。強い黄色味を含む秋が一番似合わないカラーになります。

この日着ていた「草紅葉」と題した自作の着物は(上の画像)私に残念ながら似合わない黄茶で秋の色です。
そこで白汚し地に藍の縞帯、ネイビーブルーの帯揚げ、薄紫の帯締で冬や春の色を合わせカバーしてみました。この着物をきるときの羽織も似合う色を選んであります。

また似合う似合わないだけではなく、秋には秋の色も着たいですから取り合わせで乗り越えれば良いと思います。
取り合わせの世界も本当に深くて、年齢とともにもちろん変化し、時代の感覚も加わり、とどまることはありません。
でも日本に四季がある限り自然の影響を受けながら着物を着ることは変わらないでしょう。
似合わない色さえ取り合わせで着こなしていく――。洒落着は自分を発見し、磨くことのできるツール。
紬らしい風合いの良い着物を選ぶ目を養い、心地よく自分らしく、そして周りの人の目も楽しませ、和ませるなら最高です。一生をかけて磨いていきたいと思います。

今月末から取り合わせを中心にした「紬の会'16―冬の装い」を開催します。詳細は後日お知らせします。





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