中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

芭蕉布・平敏子展と篠田桃紅展

2022年07月18日 | 工芸・アート


今月初旬の暑い日に、二つの展覧会へ行ってきました。(;^_^A 

まずは、[芭蕉布-人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事] 大倉集古館(~7月31日)へ。
今までも芭蕉布は古いもの、現代のもの、たくさん見てきましたが、特に平さんを中心とした仕事を見せてもらいました。

学生の頃に出会った柳宗悦の、「今時こんな美しい布はめったにないのです。いつ見てもこの布ばかりは本物です」のこの一文は忘れませんし、私も民芸館での初めての出会いの時にそう思いました。

糸を作るだけで大変な時間を要し、植物での染め、絣の括り、製織・・もう果てしなく労力をかけられたものですが、自然に随い導かれて生まれる美の世界です。
樹皮の外から中心の性質の違いを活かし、使い分け、人の手わざと組み合わせた持続可能な仕事。まさにSDGsです。

第二次世界大戦後に消滅しかけた伝統技法を復興させ、現代へ繋いだ平良さんも今年100歳になられたそうです。力がなくなって他の仕事は出来なくなったが、糸を績むことは今も続け、楽しいとおっしゃられています。
地下でビデオも観ることができます。気を浴びてくるだけで癒されます。
織り継がれていくことを願います。
私も芭蕉布の帯を一本もっていますが、この夏、気合を入れて!締めたいと思っています。( ^へ^)ノ




二つ目はすぐ近くで開催されている[篠田桃紅 夢の浮橋] 菊池寛実記念 智美術館  (〜8月28日)へ。
美術家・篠田桃紅(1913-2021)さんは以前のブログでも触れていますが、回顧展として纏まった形での展覧会を観るのは、先月の東京オペラシティーが初めてでした。この展覧会と内容は違いましたので両方観ることができ良かったです。





書の作品に特に引かれました。
部屋の中にも、小品のリトグラフの一つでも欲しかったなぁと改めて思いました。桃紅さんの描かれた着物と帯も展示されていました。

奇しくも仕事のジャンルは違いますが、強い意思をもって創作で生きてこられた100歳を超える女性お二人から、地に足を付け生きる事、仕事することに精進し続ける大切さをいただきました。

芭蕉布展は着物の女性が多かったです。






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