中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

半幅帯シェアプロジェクト「変奏曲」&「連歌」の染色中!

2020年11月20日 | 紬の上質半幅帯
半幅帯プロジェクト、おかげさまでプロジェクトは成立し、定員に達しておりますが、あと1名の方なら何とか織れるかと思います。12月初旬に締め切ります。受付は終了しました)
勇気のある、大らかな方どうぞ。(*^-^*)

さて、プロジェクトのための染色に入っています。
染めてストックしてある糸もたくさんありますが、一連の作品ですので、地糸はたくさん染めなければなりません。


まずは工房の前庭斜面(50坪ほど)にある桑をグリーン系のグレーのために染めました。
結構な斜面で、50歳前半は降りていかれたのですが、今はもう降りていけませんので、30代のアシスタントに桑採りに行ってもらいました。
登山家には笑われそうですが、、。(^_^;)


桑もこの時期が最後となります。ギリギリセーフでした!黄葉もちらほら。


剪定した月桂樹の木もいただきましたので染めています。
葉は使わずに、干してスープ用、ピクルス用に保存しました。
チップを煮出していてもおいしい匂いがします。(*^q^*)
換気を良くしないと刺激が強いので気を付けなければなりませんが、、。


樹皮の部分と材の部分に分けました。

材のみ。白い材もきれいです。



以前は3月頃にベージュ系を染めたのですが、11月のは随分色相が違い、赤味が強く、灰汁媒染で深いピンクになりました。



そうこうしているうちに庭木の剪定もあり、樫、桜、柿、梨、リンゴ、モチなどの染に引き続き入っています。


樫の煮だし。ほうじ茶の臭い。
柄杓代わりに40年使っているアルミの打ち出し鍋も年季が入ってきました。


染めると無媒染でもこんな感じ。くすみを出さずに、深みのあるベージュにするのは難しい。


桜も紅葉と冬芽を一緒に染めます。この時期の桜の色を染めます。

染色は1回染めて終わりではないので、室内にしばらく干しながら色の重ねや掛け合わせなどを行い、使える色に仕上げていきます。気が抜けない大事な時期です。糸だらけの部屋になっています。。
12月初旬までは続きます。

赤城の節糸の力強さ、優しさと、植物の色の深さを損ねないよう、真摯に向き合っていかなければなりません。

「変奏曲」、「連歌」共に大まかな構想も浮かんできました。
参加の方々の雰囲気、持ち味も活かしながら私が大事にしたい思いも織り込んでいきます。


剪定された柿の木。夕暮れの中、凛と立っています。
伸びすぎて高台の南風にあおられ傾いていたので、大きく剪定しました。
木にはつらいことだったでしょう。ごめん。。
でも身軽になって台風の時は楽になるよ。
野鳥のためにも木守り柿は残しました。

庭の柿採れば採るなと鵯が鳴く  (^_^;)



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「糸」――中島みゆき

2020年11月08日 | コロナの時代を生きる


コロナ禍で様々な仕事が休業や廃業などを余儀なくされ、痛手を負い、苦境に立たされました。
私自身も秋に予定されていた個展は延期になり、経済活動もままならなくなりました。
しかし、この時代と向き合い、振り返り、様々な工夫があり、そして前を向いて歩き始めています。多くの方が、そうされていると思います。

そんな中、以前「ドレミから始めよう」でお世話になったソプラノ歌手の名倉亜矢子先生から、久々の連絡がありました。コンサートも中止になり、合唱の指導もできなくなり、オンライン講座を開くとのことでした。

歳を重ねると声帯も老化して、高い音も低い音も声がかすれたり、出なくなり歌うことからは遠ざかっていましたが、この6月からイギリスの古い曲を中心に歌う講座を、恐る恐る、受講させてもらっています。(^-^;

合唱ではないので、歌いやすい自分のキーで歌えるということでしたので、参加を決意しました。
楽譜も読めない私ではありますが、先生の指導の良さは、レベルは高いのですが、その人に寄り添うような無理のない指導です。
また選曲も素晴らしくて、、それなりに、、楽しく続けています。

興味のある方は是非HP覗いてください。
童謡、唱歌のクラスや、個人レッスンもあります。
参加方法なども詳しく書かれていますし、不明な点は名倉先生にご相談ください。

さて、その講座でご一緒させていただいている方が、富士通川崎合唱団に所属されているとのことで、「神奈川県リモート合唱コンクール2020」で優秀賞に選ばれたそうです。

富士通川崎合唱団は、富士通およびその関連会社に所属している、または所属していたメンバーで構成されているそうです。

コンクール参加曲は中島みゆき作詞・作曲「糸」です。
ホームページでその演奏を聴くことができます。→

リモート合唱というのはとても難しいようです。また、みなさんそれぞれの録画をズレのないよう編集するというのも大変なご苦労があったようです。
でもピタリと息が合っているようにみえます。
\(^O^)/  (^O^)(^O^)(^O^)

離れ離れの環境の中で、一人一人が心を一つにして目標に向かわれたのだと思います。

ぜひ、ご視聴頂きたいと思います。優しい歌声です。
みなさんもビデオと一緒に合せて歌ってみてはいかがでしょうか?

さて、この「糸」という歌詞はカップルの出会いを歌ったものと思われますが、織り物で生きてきた立場からみても、良くできた詩だと思います。
下記の歌詞引用にもありますが、出会うべき糸や色とめぐり合うまでが大変なのです、、。(-.-)

よく、紡ぐとか織りなすという言葉は歌の文句に使われますが、言葉のイメージだけで作られたものではないと思います。
この曲が、不朽の名曲になるというのも、糸というもの、織り物というものが持つ、原始から続いている、たてとよこが交互に交じわるだけのシンプルな技でありながら、人になくてはならないものとしての合理、普遍性と重ね合わせているからでしょう。

【織りなす布は いつか誰かを  暖めうるかもしれない
 織りなす布は いつか誰かの  傷をかばうかもしれない
 逢うべき糸に 出逢えることを人は 仕合わせと呼びます】
                    (歌詞一部引用)

このコロナの時代にこの曲を選ばれたのも良かったと思います。
歌っている方々の表情も自然体でいいですね。(^o^♪
私も自然体で自然な織り物を織り続けたいと思います。





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