中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

冬の旅の着物

2012年02月04日 | 着姿・作品
中野みどりHP

先月下旬に四国の香川、そのあと京都へと所用で行って来ました。
折から大寒波に見舞われた日本列島ですが、香川も京都も寒かったです。

行きは飛行機でした。羽田を出てしばらくすると
雪化粧をした、山々(たぶん八ヶ岳)が眼下に見えてきました。
山の稜線が白黒のコントラストで浮き出され、本当にきれいで、
ずうっと窓に頭をくっつけるようにして見とれていました。

日本の国土の美しさを思いました。
香川の讃岐平野も独特なところです。
平野の中に山がぼこぼこ出ていて、その稜線はおだやかです。
先の峻厳な趣きとはまた異なった美しさがあります。


香川の風景、点前は池

紬に半巾帯(リバーシブル)、フルレングスの袷のコート、紬のショールで出かけました。
旅に出るときは荷物はなるべくコンパクトに、最小限にするか、別便で旅先に送ります。
地方は階段も多く、着物のときは右手は上前をつかんで上がらなければ、
裾が汚れますので、片手は開けておいた方がよいのです。
ショールも首に巻きつけておくと(エレガントな装いには向きませんが、)
手がふさがらず楽です。
乾燥した時期は特に裾の方は静電気で汚れます。旅には濃い地色の着物がよいですね。


太いですね;;何とかしなければ。。。着物の身幅がどれも狭いのですが、着物の巾を直さず、着る時にはいつもこれにあわせて「やせよう!」と決意はするのですが、、、

写真のコートは母のお召しの着物から作りました。
裏地は祖母(明治生まれ)の喪服の襦袢(黒)を付けました。
とても厚みのあるよい生地で、おかげで防寒にもなります。
表地は防水加工もしてありますので、冬の雨ゴートにもなり重宝してます。

よい着物は時代を超えて受け継がれ、
いまは亡き祖母や母と共にいるような安らぎも得られます。
よき着物文化を捨てたくないですね。

コメント
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