中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第7回紬きもの塾 布を織る

2012年10月23日 | 紬塾 '9~'12
秋晴れの土、日、2日を使い、自分で紡いだ糸を使って布を織る実習をしてもらいました。
一人の方の持ち時間は1時間半です。3寸の長さを目標に織りました。
今回は写真にコメントを添えて綴ります。

 
着物での参加者。「またとない貴重な体験なので着物で来ました」とのことでした。
お召しになられているのは久留米絣の単衣の着物に型染めの古布から仕立てられた帯です。
背景の糸は庭木の木斛で染められた糸です。私は染色しながら・・・です。



初めての体験で緊張気味で経糸にも負担をかけてしまったようです。
糸が切れてしまいましたがピンで止めて直し方を見てもらう体験に繋がりました。
地糸と自分の糸とが柔らかく混ざってきれいです。黄色を少しアクセントに使いました。



この方はウールなどの織りをしている方ですが、着尺の機に座るのは初めてで杼の持ち方も違うので
はじめはぎこちなかったのですが、設計図通り織り進むことができました。
画像でもわかると思いますが、緯糸を入れるときに私は糸の太さや色の出方を考えて角度を変えます。
みなさんにもそうしてもらいました。
一律に入れている方が多いと思いますが一越一越し紬糸は表情が違うのですからそれを見ながら違えて織ります。



順番待ちのあいだに図案の清書中!


この方はほぼ当初の図案通り終了しました。
太い糸をたくさんつむぎました。




ユニークな方がいらっしゃいまして、、、機に座り予め用意した設計図(メジャー)を貼り付け織り始めたものの「もう少し自分の糸で練習してもいいですか?」と言われまして、「どうぞ^^;」ということになり・・・


こんな感じになりました。。。
下の方の白いところが“練習”です。
アドリブももちろんOKです。^^Y



最後の方はメジャー作りで糸の本数を数字に置き換えるというのがよくわからなかったということでメジャーは使わず織りました。
機織りではアナログ頭で数量を捉えるのですが、ザックリ掴むことが大切です。
でも初めての方には難しかったと思います。説明の仕方を研究してみます。
色糸は使わずモノトーンでまとめられました。



今回も実習終了後にはみなさんホットされ緊張から笑顔になりました。
「楽しかった!」と一様におっしゃられます。

それにしても太い糸をつむぐことも経糸に節のあるものを使って織るのは容易ではないのですがとても良く出来たと思います。
プクプクした布の立体感がおわかりいただけると思います。
こんな糸でマフラーを織ったらさぞや暖かいでしょうね。





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