中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

工房展「中野みどりの紬の会」開催中!-長く着られる単衣紬

2020年06月30日 | 紬の会
7日まで開催された工房展も無事終了いたしました。ご来房ありがとうございました。また、今回は通販でも対応させていただき、ご好評を頂きました。
作品に関しましてのお問い合わせは引き続きお受けいたしますので、メール、または電話でお問合せ下さい。

コロナ禍のなかでも、みなさんがそれぞれにものと向き合い、着物と向き合い、身近な自然に目を向け暮らしておられることを、直にお会いして伺い嬉しく思いました。久し振りの再会、喜びも一入でした。

また、竹かごバッグやお箸のご注文なども頂き、画像では伝えきれない、その滑らかさや本物の美しさを喜んでいただき、その思いを共有でき、私もホッとしております。
こころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。 7/9記

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工房展も中日となりました。
遠くからも問い合わせをいただいたり、娘さんと共有できるものはないか、秋単衣や半幅帯のことなど、いろいろありがとうございます。

今回のテーマでもありますが、長く着られる単衣紬は、真綿系の手紬糸、手織りの立体的な織のものです。
空気を含むことができ、保温性があり、また暑い時には汗の発散性にも優れています。
よく「紬の単衣は着る時期が短い」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、一般的にはそうでしたが、この温暖化の影響で、5月、10月に紬の袷は無理なのです。着用の機会は増えています。

真冬も襦袢やインナーで調節して、盛夏を除いて着ることができます。
もちろん紬と言っても、細い糸で織ったものや、生糸、玉糸系のもの、高密度のもの、季節感が強い色のものは袷か、季節限定の単衣が良いと思います。
薄いものが単衣向きというわけではないのです。

糸質がサラッとしたものは春単衣、秋単衣として着るのが良いと思います。

上の写真のオレンジピンクの此の手縞は、そういう意味では長く着られる単衣です。太めの真綿糸と、中くらいの糸とブレンドして織っていて、立体感があります。
若い方なら真冬もぜんぜんOK!ですし、もし寒がりの方は、インナーとして、タンクトップを1枚着て、肌襦袢、長襦袢を着ればよいと思います。下はスパッツをはけばよいです。
一器多用という感じで、出番が多くなり、洗い張りの機会もでき、風合いも良くなり、一生大事にでき、次の代へも引き継げますので、合理的です!
真綿の糸は希少で高価ですが、着る回数で割ると単価は下がっていきます。。(¥^^)\

昔、日常に着物があった時代は、裏地無しで着る地厚の紬があったのですが、お洒落着として着る現代では少しごつい感じになり、細い糸で織られた薄いものばかりになりました。

中肉厚ですと、袷や胴抜きにすることも出きます。やはりフキを見せたいという場合や、裾さばきのことなども心配される方もあります。

真綿紬の単衣は最初は毛羽がありますが、タンパク質の毛羽は着ているうちに、洗い張りするごとに取れ、滑らかになり、光沢も出て、その心配はほとんどありません。
ただ、身幅の広い仕立てなどは、身体に巻き付ける分がそもそも多くなりますので、それを直した方が良いと思います。

洗い張りを繰り返し、薄くなってきたら袷として着ることもできます。
丈夫な紬ならではの真価というものです。

写真の此の手縞は私の定番の柄で、色を変えてたくさん織ってきました。
紬らしくて好きです。色も大人のオレンジベージュのような、オレンジピンクのような、光線で変化します。画像よりもう少し薄く黄色味があるようにも思いますし、固定して見せるというのは難しい~。(^-^;
優しい色合いのよこ吉野の帯を取り合わせてみました。(売約済)
帯でいろいろ楽しめる自由度の高い一枚です。

仕立てもマイサイズの見直しなど含め、承ります。その他、お手持ちの着物の取り合わせのご相談も承ります。

塞がっている日もありますが、7日(火曜)14時半までは展示中ですので、よろしければHPお知らせからご予約の上、ご来房ください。
会期中、着尺、帯に関しまして10%offにて販売いたします(一部除外品あり)。
また、通販も対応しております。詳細画像などお知らせいたします。
お問い合わせ下さい。
お待ちしております。






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工房展「中野みどり紬の会」のお知らせ3―草木染帯揚げ

2020年06月26日 | 紬の会
着物を着る愉しみは何と言っても小物の取り合わせだと思います。
予定していた個展のために帯揚げもたくさん染めていましたが、その帯揚もご覧頂きます。

淡い色でも数回染重ねます。少しずつ違えて染めますので、近い色はありますが、同じ色はありません。
あまりに微妙な違いで実物でなければわからないものもあるのですが、写真も何とか近い色になるように、写真は素人ながら工夫して写します。(;^_^A

アシスタントがPhotoshopで補正を加えてくれることもあります。しかし、最初の写りが良くないものは限界があります。この東雲の淡い色系は比較的最初の写真が実物に近いです。でも実物はもっといい感じです。(*^-^*)

また見るときの光源、素材が持つ反射などの条件で、そのものの色が変わります。ものは本来、画像で固定して見るものではないですね。あくまでも大まかなものです。

インターネットの世界では、何でもわかりやすいものがよいのでしょうけれど、人はもっとわかりにくいものを微妙に判断する能力を持っています。見ているうちに力もつきます。人工的なものだけに頼らない姿勢は大事にしたいです。

東雲は縮緬系ですが、シボが目立たず、9月中頃位から使えると思います。
袷、単衣、両方いけます。


紋綸子の帯揚。こちらもまあまあいい感じで色が出ています。(^^♪



絽縮緬もブログに上げてない微妙な色もあります。
写らない(写せない)んです、、。(^-^;

こちらの画像は気持~ちグレー味が強くて、実物はもっと透明感がある爽やかな色です。

PCとスマホでも違いがありますが、スマホはきつい感じというか、柔らかな感じが出にくいように思います。さらに抽象的な言い方で恐縮です、、。(._.);

ブルーだけ化学染料との併用です。スダチのアルミ媒染にほんの少しずつ青の酸性染料をかけていき、乾いて色を確認、また青を足したり、また植物を掛けたりして、使いやすい色にしていきます。ただ、植物と化学のバランスを見ます。
ベースの植物が生きていることを大切に染めます。草木だけよりももっと手間がかかります。

今回の工房展はコロナ禍のなかで、開催できるかギリギリの判断でした。
ブログでのご案内も遅くなりましたが、よろしければお手持ちの帯や着物と合わせてご覧ください。

ご遠方の方などには通販も致しますが、色の見え方の違いをご理解の上お問合せ下さい。

自然な美しい色合いは、梅雨空の中でどんな風に見えるのでしょうか。。

HPのお知らせからご予約のうえ、お出かけください。
お待ちしております。(^^)/
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※工房では、手指消毒、マスク着用、常時換気、床や畳の拭き掃除など、感染症対策をし、皆様をお迎えいたしますが、ご来場の皆様におかれましても、マスク着用、少人数(2~3名位)でのご来場等、ご協力のほどお願い申し上げます。
お車の方はその旨もお書き添えください。1台分の駐車可能です。







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工房展「紬の会 – 長く着られる秋からの単衣」のお知らせ 1

2020年06月20日 | 紬の会
今年の上半期は大変な5ヶ月となりましたが、徐々にではありますが検査の体制も病床の余裕もでき、経済活動も動き始めました。今後も感染に気を付けながら、私も活動をしてまいりたいと思います。

さて、今年予定しておりました個展は延期を決め、来年の秋ごろまたできればと思っています。制作はこの間も続けており、予約制で、工房での小さな展示をすることにいたしました。
窓を開け放って、換気に十分注意しながら行います。

日時:2020年6月27日(土)- 7月3日(金) 午前10時30分―午後4時30分 ※28日(日)を除く

場所:櫻工房(町田市) ※ご予約の方に、折り返し、道順をご案内いたします

内容:単衣向け着尺、夏・単衣向け紬帯、半幅帯反(未仕立て)等を中心に
    絽縮緬・紋綸子帯揚げ、帯締め、[竹かごバッグ、盛り皿、箸(林まさみつ作)]                                    
※完全予約制となります。一日2組様限定にて開催いたします。

秋向けの単衣や、スリーシーズン着られる単衣に適した着尺、また、夏・単衣向けの紬帯、半幅帯反(未仕立て)を中心に、取り合わせの絽縮緬・紋綸子帯揚げ、帯締などもご覧頂けます。

紬と言っても様々な色や質感のものがありますが、着る場所を選ばない、無地感覚で立体感のある上質な糸使いのものを選び、帯を替えて着るのは無駄がなく、合理性に富んでいると思います。私も着物の枚数は少ないのですが、数枚の紬を帯を替え、飽きずに長く愉しんでいます。
色は中間色のものが、スリーシーズン着るには適しています。草木の柔らかな包容力のある色を是非ご覧頂きたいと思います。

さて、工房までわざわざお越しいただきますので、工房割の5%offにて販売させていただいておりますが、今回この会期限定で、着尺、帯に関しては10%offにて販売させていただきます(一部除外品あり)。

また、これからの季節にすぐに活躍する、人気の林まさみつさんの竹かごバッグもご覧頂けます。
以前にもご紹介を度々しておりますが、私も林さんの竹バッグを愛用しています。着物でも洋服でも擦れによって、生地を傷めることもなく安心感のあるものです。

  
また、今回は竹製盛り皿、箸もお願いしました。
盛り皿も林さんの作ではないのですが、同じタイプの別府クラフトの盛り皿を3点使っているのですが、30年近く愛用しています。びくともしない作りです。
箸も安全性や環境に配慮したもので、箸先がとてもきれいで使いやすいです。次のブログでまたご紹介します。

帯揚など小物類、竹バッグは5%offとなります。
また、来週中頃に竹バッグなどをご紹介いたします。

着物の取り合わせなどのご相談事なども承りますので、予め、メールでお問合せ下さい。

工房では、手指消毒、マスク着用、常時換気、床や畳の拭き掃除など、感染症対策をし、皆様をお迎えいたしますが、ご来場の皆様におかれましても、マスク着用、少人数(2~3名位)でのご来場等、ご協力のほどお願い申し上げます。

ご予約、お問合せはメールまたは来房予約フォームから、お名前、お電話番号、人数、ご希望の日時をお知らせ下さい。
出来ましたら、他の方との調整もありますので、候補を2~3上げていたがければ助かります。
バスの関係もあり、時間帯は大体ですが、10:30~、13:30~、15:00~のパターンとなります。
バス時刻などもご予約時にご案内致します。
お車の方はその旨もお書き添えください。1台分の駐車可能です。






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「美しいキモノ秋号」半幅帯特集の撮影をしました!

2020年06月17日 | お知らせ
今日は梅雨の晴れ間、湿度も低く爽やかな日になりました。

工房では「美しいキモノ」秋号の半幅帯特集で、半幅愛好者として、着手として、記事への掲載依頼をいただき、その撮影会となりました。

撮影は当初、室内で考えていたのですが、急遽、天気も良く光も綺麗でしたので、庭先で撮ることになりました。緑が多いので蚊がすごかったのですが、香取線香を焚きながらでした。
野薔薇の洒落紋の入った着物でしたので、結びは文庫のアレンジを考えていたのですが、朝になったら、気持ちが落ち着く吉弥結びになってしまい、さっぱり、さりげなく装ってみました。

他に私物の半幅を着物に取り合わせたものや、新作半幅帯も2点ほど撮影して無事終了しました。

また発売になりましたら、お知らせいたします!






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第12期「中野みどりの紬きもの塾'20」開講しました!

2020年06月08日 | 紬きもの塾’17~’20
ひと月延期しておりました紬塾’20の基礎コースをスタートさせました。

感染予防対策として、2名の方が来年以降に回ってくださるということで、人数も抑えて行います。

換気の流れも考慮し、窓開け、換気扇、扇風機も使いました。湿度は56%ぐらいありました。
更にマスクをしていただき、私はフェイスシールドをして、時間も30分短くしての開催でした。

また、秋冬の第二波、三波に備えて、各回の間隔を詰めて行い、11月には終了する予定に変更してあります。状況を見極めながら無理なく行います。

オリエンテーションの初回も、いつものように盛りだくさんの内容でしたが、「紬とは何か」という本題にも少し入りました。よくある決まりきった説とは違う、私の大切にしている視点も話しました。

本当の紬とはどんなものなのでしょう?次回から糸の作られ方や、機の構造なども話しながら、具体的につかんでもらえるようにしたいと思います。

みなさんが持ってらっしゃる“紬”の漠然としたイメージは、普段着、黒っぽい色目、固い、かたもの(やわらかものに対しての)、毛羽立ち、先染め、大島、結城…などでした。

一般的なものだと思いますが、私は紬の前身ともいわれる“絁(あしぎぬ)”が紬の原点にあると思っています。原初の織物に思いをはせながら、人々は何を求め、何を見出し、どんな布を纏ってきたのだろうかと想像しています。
生き生きとした、健全な形で引き継がれてきた織り物をイメージしています。
それは紬とは?ということに留まらない、普遍性を持ったもの作りを意味します。

これから順番にそれを紐解いて、私たちが考える紬はどんなものが良いのか新たに探っていきたいと思います。

さて、今回も、お一人私の着物と帯で参加してくださいました。
盛夏を除いて、5回の紬塾にその着物、あるいは帯を締めて来てくださるとのことです。
昨年の紬塾の方で、1本の帯を6枚の着物と取り合わせてお越しくださった方がありましたが、そのブログにも影響を受けたということです。また、ご報告できる時があるかと思います。

紬塾へ来るときに、着物でも洋服でももちろんどちらでもいいのですが、せっかくのチャンスですから、着ることを深めていくという意味で、手持ちのものがある方は、着てこられるのは良いことだと思います。

ただ、工房は真夏も冷房を使いませんので、どうぞ無理をしないようお気を付けください。そうでなくてもマスクを付けていますし、熱中症も心配です。

暑い中で、着るものはどんな工夫をすればよいかなども、一緒に考える機会にしたいと思います。

今回も、みなさんとても気持ちの良い方々で、充実した会になりそうです。
どうぞよろしくお願いいたします。


この日の私は藍の単衣に、取り合わせの小物は青系と薄紫系で、少しアジサイ感を出してみました。(*^-^*)

庭のアジサイも咲き始めています。
工房には5種類のアジサイがありますが、この時期の鬱陶しさを和らげてくれる花で心なごみます。


八重のガクアジサイ。引っ越しの時、植え替えたのですが、色がピンク系からブルー系に変わってしまいました。。清楚なアジサイです。


ホンアジサイ系ですが、あまり花が大きくなりすぎず、このアジサイも好きです。一つの株に赤紫から青紫まで変化が楽しめます。上品な感じです。



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