中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

中野みどり紬織45周年記念展お知らせ<その3>新作帯・すくい織り帯と吉野格子帯

2021年10月24日 | 個展・展示会
会期:2021年11月3日(水・祝)~8日(月)

会場:ギャラリーコンセプト21(東京都港区北青山 ) 
出品品目:着尺、帯、ショール、袱紗、草木染帯揚、
     小川郁子作/江戸切子帯留め・切子小品

    ※詳細はHPご覧ください
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まだまだやるべき仕事がいろいろ残っていて落ち着きませんが、今回の新作から帯を2点ご紹介します。

トップ画像はすくい織り「石組」太鼓部分。
すくい織りの帯で、石庭をイメージして大小の石を表していますが、抽象柄としてご覧頂ければよいと思います。


前柄は関西、関東両方の腹に大きさ、形を違えて入れていますし、垂れ下にも平たい石を配してみました(上の画像)。この部分だけでも草木で染めた8色ぐらいの緯糸を使っています。
平織と七子織を組み合わせて織りましたので、踏み木を踏みかえながら案外手間がかかっています。
すくいも修業時代に吉野帯と組み合わせて、気の遠くなるようなのを織りました。(--;)
時間のかかるものですが、柄出しが自由で捨てがたい技法です。
今回は二本織る予定でしたが、肩が凝りまくりくたびれて一本になってしまいました。。

シックでお洒落な帯です。小物が色々楽しめます!



吉野格子帯「冬萌 I」
吉野帯は修業時代にたくさん織らせてもらい、独立してからもよく織りましたが、今回、織りはアシスタントにしてもらいました。体力勝負の仕事ですが、しっかり織れています。
緯糸の微妙な色を決めるところはかなり時間をかけました。
画像にはどうしても映せない色調です。実作をご覧いただくしかないのです。

吉野格子自体が存在感の強い帯ですが、色は優しく着物に合わせやすいよう配慮しました。
紬だけではなく江戸小紋、小紋、お召しなどとも合わせて改まった感じの装いもできると思います。
帯揚や帯締めで色を添えて楽しめるのではないでしょうか?
2本織りましたが、もう1本はもっとシックで甘さは控えめです。

これらの帯は他と比べて少々お高いのですが(40万円は越えませ~ん(*^-^*))、長く様々なものに合わせてお使いいただけ、小物の取り合わせもいろいろできる自由度の高い帯です。
小川郁子さんの帯留めともとてもとても相性がいいです!!会場で着物と合わせてご覧頂きたいと思います。




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中野みどり紬織45周年記念展お知らせ<その2> ―ギャラリートークのご案内

2021年10月16日 | 個展・展示会
一雨ごとに秋も深まってまいりました。
工房の桜は黄葉がはじまっています。
トップ画像は新作の伸子仕上げをした時のもの。
画像はまだ湿っている状態ですので色が濃く映っていますが白っぽいベージュ地です。

個展のための準備で忙しくしておりますが、今日はギャラリートークのご案内です。
夏の間、コロナの感染状況は悪化の一途で、開催自体も危ぶまれましたし、ギャラリートークもできるか決めかねていたのですが、ようやく現時点では感染状況は落ち着いているようですので、感染対策は引き続きしっかり行いながら開催したいと思います。

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―ギャラリートークのご案内―
「中野みどりへのインタヴュー&取り合わせを愉しむ」

日時・11 月7日(日) 13 時 30 分~ 14 時 30 分(定員 10 名 要予約)
                    ※キャンセル待ちでの受付となります。

内容・インタヴューと着物、帯、帯揚、帯留の取り合わせをご覧頂きます。

聞き手・吉川明子(『美しいキモノ』副編集長)
ゲスト・小川郁子(江戸切子作家)
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前々回のお知らせ(その1)のブログでもご紹介しました、ゲスト出品して下さる江戸切子作家の小川郁子さん、そして美しいキモノ副編集長の吉川明子さんとともに行います。
内容は吉川さんからのインタヴューと、着物、帯、帯揚、帯留の取り合わせをご覧頂きます。

創ることと使うこと、どちらも大事なことで着物を着ることに関心のないまま着物を織ることはできません。着たときのことを想像しながら創ることが大事です。

『美しいキモノ』の副編集長の吉川明子さんが聞き手となってくださいます。
作り手を始め、使い手、販売業者の方々など多くの着物関連の方を取材、記事にされてきた方です。着物の世界の現状もよくご存じと思います。
立松和平著『染めと織りと祈り』にも関わってきた方です。

どんな質問になるかわかりませんが、一応テーマは「創ること、使うこと」に関する質問になると思います。
吉川さんは私の桜染めの着物を所有してくださってますので、それでお越しいただけるとなお嬉しいのですが、、。お忙しいのでどうでしょうか?

後半は私の着物、帯に小川さんの帯留め、草木染の帯揚で取り合わせをご覧頂きたいと思います。
小川さんも着物がお好きな方ですし、制作にも着物を着たことでの学びがあったと伺っています。

本当はもう少し時間を掛け、お酒でも飲みながら話し込みたいところですが、今回は会場のスペースの関係、感染対策もあり1時間の短い時間でどれだけ話せるかわかりませんが、45年を少し振り返り、未来へどう繋げるか話せたらと思います。
スペースの関係で、椅子は原則無しで、立ち見で行いますが、もし足腰お悪い方などがありましたら、簡易椅子を用意いたしますのでお申し込み時におっしゃってください。

時間は13時30分からですが、その前に展示はご覧頂けます。
定員がありますので、お早めにご予約下さい。
HPお知らせ」からメールでも構いませんし、
お電話の場合はかたち21(080-6775-4892)まで。
少人数ですので、お申し込み後にキャンセルされる場合は必ずご連絡をお願いいたします。

換気、不織布マスク、手指消毒など感染予防をして行います。
皆様にもご協力の程よろしくお願いいたします。


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第4回紬塾「日本の取り合わせ」――ものの力を合わせる

2021年10月12日 | 紬塾’21~’24
コロナ感染状況も今のところ、落ち着きを見せていますので、引き続き対策はしながら紬塾後半を再開しました。

みなさん元気に着物でご参集くださいましたが、なんと気温が29度以上の真夏日に近い暑さでした。
私も単衣紬に半襦袢、麻のステテコで汗対策をしました。みなさんも単衣の織りの着物でした。

このような気候が不安定な状況下では単衣の紬はとても重宝します。下着で調整して盛夏以外着ることもものによっては可能です。
単衣の真綿紬は長く着られるものとして見直されて良いと思います。

さて、毎回楽しみな取り合わせワークショップですが、内容詳細は19年度のブログをご参照ください。→

トップ画像は紬塾の「取り合わせを愉しむ」準備中の風景。(^-^♪

色や柄だけが取り合わせではなく、ものの力を合わせるということが一番大事かもしれません。
ものを見る力からつけていかないといけないですね。
そのためにも紬塾では蚕が吐き出す最初の1本の糸から見てもらっています。
色や柄ももちろん大事ですが、表層だけに目を奪われないで、ものの奥行き、深さを感じ取れるかどうかがいい着こなしに繋がるのだと思います。

今回のワークショップでもみなさんいろいろ気付きがあったようでよかったです!


今回も私は自分の肌、髪色にイマイチな着物を着てみました。こういう場合に帯や小道具でかなりカバーできることも話しました。
写真のピントが合ってなくて分かり辛いですが、ブルーグレー地に黒の柄の更紗の帯、桑染の薄灰緑の帯揚、焦げ茶の三分紐、緑の切子帯留め(小川郁子作)で私の肌に映りの良い色調を合わせました。
また、暖色の着物にグレー系の帯も似合わない着物の色をクールダウンさせる効果があります。
似合わないからと諦めないで、帯や小物でカバーしてどんどん着ましょう!

そのためには帯揚げを脇役と決めつけないで、いい一色を選んで時には主役に踊り出させても良いと思います。それは悪目立ちの意味ではないのですよ。
ビビッドな色をという意味でもありません。オフホワイトでもベージュでも深みのある色でなければならないし、帯揚げを主役にする取り合わせのコツもあります。
まず何を主にしたいか決めれば自然に生きた取り合わせになってくると思います。

11月3日~8日の個展でも帯揚げ70色ぐらいは出せると思います。
是非ご覧頂きたいと思います。







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中野みどり紬織45周年記念展お知らせ<その1>

2021年10月02日 | 個展・展示会
10月に入りました。
秋も少しずつ深まりを見せています。
私は繋ぎ織りの着尺があと7尺ほどです。
あと10柄織り出せば終わります。喘ぎながら、胸突き八丁というところです。

終わってから仕上げをして、仮絵羽仕立てもするかもしれません。
また小品の制作、証紙などを整えたり、事務的なことなどギリギリまでかかりそうです。
記念展のDMも上がってきました。
内容は順次お知らせいたします。



今日はDM裏表紙の小川郁子さんの切子の帯留めを紹介します。
今までも私の帯との取り合わせをたくさんしてきましたが、今回も出品していただきます。

小川さんの仕事と私の仕事はジャンル、素材は違いますが、制作の姿勢に共通点もあり、よく合うと思っています。
小川さんは工芸展などでもご活躍で、大作も素晴らしいのですが、この小さな帯留めも等価なものと思います。現代感覚と技とを一致させ飽きることがありません。私も愛用しています。
この小さな彫刻作品を紬帯と合わせてお愉しみ頂きたいと思います。

上の画像は小川さんからお借りしました。
同じものが出品されるかわかりませんが、たくさんお出しいただけるということで楽しみです。
また、小品として、小瓶、蓋物もお作り頂けるそうで、私の袱紗や卓布と合わせて展示いたします。
小宇宙を内包する小川さんの作品も部屋の一角にオブジェとして、一輪活けとして飾っていただきたいと思います。



そして予告としては、11/7(日)にギャラリートークをしますが、小川さんもお越しくださいます。
前半は『美しいキモノ』副編集長の吉川明子さんが、私へのインタヴューをしてくださり、後半は小川さんの帯留めと私の帯や帯揚を取り合わせてご覧頂きます。この帯と帯留めは出品します。

詳細が決まりましたら、またブログでご案内致します。

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中野みどり紬織 45周年記念展

会期:2021年11月3日(水・祝)~8日(月)
会場:ギャラリーコンセプト21(東京都港区北青山 ) 
出品品目:着尺、帯、ショール、草木染帯揚、
     小川郁子作/江戸切子帯留め・切子小品

詳細はHPもご覧ください。



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