中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第10回(最終回)紬きもの塾'11 半巾帯と半衿付

2012年01月21日 | 紬塾 '9~'12

中野みどりHP


2011年度の紬塾も最終回を迎えました。
申し込み受付期間中に震災があったことでキャンセルもあり、
今期は少人数での開催となりましたが、
参加されたみなさんは1日の欠席もなく、熱心に通ってくださいました。
こちらも気が入りました。ありがとうございました。



最終回は半巾帯の結び方を5~6種類と、三河芯へ半衿を取り付ける説明をしました。
半巾帯は上質の素材のものを上手に活用すると、くだけ過ぎず、初心者の方もずっと楽に
そして素敵に着こなせます。初めて結んだ方も「案外簡単です!」とのことでした。



終わってささやかなティーパーティをし、みなさんの感想をうかがいました。
人数が少なかったこともあり、一人ひとりが本音でいろいろ語ってくださいました。
染織の知識やきものを着ることのノウハウを得ただけでなく、
自分の生き方や価値観を問い直す機会になったというのが、
みなさんの共通の感想でした。
震災後に自分の暮らしを多くの方が問い直したと思うのですが、
それを手仕事や手わざ、きものを着ることを通して考え始めてもらえたようです。
無理をしてでも開催した甲斐がありました。

今期のみなさんが「これで終わってしまうのは‥‥」
「心残りがある‥‥」などと言ってくださいましたが、
これからはきもの仲間としてつながっていけるとよいと思います。
また集まれる機会には是非参加してください。

最後に、染織コース4人の方が織った布のアップ写真をご覧ください。
手紡ぎ糸のふっくらした美しい布だと思います。
かつて家庭内で織られていたたくましい紬の暖かさが感じられます。


Tさん


Nさん


Yさん


Oさん



次期 ’12紬塾募集のお知らせは2月下旬になる予定です。
何か早めの問合せなどありましたらかたち21のお問合せまでお願いします。
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宇宙と繋がっている

2012年01月09日 | こぼれ話



一日一日を大切に今年も過ごして参りたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

大好きな蝋梅の花を東京・町田市の忠生公園にお正月に見に行ってきました。
とてもうっとりする⌒∂⌒~いい香りでした。



「マンゲツ」という品種。

美しいものを見ると、それが自然物でも人の手で作られたものでも清々しい気持ちになります。たくさんの美しいものに今年も出会いたいと思います。

そして美しいものとは何かを問いかけながら、私も一点一点大切に、美しい布を織りたいと震災以降、ことさら強く思います。

一昨日はかたちの会の会誌の記事取材で、ある方のお宅にお伺いしました。

取材を終えて夫君も交えて話を伺っているときに、宇宙の話になりました。
お正月に見たテレビ番組で「宇宙の星も人間の身体も創造と破壊をくりかえしている」と聞き、自分の身体も宇宙と繋がっているのだと思ったらスゴイ!と思えて、後ろ向きにならず前向きに生きていけばいいんだ、と話してくれました。

ごく普通の暮らしをしている方ですが、ピュアな気持ちを持っているといいものにも,いい人にも出会えるのだと、素敵なご家族でした。

宇宙空間で生かされている今の時間がとても大切だし、大地や空や海や川や、そして様々な生き物の連鎖。
古の人々は宇宙と交信しながら恵みを受け、時には自然の猛威に苦しみそれでも自然に感謝しながら生きてきたのですよね。

自然界になかった化学物質に囲まれ、自分の中にある五感さえも鈍らせて生きている今という時代ですが、少しずつでも本来の人間の感覚を取り戻したいなあと強く思います。

蚕が吐き出す糸と、自然界の色、光、季節と一体になって、宇宙の「気」をもらい精一杯美しい仕事をしようと年頭に思いました。

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