中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第5回紬きもの塾 つむいだ糸を染める

2011年07月21日 | 紬塾 '9~'12
中野みどりHP


暑~い日曜日の午後、工房の桜の葉を使い染色をしました。先日みなさんにつむいでもらった糸や、使い古しの絹の半衿、ストールなどを持参してもらい染めました。
今年は桜の葉を中心にした染材を使いました。
今頃の葉は黄味の色素が多く含まれています。無媒染の状態で柔らかな黄味のベージュが染まりました。
半衿などは無媒染でも白汚しのような感じのベージュとして使えますので、草木染めの紬の着物などには漂白したような真っ白な衿よりも私は好きです。

 
まずはみんなで小枝のチップ作り。わずかな木陰で。



糸の湯通し。


糸を繰る。


ムラなく染まるよう糸を染液から引き上げ絞りますが、案外難しい糸の絞り。
ねじれてしまっていては絞れてません。



もう一度やり直して……今度はうまく絞れてます。呑み込みが早いです!


糸を天日に干す。ぶどうの蔓のグリーンのカフェカーテン(?)越しに。


左端の糸は私の紡いだ太目の糸。


染色の仕事中に出る水は捨てずにバケツへ溜めておいて夕方打ち水に使う。


陽が翳りはじめる頃にまかないと、気温は下がるけれど、湿度が増すそうです。
植物にも水やりは朝の内か夕方ですね。ゴーヤででグリーンのカーテンを作ろうとした人が、
昼間水やりをしてたために、6本苗を植えて5本根ぐされをおこしてダメにしてしまったと
言ってました。暑い最中に水をやるのは熱湯をかけるようなことになるのですね。



おまけ…



この5月に城南信用金庫に口座を作ったのですが、キャンペーン中の商品などでいただいたおまけです。
竹製の団扇とオーガニックのととろのタオル、図書カードなど、他にも放射能チェック済みの新茶とか、
毎年鳴門のわかめがとどくとか、歌舞伎の招待券が当たるかも…とか、わずかな貯金や将来の年金の受け取りの登録などについてきました~。
金融機関と思えないです。。。お金はないけど関心を寄せ、陰ながら応援しま~す!^_^¥




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第4回紬きもの塾――ーきものの更生と麻の伊達締め

2011年07月12日 | 紬塾 '9~'12
中野みどりのHP


第4回紬塾のご報告が遅くなりましたが、きものをとことん着る話と、
麻の襦袢地を使って伊達締めを縫うミニワークショップを行いました。
運針の話を少しご紹介します。





麻の伊達締めは、絹の襦袢の場合でも着くずれを防いでくれますし、
蒸し暑いこの季節には紐1本でも涼しいほうが有難いし、こまめに洗うこともできますので、
是非作られるといいと思います。
みなさん――前回の方もそうでしたが――運針のできない方が多いのですが
今回はお一人、和裁の勉強をされた方がいらして、
「運針さえできれば何でも縫える!」と言っておられましたが、その通りだと思います。


人差し指と親指で針を持ち、針の頭を、中指にしている指貫にあてて、
左の手は15~20cmぐらい先の布をもち、左の布を上下に動かして針を進めていくのですが、
なかなか針を運べないで、針先で布をすくうような縫い方になっている人がほとんどですね。
でも少しやり方を見てもらいますと、伊達締めを1本縫う間に、みなさんコツをつかんできて
全員なんとかそれらしくなってきて、伊達締めも完成させることができました。


針の長さも適正なものを使わないといけないので、手芸店などで聞くといいでしょう。
慣れてくると、縫うのが楽しくなってきます。
私の母は古布で、身近なものを何でも手で縫っていましたが、楽しそうでした。
私も見よう見まねで運針や糸こきの仕方、クケ台の使い方を覚えました。
人の姿を見ながら覚えるのが一番ですね。
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梅雨時の着物と暮らしの暑さ対策

2011年07月07日 | 自然環境・脱原発
梅雨明け前のこの季節、晴れた蒸し暑い日に着物を着るのははさすがに暑さがこたえます。
いろいろ工夫して着てますが、そのひとつが、帯は半巾帯を締めていることです。
帯枕や帯揚げを使わないぶん、ずうっと楽です。

帯締めをする場合でも、帯板を使わないことが多いです。帯締めを少しゆるめにします。
帯枕にヘチマを使うのがよいというのは聞いたことがありますが、
帯板もヘチマのがあるということです。
帯芯も自分で仕立てを頼むときは、季節を問わず絽にしています。

日本の夏の着物は美しく素晴らしいものがたくさんあります。
そして一旦着てしまうと気持ちをスッと立たせてくれるようで好きです。
夏でも着物を着ていられる環境を守りたいですね。





節電、節電と言わなくても、風の通る家のつくりや自然素材を使ったつくり(調湿効果)、
街路樹、庭の緑陰、照り返しの少ない道路舗装など、国や行政は考えて欲しいと思います。
というか私たちが何より考えることですが。
エアコンを28度に設定するということより、
使わなくても工夫すればもっと気持ちよい環境を作ることができると思うのです。

国の政策はエネルギーを使わせようとするやり方をとってきておいて、
今度は節電を強要しようとすることに疑問を感じます。
原発がないとこんなにタイヘンだぞ!と言わんばかりですね。
耐乏生活ではなく、ほんとうに心地よく暮らすということは、
自然を大切に守ることしかないと思うのですが。

私は染織の仕事中は、夏の盛りであっても34年間冷房を使ったことがありません。
風のない日にはエアコンの送風は使います。またよしずや庭木の緑陰ももちろん利用し、
あとは3時以降に再利用の水を撒きます。効果は絶大ですよ!

衣服は、超クールビズと世間で言われているTシャツ・ポロシャツなど、ニット類は着ません。
綿麻混や麻などの織りの生地のものを選びます。
衣服の形はトンネル効果のあるオーバーブラウスなどを身につけます。
パンツ類も薄手で通気性のあるゆったりしたものをはきます。
肌に密着するものは極力避けます。でも肌を剥き出しにすればよいというものではありません。
きものは帯のところはさすがに何枚もの布が重なり暑いですが、
それ以外は意外と涼しいですよね。布が1枚あるほうが汗取りになり、かえって涼しいです。

それにしても6月から暑い日が続き、過度の節電は身体を壊しますのでケースバイケースで
エアコンも使われるとよいと思います。

また放射能汚染を気にして窓を開けないようにしている方もいらっしゃるとか、
本当に過酷な夏になりそうですがこの教訓を無駄にしてはならないと思います。

着物の文化からも自然素材の力や布に込められた知恵が私たちに恩恵をもたらせてくれるように、
エネルギー分野も自然を生かし、叡智を結集したものにして、後世につけを回さないようにと
切に願います。

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