中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

暑さ対策衣食住③――ヨシズ効果

2015年07月25日 | 自然環境・脱原発



暑中お見舞い申し上げます。  

大変な暑さが続いています。
お盆休みまであと2週間、頑張って仕事をしています。

工房ではエアコンを原則使いませんので、様々な工夫をして少しでも快適に仕事ができるようにしています。
そのひとつがヨシズです。2階ベランダも合わせると3枚使っています。
今までに何枚使ってきたかわかりませんが3年は使えます。

葦という植物の茎の中が空洞になっていて、熱を下げてくれます。
先人はそういうことを発見し、暮らしに活用してきました。
本当に偉いしありがたいです。

今年ネットでヨシズを調べていてとてもよい実験結果を公開してくれているのを見つけました。
ヨシズに水や風を当てその温度変化を具体的データにまとめています。
東日本大震災のその年に当時中学3年生の男子が、節電対策として実験を行ったようです。
社会に貢献する立派な大人に成長してください。この男子にも感謝!!です。
詳細はこちらからご覧下さい。

ヨシズは立てかけて直射を遮るだけでも1~2度は低くなることは実感していましたが水分も重要な要素だったのですね。

早速噴霧器で水をかけて使っています。
工房の立地は高台で風通しが良いのでさすがに扇風機は外には置いてませんが、、、。

立てかけるときに建物から離して斜めに立てかけるとより効果的です。
ヨシズの長さの計算は「ピタゴラスの定理」を思い出しながら斜辺を計算してみてください。
サイズがいくつかあります。

織るにも湿度が打ち込みと関係してきますので、温湿度計は時計を見るようにふだんからよく見てチェックしています。
気温だけでなく湿度の高い日は扇風機やエアコンの送風を使うと良いですね。

今までの暑さと違ってきていますので我慢はせずにエアコンも上手に使うと良いと思いますが、ヨシズとの併用は節電効果につながりますのでヨシズはとにかくお勧めです!

 
ももちろんグリーンのカーテンや庭木も有効ですので活用してます。


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ヘンプ(大麻)の力!ーーヘンプシーツを手縫いする会

2015年07月14日 | こぼれ話


一昨日、紬塾有志の方と運針の練習を兼ね、これからの季節に特に爽やかなヘンプの生地を使いシーツを手縫いしました。


まずはヨコ糸1本を抜いて地の目を通して布はしを真っ直ぐに裁ちました。
それから三つ折にして上下2本の運針です。
折り跡をつけるとき絎台があると作業が早いです。
地の目が通っていれば生地を軽く引くだけで印つけや針の進むべき方向が決まります。

印付けも縫うのも「絎台がなければ裁縫はできない」と母はよく言ってました。

生地がとてもしっかりしていますので三つ折を並み縫いするのは基本ができてないと結構大変です。
針目は大きくても問題はないのですが、運針の基本はマスターすると良いと思います。YouTubeの動画を見て練習をしてきた人もいました。
今回は針はメリケン針長7、はカタン糸30番を使いました。


指ぬきのマイサイズの準備がまず一番大事だったかもしれません。
針の頭がしっかり指ぬきに当たっていることが安定した針目になります。
革製(バックスキン)のものがよさそうです。

生地や針目によっても道具の選び方があり、私も今回のことで勉強になりました。


でもなんとか全員ほぼ縫い上げました。
運針のコツも最後にはわかってきたようです。
出来たら水洗いしてから使います。洗うごとに柔らかく馴染んで来ます。
手前は試作中のヘンプ肌襦袢。


終わってから焼きプリンにアイスクリームとさくらんぼを添えたプリンアラモード風^^;とアイスコーヒーで疲れを癒しました。暑い日でしたのでアイスがすぐに溶けました~。
コースターも麻のものを使いました。

日本でも古来より繊維を採るだけでなく、衣食住、様々に活用されてきた大麻草。
今の時代にこそもっと活用されると良いと思います。
ヘンプは力のある有用な繊維だと思います。

生地は「麻福」さんで購入ししまた。
白24Nと生成り18Nを用意しました。18Nは生地が少し厚く男性には最適と思います。
ショップサイトはこちら
シーツとして出来上がった製品もあります。

ヘンプ100%の肌襦袢やステテコ(ローライズ)を試作中です。
できましたら改めてお知らせします。







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綜絖通し、筬通し

2015年07月04日 | 制作工程


織物の仕事は細かな作業の連続です。
特に綜絖と言われる経糸を上下に開口させるための仕掛けの穴に綾から糸一本一本を取り出し順番を間違えないように通す作業は大変です。

単純な平織りの通し込みならまだ良いのですが、数枚ある綜絖の順番が複雑な変化組織のものや密度の高いものはちょっと厄介です。
集中してやるのですが、間違うこともあります。
織り始めて気づくとまた最初からやり直しです。
何度かこのショック!を味わいました・・・。(ToT)
間違いを避けるための工夫もとても大切です。
上の写真は綾竹がふた組ある二重チキリのセッティングで、地糸と縞糸を分けてあるものを割り込みながら通し込みをしてもらっています。


こちらはたて密度の荒いやや透け感もある帯の通し込みです。
綜絖子に経糸を通したあとは筬に糸を通します。真鍮製の筬通しを使って糸を2本ずつ筬の羽に押し込みます。
この筬は荒いのでさすがに間違うことはありませんが着尺用などの細かなものは一羽飛ばしてしまう空き羽や、逆に同じところに4本入れてしまう混み羽を作ってしまうこともあります。

苦労の連続ですが^^;集中力と根気でここを乗り越えないと布は織れないのです。

さてどんな織物になるかこの峠を越えてもまだ気は抜けませんが楽しみでもあります。(*^_^*)


チキリに巻かれた経糸。


織物の心臓部、経糸の綾。


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