中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

【「半巾帯連作プロジェクト」第2弾】 参加者募集!! お知らせ

2023年08月25日 | 紬の上質半幅帯
            上の画像は第一弾の時の[変奏曲シリーズ作品Ⅲ「春時雨」]

※説明会お申し込みは、締め切りました。

3年前の秋に「半巾帯連作プロジェクト」を立ち上げ、2タイプの経糸を用意し、各5本の半巾帯を連作しました。参加者と私のやり取りから生まれてきました。
初めてご覧になる方は、カテゴリ「紬の上質半巾帯」で過去の半巾帯記録もご覧ください。

3年ぶりに小規模に第2弾を立ち上げます!

前回は構想、参加希望者への説明、個別の聞き取り、参加者の合わせたい着物の拝見、具体的なデザイン設計、説明、了承、契約、制作開始、草木による染色から織り上がり、仕上げまでの進捗説明動画等、お知らせ数回、お披露目会、仕立て、納品という流れで、10ヶ月を要しました。正直、全て違う柄で10本織り上げた時には精も魂も尽き果てていました。(;´Д`)

今回は、シンプルに1種類の経糸(縞)で、少人数の企画です。

HPお知らせ9/18日の説明会をアップしましたので、ご興味のある方はそちらから、お申し込み、お問合せください。

説明会ではこちらが予定する経糸を見ていただき、大まかなデザインの説明もいたします(確定のものではありません)。
白から薄茶の地色に、柔らかなたて縞を主旋律として、緯の色糸、あるいは同色で変化組織を段柄のアクセントとして配したり、前回は「早春」のイメージから出発しましたが、今回は初夏のイメージを主旋律としようかと思っています。リバーシブルにしようかとも考えています。
名古屋帯の方が良い方は、+3尺分の返しを織ることができます。

今回のテーマは、「上質をコンパクトに」+「涼しく!」。
この気候変動の温暖化の中で、初夏から真夏、初秋に着物を着る際の暑さ軽減にもなる、上質+涼しい半巾帯で、格のあるものを創ります。

織りで透け感を出せば、単衣、盛夏用の半巾(夏用の帯芯使用)にすることもできます。
透ける織り方を入れなければ、オールシーズン着用のものにもなりますし、合わせたい着物やお好みを伺いながら、個別に決めていきます。

経糸には座繰り(人の手で繰り出す)の節糸、玉糸を使いますので、紬の帯ではありますが、緯糸は真綿系ではない玉糸系のサラッとした感じを使います。紬や生紬、上布、麻縮などの上質の洒落着と合います。

価格は前回は上代30万前後でしたが、今回は経費削減し、少し価格は抑えられると思いますが、半巾帯は柄付けも多く、名古屋帯よりも、手間がかかります。また、価格は一点ずつ内容により違います。ご理解を頂きますようお願いいたします。
ご要望も伺いますし、説明会で詳細はお話します。

作家の強い個性ではなく、植物の色や、紬糸の風合いを生かし、季節や着物、人に添うものを創りたいと思っています。是非ご参加ください。

季節を問わず長くご愛用頂け、洗い張りもできる紬の帯。
一生をかけ、長く使って楽しんでいただければと思います。

説明会は、正式な申込みではありませんが、もし参加したいお気持ちがある方は、取り合わせたい着物や残布などご用意下さい。
説明会の申込の時にその旨、お書き添えください。
後日改めて、工房へお越しくださるということでも構いません。

ご遠方などで説明会当日参加が難しい方は、LINEのビデオ通話でお話を伺います。お問合せ下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【説明会】 ※要予約 申込み締め切り 9/11(月)

9月18日(月・祝) 
和光大学ポプリホール鶴川 3F会議室 
(小田急線鶴川駅3分)
13:45~16:00(13:30開場) 

【お申込み・お問合せ】
詳細はHPお知らせをご覧ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の着物と自然と平和

2023年08月12日 | 自然環境・脱原発
先日、網代織の越後上布に、若いころに織った白地の半巾帯で出かけました。
この日はいくらか凌ぎやすく、それほど苦も無く、熱中症にもならず帰宅しました。

麻の自然布は素晴らしいものです。
この着物は古い男物から仕立て替えたものですが、袖丈も短めで、これ以上出せなかったのですが、盛夏はこれくらいがすっきりしていいかもしれません。
手績みの麻糸の張り感は、風が抜け本当に気持ち良いです。
薄ければ、細い糸であればではなく、身体に密着せず、風の通り道があることが大事です。

麻は吸湿性と発散性も高く、着物だけでなく、下に身に付けるものこそ大事です。麻の襦袢、麻の肌襦袢&ステテコ、麻の足袋、麻の伊達締めなど・・。

麻は偉大な植物で、日本のような高温多湿の暮らしには欠かせないものです。

夏の着物には、独特の情緒があります。
着続けたいと思いますが、温暖化の問題は深刻です。

夏の着物が着続けられるように、もう30年前からそのことを「地織りの会」「紬塾」で語り、参加してくれていた人たちと、CO2削減の小さな工夫をしてきました。
個人的にも様々な工夫をして暮らしてきました。
生活クラブで、CO2の排出削減にリサイクルのみならず、リユース(瓶の再利用、消費財の入ってくるポリ袋の回収など)にも協力して来ました。
ペットボトル飲料を買うことは、水の備蓄品以外ほとんどありません。

しかし、今のままでは着物文化はなくなります。夏の着物が着られなくなる時代がそこまで来てしまったようです。

男中心の社会で真夏に背広にネクタイがつい最近まであたりまえ、2005年にクールビズという取り組みも始まりましたが、未だにネクタイしている政、官、財界人、メディア界の男性は多いです。エアコン効かせCO2を排出させながら、涼しい顔でNHKも猛暑や災害を伝えています。

亜熱帯化してきているのですから、男性も麻の服を着たらどうでしょう?
開襟シャツを着てネクタイ外しましょう!
小千谷縮のシャツはいかがでしょうか?
真夏の木綿、編地のTシャツは特に暑いです。
綿麻の混紡の肌着も復活して欲しいです。

さて、間もなく78回目の敗戦記念日です。
罪なき多くの一般の人々の犠牲がありました。広島、長崎には原爆も投下されました。映像で見るだけでも地獄絵図です。二度と戦争をしてはなりません。

「広島出身」をお飾りにしている総理大臣はいつまでテキトーなことを言い続けるのでしょう?どちらを見て政治をしているのでしょう。
核兵器は戦争抑止にならないことは今のウクライナ、ロシアの戦争でもわかります。

軍事費倍増より、核兵器の真の廃絶に向け、日本が先頭に立って「核兵器禁止条約」署名、批准して下さい。それが平和への早道です。



人々が健康で文化的な暮らしができない状態、それが戦争です。
着物は贅沢品として着ることもできなくなります。
戦争は人も自然も文化も破壊します。

戦争当時の記憶のある語り部も90代前後で少なくなりました。でも戦後生まれの私達もその語り部の話を引き継いで、想像を働かせることはできます。忘れてはならないのです。
武力ではなく平和憲法の元で78年は何とかやってきたのですから、これを維持するための不断の努力が私たちに必要です。
染織家として、一市民として、親の体験も伝えながら、着物と自然、平和を語りたいと思います。

さて、工房は明日13日から8/20日まで夏季休業とします。

HPの着姿(帯、中野の取り合わせ)も更新しています。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする