中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第4回 紬塾「伊達締めを縫う」

2023年09月19日 | 紬塾’21~’23
報告が遅くなりましたが、先々週の紬塾では麻(ヘンプ)の伊達締めを縫いました。
通常は9月後半に行いますが、コロナのこともあり、換気の出来る内にと思い、暑い時期ですが、前倒しで行っています。

色々な生地(麻)を試してきましたが、ヘンプ麻の程よい厚みのある生地を探すのに苦労しました。
ヘンプのステテコや肌襦袢より気持ち地厚感があります。



まず、広幅の生地を地の目に添って裁つところからしてもらいましたが、経て糸を抜いて、切りやすいようにしました。


上がりが9cm幅で、2m20cmの長さにしました。印はつけずに布端から7~8mの所を待ち針で留めるだけで運針します。
袋状に縫いひっくり返して最後は矩け縫いで綴じました。

みなさん夏休みの間に運針練習をしてくださったのか、なんとか縫いあげました。

この伊達締めは着物の上に使うものではなく、長襦袢の上に使います。
滑りにくい生地ですのでこの伊達締め1本だけで緩みません。
また、汗もよく吸いますので、汗取りの役目も果たします。
洗濯も炭酸塩や石鹸で手洗い出来ます。皺は霧をかければ、すぐ取れます。

紐1本、伊達締め1本にも素材による違いが有ります。
次回の紬塾でそういった小道具のこともお話しします。


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第3回染織実習「織りの準備」― 糸の糊付け・設計

2023年09月14日 | 紬塾’21~’23
残暑の中、四方の窓を開け放ち、冷房無しで、紬塾の実習の方と小さな布を織るための準備に入りました。


先日染めた緯糸に布糊と生麩を合わせた糊を付けました。
糊付け3年と言われるくらい、天候によっても左右される難しいものです。
付けた後は天井の方へ高く振り上げ、ストンとテーブルに打ちつけ、糸をばらばらにほぐします(画像は以前に私の仕事を撮ったもの)。
絹糸本来のウェーブがもう一度蘇り、それを糊で固めると良い風合いの布が織れます。


織物設計は私からの課題は、一貫して同じです。
自分の糸を使い切り、もう一色の地糸と混ぜながら、自分の糸はどんな形なのか、紬らしい糸味を見てもらいたいのです。

今期の方は私の説明をよく理解して下さり、時間内に方針が立ち、糸量の計算もスムーズでした。
条件は同じなのにみなさんちょっとの組み合わせの違いで、全く違う布が生まれてきます。来月の織りの実習が楽しみです。

********************************************************



設計の後は、工芸美術評論の笹山央さんのレクチャー「観ることの優位性」を聴いてもらいました。
創るためには見なければならないし、そのことに能動的に向き合うことは大事だと思います。

1.「観照」について
   ・古代ギリシャの思想―――観照(テオレア)、制作(ポイエーシス)、実践(プラクシス)
  ・日本文化の根底は「眺める」
    
2.ヴィジュアル・アートを先導していくのは、「観る」立場の人間

3.「観る」訓練
  ・いいものを数多く見る
  ・考えながら観る(知識は前提にしない。子どもの心で観る)
  ・実践する(自分でも制作してみる。作者の話を聞く)
  ・感じたことを言葉にする(間違っていてもよい)
   
みなさん熱心に聴いてくれて、最後に感じたことを言葉にしてもらいました。

「観たり眺めるのは好きだけれど、考えたり、客観的に言葉にしたりはサボっていたかな・・」という感想もあったのですが、それに対し、笹山さんは「受け身ではなく、積極性をもって観る。そこを工夫して観る。理解するには自分から働きかけていく。」などとアドヴァイスがありました。

和歌にしても「眺める」所から表現は始まるという点を改めて確認した。言葉にすることしていなかった、などの感想もありました。

観て、言葉にする訓練は、鑑賞を深めることにもなるので、私も若いころから、感想を日記に付けたりしてきましたが、今後も感じたこと、考えたことを言葉にすることを続けていきたいと思います。

笹山さんのブログも参考まで。
「アリストテレスーー西洋的“観照”の原点」20.3.27



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【「半巾帯連作プロジェクト」第2弾】 参加者募集!! お知らせ

2023年08月25日 | 紬の上質半幅帯
            上の画像は第一弾の時の[変奏曲シリーズ作品Ⅲ「春時雨」]

※説明会お申し込みは、締め切りました。

3年前の秋に「半巾帯連作プロジェクト」を立ち上げ、2タイプの経糸を用意し、各5本の半巾帯を連作しました。参加者と私のやり取りから生まれてきました。
初めてご覧になる方は、カテゴリ「紬の上質半巾帯」で過去の半巾帯記録もご覧ください。

3年ぶりに小規模に第2弾を立ち上げます!

前回は構想、参加希望者への説明、個別の聞き取り、参加者の合わせたい着物の拝見、具体的なデザイン設計、説明、了承、契約、制作開始、草木による染色から織り上がり、仕上げまでの進捗説明動画等、お知らせ数回、お披露目会、仕立て、納品という流れで、10ヶ月を要しました。正直、全て違う柄で10本織り上げた時には精も魂も尽き果てていました。(;´Д`)

今回は、シンプルに1種類の経糸(縞)で、少人数の企画です。

HPお知らせ9/18日の説明会をアップしましたので、ご興味のある方はそちらから、お申し込み、お問合せください。

説明会ではこちらが予定する経糸を見ていただき、大まかなデザインの説明もいたします(確定のものではありません)。
白から薄茶の地色に、柔らかなたて縞を主旋律として、緯の色糸、あるいは同色で変化組織を段柄のアクセントとして配したり、前回は「早春」のイメージから出発しましたが、今回は初夏のイメージを主旋律としようかと思っています。リバーシブルにしようかとも考えています。
名古屋帯の方が良い方は、+3尺分の返しを織ることができます。

今回のテーマは、「上質をコンパクトに」+「涼しく!」。
この気候変動の温暖化の中で、初夏から真夏、初秋に着物を着る際の暑さ軽減にもなる、上質+涼しい半巾帯で、格のあるものを創ります。

織りで透け感を出せば、単衣、盛夏用の半巾(夏用の帯芯使用)にすることもできます。
透ける織り方を入れなければ、オールシーズン着用のものにもなりますし、合わせたい着物やお好みを伺いながら、個別に決めていきます。

経糸には座繰り(人の手で繰り出す)の節糸、玉糸を使いますので、紬の帯ではありますが、緯糸は真綿系ではない玉糸系のサラッとした感じを使います。紬や生紬、上布、麻縮などの上質の洒落着と合います。

価格は前回は上代30万前後でしたが、今回は経費削減し、少し価格は抑えられると思いますが、半巾帯は柄付けも多く、名古屋帯よりも、手間がかかります。また、価格は一点ずつ内容により違います。ご理解を頂きますようお願いいたします。
ご要望も伺いますし、説明会で詳細はお話します。

作家の強い個性ではなく、植物の色や、紬糸の風合いを生かし、季節や着物、人に添うものを創りたいと思っています。是非ご参加ください。

季節を問わず長くご愛用頂け、洗い張りもできる紬の帯。
一生をかけ、長く使って楽しんでいただければと思います。

説明会は、正式な申込みではありませんが、もし参加したいお気持ちがある方は、取り合わせたい着物や残布などご用意下さい。
説明会の申込の時にその旨、お書き添えください。
後日改めて、工房へお越しくださるということでも構いません。

ご遠方などで説明会当日参加が難しい方は、LINEのビデオ通話でお話を伺います。お問合せ下さい。

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【説明会】 ※要予約 申込み締め切り 9/11(月)

9月18日(月・祝) 
和光大学ポプリホール鶴川 3F会議室 
(小田急線鶴川駅3分)
13:45~16:00(13:30開場) 

【お申込み・お問合せ】
詳細はHPお知らせをご覧ください。

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夏の着物と自然と平和

2023年08月12日 | 自然環境・脱原発
先日、網代織の越後上布に、若いころに織った白地の半巾帯で出かけました。
この日はいくらか凌ぎやすく、それほど苦も無く、熱中症にもならず帰宅しました。

麻の自然布は素晴らしいものです。
この着物は古い男物から仕立て替えたものですが、袖丈も短めで、これ以上出せなかったのですが、盛夏はこれくらいがすっきりしていいかもしれません。
手績みの麻糸の張り感は、風が抜け本当に気持ち良いです。
薄ければ、細い糸であればではなく、身体に密着せず、風の通り道があることが大事です。

麻は吸湿性と発散性も高く、着物だけでなく、下に身に付けるものこそ大事です。麻の襦袢、麻の肌襦袢&ステテコ、麻の足袋、麻の伊達締めなど・・。

麻は偉大な植物で、日本のような高温多湿の暮らしには欠かせないものです。

夏の着物には、独特の情緒があります。
着続けたいと思いますが、温暖化の問題は深刻です。

夏の着物が着続けられるように、もう30年前からそのことを「地織りの会」「紬塾」で語り、参加してくれていた人たちと、CO2削減の小さな工夫をしてきました。
個人的にも様々な工夫をして暮らしてきました。
生活クラブで、CO2の排出削減にリサイクルのみならず、リユース(瓶の再利用、消費財の入ってくるポリ袋の回収など)にも協力して来ました。
ペットボトル飲料を買うことは、水の備蓄品以外ほとんどありません。

しかし、今のままでは着物文化はなくなります。夏の着物が着られなくなる時代がそこまで来てしまったようです。

男中心の社会で真夏に背広にネクタイがつい最近まであたりまえ、2005年にクールビズという取り組みも始まりましたが、未だにネクタイしている政、官、財界人、メディア界の男性は多いです。エアコン効かせCO2を排出させながら、涼しい顔でNHKも猛暑や災害を伝えています。

亜熱帯化してきているのですから、男性も麻の服を着たらどうでしょう?
開襟シャツを着てネクタイ外しましょう!
小千谷縮のシャツはいかがでしょうか?
真夏の木綿、編地のTシャツは特に暑いです。
綿麻の混紡の肌着も復活して欲しいです。

さて、間もなく78回目の敗戦記念日です。
罪なき多くの一般の人々の犠牲がありました。広島、長崎には原爆も投下されました。映像で見るだけでも地獄絵図です。二度と戦争をしてはなりません。

「広島出身」をお飾りにしている総理大臣はいつまでテキトーなことを言い続けるのでしょう?どちらを見て政治をしているのでしょう。
核兵器は戦争抑止にならないことは今のウクライナ、ロシアの戦争でもわかります。

軍事費倍増より、核兵器の真の廃絶に向け、日本が先頭に立って「核兵器禁止条約」署名、批准して下さい。それが平和への早道です。



人々が健康で文化的な暮らしができない状態、それが戦争です。
着物は贅沢品として着ることもできなくなります。
戦争は人も自然も文化も破壊します。

戦争当時の記憶のある語り部も90代前後で少なくなりました。でも戦後生まれの私達もその語り部の話を引き継いで、想像を働かせることはできます。忘れてはならないのです。
武力ではなく平和憲法の元で78年は何とかやってきたのですから、これを維持するための不断の努力が私たちに必要です。
染織家として、一市民として、親の体験も伝えながら、着物と自然、平和を語りたいと思います。

さて、工房は明日13日から8/20日まで夏季休業とします。

HPの着姿(帯、中野の取り合わせ)も更新しています。




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第2回染織実習「糸を染める」― 工房の庭木を使って糸や半衿、帯揚げを染める

2023年07月27日 | 紬塾’21~’23
今年は5名の方と染織実習をしていますが、梅雨明けしたその日に染色をしていました。
写真は、たまたま参加のみなさんが撮ってあった写真を提供いただきました。私は指示を出して、お手本を見せたりするだけでも手いっぱいで、写真を撮る暇もありませんでした。

34度越えの狭いキッチンで、ガスコンロ3口使って、エアコンなしで、マスクをしての作業。私は慣れていますが、みなさん大変だったのではないかと思っていたら、案外「涼しい」「風が気持ちいい」などと言われてました。確かに風がよく通るところではありますが。


工房兼住まいを選ぶ時には、エアコンなしでも仕事ができるように、風が良く抜けることを必須条件にして来ました。染色以前に大事なことです。

前回つむいだ真綿の糸と、帯揚げ、使い古しの半衿を庭木で染めました。
桜と柿を使いました。媒染は灰汁と鉄と無媒染の3通り。

桜は枝と葉を分けたのですが、結局2回目の染色で混ぜることになり、その違いを明らかにすることは出来ませんでした。

それでもきれいなピンクと鉄を掛けたグレイッシュピンクが染まりました。
生木の無媒染はコツがありますが、堅牢性と、色の落ち着きを考慮すると、淡い色でも染めて干すを2回は繰り返したいです。
無媒染の半衿もとても良い色に染まり、お肌の色も良く見えそうです。

室内で1週間ほど空気酸化させたのちに、アイロンで各自仕上げてもらいます。

トップの画像は夕方、1工程を終え干しているところです。
半日では十分な染はできませんが、何とか自家用なら使えます。

今までもたくさん書いてきましたので繰り返しませんが、まとめとして、草木染は簡単なようで、奥の深い難しいものです。
染色の基礎+実践に基づく創意工夫、研鑽が必要です。短時間で習得できるものではありません。マニュアル化も出来ないです。
また、料理やお茶を美味しく入れるやり方に共通点をたくさん見出せます。

媒染材はきちっと量を測り、多すぎないようにしないといけません。中には劇薬もあります。取り扱いに注意が必要。
2018年のブログも参考まで。

でも、生木で染めている時の生命感のある色や匂いにみなさん感嘆の声を上げていました。その実体験は大きいと思います。
家庭でも無媒染やアルカリ剤の媒染ならできますので、そのやり方もお話ししました。半衿や帯揚げの鮮やかすぎるものなどを染め重ねると良いと思います。

今年は今までで最も暑い夏となりました。
異常気象は今後も進むのでしょう。世界中で温暖化対策をしているとはいえ、もう時すでに遅し、という気もします。
世界で災害が多発しています。
7/28配信で、グテレス国連事務総長「地球沸騰化」と警告を発した。 
温暖化ではなく地球沸騰化の時代と言われ始めました。

しかし、企業や国は勿論ですが、温暖化防止に少しでも出来ることは今からでもしなければなりません。
庭のある方は木を植えましょう。遮光や、涼しい衣服でエアコンの設定温度を少し上げましょう。
近くの買物などは車を使わずなるべく歩きましょう・・それぞれの方で出来る事をやりましょう。

しかし、この時代にまだ再開発と言って、大木を伐る某大企業のエゴに憤りを覚えます。それに賛成する都知事、政府やゆ(野党と与党の間)党にもうんざりです。表向きSDGsを掲げ、やっていることは真逆のことをしています。

東京だけでも高木が多数伐採されます。神宮外苑、井の頭公園、日比谷公園など、都民の憩いの場であり、多様な動植物の生息の場であり、気温を下げる働きのある高木を伐採するのは犯罪としか言いようがありません。
全国的にもあちこちで開発と称して、木の伐採、強剪定が行われています。

伐採計画反対の声も大きく、私も神宮外苑以外のたくさんの反対署名をしましたが、ご存じない方は、ネットでいろいろ調べて身近なところから是非反対の声を上げましょう。
これ以上環境破壊が進むことは、大げさでなく人類の存続にかかわること。経済が活性化するはずはありません。
原発事故からも、コロナから何も学ばない企業、経済界、政府自民党とその補完勢力。

憲法25条で保障された、健康で文化的な最低限度の生活を守るには、草木染や天然素材の織物、着物を大切にしたいなら、自然環境、民主主義は守らなければなりません。
美しい夏の着物も着続けられるか分からない状況です。
民主主義はお上の言うなりでは育ちません。自分で調べ、考え、現状に声を上げていかなければなりません。

次回9月の染織実習は織り物デザインに入ります。


コメント (2)
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「卓布・仕覆裂」オンラインショップに公開しました!

2023年07月11日 | 工芸・アート
暑中お見舞い申し上げます。
梅雨明けか?と思わせる暑さですね。

少しばかり涼をお届けします。



若い方はご存じないかもしれませんが、水中花を古道具屋さんで購入しました。昭和20~30年頃の製作されたものだそうです。
草で作る通草紙というものでできていて、私が小学生の頃には家にも飾られていました。
造花と言ってもとても情趣のあるものです。毎日水を替えてます。

明治から昭和の俳人たちにもたくさん詠まれてきました。


 水中花培ふごとく水を替ふ  石田波郷
 まじまじと子が見てひらく水中花  桂信子
 泡一つ抱いてはなさぬ水中花  富安風生


夏の間、切り花も少ない時期に愉しもうと思っています。

雲の額装はフランス文学者、シュルレアリスム研究者の巌谷國士さんの写真ですが、写真も素晴らしいです!ギャラリーで一目惚れしました。
上の額装(半分しか見えてませんが)は、廃棄された古本の表紙から制作した西村陽平さんの作品。西村さんは以前にもご紹介しました。
卓布は拙作(23cm×52cm)。ご希望のかたにはお分けしますよ。お問い合わせください。(^^♪

ささやかなアートや花などを愉しむスペースは大事です。こころの置き場所です。佳きもの、美しいものと向き合う場所。自分を豊かにする場所です。
アートのない暮らしは考えられません。

オンラインショップに卓布・仕覆裂少しですがアップしました。



小川郁子さんの振出しに、京都の緑壽庵「金平糖」を入れて。



父の遺品の小石と鍛金造形作家、橋本真之さんの個展で求めたオブジェ。

大切な宝物包んでみませんか?置いてみませんか?


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紬塾 第3回「とことん着尽くす」  ― 着物の更生・運針

2023年06月24日 | 紬塾’21~’23
いつものように着物の更生方法や、私物でその実例を見てもらいました。
また日常の暮らしの中でも、ものを大事にしていくことなど、みなさんが普段気をつけていることなども話し合いました。
トップの写真は、額田昇作コレクション『ぼろの美』を見てもらっているところです。凄まじい図録です。

山育ちの母が戦争中に一番困ったことは、食べること以上に、着ることだったと語っていました。配給も無かったと。
そういうこともあって、布を大切にとことん使う人でした。

ものの溢れる時代ですが、ただ節約とか、始末に暮らすとかだけではない、人と布の関係性なども話しました。

以前のブログ、2016年06月13日2018年08月30日などにも綴っていますので参照ください。



秋に麻の伊達締めを縫いますので、最後に運針練習もしました。
今回は糸を付けずに、針、指ぬきの扱いなど、運針の型の練習でした。
秋まで、家で練習してきてもらいます。

母のぼろの遺品の多くは、並縫いで接ぎ合わせたものがほとんどです。
立派なものを作ろうという野心はなく、手元にある布を慈しみ、布のいのちを全うさせてあげようというものばかりです。
運針は暮らしを、人生を豊かにするものだと思います。



この日の私の着物は、大きなシミをつけてしまい一旦は着るのを諦めた着物ですが、洗いも自分でやって、身ごろを前後入れ替えたり、表と裏も返しているものです。
一番大きなシミの箇所は背中ですが、裏から見るとわかるのですが、表からはほとんど分からなくなりました。(^-^;

帯は越後上布の着尺から仕立替えたものです。30年くらい前に、そごうの横浜美術館から出て、エスカレーターで下る時に、催事場で偶々見つけ、引き寄せられたものです。これは私が引き継がねば、、と勝手に思って購入しました。(*^_^*)
格子の藍は黒に近い勝色で、とてもいい色です。
糸も本当に綺麗です!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、コロナの5類移行に伴い、定点把握で感染者の状況が見えなくなっていますが、第9波に入って、拡大傾向が続いています。検査や治療薬などが有料となり、検査を受けない方も多いと聞きます。
家庭内感染が増え、入院ベッドも塞がりつつあるようです。

政府の無為無策もここまできて、とどめを刺した感があります。
NHKはマスク外しの政府キャンペーンを後押しし、公共放送が、国営放送になるというのは先の大戦でしたことの繰り返しになります。

6月に身内も、紬塾の参加者にもコロナに罹った人もいます。
マスク、換気、手洗いなど対策を緩めずにいきましょう。
政府は全く関心ないみたいですが・・

Twitterなどで、誠実な正確な情報発信をしてくださっている方もたくさんあります。是非チェックしてください。

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紬塾’23染織コース― [真綿から糸をつむぐ]

2023年06月16日 | 紬塾’21~’23
23年度の染織実習コースが始まりました。

5人の方に2グループに分かれてもらい、真綿4.5gから糸を、久米島方式でつむいでもらいました。
初期の方たちは2gぐらいでしたが、何故かだんだん増えて、大変なことになってきました。。(^-^;


まずは真綿を台に掛けるところから。

4.5gというのは着尺の緯糸だけの重さの約1/90程ですが、全てつむぐのに2時間近くかかりました。

秋に小さな布を織るための、着尺糸の2~3倍の太さで、つむぐのは難しい太さです。単純な道具で、あとは人の感覚を働かせるだけの仕事ですが、現代人には、なかなかこれが難しい。。普段使わない脳の刺激になったと思います。





過去のブログもご参照ください。
2018.6.252019.6.07 など。

大事なことは、原始から人は布を織るように生まれてきているのですから、その糸をつむぐのも当然のことです。
大変ではありますが、紬塾に糸つむぎも加えているのは、根源的なところから体験してもらいたいからです。

麻にせよ、木綿にせよ、紬にせよ、布を織ることや、糸つむぎは、今の時代は趣味的なことのように捉えられがちですが、機械的なものが出てくる以前は、生きるためのとても厳しい、時間のかかる過酷な大仕事でした。

でも不思議に、今まで指導してきて、途中で投げ出す人も、いい加減な仕事をする人もいませんでした。
みなさんが無心で真綿と向き合っている姿に、人の根源的な仕事であることを再確認します。機械ではできない人のなせる技です。

私は紬の道を選んで良かったと、こころの底から思います。


今期もかなり、、、たくましい糸が引けましたので、織り上がりも楽しみです。^_^


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「着る」ことについて

2023年06月01日 | 着姿・作品
紬塾では、毎回着物でみなさんをお迎えしますが、個人的なお洒落のためだけに着ているわけではないのです。
私が着ている紬は各回の内容に即して選んでいます。このことも具体的な実例として、参考にしてもらえたらと思っています。
なので、ほぼ着る着物は決まってしまうのです。帯だけなるべく変えるようにしています。

先日の紬塾でも、布のバイアスが綺麗に出る着物は着やすいことなども、私の着姿も参考にしてもらいました。色の話では褪色のこともでましたが、藍の褪色についても話題に上りました。


密度高く、固く織られた紬はつっぱって美しいバイアスは出ません。密度が緩すぎれば、ドレープの山は崩れ、お尻や膝がすぐ抜けてしまいます。柔らかくて、でもしっかりしている生地は着やすいのです。
以前、お客様から「中野さんの着物は体調の悪い時に着ても楽だ」という趣旨のことを言われたことがあります。
私自身も本当に調子の悪かった時に自作の紬に半巾帯で凌いだことがあります。安らぐ感じがあります。本来の紬は体に馴染む着やすいものだったはずです。

なぜ、柔らかさと、堅牢性を保てるのかも紬塾で話ました。
私の仕事の核となるものですので、ここでオープンにもできませんが、ヒントはブログや作品集「樹の滴」に散りばめているつもりです。

布の端、耳もきれいに織るための工夫があります。風合いも1種類の糸を機械的に入れて織るだけでは生まれません。
私が10丁の杼を使い、柔らかなよこ段を織っている映像を見てもらいながら、その説明もしました。
10丁の杼でも、杼の置き方を工夫すると、耳をきちっと絡めるように織ることができます。
耳がわかめのような着尺をインスタなどでよく見かけますが、あれでは仕立の方は苦労されるでしょうし、仕上がりは美しくなりません。何より背縫いの経糸が定まらず、地の目が割れることもあります。
もう見るに耐えかねるものを販売して、お金を払った方が損をするようなことはあってはならないと思うのです。
何よりせっかく買っても着にくさでがっかりして、着物を離れてしまう、そして作家ものはダメだということになってしまいます。
着尺の基礎をきちっとわかって仕事して欲しいです。
自家用のものなら多少の不出来は構いませんが、お客様に販売するものはそういうわけにはいきません。

また、大枚を投じて着る人も、色や柄だけに囚われず、経糸、バイアス(密度バランス)、反物の耳、手触りなども見てもらいたいと思います。

この日の着物は色褪せた単衣の浅葱色小格子です。何度もブログに登場していますし、作品集の中でもエピソードを交えて紹介している、独立間もない30代初めに織った紬です。
初個展の後、作るだけで自分が着たことがないのでは本当に良いものは作れないと思い、この一反を自分用に単衣に仕立てたのです。

裏返して、擦れた裾も5分ほど切り詰めています。いろいろな帯とよく合いますので、たくさん着ました。真冬と盛夏以外、着ています。
畳で、擦れる膝から下は色が抜けて、一部は甕覗きのような色になっていますが、初めて見る受講生からは「素敵な紬ですね」と声を掛けてくださいました。そろそろ座布団側にでもしようかと思っていますが、これでも良いと思う人がいたら、もうひと働きしてもらうのも良いかもしれません。

詳細は中野の着姿にもアップしました。


帯は茜染めの茶の帯です。着物を着始めた30代半ば、高島屋の岩手の物産展で、草紫堂さんの前をたまたま通りかかって見つけて購入したものです。工芸的な手仕事に惹かれて買いました。親元にいた頃で、着物が売れると帯や羽織を買う、、ということをしていました。
母からは「貴女みたいなのを七儲けの八遣いと言うのだ」と呆れられていました。確かに・・。(^^ゞ

しかし、紬や帯の寿命の長いこと、上質の手つむぎ糸、手織りの着物は高価ですが、飽きることなく着続けられるというのは、仮に着物と帯で100万円だったとしても、50年着続けたなら、2万円/年ほどです。
決して高いだけではないはずです。着る喜び、心の安らぎもあります。次世代に残せるものでもあります。究極のエコでもあります。良いことがたくさんあります。長く愉しみましょう!!

そして次回の紬塾は「とことん着る」話です。
着る紬もアレと決まっています。(#^^#)

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第2回紬塾「糸、色、織について」

2023年05月25日 | 紬塾’21~’23
第2回はいつものように、紬の一番基本となる、糸や草木の色、織物の経糸の重要性、堅牢性など、繭や真綿から糸を引き出すワークショップ付きで講義をしました。

紬と言っても使われている糸は様々で、その特徴をよく見て選んでいくと良いと思います。
生糸系、玉糸系、節糸系、真綿系、そのブレンド等、風合いも着心地も様々ですが、専門知識がなくとも、「違いがある」ということをまず頭に置いて、触れたり、纏ったりしてみるとよいでしょう。

トップの写真はお湯で煮た繭から1本の糸を引き出していくワークショップの、最初の糸口を引いているところ。
この後、みなさんに順番で黒い紙に巻き取ってもらいました。
蚕は頭を左右に大きく振りながら糸を吐き出しますが、それをゆっくり繭から解いてゆく体験です。ただ糸が細いというだけでなく、吐き出した時の糸のかたち、ウェーブが見てとれます。繊細な命の営みのかたちです。


みなさんが引き出した後、私が残りをゆっくりと木枠に巻き取ったものが上の写真。小さな綛になりました。


真綿からも、太腿の上で糸を纏めながら、少し太めの糸をつむいでもらいました。原初的なずりだし方式です。
この方法は、道具に頼らない分、技量が問われます。

他にも私が10丁の杼を使い、柔らかなよこ段を織っている映像を見てもらいながら、織り方の重要な点を説明しました。
着る人こそ、経糸の重要性、バイアス(密度)、反物の耳の重要性なども知ってもらいたいと思います。

後半は、草木の色のこと、染のこと、盛りだくさんでしたが、講義の内容は過去の当ブログ、カテゴリー「紬塾」も参考にしてください。
次回、最初におさらいと、話し足りなかった点を補足をします。




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経糸のかたち

2023年05月18日 | 制作工程
着尺用の経糸を巻いてます。

紬は経糸の仕事(糸選び、精練、染色、糊付け、糸巻、整経、経て巻)が織り物の善し悪しの7~8割を決めてしまうものだと思います。機に掛けるまでが、緊張の連続です。

今まで400反以上織ってきましたが、どれだけ座繰り機を回したでしょう。
左右の肩の四十肩、五十肩を何度もしてしまいました。
50歳を過ぎた頃、痛みで右手が使えなくなり、それでも仕事を休むこともできず、左手で巻くこともありました。



ただ、こんなに巻いても節糸や真綿の糸は表情があり飽きることはありません。
ネップ(節)の形や硬さを見ながら取り除いたり、残す判断をしたり、形を整えたりします。取り除けばいいというものではありません。
糸を見ながら、指の腹で糸を確認しながら巻くので、スルスルは巻けません。
一綛に半日かかることもあります。



手間はかかりますが、糸巻を電動に変えるつもりはありません。
蚕の吐き出した波状の糸のかたち、人が繭を目で管理し、繰りながら糸にするかたち。それを損ねないよう、人の身体の速度で巻き取っていく仕事です。

一つとして同じ糸はありません。毎回新たな気持ちで糸と向き合い、この糸がどんな布になって表情、風合いをつくるのかを想像しています。

2回目の紬塾で、糸について、繭や真綿から糸を引き出すワークショップ付きで詳しく解説します。
紬の布を見る時の参考にもなります。

以前の2015.12.292013.7.1のブログにも経糸の大切さ、綴っています。



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第14期「紬きもの塾'23」開講しました!

2023年04月26日 | 紬塾’21~’23
紬塾は一年お休みをいたしましたが、今期は5名の方と一緒に紬織りを中心に、着物の文化について、また自然のこと、環境についても考えを深めていきます。

コロナのこともあり、ずっとブログも読みながら、この機会を待ってくださっていた方もいらっしゃいました。関西からお越しくださる方もいらっしゃいます。紬のことをもっと深く学びたいという熱い思いはみなさんに共通しています。

なんの宣伝らしきものもなく、秘密結社ではないですが、、たまたまネット検索で辿りつくような、敷居高く、気軽には入れない…と思われると思うのですが、、よく勇気をもってお申込み下さったと思います。

初回の自己紹介でそれぞれの方の思いの一端も伺いましたが、充実した時間を過ごせそうで、嬉しく思いました。みなさんが帰られてから、Beerで祝杯を上げました。

紬塾の内容はブログには書けないことがたくさんあります。
その場に、一座建立してこそ伝えられることがあります。
紬塾はそういう場を設けているだけです。そこに集まる一人ひとりが作っていく場です。私も内容に磨きをかけて望みます。


僅かな時間ではありますが、いつも初回には草木の染の基本的な色であるピンク系、黄色系の糸質の違う単衣(私物)を羽織ってもらいます。
(写真のピントが合ってませんで、、(^-^; 無地に見えますが、細い縞です)
強い媒染剤を使わずとも自然に染まる色です。
私から先回りして知識は刷り込まないように、各自で色や風合いを感じてもらいます。
いろいろな感想が聞かれましたが、この実感からスタートし、色や風合い、紬とは何かの話を次回から進めていきます。



初回の私の装いはいつものように、修業時代の最後に、母の為に夜なべでつむいだ太い糸で織った井桁絣の着物。
帯は藤の文様の辻が花染を合わせました。十数年前に買ったこの帯は、ベースの生地に昔の赤城紬を彷彿とさせる経緯糸に強い節のある生地で、その力強さに惹かれました。今はもうこういう糸も、これを織れる機械もないのではないでしょうか?機械でも、ゆっくりでないと織れないからです。とても締めやすい生地です。昨近は本当になんでもツルツル、ピカピカ、ペラペラ、それでいて固いですから。。

しっかり噛んで、味の出てくる食べもの食べないと、ゼリーとスナック菓子だけでは育つもの育たないです。
紬塾では一人ひとりが自分で感じ、考えながら進めていきましょう。


玄関のニッチには北海道の方から頂いた、庭の日本鈴蘭の一株だけ活けてお迎えしました。慎ましくも、香り高く大好きな花です。
東京の高温多湿に合わなかったのか、僅かな株が、ひょろひょろと残っているだけですが、見守って育てたいと思います。






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絽ちりめん帯揚げをオンラインショップにアップしました!

2023年04月13日 | 着姿・作品
しばらく染色の仕事をしていましたが、染が一段落しましたので、単衣、盛夏の時期に向け、絽ちりめん帯揚げをオンラインショップにアップしました。

絽ちりめんは平絽よりも厚みがありますが、単衣、盛夏に使えます。夏紬や麻の縮などの織物には合うと思います。
色もナチュラル感のある着物に合わせると、双方が生きてきます。

盛夏の帯揚は絽目が無ければならないという規定があるわけではありませんが、涼やかな色や生地を選べば良いと思います。私は絽ちりめん、平絽、デシン、薄手の通年使えるものなど、いろいろ使っています。ただ、絽目があると、いかにも夏!です。(*^^)!


グレー、灰緑、オレンジ茶の中間色を3色(上から、梅、桑、桜)と、オフホワイトから薄茶の4色(月桂樹、酢橘、柿など)、ブルー系は生地違いでやや黄味の水色と落ち着いたブルーグレーの2色です。ブルー系は草木と化学の併用で染めています。草木だけよりも、ふた手間かかります。(^_^;


色の詳細、価格などはショップをご覧ください。

写真は実物に近づけるよう時間帯、天候、カメラ設定なども選んで撮影していますが、実作と画像の印象とは少し違うことをご理解の上ご注文頂ければと思います。私のPC画面とスマホでもかなり色が違いますので。でもどれも深みのある、美味しそうな!?よい色です!

帯揚げは、糸染めの時以上に気を使います。ムラにならないよう付きっきりで1枚1枚染め、天日で乾かし、色を確認、更に染重ねを繰り返し、帯や着物を想像して、取り合わせのできる色かどうかを見定めます。

淡い色でも草木のチップを作るところから、数日掛け、2~3回は染めます。
とても微妙で、時間帯によって色の見え方も違いますが、植物の中にある複雑な色素を抽き出したのですから、どれも繊細で奥行きのある色です。。媒染は灰汁(樫)や鉄、アルミなどを使います。併用することもあります。

白系の着物には帯揚げを中間色にするのもいいですし、濃い地の着物には淡い色で涼しさをプラスするのもよいですね。

もう4月から、夏日になる気象となってしまいましたが、こういう時に真綿紬の単衣は重宝します。
というか、私の織っている真綿紬は、糸の太さによっては盛夏以外を単衣で通すことができるものもあります。私はやや地厚の単衣紬が大好きで、ある程度の厚みや、張りがあることが、身体にまとわりつかず、風が抜け、暑くないのです。甘撚りの真綿の糸は保温性と放湿性と両方備え、機能的です。

地色が中間色のものは一年通して本当に重宝します。帯だけ何本かあれば、小物で色を添え、いいものです。多くの方に私の紬は単衣で3シーズン着用して頂いています。
もちろん、裏地の色を添える袷も、おしゃれ度アップでいいのですが、着物をたくさんは持てない、一器多様でとことん着たい!、という方などには3シーズン紬は特におすすめです。(^^♪

そういう単衣向きの紬もありますので、帯揚げと共に、ご検討ください。(*^-^*)
合わせたい帯など、ご希望がありましたら、それに合うものを画像でお送りすることもできます。ご遠方の方には通販もしておりますので、お気軽にHPからお問合せ下さい。



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第14期 「紬きもの塾23」開催についてのお知らせ<2>

2023年03月18日 | お知らせ
第14期「紬きもの塾23/基礎コース」受講生を募集します。※定員に達しましたので受付を締め切りました。
「紬きもの塾23」基礎コースは3/18(土)からメールでお申し込みください。
お申込みの際は、お名前、郵便番号、ご住所、電話番号を明記してください。
折り返し受付の返信を担当からいたします。
※ご質問などは前もってしていただけます。

日程、内容の詳細、申込はHPをご覧ください。

少人数ですので、日程が、どうしても都合がつかない場合、2回目以降でしたら早めに申し出ていただければ、他の方の調整がつく場合には変更も検討します。

4回目の「伊達締めを縫う」は、縫うものは自由にお考え下さい。
縫いたくない方はご相談ください。(*^_^*)
過去のブログ記事、HPなどをよくご覧頂き、趣旨、内容をご理解の上、お申し込みください。受講生の感想も参考にしてください。

現代の私達にとって着物を着るということはどういうことなのか、お洒落の為だけではなく、文化として、また自然素材を纏うことを大切にして暮らすことなど、紬織を中心にみなさんと一緒に学び合う場です。そして次世代へも繋いでいきたいと思います。

トップの画像は19年度の2回目、「糸、色、織について」の様子です。
まずは「説明を聞く」ではなく、実際に見て触って感じたことを発言してもらうところから始まります。先入観や染織の知識は不要です。

着物に慣れている方も、着物をこれから着てみたいと思われる方も参加できます。参加者になるべく添うように、内容は変更しながら行います。

趣旨に賛同下さる方で、布や着物に関心のある方のご参加をお待ちしています。

来年度の開催は未定です。
コロナ感染予防策として、換気、不織布マスク、手指消毒に留意します。


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「羊歯文刺繍帯」を譲り受けました!

2023年03月10日 | 着姿・作品
長いこと、紬を織る仕事をしてきましたので、いろいろなことがありますが、間もなく米寿を迎えるお客様から、もう着物を着ることもないので、私の着物と帯を引き継いで使って欲しいと頼まれました。
ちょっと迷いましたが、「中野さんに着て欲しいの・・」ということで、頂くことにしました。
私も高齢になってきましたので、そんなに着る時間はないと思うのですが、、その時はその時で考えるとして、、ありがたく活用させて頂きます。



そして、3/8は女性の日、ミモザの日でしたが、そのお客様と高齢女子三人で、お礼をかねての懐石会食でした。帯、帯揚げは早速使わせて頂きました。

今は手に入らない、赤城の節糸のざっくりした風合いのものに、刺繍をあしらった「羊歯文刺繍帯」です。
刺繍は好きで、今まで何点か刺繍を施した作品を作ってきました。紬に、雅なイメージの刺繍は違和感を覚える方もいらっしゃいますが、私は刺繍もその内容により、ありだと思っています。

この帯は漆絵の羊歯絵作品からインスパイアされ、デザイン、色を決めました。
過剰にならないよう、区切られた部分に敢えて押し込めるようにしました。色も草木染のベースに馴染むトーンを差し色に選びました。



自作の名古屋帯は3本目になります。
帯芯が少し硬くて、締めにくく、着姿がイマイチですが、使ううちに馴染んでくるでしょう。
前中心はもう少し焦げ茶を多くすることもできます。

今日の取り合わせは、繊細な刺繍を引き立てたく、帯に溶け込ませる赤みのグレーの帯締めと、この帯に合わせてお客様が選ばれた桜染のピンクベージュを使いました。
Hp作品ページ着姿ページに詳細があります。

ブルーグレーの羽織に、萌黄色の羽織紐で春の色を添え出かけましたが、季節や、その場に相応しい装いで人と会えるというのは、そのことだけでも話題が広がり幸せな時間を過ごせます。
取り合わせは単なる色のコーディネートではないです。

紬きもの塾でも取り合わせの回は特に楽しい時間になります。
毎回みなさんが頬を紅潮させて、いかに取り合わせが女心を奮い立たせる!!か分かります。
紬塾は糸の話から、作ること、着ること、着尽くすことまでを学びます。

紬塾は3/18(土)朝8時から受け付けが始まります。
「紬きもの塾23」お申込みはこちら



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