中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

今年度の紬きもの塾に関して

2022年02月28日 | 紬きもの塾’17~’21
陽光の明るい季節となりました。
庭に来る鳥たちも活発に行き交っています。

お待たせしております紬塾基礎コースの開催に関しまして、22年度の開催は見送りということに致します。
お待ち下さっている方には申し訳ありません。
染織実習コースは5月に判断いたします。

自分の制作と並行して、染織の実技指導を11年近く、その後紬きもの塾を13年間休むことなく開催してきましたが、一人での制作や、今まで時間が取れずにいた様々な学びの時間をもちたいと思います。
自宅兼工房の狭い環境で、自分の時間や居場所を削るようなこともして走り続けてきました。
忙しすぎて、本を読む時間もほとんど取れず、積読ばかり。。少し自分の時間を取り戻したく思います。

また、コロナもオミクロン株の亜種も懸念されますし、日本での収束にはまだ時間がかかりそうです。

そして、世界は混沌とし、ついに戦争も始まってしまいました。対話での一日も早い終結を願います。
文化・芸術は平和が危うくなれば続けられません。着物を着るどころではなくなってくるかもしれません。

自由と民主主義は自分たち国民が育て守るもので、黙って上から降りてくるのを待つものではないです。
こういうことも含め、学び、考え、声を上げるべき点は上げていかなければと思っています。

染織を長く続けてきて伝えたいことは沢山ありますし、今の時代に大事なことが手仕事や着物の文化の中に沢山あるように思います。その思いを継続させるためにも私自身を充実させる大事な一年にしたいと思います。

トップの画像の半巾帯は連歌シリーズ作品Ⅴ「歳寒の三友」です。プロジェクト十本中の一本は自分用にしました。

寒さの中でも色褪せることのない松や竹の緑、寒さの中に咲く梅の花の強さを表す中国の言葉です。
できることならあやかりたいものだとの思いで制作しました。
残糸を色々織り混ぜましたので、結びで雰囲気が変わると思います。結びによっては絣が見えないようにも設計してあります。詳細はHP着姿にUpしました。

工房では感染予防の対策をして、随時作品はご覧頂けます。
ご来房の際は不織布マスクを着用ください。

また個人対象のミニ紬塾はいたしますので、織の着物を着るにあたっての全般のご相談ごとは受付いたします。ご希望がありましたらご連絡いただければと思います。


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第13期「紬きもの塾」受講生の紬塾レポート

2021年12月20日 | 紬きもの塾’17~’21
                          ドウダンツツジの冬芽

工房の満天星躑躅も葉をすっかり落とし、マッチの軸のような枝先の冬芽に赤く灯をともしています。

今年度の紬塾が終了し、みなさんから6回の内容を振り返ったレポートを提出して頂きました。
今期のみなさんもしっかり内容を受け止めてくださったようで、主宰として嬉しく思います。
少人数で個人レッスンに近いので、私も一人一人と向き合うことになりますが、とても熱心に真摯な向き合い方をしてくださいました。

着物をたくさん着ている人ほどショックは大きいようなこともあるかもしれませんが、みなさん目からウロコを落としてくださったようです。(@_@。
変えられない方もたま~にいらっしゃいますが、着物の世界の奥は深く、着飾るだけではないことを学んでいただければと思い厳しいことも申し上げたりしています。

着飾るということがどういうことなのかもわからず、ただ高級だからとか、有名ブランド、有名作家のだからとかで着ることではないのです。
仮装行列の1回だけの衣装ではなく、一生かけて付き合うのが紬織の着物というものです。
それを引き受けるだけの力を付けていかなければ本当に着ることはできないです。

自分の目で確信を持てるか、実際に着てどうなのか、それは簡単ではなく自問自答しながら一生をかけて身に付けるものでしょう。それなりに経費もかかります。

運針もハードルは高いようですが、それなりにできるようになっていますし、何より楽しくなったと言ってくださってます。この指導は毎回本当に大変なんです~(;'∀')
畳の部屋なので私がそれぞれの方の元へ膝をつきながら移動し、何度も何度も手本を示したり、進捗を見てあげたりで、翌日は腰のサイド、中殿筋が痛くて動けなくなります。このやり方はもう変えなければ、と思うのです、、。

では以下に4名のかたのレポートを掲載します。
少し長いですが、みなさんの素直な感想ですのでお読みいただけたらと思います。
紬塾は来年の開催は未定ですが、検討中の方はよくお読みください。

**************
程よい緊張感のある、刺激的な紬塾の日々が終わってしまうことを寂しく感じておりますが、これからは先生や同期の皆さまから得たヒントを、実践・実感することに取り組んでいきたいと思います。

着物(紬、木綿)や素材としての布が大好きです。
大好きな布を纏える着物(紬)が好きです。
着物(紬)を着なくても困らない時代に着物(紬)を着る意味はなんだろうか、なぜ着物(紬)が好きなんだろうか。
そんな疑問のヒントが紬塾にあるような気がしたのと、単純に中野先生の布をたくさん見たり触ったりすることができるのではないか、という下心が受講志望理由でした。

繭から糸を取らせてもらいました。ウェーブのあるゆらゆらとした糸で、
繊細なのに意外としっかりしていることに驚きました。

自然光のもと、先生の着物を2枚羽織らせてくださいました。
着物を見せていただいたときにすぐに脳内で「ピンク系」「オレンジ系」と分類しておりましたが、羽織ってみると、自分含めほかの参加者の皆さまも、二枚ともそれぞれに似合っており、草木染めの色の奥深さを感じました。

紐や下着、着物のお手入れ、アイロン、着物の引き受け方など実践的かつ自然な方法をたくさんご教授いただきました。



特に運針は、中学校の家庭科の授業以来で、私は裁縫が大の苦手です。
初夏の紬塾で糸を付けず針の動かし方の基本を教えていただきました。
次回の秋の紬塾まで期間がありましたので、夏の間は、赤い残り糸を付けて、
着物の紐に運針をして練習しました。急に上手くなるわけはなく、方向も縫い目もガタガタですが、運針ができれば、自分が思いついたときに、紐や伊達締めを作ったり、敷物に作り変えたりと、とことん着尽くすための工夫ができるという教えは、目の前の世界が広がる思いでした。
今は運針は練習で終わってしまっていますので、これから紐1本、作ってみようと思います。 
出来上がった紐に刺繍でもしようかしら、と苦手ながらワクワクしております。
註:上の画像はご本人から送られたもの

春夏秋冬を通じての紬塾、先生の取り合わせが自然で無理がなく、場とその季節の空気に馴染んでいたことが印象的でした。
『着ることは生きること、その人そのもの』という先生の言葉を先生の取り合わせを通じて感じることができました。

日常生活にある着物(紬)の景色がこれからも日本にあってほしい、と願ってやみません。
いかに素晴らしい着物(紬)であっても、美術館の中で保管されていては、着物(紬)の生き生きとした姿ではないように思います。

紬塾での学びは、きっと、私のこれからの着物(紬)との付き合い方の土台となります。
本物・より良きものを見分けること、実際に手と頭を動かす(使う)こと、
感覚や季節・美しさを感じる力を研ぎ澄ますために精進することを大切に、
1日でも長く、着物(紬)と付き合っていきたいです。
先生、ありがとうございました。(K.M.)

***********
6回にわたり、『紬とは?』から始まる『生き方』の勉強をさせて頂いた。
 
毎回のテーマが興味深くかつ「何となくわかっているつもり」の部分もあると思いきや、実は全然わかっていなかったという事実と、それをわからずに着物に接するのは恥ずかしいという気持ちが認識でき、
草木染や紬、着物に対する愛着が深まったと感じる。

特に2回、3回と進んでいく中、糸や織物の『色の深さ・奥行き』を見る目であったり、
『バイアスがきれい=堅牢性』といった『織物の風合い』を見る目であったり、具体的でわかりやすく教えを頂きとても貴重な体験であった。

また物を大切に使うということに始まり、自然環境をいたわる生活の知恵などからは、真のサステナビリティを
改めて考えさせられ、自分レベルの「やっているつもり」の甘さを突きつけられた気がする。
とことん使うの回で「小豆3粒包めたら布は捨てない」というお話を伺ったが、身が引き締まる思いがした。                                 

後半の帯や小物の取り合わせや色の選び方などは、長らく同じような視点できてしまっていたところから
まさに目から鱗が落ちたようで、『先入観を持たずに、モノを見る目を養う』新たなスタート地点に立てたようである。
 
最後の回で『着ることは社会との繋がり=他者との関わり』という先生のお言葉が印象的だった。
ある著名な洋服のデザイナーの自伝に「服は着ることによって自分らしさを表現できるツール」という意味の
文章があったのを覚えているが、そこに通じるものも感じた。
先生の御著書【樹の滴】のなかにある『着物は人の身体を包むもの、そして気持ちを支えるもの』という一文にも着ることの意味の大切な一面を納得できる。

毎回持ち回りで自分の中でのポイントを発表した、幸田文氏の著書「きもの」を読破することは根幹であり
紬塾のゴールとしての『ものを見る力をつける』入口のエッセンスが、物語全てを通してちりばめられていたと思う。
「きもの」の後半以降の描写で関東大震災の混沌の中
「肌をかくせればそれでいい、寒さをしのげればそれでいい、なおその上に洗い替えの予備が一そろいあればこのうえないのである。ここが着るものの一番初めの出発点ともいうべきところ、これ以下では苦になり、これ以上なら楽と考えなければちがう。やっと、着ることの底が直に分かった思いだが、これを納得したのは下町総なめのこの大火事にあったおかげなのだ。それにしても大きな損失に対して、あまりに小さい納得とはいえ、しかしまた逆に考えると、それほどのひどい目にあわなければ、着物の出発点は摑むことができないくらい、女は着るものへ妄執をもっている、ということでもある」
と主人公に考えを持たせている。

以上のように今まで自分のなかで着物とは、大好きなものであり、衣食住の一部のある意味スペシャルステージとして位置付けていた程度だったが、今回紬塾での学びを通して、もっと違う次元の大切なものに大きく変わった。

そして最後になりますが、ご指導いただいた『運針』練習はこの後の人生の課題の一つとなりました。 (O.Y.)   
                                
*********
紬塾へ通っていた友人の紹介で2015年の個展に足を運んだのが中野先生と先生の作品との出会いでした。
そのとき羽織らせていただいた着物は、優しい色合いで美しく、羽織ったとき優しくて温かい気持ちになり思わず笑みがこぼれました。そのときの気持ちは忘れられません。

そして2019年、やっと紬塾の申し込みをして学びが始まりました。
初めて伺った桜工房の和室からはお庭の木々が見え、自然の光の中に先生の織り機などがあり、家も呼吸しているようでした。先生の作品に通じる心地よい空間で、ここに来ただけでも参加できてよかったと思いました。

参加者の皆さんのお着物や着姿を見て、堂々と楽しんでいらっしゃることが素敵だなぁと思いました。
一方で、私は着付けを学んだことが少なく自己流だったことを不安に思ったり手持ちの着物に自信がなく、毎回緊張して参加しました。

学んだ中で変わったことは、自然への尊さを日々の暮らしの中で感じることが増えたことです。
その間に引っ越しをして、畑や庭仕事を始めたたことも大きかったですが、
畑も表面的に“自分がやっていること”に焦点が当たりがちになり、そこに満足してしまうようになるのですが、
紬塾に参加して、自分の目で見て、ひとつひとつ感じて、実践していくことの大切さを学び、
また先生の姿からも・・・上手く言い表せないのですが、深い学びをいただきました。

暮らしの中での違和感を見てみぬふりをしていたこと、乱暴だったなぁと思うこともありました。
とことん着尽くすの回だったと思います。古い繕い物(襤褸)の美しさを本で見せていただき、私も心から「美しいなぁ」と思いました。
そのとき自分でたのしくやっていた繕い物なども、みなさん関心を寄せてくださり驚きました。
人様に見せたら笑われると思って半分は恥じていたのですが、私も自信がないからと自分のやっていることを恥じることなく、真っ直ぐな目で見て、自分が納得いかなければもっと改めていけば良いことなのだと、思いました。

着物についても、人に認めてもらう必要もなく、ただどのような印象を与えているかという配慮や
今の自分だけでなく、自分がいなくなってからも引き継ぐ方がいるかもしれないことへの配慮など
他者に媚びるわけではないけれど自分のことばかり考えているわけではない生きる姿勢を中野先生のお話からも、ふとした瞬間からも、学ぶことができました。

また、和裁については妊娠出産で遠ざかってしまいましたが、学校で運針を習得できたことは本当に幸いだったと思いました。それもできるだけでは宝のもち腐れなので、日々の暮らしに活かしていきたいし、人には見えないところでもそのような時間を作ることが着物を着たとき周りに与える印象へも影響してくるんだろうなと、思っています。

紬塾に通おうと思ったきっかけにあった、中野先生のような自然体の着姿に憧れるけれど、どうしたらいいかわからないという疑問の答えは、何か知識を得ることで解決することではありませんでした。それでも、やっとわかったことがありました。大きかったのは、自分がずっと表面的なことに囚われて、深く真っ直ぐにモノを見ようとするのを避けてきたことに気づけたこと。そして、答えは一人ひとり違うということ。
自分の感性で、ひとつひとつ選んでいったことや日々の暮らし方が現れているのだということが、痛いほどわかりました。

紬塾で教わった中にはすぐ実践できることもありましたが、真似するだけで先生のようになれるわけではありません。これからの暮らし方をまた一から見つめ直し、自分の感性で着物と向き合っていきたいと思います。

また、高価で手の届かないと諦めて、拗ねてた部分もありましたが、それも本当に無駄な想いでした。
モノを見る目が深まったことで、今あるものへの扱い方、選ぶことに責任を持つことが変わったように感じます。
そしてこれから私が働くようになったとき、先生の作品を手に取りたいという想いで働くのも張り合いがあって楽しいだろうなと、希望を感じています。

先生の作品の背景にある、暮らし方、生き方、お人柄を知ることができ、自分の生き方を見つめ直し改める第一歩となりました。
また、一緒に学んだ皆さんとの交流も暖かく、お会いするたびに着物を楽しんでいこうと前向きな気持ちになれました。
本当にありがとうございました。(O.M.)

**************
紬塾での時間から

5月にはじめて先生と皆様にお会いして、あっという間の、でも、しっかりとした何かを感じられた、そんな「とき」を過ごさせていただきました。
それぞれの回での印象に残ったことをお伝えしたく思います。

第1回
この日、先生の作品を羽織らせていただいたのですが、緊張していてよくわからなかったというのが正直なところです。最後の回、いろいろ学んだ後なら、また違ったものがあったのかもと、せっかくのチャンスをなんと勿体ない、とあの日の自分を責める気持ちです。

印象的だったのが「心が動く瞬間をみつめる」との先生の言葉でした。
それこそが、私個人がここ数年、求め続けていて、取り戻したいと思っていることでした。
17年ほど前から東日本大震災の数年後までの約10年間、仕事と家事と育児と学生生活の4つの役割のなかで走り続けていた私は、その間に祖母と妹と父と母を亡くし、季節の移ろいや音楽や読書や、たのしいと感じる時間と力(余裕)を無くしていました。
最後に母を亡くしたあと、母を思い出す中で記憶がたどりついたのが母の着物姿でした。
このことは、第一回のそれぞれの着物との馴れ初めでお話ししたと思います。

この日に、先生が宗廣力三先生の作品集を見せてくださいましたが、作家物などにあまり興味のない私は初めて聞くお名前でしたので「へぇ、この方が先生のお師匠さんなのね」と淡々とした気持ちでいました。
ところが、この後日、私は「心が動く瞬間」に遭遇しました。日本民芸館に出かけたとき、こころ惹かれる作品がありそれがなんと!宗廣力三先生の作品だったのです。なんという偶然。それは圧倒的な力で、ものを観る力のない私にも素晴らしいと感じさせる布でした。

先生と出逢い、紬塾でお話を伺って、宗廣力三先生を知り、郡上紬という布をみて、わくわくするような「心が動く瞬間」を得ることができた、と今とてもうれしく思っています。

第2回
この回で、繭から糸と引き出したときのなんとも言えない気持は、一生忘れないと思います。なんと細い、なのに途切れずにするすると糸がでてくる、とても不思議でずっと引き続けたい心持ちでした。同時に、この細い細い糸を紡いで、それがしっかりした糸となり、反物となるまでのながい時間とひとの手と思いを想像せざるを得ませんでした。

この日、先生は「理にかなった“糸”の扱い、動作」というものがあると話してくださいました。このとき、私は、“糸”に限らず、ひとやものもその個性や特性に応じて対応するとそれぞれの良さがいきるという風に理解し、布を織るということは、もしかしたら社会のなかにあることと似ているのだなと考えました。
出来上がってすぐの反物(布)は、毛羽やかたさがあるが、長く着て、何度かの洗い張りを経て柔らかくからだに沿うようになることと、社会に出たての新人がいろんな経験を経て人間的深みを増すこととを重ねました。そして私自身がよい紬、愛される紬のように生きたい、なりたいと、考えました。

第3回
運針の回でした。
和裁を学んでいながら、運針ができない私はここで「基本の大切さ」というものを深く考えました。運針は頑張って練習しています。

この回で先生は「ほんとうに上手な人の縫った着物は、着心地だけでなく、解くことを前提に縫われている」と仰いました。実はこのことは、和裁中に何度かお直しを経験して実感していたことでした。
改めて先生からそう聞いたことで、相手の気持ちや行動を考える、目の前にいるひとだけでなくその先のもっと先にいるひとのことも想像して縫う、着物という洋服とは違う、繰り返し引き継がれていくことのできるものの、奥深さと、ひとへの思いやりを考えることができました。

第4回
着物の取り合わせの回。
この数年きものを着てきて、格や晴れと卦の違いをうまく理解できずにいたので皆さんの作った取り合わせをもとに説明いただけたことがとても勉強になりました。そして、私の取り合わせのとき先生が帯締めを別のものに変えられた途端、あっ!と思うほど素敵になったことがなによりも印象的でした。帯締めに限らず、小物ひとつ選ぶことがいかに大切かがよくわかりました。
引き算の美。色合わせだけでなく質感を合わせる。物の力をみて合わせる。
これがこの日の先生の言葉でこころに残った3つです。

似合わない地色のきものも、帯や帯締め、帯揚げに似合う色をつかうことで自分に似合うようにできますよ、というお話し、ここでも私はまた、あまり好きではない相手とも工夫次第でうまく付き合うことができるかも、と人間関係につなげて考えておりました。

第5回
実は、この日、紬塾へ着ていく着物を前の週に考えて決めておりました。それは、前回の取り合わせの回で教わったことを参考に考えて決めたものでした。
ところが、前日の金曜日のお昼ごろ、先生から「明日は、マイサイズを書いて持ってくるように」とメールが届き慌てました。決めていた着物は、着丈が短いけれど何とか着ているものでマイサイズとはいえないものだったからです。
夜、仕事を終えてから、改めてマイサイズで仕立てた着物を中心に取り合わせを考えました。この回には、先生の個展でいただいた『林檎で染められた帯揚げ』をお見せしたかったので秋田黄八丈の苅安色の着物で伺いました。黄八丈も草木染なので、事前に考えていた取り合わせよりよかったと思います。

この回で「着ることは生きること」という言葉がありました。
着ているものからそのひとの“人となり”が見えると。自分に自信がない私は、すこしドキドキしました。そして自信が持てるよう努力しようと思いました。

第6回
半幅帯の回
苦手意識があってほとんど締めたことがない半幅帯でしたので、YouTube でみた方法で自宅から締めて出たのですが、なんとなく背中が落ち着かない気持ちでした。でも先生が教えて下さった方法だとスッキリとして背中に違和感もなく、着心地よかったです。

見せていただいた蚊帳ふきんの補正と、先生が使っておられたアイロン台(マット)は、さっそく作ってみたいと思います。市販のアイロン台を使っているのですが 1 センチほどの高さがあり、また、幅が反物とほぼ同じで使いづらく悩んでいたのです。

この回で改めて、取り合わせについては頭で考えないで、無垢な目でまっさらな気持ちで美しいものをみること、と伺いました。そして、着物を着ることはひとの目に触れている、社会に関わっていることだとし自覚してきちんとしようと思うこととの言葉がありました。

当日の感想でも言葉にしましたが、紬塾で先生から得た学びは、まさにそのことでした。
ひとに優しく、自分にも優しく、地球や環境にも優しく、他者とのかかわりを大切にし、美しいものをみて美しいと感じ、自分中心ではなく全体を思い、大切に生きること。

紬塾に参加できたこと、このご縁に感謝しております。ありがとうございました。(T.K)


                       以上
 



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第6回 「上質の半幅帯を愉しむ・仕立について」―半幅帯結び・帯の仕立寸法について

2021年12月13日 | 紬きもの塾’17~’21
HP着姿も更新中! 12/14追記

工房では現在個展にご都合のつかなかった方、改めてご検討中の方などにお越しいただいております。草木染帯揚げ、帯締めなどの割引もありますのでこの機会にお出かけ下さい。
12月18日までお受けできますのでHPお知らせからお問合せ下さい。

紬塾も今年度の最終回を迎えました。
最後は半巾帯の結び方、名古屋帯の寸法のことなど駆け足でしたがやりました。
頂いた帯が短く締めにくいということでお持ちいただきましたので、測ってみました。
確かに古い帯で柄付けも今とはだいぶ違います。9尺もない長さでした。
そこで太鼓から先に背中に背負う締め方をしてみました。


ポイント柄ですから前柄はなくなりますが、普通の結びと変わらないように綺麗にお太鼓を作ることが出来ました。前柄がなくとも普段着なら帯締めや帯留めを活かして愉しむのも良いかもしれません。全通柄なら問題ないです。

今の時代は何でも大きめの寸法になっていますが、体型によっても自分にふさわしいサイズを把握して注文できると良いですね。


半巾帯は文庫のアレンジと、吉弥結びをしました。
半巾結びは苦手な方も多いのですが、コツがわかれば便利なものですし、上質な素材ならお洒落着にも十分対応できます。
上の写真、文庫結びのアレンジ中。
羽根の部分を屏風畳にするとヴォリュームも表情も出てきます。

最後は紬にスチームアイロンも掛けてみました。
みなさんアイロンを掛けていいのか不安に思われているようですが、染色がしっかりした紬であれば当て布無しでも大丈夫です。スチームを生かし、強い圧迫は加えないように掛けると風合いもよくなります。注意点をお話ししました。
毎回幸田文著「きもの」も読み込みましたが、最後は私の感想を発表しました。また少し先で読み返すと新たな気付きもあると思います。
そして紬塾の一年を振り返り、最後まで盛りだくさんでした… (;^_^A

塾終了後は打ち上げもしました。
みなさんの気持ちもほぐれて和やかなひと時でした。
感想がとても面白かったです。感極まる方もいましたが、みなさんが自分の気持ちを飾らず素直に話してくださるところもよかったです。
紬の話もたくさんしましたが、日々の暮らし方も見つめ直しより良い暮らし、社会になってほしいです。

受講者レポートは次のブログでまとめてアップします。


上の画像は床の間の井上まさじさんのペンの手描き作品をご興味をもたれた方に説明しているところです。
必ず季節に合せたアート作品を床の間に掛けてみなさんをお迎えしています。
着物や着物を着ることはアートです。アート作品と向き合うように一枚の布と向き合えばいいのではないでしょうか?


写経のように淡々と毎朝の日課の仕事だそうですが、身体の動きやペン先の太細が微妙に揺れ面白い作品だと思います。自然発生的な下のインクだまりも模様になっています。
一生をかけてアートも着物を着ることや布を見る目も養っていきたいと思います。

来年の紬塾は開催が未定です。2月末までにはっきりさせますので、HP、ブログでご確認ください。


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第5回「自然で楽な着方」― 下着の揃え方・半衿の付け方・着物の仕立寸法

2021年11月25日 | 紬きもの塾’17~’21
HP着姿も更新中! 12/4追記

工房では現在個展にご都合のつかなかった方、改めてご検討中の方などにお越しいただいております。草木染帯揚げ、帯締めなどの割引もありますのでこの機会にお出かけ下さい。
12月18日までお受けできますのでHPお知らせからお問合せ下さい。

勤労感謝の日は紬塾でした。
働けることに感謝した日でした…(^-^;

楽で自然で時間のかからない着物の着方をやりました。
下着類の素材や洗い方、三河芯に半衿を先に取り付けるやり方なども説明しました。


半衿付けの苦手な方は多いと思いますが、このやり方は最も簡単なのではないかと思います。私もあまり好きな仕事ではないですが‥


先に半衿を衿芯をくるむように取り付け、その後襦袢に襟肩開きのところだけまつり縫い、あとは大針か安全ピンでとめるだけです。
普通は長襦袢に三河芯を付け、半衿を縫い付けると思いますが、それでももちろんいいのですが、このやり方は縫うところが少ないのです。
衿芯ごと洗います。
差し込み式の衿芯はせっかくの着物姿を台無しにすると思います。風情がないです。

着付けは皆さんできる方ですが、意外と自分の着物の寸法などは初めに決めた寸法で、見直すこともなく着ているようでした。
なんというか、いきなり着付け教室とかで着方から入るというのは遠回りの始まりのようにも思います。
身近に適切にアドバイスをしてくれる人もなく、仕方ないかもしれませんが。

着物の寸法と着方についても少し話しました。着にくい着物の代表格が身丈が長い、身体は細いのに裄丈は長いでしょうか。
ジャケットの袖丈と着物の裄丈は構造が全く違います。
着物の本質を分からない人たちが関係者に多すぎます。

あと、単衣の紬などは身幅が広すぎると裾さばきが悪くなりますので、その辺も仕立て関係の方はアドバイスしてほしいです。
私は紬の単衣の裾さばきが悪いと思ったことないのですが、、。

着物や和裁の世界は本来はシンプルで合理的なものだったのではないでしょうか?そこに日本人の美意識が宿ってる。

私の着方を皆さんに見てもらいましたが、あまりにシンプルでえっ!という感じだったようです。私は着物のモデルさんではないので昔ながらの自然体の着方でいいと思っています。皺ひとつない木目込み人形みたいな着方は撮影用ならいざ知らず、街着にむしろ野暮、補正下着とか老けますね。。
作り上げたボディはなんとも不自然です。もちろん補正の必要な方もありますが、最小限にとどめたいです。

長襦袢に麻の伊達締め1本、着物にメリンス腰紐1本、短め胸紐1本、帯は仮ひもなしで結び、帯板はボール紙1枚、帯枕にガーゼは掛けない。以上です。
撮影用や礼装用の着方ではないのですが、普段街着にする程度ならこれで十分です。

また、染めの着物地と真綿紬地は同じ絹でも全く別物です。素材の違いで着方を変えるのも当然のことと思います。

今の時代は頭が先行、知識、情報ばかりで自分の身体感覚に欠けているように思います。それでいて知恵はないのです。(ーー;)
美意識や身体感覚は本来通じるものです。もう一度無垢な目でものを素直に観る、目を閉じてものに触れる。そういうことを最初の紬塾でも話したと思いますが、そこを気付き、鍛えないといい着物に出会うことも、いい着物姿になることも無理と思います。

次回、最終回になりますが、名古屋帯の関西巻きができないという方が多いようですので、なんでなのか?検証してみたいと思います。楽しみです。(^^♪


この日は、久米島に縞の帯を合わせました。
独立して間もないころに織った反物から作りました。
最初の個展で着物を揃える経済的余裕もなく、ツーピースにしたのですが、その残布とスカート部分を解いて、名古屋帯に仕立てました。写真は外光が強すぎて色が飛んでますが、産地の普段着とよく合います。
帯締めは緑を感じる青の寒色系を添えてバランスを取りました。

着物は少し古い時代のもので、以前にも書いたかもしれませんが、経糸が節があって素晴らしいのです。
呉服屋さんで、状態の良い上質の古いものも少し置いている店が以前あって、別件でお尋ねした際に棚の一番下にあるのを見つけ、見たときは今まで見てきた久米島とは違う糸質に釘付けになりました。
工房を維持するための支払いもあり、最極貧にあった時でしたが、とりあえず取り置いていただき、後に購入しました。八掛は茶がついていましたが、自分で濃い紫茶に染め替えました。

この糸を繰り、つむぎ、デザインし、絣を括り、染め、織り、砧打ちし、そして購入した方々への敬意をもって着続けたいと思っています。

HP着姿も更新中!



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第4回紬塾「日本の取り合わせ」――ものの力を合わせる

2021年10月12日 | 紬きもの塾’17~’21
コロナ感染状況も今のところ、落ち着きを見せていますので、引き続き対策はしながら紬塾後半を再開しました。

みなさん元気に着物でご参集くださいましたが、なんと気温が29度以上の真夏日に近い暑さでした。
私も単衣紬に半襦袢、麻のステテコで汗対策をしました。みなさんも単衣の織りの着物でした。

このような気候が不安定な状況下では単衣の紬はとても重宝します。下着で調整して盛夏以外着ることもものによっては可能です。
単衣の真綿紬は長く着られるものとして見直されて良いと思います。

さて、毎回楽しみな取り合わせワークショップですが、内容詳細は19年度のブログをご参照ください。→

トップ画像は紬塾の「取り合わせを愉しむ」準備中の風景。(^-^♪

色や柄だけが取り合わせではなく、ものの力を合わせるということが一番大事かもしれません。
ものを見る力からつけていかないといけないですね。
そのためにも紬塾では蚕が吐き出す最初の1本の糸から見てもらっています。
色や柄ももちろん大事ですが、表層だけに目を奪われないで、ものの奥行き、深さを感じ取れるかどうかがいい着こなしに繋がるのだと思います。

今回のワークショップでもみなさんいろいろ気付きがあったようでよかったです!


今回も私は自分の肌、髪色にイマイチな着物を着てみました。こういう場合に帯や小道具でかなりカバーできることも話しました。
写真のピントが合ってなくて分かり辛いですが、ブルーグレー地に黒の柄の更紗の帯、桑染の薄灰緑の帯揚、焦げ茶の三分紐、緑の切子帯留め(小川郁子作)で私の肌に写りの良い色調を合わせました。
また、暖色の着物にグレー系の帯も似合わない着物の色をクールダウンさせる効果があります。
似合わないからと諦めないで、帯や小物でカバーしてどんどん着ましょう!

そのためには帯揚げを脇役と決めつけないで、いい一色を選んで時には主役に踊り出させても良いと思います。それは悪目立ちの意味ではないのですよ。
ビビッドな色をという意味でもありません。オフホワイトでもベージュでも深みのある色でなければならないし、帯揚げを主役にする取り合わせのコツもあります。
まず何を主にしたいか決めれば自然に生きた取り合わせになってくると思います。

11月3日~8日の個展でも帯揚げ70色ぐらいは出せると思います。
是非ご覧頂きたいと思います。

HPお知らせ画像更新しました。





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第3回紬塾「とことん着尽くす」  ― 着物の更生・運針

2021年07月30日 | 紬きもの塾’17~’21
いつものようにとことん着尽くすための話をしました。
前回、衣食住に関してとことん使っているものを5つ上げてくださいという宿題を出しておきましたが、それが結構難しかったようです。。(*^-^*)
そうなんです、毎回皆さん少し戸惑っている感じです。。

しかし、それぞれに工夫していることなど発表してもらいました。
5人集まればいろいろ出てきますね。。
実作をお持ちくださった方もあります。

継ぎ当ては最近のダーニングブーム?でされている方がありましたが、継ぎがワンポイントアクセントになって楽しいものになります。私も毛糸を使ってよくやります。
着古したもののリメーク、袋ものを作っている方、靴下の薄くなったところを刺繍のような継ぎ当て、食器の金継ぎなど。
お掃除関係は古着のボロや古新聞紙を使ったり、ドリップコーヒーのフィルターを生かして油物のふき取り、てんぷら油を捨てるときの吸収材に使うなど。
あと、グリーンのカーテンで遮熱、昆布や削り節の出し殻の再利用の質問もあり、お料理の話まですることになりました、、。(^^ゞ

私は2番出しまで使うので、あとは捨てていますが、1番しか使わないのを捨てるのは勿体ないので、昆布の佃煮や、おかかのふりかけなど作るといいですね。

私の場合は最初から買い物などでゴミになる、トレーに入っているものはなるべく買わないようにしたり、生活クラブのリターナブル瓶の醤油や瓶詰製品を使い、洗って返却してます。
掃除用洗剤などは何も使いません。純石鹸の固形と粉、炭酸塩、クエン酸で済ませています。食器も固形石鹸一つです。

洗濯も汗など皮脂汚れのみなら、すすぎの楽な炭酸塩はとてもおすすめです!
着物のことを考えれば、服は少し着ただけで洗われ過ぎていると思います。
衣服の化繊やキッチンマット、バスマットなどの化繊からも出るマイクロプラスチックの問題は深刻で、海の生物を苦しめ、また魚を食べる人間にもはね返ってきます。一人一人が深刻に受け止めるべきです。

最初から持ち込まないリデュースがまず大事で、あとは繰り返しなるべく長く使う再利用のリユース。そして最後はリサイクルで別のものに作り変える等の再生です。

受講者の方からこの回の終了後にお手紙をいただきました。
自分では無駄遣いはしていないつもりでしたが、「使い尽くす」の“尽くす”という点に「もっとやれることがあるのでは?」と自問してくださったようです。みなさんいろいろ気付いてくださり嬉しく思います。
私もまだまだ工夫できることありますので、改善していきます。

工夫はとても創造的で楽しいことなので、簡単にゴミに出すのではなく、捨てる前に今一度考えてみましょう!
そして買う時には持続可能な良い製品を長く使いたいですね。
紬はその最たる物だと思いますが、、。

着物を着ることと日々の暮らしのエコの話は関係ないと思いがちでしょうけれど、私は着物が持つエコ精神は学ぶものが多いと思います。
反物一反は無駄なく切り落とすところなく使われています。だから時代を越えて、繰り返しの更生ができるわけで、それは体型に合わせて作る洋服とは正反対なもので、むしろ自由なものだと思います。
繰り返し使うことを前提に作られ、使われています。

体格の大きい人も小さな人も縫い方次第で受け入れてくれる型紙のいらない和裁の知恵はすごいリベラルなことです。

そして最後はトップの画像の通り、その再利用に欠かせない、運針の練習でしたが、まずは糸を付けずに型を覚えるところをやりました。和裁をしている方はさすがに基本が出来ていて、縫う姿勢もリズミカルで美しかったです。
また10月に練習の成果を見せてもらいます。

さて、紬塾は9月の講座予定を取りやめます。
残念ながら運針を生かして何か縫ってもらいたかったのですが、縫物の時はどうしても接近して話したりしますので、来年にします。

コロナの感染状況は多くの科学者がデータをもとに予想した通り感染拡大は止まりません。

政権は無策なだけではなく、利権のため、自分たちの選挙のために、国民のいのちをないがしろにして国民の7割の反対を押し切り五輪開催の暴挙に突き進みました。
政治思想、支持政党の話ではなく、憲法25条の国民の生存権を守るのが政治家の重要な仕事ですから、それができないなら退陣するしかないです。

医療従事者は休みなく危険と隣り合わせで働き、多くの国民は自粛、経済苦に見舞われ、コロナになっても検査も受けられず、医療も受けられず、重症化して、回復しても重い後遺症に悩まされ、元の生活ができない方がたくさんいます。親の死に目にも会えないで、苦しむ人もいます。

医療スタッフは五輪に駆り出され、現場も人手不足に悲鳴を上げています。
医療のひっ迫で、通常の医療も受けられない。
都知事は「自宅を病床として‥」などと、放置する方針のようです。

これらのコロナ関連の国民が知るべき報道をテレビで見ることはめったにありません。
NHKはじめ、大手メディアも五輪スポンサーとなり、緊急事態宣言下にありながら、コロナ報道より五輪報道ばかりになりました。
緊急事態宣言中とは思えないムードを作ってしまっています。
五輪後にはまた大きな波が来るとも言われています。

インターネット、SNSなどこまめにチェックして最新情報を得るしかありません。
また、あきらめずに一人一人が声を上げていくことが大切です。
民主主義の国ですから、国民の声が反映されなければならないのですから。
黙っていて、選挙の一票だけでは間に合いません。

健康で文化的な生活ができるよう政府は科学的見地に立ち、コロナの収束を図ってもらわなければなりません。

工房の夏休みは8/11~8/17までです。
オンラインストアではヘンプのステテコを扱っていますが、夏季休暇中の注文につきましては18日以降の発送となります。

ヘンプのステテコについての詳細はブログカテゴリーの「麻ローライズステテコ&肌襦袢」をご覧ください。
再入荷の予定はありませんのでMサイズの方はお早めにご注文下さい。
※Mサイズは1点のみです。156cm以上の方はLサイズでも大丈夫と思います。




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第2回紬塾「糸、色、織について」― 紬織りの糸・草木の染色・織の映像を交えて

2021年06月24日 | 紬きもの塾’17~’21
紫陽花の咲く中、第2回目の紬塾開催となりました。

いつものように私が紬に使う糸や真綿をじっくり見てもらい、感触や、糸の観察から始めてもらいました。
繭一つから糸を繰り出すことと、真綿から糸を引き出すことも体験してもらいました。一筋の糸の形も見てもらいました。

糸の種類や名前を覚えるということよりも、糸の形を見ることや感触の違いがわかるということは着物を選ぶときの参考になります。
紬塾を修了した方で「着物を見るときの見え方が以前と変わった」と話してくれる方がありました。今までは色や柄の美しさに目を奪われていたけれど最近は布自体を見るようになったという趣旨のことをお会いした時に伺ったことがあります。更に着てみればその風合いの違いなどもわかってくると思います。

そして草木の生木で染めた糸も見てもらいました。この日は曇りでしたが、部屋の明かりを消したり付けたり、窓際へ近づけて見てもらったり、光と色の関係なども体感してもらいました。

「手織り、紬、草木染め」などの世間一般に流布している言葉の本当のところを先入観を持たずに素直に実感として学んでもらえると良いと思います。
色名なども、実際は無数にあるので、何色と名づけられないのです。


次は機のそばで、織り機の基本的な名称を知ってもらいました。
上の写真は、たまたま織りあがったところでしたので、最後の織り捨て分(経て継ぎに使うために残す8寸ほど)となる糸の束も見てもらいました。

今までの300反以上の織り捨て糸は保管してあります。
経て継ぎ後には5~6寸の短い糸ですが、時々繋いで帯や袱紗などに交ぜることもあります。
以前「白露」と題した着尺に使ったこともありますが、とてもとても大変でした。。

繋ぐ手間は大変で、新しい糸で織る方が早いのですが、繋ぎ織りの偶然性と、意図的に繋いだ時の面白さは格別です。
いつか体験してもらえる機会が持てたらと思います。

あとは織りの映像(6~7分)を見てもらいながら織り方の説明もしました。
皆さん2回見ましたが、興味深く「飽きない‥」とおっしゃり、ご覧頂きました。
単純作業のように思われるかもしれませんが、実は絶え間なく糸の状態を見たり、たて糸のテンションや筬打ちの音を感じたり、細かな杼の扱いもあったり、結構神経を行き渡らせています。


緯糸は織るごとに、糸の太さにより、色の違いにより角度(傾斜をつけて通常は糸を入れる)を変えます。
※ビデオから写真に切り取ったもの


経糸のテンションはケンヅナで微妙に調整します。ギア付きの機ではいい織り物は織れないと思います。



さて、この日の私の装いは、いつもの紬にいつもの半巾帯ですが、(^-^;
桑染のグリーングレーの絽縮緬の帯揚げも使って締めてみました。



暑い時には帯揚げはない方が涼し気ですが、前から見ると名古屋帯ですね、と参加の方から言われました。
少し改まりたいときや、着物と帯の繋ぎに一色足したいときなどには有効です。
深い青緑の帯締め一本で、蒸し暑さを少し和らげるような気がします。
着物の取り合わせは何と奥深いのでしょう。

次回は「とことん着尽くす」です。


工房の白い紫陽花。花と思われているところは萼で私たちは萼を鑑賞して喜んでいる珍しいタイプの植物ですね。
紫陽花の枝葉は煮だしてもほとんど色素が出てこないのです。不思議です。



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第13期「紬きもの塾’21」が開講しました

2021年06月05日 | 紬きもの塾’17~’21
第13期の「紬きもの塾’21」が開講しました。
今期もコロナ禍での開催で、4名で行います。
7回を6回に減らし、時間も30分短縮して行います。

換気は勿論ですが、空気感染(エアロゾル)予防のために、みなさんには不織布のマスクをフィットさせ、適切にしてもらっています。
私達にできることは予防のマスク、手洗い、換気などしかありません。

さて、紬きもの塾も13年目に入ります。よく続いてきました。。
私が紬織の修業に入ってから10月下旬で丸44年、45年目に入ります。
よくも飽きずに続けてきたものだと思いますが、今も新たなことに出会い、修業を続けています。
紬塾開催も私にとっては自分を磨いていく修業の場、学びの場です。

参加の皆様の熱心さがあったからこそ、私もいい内容にしていかなければと一生懸命考えてやってきました。
皆さんに実のあることをお伝えできたらと考えています。

副読本として、幸田文『きもの』のおばあさんの力も借りて着物文化の根源的なところへ少しでも迫っていけたらと思います。
6回の講義は12月までとなります。半年間、どうぞよろしくお願いいたします。

初回の内容はいつものように盛りだくさんでしたが、興味のある方は詳細は過去の紬塾ブログを参考になさってください。

いつものように1986年に発刊された『宗廣力三作品集』をみなさんに見ていただきました。
私の紬織の原点は宗廣先生の仕事から学ばせてもらったことにあります。

洗練された手結い絣で人間国宝に認定されましたが、紬糸の風合いを大切にしつつ、デザインや色に溺れることなく、紬の本質を追求した方だと思います。

トップの暗い写真は、私物の黄色系とピンク系の単衣紬を見てもらっているところですが、途中で照明を消して、仄暗さの中で、淡いけれど力のある色を見てもらいたかったのです。
身近な植物の中にあるごく普通に染められる色です。共に桜染めです。

今は昼でも蛍光灯を点けてものを見るのが当たり前になっていますが、写真を撮る時にも、曇っていても照明無しの方が自然な色に撮れます。
自然の光、普段の暮らしでも大事にしたいです。

これら2枚の着物を羽織ってもらい、鏡の前で一瞬マスクを外して、肌の映りを見てもらいました。
誰にでも似合う、無理のない色です。みなさんの笑顔をお見せできず残念です。

似合わない方はいらっしゃらなかったのですが、雰囲気は黄色系、ピンク系でかなり変わります。
このことは次回以降に話をする、草木の色のこと、取り合わせのことに繋がっていきます。

今期も、みなさんとても気持ちの良い方々で、着物には親しんでいる方ばかりですが、更に深く学びたいということで参加してくださいました。
昨年の秋号の『美しいキモノ』半巾帯特集を見て、私のことや、紬塾を知り、来てくださった方もいます。

お一人、藍の縞木綿に丹波布の八寸の格子帯で来てくださいましたが、
帯揚げは私がリンゴで染めた淡いピンクベージュの、以前にお求め頂いたものを取り合わせてくださいました。

紬塾は普段着の着物を着る機会にもなりますので、無理のない範囲で、よかったら着物でご参加下さい。

さて、感染力が強い新型変異株も市中に拡大しているようです。
そんな中、オリンピック開催も国民の多くの反対の声を押し切って進められています。
リモートワークだ、人の流れを抑えろと言ってたかと思えば、真夏にパブリックビューイングで人を集めるそうです。(-_-;)
代々木公園会場は樹木の強い剪定などもあり、世論の反対の声、反対署名も多く、ワクチン接種会場にするとか言い出しましたが、実際はどうなるのでしょう。。

五輪開催とワクチンで選挙に勝とうと思っているのでしょうけれど、本当に国民の声、科学者、専門家の声を無視の政権です。
根拠なき「安心、安全」を呪文のように唱えるばかりのリーダーに、不安になるばかり、ついていけません。

今後の感染拡大状況、変異株がどう変異していくか不安ですが、状況を見ながら紬塾は無理のないように進めていきます。



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紬塾を通しての出会いの中で

2021年04月21日 | 紬きもの塾’17~’21
紬塾も12年の歳月が過ぎ、今年で13年目に入ります。
干支で言えば一回りです。よくぞ続きました!(;´∀`)

いろいろな方との出会いがあり、今もお付き合いが続いている方もたくさんいるのですが、皆さんとても真面目な方ばかりです。
でもおおらかで、優しく、本当に嫌な思いなどはありませんでした。これだけ続く中で珍しいことだと思います。
みなさんの人としてのレベルの高さに支えられてきたようなものです。

さて、20年度の紬塾基礎コースに参加くださった方で、毎回私の着物、あるいは帯を締めて来てくださった方があります。
塾が始まる前に着姿を撮らせて頂いたのですが、最後の回は着物と帯をセットで着て下さいました。

「華かさね」と題した、私が何度か着た着物ですが、後を引き継いでくださいました。
本当にたくさん着て下さり、時々着姿写真などをメールで送っていただいていたのですが、いろいろな取り合わせで季節ごとに楽しまれているご様子で嬉しいかぎりです。
Iさんは明るいはっきりしたお顔立ちの方で、コデマリで染めた温かみのある黄色がとてもよくお似合いです。


帯は山笑う三本シリーズの一本です。太鼓と前に赤い切り替え線が入っていて、ちょっとしたアクセントになります。今は手に入らない赤城のおばさん糸でザックリと織った味わいのあるものです。
こちらもいろいろな着物に合わせて使ってくださっています。
擦り切れるまで使っていただきたいです。

紬塾に以前から関心を寄せてくださっていたそうですが、耳がご不自由なので、一対一の時は口の動きなどで話を理解できるけれど、複数人に向けて話す紬塾の話の内容が理解できるかどうか、躊躇されていたとのことでした。

でも昨年お問合せをいただき、いろいろ工夫してやってみましょうということで始めましたが、私の話を録音して、後からPCで音声の文字起こしをする方法をとりました。

また、先にメールで話の内容をザックリお知らせし、参考にしてもらいました。
順番にやる『きもの』の感想発表も先にテキストで送ってもらい、私が代読する形にしました。
実際に手に取ったり、見てもらう事の多い紬塾ですので、完璧ではないけれど、何とかなったのかな、、?と思っています。
至らない点は多々あったと思いますが…

着物が本当にお好きな方で、家の中でも着ていたいという方です。
着付けは自己流でしたが、名古屋帯の柄の出し方や、仮ひもを使わないで結ぶやり方を知ってもらいましたので、早く締められるようになったと喜んでくださいました。(*^^)v

最後の回の着方はとても楽そうで、自然な感じでした。
また来年は染織コースにも参加したいとのことで、さらに紬織りへの理解も深めてもらいたいと思います。。



もうひと方、私の半巾帯を毎回締めて来てくださった方は、絵本作家のおまたたかこさんです。

参加のいきさつは、あるところで、手持ちの本の交換会があり、そこで着物関連の本を提示したHさんの本を引き継いだことがきっかけでした。Hさんは以前紬塾にも参加してくださった方です。
Hさんも今もお付き合いしている方ですが、魅力的な人形を作る本当に素晴らしい方です。

またHさんが拙作の半巾帯を締めていて、その色にもとても惹かれ、自分が色鉛筆で描いているい絵本の色使いにも共通するような気がしたそうです。
さらには、叔母様の着物もたくさん譲り受けていて、どのようにしていくのがよいか、、と思っていた時に、紬塾のことも知り、着物についても学べるならと受講して下さいました。

半巾帯はあまり使ったことは無かったのですが、紬塾の最終回でしっかり学びましたので、これからはいろいろな結びを楽しんでもらえると思います。この帯は1本がひと柄になった面白い帯で、結び方で、また手と垂れを替えることでも色合いがいろいろに楽しめます。使い手にとってもクリエイティブな帯です。上級者向けかもしれません。


写真でもいろいろに結んでいて結び皺が写っていますが、この点についても紬塾でアイロン掛けの実演付きでお話ししました。(写真は紬塾最終回での実演)
スチームアイロンを中温にして軽くかけますが、縫い目や輪になっている下線をつぶしてしまわないよう、避けて掛けます。
私の紬は当て布なしでも大丈夫ですが、化学染料のものはアイロンで色が変わってしまうものもありますから、当て布をしたり、目立たないところで試すとよいでしょう。

さて、おまたさんの絵本作品もご紹介しましょう。


手元に『くまのしゅげいやさん』(小学館)という絵本があります。


見返しをめくると登場人物(動物)が描かれています。影もいいですね!
色鉛筆で優しい色合い、タッチで丁寧に描かれています。


朝はお掃除から始めます。


くまさんは手芸屋さんもしていますが、作ることも大好きでいろいろなものを作り、何にでも刺繍もします。

庭の草花や、生地の花柄、小道具の細部までこだわりが感じられます。
お客さんにも親切に相談に乗ったりして、服のお直しまでしてくれる優しいこころの手芸屋さんです。
うさぎさんはワンピースの袖丈を直しに持ってきたようです。

身の回りを美しく整え、ものを大事に作り、使うことを幼い子供のうちから触れてほしいと思いますが、大人にもとても良い絵本だと思います。
インターネットや書店で注文して、ゴールデンウィークにでもゆっくりご覧ください。(1,300円+税)

おまたさんのHPはこちら

紬織りを通して、私も真面目で素敵に生きる女性たちに出会え、本当に幸せなことだと思っています。

今期の方々ともコロナの感染防止対策に気を付けながらゆっくり進んでいきたいと思います。

工房の花たちも次々に咲いています。


リンゴの花には今、蜂がたくさん来ています


満開の八重の山吹。


ビオラも小さな寄せ植えでも次々と花を咲かせています。



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第12期「染織実習コース」無事修了

2021年04月11日 | 紬きもの塾’17~’21
第12期の染織実習コースも4月の初旬に無事終えることが出来ました。
コロナ関連のこともあり、日程が大きくずれ込みました。
最終回は大阪からの方が感染拡大の中、大事をとり欠席で、3名で麻(ヘンプ)の伊達締めを縫いました。

何しろ、(^-^; 運針に時間を掛けましたので、みなさんその成果を発揮して下さいまして、、針が指に刺さったり、、もありましたが、兎にも角にも、無事に時間内に縫いあげました。(´∀`)

博多の伊達締めが一般的ですが、麻は吸湿性と放湿性に優れ、長襦袢の上に使うと汗取りの役目もしてくれます。洗うこともできますし、私は愛用しています。皺になりますが、霧を掛けるだけで皺は取れます。すぐ乾きます。掌を濡らして叩くようにしても大丈夫です。

一人分、生地の長さが足りず、接ぎ合わせて縫うことになりました。接ぐことの練習にもなり、赤い糸で、縫い代を落ち着かせるために二目落としもやりました。6尺の長さが必要ですが、3尺しかなかったので、着尺巾をたてに切り、真ん中でハギ合わせました。接ぐ手間はかかりますが、前中心がわかりやすいと喜んでおられました。


本来は古布を使って、自分で伊達締めにふさわしい生地を見繕い縫いあげるものなのですが、今は家に古着の着物や襦袢もなく、新しい麻生地を買って作りました。
何でもない直線縫いの仕事ですが、それでも自分で縫うと愛着が湧いてきます。

運針をやってもらうことの意味は、よくものを観ること、指先の感覚を磨くことなのです。
上手い下手というよりも、素材に合った針の太さや、糸の太さ、何を縫うのかによる針目の大きさなどを瞬時に判断できるかにあるのです。
何とか丁寧に、細かく縫えばいいというものではなく、幸田あや著『きもの』でも出てきましたが、大針で飛ぶように縫えばよい箇所もあるのです。
着ることが、生き死にをかけた仕事だった時代から、今は考えられないくらい豊かな衣の時代なのかもしれませんが、私には何かうすら寒い、寂しい時代にも思えるのです。

運針で身の回りのものを作ってみてください。和裁教室に行って着物まで縫えるようにならなくてもよいのです。
腰紐一本でもうまく縫えるでしょうか?素材は何がいいですか?針の長さや太さはどうですか?
いえ、雑巾でもいいです。縫えますか?台布巾はどんなサイズ、素材が良いですか?
考えたり、工夫することがたくさんあります。

それは創作活動です。残り糸や色糸を使えばより楽しいです。
紬も屑繭から糸を引き出すことから始まったと言われます。
工夫することは着物を着る上でも役に立ちます。
そしてそれは日々の暮らしの中でも同じことが言えるのではないでしょうか?

これからも運針を活用して、古布などを使って身近なものを縫ってほしいと思います。世界が広がり楽しいですよ。(^^♪

最後に皆さんから染織実習の学びのレポートを送ってもらいました。
紬塾に関心を寄せてくださる方は、是非参考になさってください。

単に織り物を織るだけでもなく、また着物を着るだけでもなく、創ること、着ることの根本を見つめながら、現代社会に活かしていきたいと思っています。
今期の方もみなさん本当に真面目に取り組んで下さいましたが、特に連携が強くて素晴らしいメンバーだったと思います。ありがとうございました。

****************************

紬塾実習コースでは、念願の糸紡ぎから草木染め、機織りまでを体験させていただきました。
糸は風合いを殺さないよう丁寧に扱うこと、染める前に糸本来のウェーブを蘇らせること、草木の適正な季節を見定めて本来の色を引き出すこと、植物から抽出され染液をガラス瓶などに入れ、色素や糸の状態をよく観察し、糸に馴染ませていくこと、そして糸の持ち味をいかに無理なく織り込んでいくか、などなど。
作業に向かう先生の、一瞬一瞬の真剣な眼差しが印象的でした。
「理屈じゃないのよ」と先生は何度もおっしゃり、適時の判断で素材の命を最大に引き出そうとする意気込みが伝わってきました。
最後の授業では麻の伊達締めを縫いましたが、布に添わせて針を運ぶ事で、布を痛めずいつでも解いて再利用できる事を学びました。どの授業も一つも無駄はなく、自然の恵みをいただきながら生きる知恵の数々を教えていただき、一生の宝物のような貴重な経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。 I.K.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
染織実習では、一枚の布を織り出すために、真綿から糸をつむぎ、染め、そして織るという一連の工程を教わりました。
先生のお庭の木の枝を落とし、それを細かく切ってチップにし、煮だして白い糸や布を染め、乾かしてはまた重ねて染めるという工程を通して、染めるということは、折々の自然の恵みを享受し、感じとり、四季を愛でること、そして無駄なく生活に活かすことであるということを学びました。また、自分の望みの色を得ようとするのではなく、自然がどんな色をもたらしてくれるのかということを期待し、楽しみに待つのだという謙虚さが根底に流れているように感じられました。経済至上主義、効率主義…そんなものに踊らされない、自然物である人間としての謙虚さと自然の恵みを大切にする不動の強さ、そしてほんものの美しい生きかたとはなにかを学び、考えさせられました。これからも教えていただいたことを大切に思い出しながらきものに関わっていきたいと思います。 U.M.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨年の学びから、日々好きなものに囲まれて暮らしたいと願って、ささやかながら季節の流れに応じて部屋を整えていると、いつの間にか、心和ませてくれるものは自然の色や素材でした。
時間が経てば経つ程にじわじわと良さを感じさせてくれます。
なかでも天然の色はどこにあっても周りと調和し、今回の実習でも、草木の色馴染みの良さにすっかり魅せられてしまいました。

初回の糸紡ぎから楽しくて時間の過ぎるのが早かったこと!
糸繰りも、憧れていた機織りもあっという間でした。
糸染めは工程が多く、繊細な作業が予想を超える難しさで緊張しました。

一緒に染めた半衿が素敵な色に仕上がりました。柿の小枝を煮出した染液で染めましたが、肌に馴染むのを見て、これが自然のもつ力なのだと感じました。

今ある物で暮らしを彩る「足るを知る」という言葉を以前よりも感じるようになりました。
着物を通じて広がった世界を今後も楽しんでいきたいと思います。
もうこれでおしまいかと思うととても寂しいです。
2年間、ありがとうございました。 K.Y.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



参加者のお一人は、基礎コースの時にも毎回拙作の帯を締めて来てくださったのですが、最後の回にも花織の帯に着物や小物を替えて参加してくださいました。
着こなしもとても自然で美しかったです。
帯揚も私が染めたものを使ってくださっているのですが、リンゴの黄色を下染めし、あとから化学染料を少しずつ染重ねたペパーミントグリーンのような色です。  
帯締めも春の若葉を彷彿とさせるチョイスですね!
使うことは創ることです。毎回、ありがとうございました。 

床の間には一重の山吹と雪柳を活けてお迎えしました。
三角の蕾も可愛いです!

                     


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第12期「紬きもの塾'20基礎コース」修了しました

2021年04月05日 | 紬きもの塾’17~’21
紬塾受講生のレポートを追記しました。4/5

コロナの影響で会期の延期などがありましたが、昨日無事修了しホッとしました。

最終回は着物の寸法について、最低限把握しておきたい箇所について、自分の着ている着物の寸法が、本当にいいのか、着方、着物の種類などでも違うことも話しました。
一人一人チェックしました。裄、身丈が必要以上に大きい方、多いですね。


あとは半巾帯結びの練習、名古屋に慣れている人にはかえって難しいかもしれませんが、慣れれば楽です。コツをつかんで練習あるのみ!
割り角出し、吉弥、文庫をしました。写真は割り角出しの外巻き?をしているところです。

幸田文「きもの」のまとめをして、紬塾が目指していることなど話して締めくくりました。
着物を着るということは、突き詰めると自然環境を大事に守ることです。

終わって感想なども伺いましたが、終わるのが寂しいとおっしゃっていただきました。
今期の方はみなさん一応一人で着物は着られる方でしたが、半衿の付け方や、名古屋帯が前のやり方より早くなったなど、それぞれに得るものがあったようでよかったです。(*^^)v

参加の皆さんからのレポートは以下の通りです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私が紬塾を受講するきっかけは、祖母からゆずり受けた一枚の紬です。40年以上前に織られたものですが、着やすさに魅せられ、紬をもっと知りたいと思いました。

講座は、紬の「過去・現在・未来」を俯瞰する,多岐にわたるものでした。ホームページの案内から想像していたものを超えた、本当に盛りだくさんの内容でした。

毎回、幸田文の「きもの」の読後感想発表と各回のテーマに沿ったレクチャー(時に実習)が行われました。

「きもの」は初読ではありませんでしたが、着物と登場人物の描写から,当時の人々の暮らし方や時代の空気も感じることが出来ました。また、毎回の皆さんの感想を聞くことで,新たな視点をもって,着物を見つめる事が出来ました。

レクチャーでは,布地としての紬の基礎知識からはじまって、糸をよる体験(難しかったです)、着物を着るのに役立つ運針(これも難しかったです)、着物と帯・小物の取り合わせ(楽しかったです)、着物を楽に着るための寸法指南と半幅帯の結び方講座(是非チャレンジしたいです)まで、紬を核に、時には着物の枠を超え、日々の生活で実践すべき事項など、生きていく事の考察にも及びました。

コロナウイルスによる緊急事態宣言等の影響で,気楽な外出や,友人達と会う事が出来ない一年だった事もあり、書籍やウェブ検索で得られる知識も沢山ありますが、実際に集い話を聞き、着物に触れる事は、比べものにならない刺激となりました。中野先生の染め織られた着物や帯から感じられた,自然の懐の深さも強く心に刻まれました。

一年間学んだ事を,ノートを見返しながら理解を深めていきたいと思います。教えていただいた帯結びと、アドバイスいただいた寸法で着物を仕立てて着る機会も持てればと思います。(また、是非運針をマスターして半襟つけの時間も短縮したいと思います!)

貴重な時間をいただき、ありがとうございました。 I.M.

..........................................................
紬塾を終えて…
私は、色鉛筆で絵本の挿絵を描く仕事をしております。
最近はパソコンで絵を描く方がとても多くて、私のような時間がかかり印刷に出すと発色も落ちる手描きの技法は、描いているときは本当に満ち足りているのですが、この忙しい社会にやっていけるのだろうか、と不安がよぎることもあります。

そんな中で、初めて先生の帯を目にした瞬間、その彩りの美しさ、儚いようで力強い手触り、模様のモダンさ、全てに惹かれました。
その帯をお持ちの方から、その時に紬塾のことを教えてもらい、さっそく受講させてもらいました。

先生は手つむぎの糸の風合いを大事に自然の姿を残しながら制作されています。そうすると均一でない風合いのある織物ができていきます。
その様子を間近に見て、先述の不安はいつの間にか消え、むしろこの時代に丁寧に物を創ることへの誇りを感じるようになりました。
安価にいろいろなものが手に入り、安易に捨てられていく現代に、先生の姿勢は、机上の論理よりも力強く真っ直ぐに心に響きます。
どこにもない唯一無二のものを生み出すことは並大抵のことではありません。
ですが、自分の人生を楽しんで、自分にとって価値あるものにするもしないも、自分の日々の積み重ねからなのだと気づかされました。

講義では、着物の楽な着方から、手入れの仕方、作り替えについて、自分の知恵を働かせて、次の時代にも繋いでいけるように着物を大切にすることを教えていただきました。

それまで、私は着付けというと何回も着付け教室に行ったもののうまく着ることが出来ず、出かけるときは崩れるのが怖くてぎゅうぎゅう巻きにし、帰宅するとがっくり疲れていました。
先生は、着物は紐2本で着れるのよ、と笑って、楽で自然な着付けを教えてくださいました。
これで私も着物を怖がらずに日常に取り入れていく事ができるでしょう。

また紬塾を知る少し前に、叔母から山ほど着物を形見で譲り受け、これをどうしていったらいいのだろう、と途方に暮れていました。
叔母の着物も大事に着れそうな気がします。 O.T.

..........................................................
上質なものを長く、先生の丁寧な生活への考え方に感動しております。
また着物はきちっと綺麗に着なければと考えておりました。
半襟を衿芯に先につけておくこととか、補正をしないで楽に帯を結ぶ方法などを学び、
着物を着ることに対して解放された気分です。
紬塾に参加させて頂き有難うございました。S.H.

..........................................................

着物が大好きで、実際に着物を織る方から学べるいい機会だと思って受講しましたが、予想以上の収穫がありました。

着物や帯が織られる糸は繭からとられた絹糸。それは知っていましたが、実際に真綿から糸を紡ぐ体験をし、中野先生が実際に織る糸を見せていただき、蚕がどのように繭をつくってゆくかの話を伺ったことが、私にとっては新鮮な発見であり新たな知識でもありました。

蚕が8の字を描くように繭をつくること、繭からとられた糸はその8の字が残す縮みがあること、人の手でつむがれる糸と機械で紡がれる糸では手触りが違うこと・・・当たり前のことですが、「人の手」でつむがれる糸を身にまとうことの重みを感じました。

普段私たちが見る着物は既にできあがってあとは着るばかりの状態です。華やかなデザインや色合いばかりに目をとられがちで、最初に見て「素敵だな」「着てみたいな」と思って手に取ることが多いでしょう。
人の手で染められ、織られたもの、そういう認識はあっても、あくまでも「着るもの」としての着物でした。

中野先生の紬塾を終えた後、1枚の布ができあがる過程を考える機会を与えられ、蚕の繭から人の手で糸がつむがれ、植物から採られた色で染められ、人の手で織られ、仕立てられることの流れを思い、どの過程でも自然の手がはいるため二度と同じものはできないことを実感し、「一期一会」ということばが浮かび上がりました。

そして、人の手も含めてすべてが「自然からいただいたものを生かしている」ことを、今更ながらに理解し、先生が常に環境問題を念願において毎日を過ごされていることにも納得いたしました。
着物と環境がここで結びつくとは思わず、奥が深い・・・!と着物や布に対する見方が変わって自分でも驚いています。

また、幸田文さんの「きもの」の読み合わせで、先生のコメントを伺い、まだ自分が着物を特別視している点があったことにも気づかされました。
やはり、洋服とは動き方や着こなしが違いますし、着た時の意識や気分の持ちようも変わってきますから、幸田文さんのように生きることに根ざし、自然にさらっと着こなすにはまだまだなのかもしれません。

晩年の幸田文さんは、着物がなくなるかもしれないという危機感を抱いていたようです。ですが、彼女の着物に対する思いは娘さんからお孫さんに引き継がれ、着物も残っています。
「一期一会」のおもいが詰まった布は消えてなくなることはないでしょう。
最後の中野先生のお言葉のように、着物を引き継ぐというところまではいかずとも、自分が大好きで楽しいという思いそのままに、私はできる限り着物を着続け、最後の1枚まで愛おしんでゆきたいと思いました。 I.K.

..........................................................

4月1日(木)から13期紬塾の募集受付がはじまります。
不明な点はお問い合わせください。
コロナの状況を見ながらの開催となりますので、今年も延期などあるかもしれませんが、一応お申し込みの受け付けはします。
詳細はこちらの記事を参照ください。

この日は花曇りで、三分咲きの工房の桜も少し寂し気でした。
桃の花も桜と一緒に満開になっていますが、帯は燕子花と桃の刺繡が施された御所解き文様の帯を締めました。こちらは賑やかです。(*^-^*)



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第13期「中野みどりの紬きもの塾'21」募集のご案内

2021年03月08日 | 紬きもの塾’17~’21
21年度(第13期)の紬きもの塾の基礎コースの受講生を募集します。

コロナ禍での募集ですので、密を避けるために定員を4名にします。残席1名
5月9日が初回となります。

受付開始は4月1日(木)午前7時よりメールにてお申込みください。
折り返し受付の返信を担当からいたします。
※ご質問などは前もってしていただけます。

日程、内容の詳細はHPをご覧ください。

今後、第4波などの感染拡大で、開催が難しい状況になった場合は、お申込の方に延期のご連絡を差し上げます。
延期となる場合も、追加の日を申込者全員が参加できるように、調整を行います。
受講費などは開催が確定してからの納入になります。

情勢を多角的に鑑み、最大限気を付けながら行います。
過去のブログ記事、HPなどをよくご覧頂き、趣旨、内容をご理解の上、お申し込みください。

感染予防対策として、工房では換気、湿度なども注意します。
また、入室前の消毒、手洗い、体調管理(体温や風邪症状などのチェック)などを個々にしていただき、ご協力をお願いします。

講座を行う部屋は8畳の和室ですが、機部屋が二間続きで14畳分あり、襖も開けておきます。
窓も三方にあり、風通しの良い高台にあります。
換気扇、空気清浄機も必要に応じて使います。

紬織や着ることについて、また自然を大切にして暮らすことなど、
真摯に向き合ってくださる方との学び合いを楽しみにしています。
着物をすでにたくさん着ている方も、着物をこれから着てみたいと思われる方も参加できます。
参加者になるべく添うように、内容は変更しながら行います。


************************************************
さて、今日8日は国際女性デーですね。
トップの画像、工房の床の間にも葉ボタンにミモザを少し添えて活けています。

昨晩は女性デーにちなんで、インゲンと芽キャベツのミモザサラダも作りましたよ。


仕上げに、ゆで卵の黄身だけを少し目の粗いザルや網杓子などで裏ごしします。
白身は細切りにしてインゲンと一緒にヨーグルトソース(ヨーグルト+マヨネーズ)で和えました。

日本の女性の地位は世界の中でもかなり低い方ですが(明治時代の富国強兵の考えに基づく家父長制度を何の疑問もなく受け継いでいる人が多いからだと思いますが、、)、(~_~;)

NHK NEWS WEBの記事によると、衆議院議員の女性が占める割合は193か国中、166位だそうです。
政治が変わらなければだめですね。。それは国民の意識が変わらなければだめということでもあります。

男だ女だというくくりではない時代感覚が育ってほしいです。
オリ・パラ組織委の前会長の失言の件をいい機会に、ジェンダー平等を加速推進させたいところです。

少し前までは「和服の女性は古風でしとやか」というイメージを持っている男性も多かったと思います。
まさか今でもそんなことを思う人がいるとは思いませんが、、。

私はむしろ着物をきちっと着こなしている方は、自立心が強く、自分の意思をしっかり持った行動力のあるたくましいイメージなんですが、、。(^^♪

紬織というもの自体が、堅牢で自立性のある懐の深いものです。
紬に関心のある方の参加をお待ちしています。







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2021年度の紬きもの塾受講生募集に関して

2021年01月21日 | 紬きもの塾’17~’21
21年度(13期)の紬きもの塾受講生募集に関しての詳細、スケジュールなどは3月初旬にHPに掲載、受付は3月末ごろを予定しています。
受付人数は6名から4名に変更します。

※新型コロナウイルス感染の拡大状況により、延期または中止の場合も考えられます。予めご了承ください。

20年度の紬塾最終回が3月下旬に延期になっており、まだ修了式ができないでおりますが、春になって換気しやすくなればできるか、、と期待しています。。

症状があっても入院できない、国内で変異ウイルス
の検出など、現在の状況を見るにつけ、聞くにつけ気持ちも塞がりますが、昨日の午後、気分転換に近所の公園まで行ってきました。
蠟梅が香っていました。
蠟梅は大好きな花です。寒中、春の光を透かしています。希望の黄色です。「満月」という品種だと思います。


背後の右上の方の昼の月(この日は上弦の月)も一緒に写してみました。

苦しい時、悲しい時、草や木や花は、月や星は私達を支えてくれます。


部屋の中にも植物は欠かせません。
お正月用に買った小さな葉ボタンはだいぶトウが伸びてきました。
紫色だったのが、だんだんキャベツの感じになってきました。
黄色の花が咲くまで見届けたいと思います。
ヤブコウジの赤い実も頑張って長持ちしてます。


庭に来る野鳥たちの姿にもホッとします。
ヒヨ、メジロ、シジュウカラが入れ替わり立ち替わり水浴びしていきます。
順番待ちしてます。(*^-^*)
小さな水鉢なので、ムクとハトは水を飲むだけ。
それぞれが懸命に生きています。

科学的な見地に立ち、検査と隔離を最優先にすることでしたが、学問や自然、科学、文化をないがしろにし、対策は一向に進めず、GoToキャンペーンは12月27日まで続け、首相は12月段階でもこんなになるとは予測していなかった、との趣旨の発言を先日のTV番組に出演し言ってました。考えられません。これは人災ですね。

無理をすれば結局経済も、医療も守れないということは指摘されていましたが、その通りに証明されました。

自営で仕事するものは、何の保証もなく、自己責任ですべてしています。
コロナのことも、もろに影響がでます。
工房では半巾帯プロジェクトの仕事は今のところ進めています。
ただ、アシスタントが通ってきますので、換気と、加湿、時間短縮、自宅で糸巻などできることはしてもらい、なるべく通う日を減らし、また部屋を分ける、距離を保つなどのできる対策はしています。

こうなった今はとにかく感染しないよう、感染予防対策を緩めることなく過ごして、春には紬塾が開講できることを願っております。






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第5回 紬きもの塾「自然で楽な着方」― 名古屋帯の結び方・半衿の付け方など

2020年12月16日 | 紬きもの塾’17~’21
半巾帯プロジェクトの染めの作業に集中していて、紬塾の報告がすっかり遅くなりました。

先月、工房の山茶花(御身衣)も見頃の時に行われました。
この日の私の着物は薩摩絣の袷です。帯は段柄の良く使っている紬帯です。
帯揚(梅染)も帯締めも良く使う、心落ち着く好きな取り合わせです。

楽で時間のかからない着物の着方を学びます。
私は着付け教室には行ってませんし、普段着、洒落着の楽な着方のお話のみしています。

長襦袢の上に伊達締め(麻)1本、着物の腰紐1本(メリンス)、着物の胸紐または伊達締め1本。
帯枕にガーゼではなくストッキング。帯板はボール紙1枚。
補正下着やタオル補正なしで私は着つけます。
ゆるい着方ですが、、早くて楽です。


今期の方はみなさん着物を自分できちっと着ることのできる方ばかりでしたが、帯結びは仮ひもを使う方が多かったので、使わずに捻じるだけの簡単なやり方を致しました。本当に簡単ですよ!
手と垂れを捻じるだけ。すぐにのみこんで頂けました。

自然布とか、固い生地の場合は仮ひもで畳む方が良いと思います。
着慣れている方もいつもと違うこんなやり方も参考になるかと思います。

衿芯に半衿を先に付けてから襦袢に取り付ける、自然な衿の形を作る方法もお話しました。


また、名古屋帯の前柄をどこに合せればよいのかよくわからないという方もいまして、帯の柄が入る位置についても説明しました。
上の写真の方は(着物は中野作です)斜めに区切られた面的な柄付けの染帯の前柄、太鼓の柄の出し方が良くわからないということでしたので、帯を解いて柄の中心を測ってみました。

見た感じで決めればよいのですが、一応寸法も測って、制作者はどこを中心にしたのか確認するのは良いことだと思います。

この帯の場合は前柄がもう少し左にズレる(本人の右脇)ように設計はされていました。そうすると太鼓の柄も引き上げられて良い位置になっていました。

ただ、中心を左右に少しずらせる場合は、着物や季節との関係で、
鏡の前でよいと思われるところへ1~2寸(4~8cm位)ずらす調整は可能です。

帯の寸法、柄の位置を把握しておくことは大切です。

紬塾の基礎コースはあと1回で終了なのですが、コロナのことでスタートが遅れ、
詰めての開催でしたが、また感染拡大の状況の中、乾燥した真冬はエアロゾルや、
換気もしづらくなりますので、来年3月まで延期と判断しました。

3月の最終回は半巾帯を愉しむです。着物の寸法の話も。
無事終了式ができますように!(*˘人˘*)









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第4回紬きもの塾「日本の取り合せ」 

2020年10月15日 | 紬きもの塾’17~’21
帯や小物の取り合せについて、また小道具の選び方等について学びました。
袷、単衣向けの着尺と帯6本ほどを用意して、季節を変えての組み合わせを1組ずつみなさんに考てもらうワークショップも行いました。
紬塾の後半は、いよいよ具体的な着物を着ることについての話に入ります。

ワークショップでは、一人ずつ取り合わせた写真も撮りましたが、あらためて見返してみても、典型的な陥りやすい避けた方が良い、取り合わせもいくつかありました。よく雑誌などでも見かけるコーディネイトで、ありがちです。

それは帯揚げと帯締めの色を揃えてしまうことと、着物の色と帯締めを合わせてしまうことです。
そういうものと思い込んでいる方も多いようですが、そこを汚れない無垢な目で見直してみると、どうすればよいかがわかるはずです。

一人ずつ順番に一度取り合わせて、その意図(TPO)などを聞きます。
その後から私の方で別の小物に変えさせてもらったりしましたが、急に世界が変わり、納得頂けたと思います。

自然を見渡せば異なる色、質感、大きさ、形に取り囲まれています。
石庭の石の配置を見ても良くわかります。異なった石がうまく構成されているわけです。
また、日本庭園の植樹の配置も時間帯、季節が良く計算されています。
着物を着ることもそういうことだと思います。

工房内の小さな棚の上に異なる素材(紙、ガラス、石、紬布、植物)を配してみました。

小さな小物ほど目立ったりします。あれもこれも目立たせるのではなく、かと言って無難に何でも揃えるのでもなく、何をその日の着こなしの主役(TPOを考慮して)に据えるか考えると良いと思います。

俳句では基本的には季語を主役にしますが、取り合わせというのが大事で、よく「つきすぎ」という批評を聞きます。合わせすぎの感じでしょうか。
あるいは情景を盛り込みすぎると(あれもこれも言う)「ぼやける」と言う批評もあります。
何をテーマにし、それにふさわしい季語を選ぶかなのですね。季語はすでに多くを語ってくれているので、それを生かすことかと思います。かく言う私は出来ませんけど、、(^_^;)

日本的な取合せは自然観や異なる素材、技法、世界を絶妙に合わせるもので、
仕事のクオリティー、“ものの力”を取り合わせるのも重要なことです。
取り合わせは単なる色柄のコーディネートではありません。

更に重要な点は、身に付ける人、肌の色や髪の色、顔立ち、性格などとも取り合わせるわけですから、奥の深いことではありますが、ものをよく見て、自分をよく見て、自然をよく見て、一生をかけて学びたいと思います。

24日の「半巾帯プロジェクト説明会」でも肌の色、髪の色なども拝見させていただき、似合う色相を選びたいと思っています。
いわゆるパーソナルカラー診断の、化学染料の服を「春・夏・秋・冬」ときっちり分ける感じではなく、草木染の色は、ピンク肌、オークル肌の方どちらにも許容範囲が広いので大体は合うと思いますが、より合う感じを見させて頂きます。





 






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