中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第14期「紬きもの塾'23」開講しました!

2023年04月26日 | 紬塾’21~’24
紬塾は一年お休みをいたしましたが、今期は5名の方と一緒に紬織りを中心に、着物の文化について、また自然のこと、環境についても考えを深めていきます。

コロナのこともあり、ずっとブログも読みながら、この機会を待ってくださっていた方もいらっしゃいました。関西からお越しくださる方もいらっしゃいます。紬のことをもっと深く学びたいという熱い思いはみなさんに共通しています。

なんの宣伝らしきものもなく、秘密結社ではないですが、、たまたまネット検索で辿りつくような、敷居高く、気軽には入れない…と思われると思うのですが、、よく勇気をもってお申込み下さったと思います。

初回の自己紹介でそれぞれの方の思いの一端も伺いましたが、充実した時間を過ごせそうで、嬉しく思いました。みなさんが帰られてから、Beerで祝杯を上げました。

紬塾の内容はブログには書けないことがたくさんあります。
その場に、一座建立してこそ伝えられることがあります。
紬塾はそういう場を設けているだけです。そこに集まる一人ひとりが作っていく場です。私も内容に磨きをかけて望みます。


僅かな時間ではありますが、いつも初回には草木の染の基本的な色であるピンク系、黄色系の糸質の違う単衣(私物)を羽織ってもらいます。
(写真のピントが合ってませんで、、(^-^; 無地に見えますが、細い縞です)
強い媒染剤を使わずとも自然に染まる色です。
私から先回りして知識は刷り込まないように、各自で色や風合いを感じてもらいます。
いろいろな感想が聞かれましたが、この実感からスタートし、色や風合い、紬とは何かの話を次回から進めていきます。



初回の私の装いはいつものように、修業時代の最後に、母の為に夜なべでつむいだ太い糸で織った井桁絣の着物。
帯は藤の文様の辻が花染を合わせました。十数年前に買ったこの帯は、ベースの生地に昔の赤城紬を彷彿とさせる経緯糸に強い節のある生地で、その力強さに惹かれました。今はもうこういう糸も、これを織れる機械もないのではないでしょうか?機械でも、ゆっくりでないと織れないからです。とても締めやすい生地です。昨近は本当になんでもツルツル、ピカピカ、ペラペラ、それでいて固いですから。。

しっかり噛んで、味の出てくる食べもの食べないと、ゼリーとスナック菓子だけでは育つもの育たないです。
紬塾では一人ひとりが自分で感じ、考えながら進めていきましょう。


玄関のニッチには北海道の方から頂いた、庭の日本鈴蘭の一株だけ活けてお迎えしました。慎ましくも、香り高く大好きな花です。
東京の高温多湿に合わなかったのか、僅かな株が、ひょろひょろと残っているだけですが、見守って育てたいと思います。






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絽ちりめん帯揚げをオンラインショップにアップしました!

2023年04月13日 | 着姿・作品
しばらく染色の仕事をしていましたが、染が一段落しましたので、単衣、盛夏の時期に向け、絽ちりめん帯揚げをオンラインショップにアップしました。

絽ちりめんは平絽よりも厚みがありますが、単衣、盛夏に使えます。夏紬や麻の縮などの織物には合うと思います。
色もナチュラル感のある着物に合わせると、双方が生きてきます。

盛夏の帯揚は絽目が無ければならないという規定があるわけではありませんが、涼やかな色や生地を選べば良いと思います。私は絽ちりめん、平絽、デシン、薄手の通年使えるものなど、いろいろ使っています。ただ、絽目があると、いかにも夏!です。(*^^)!


グレー、灰緑、オレンジ茶の中間色を3色(上から、梅、桑、桜)と、オフホワイトから薄茶の4色(月桂樹、酢橘、柿など)、ブルー系は生地違いでやや黄味の水色と落ち着いたブルーグレーの2色です。ブルー系は草木と化学の併用で染めています。草木だけよりも、ふた手間かかります。(^_^;


色の詳細、価格などはショップをご覧ください。

写真は実物に近づけるよう時間帯、天候、カメラ設定なども選んで撮影していますが、実作と画像の印象とは少し違うことをご理解の上ご注文頂ければと思います。私のPC画面とスマホでもかなり色が違いますので。でもどれも深みのある、美味しそうな!?よい色です!

帯揚げは、糸染めの時以上に気を使います。ムラにならないよう付きっきりで1枚1枚染め、天日で乾かし、色を確認、更に染重ねを繰り返し、帯や着物を想像して、取り合わせのできる色かどうかを見定めます。

淡い色でも草木のチップを作るところから、数日掛け、2~3回は染めます。
とても微妙で、時間帯によって色の見え方も違いますが、植物の中にある複雑な色素を抽き出したのですから、どれも繊細で奥行きのある色です。。媒染は灰汁(樫)や鉄、アルミなどを使います。併用することもあります。

白系の着物には帯揚げを中間色にするのもいいですし、濃い地の着物には淡い色で涼しさをプラスするのもよいですね。

もう4月から、夏日になる気象となってしまいましたが、こういう時に真綿紬の単衣は重宝します。
というか、私の織っている真綿紬は、糸の太さによっては盛夏以外を単衣で通すことができるものもあります。私はやや地厚の単衣紬が大好きで、ある程度の厚みや、張りがあることが、身体にまとわりつかず、風が抜け、暑くないのです。甘撚りの真綿の糸は保温性と放湿性と両方備え、機能的です。

地色が中間色のものは一年通して本当に重宝します。帯だけ何本かあれば、小物で色を添え、いいものです。多くの方に私の紬は単衣で3シーズン着用して頂いています。
もちろん、裏地の色を添える袷も、おしゃれ度アップでいいのですが、着物をたくさんは持てない、一器多様でとことん着たい!、という方などには3シーズン紬は特におすすめです。(^^♪

そういう単衣向きの紬もありますので、帯揚げと共に、ご検討ください。(*^-^*)
合わせたい帯など、ご希望がありましたら、それに合うものを画像でお送りすることもできます。ご遠方の方には通販もしておりますので、お気軽にHPからお問合せ下さい。



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