中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第3回染織実習・紬きもの塾 ー織物設計

2020年09月24日 | 紬きもの塾’17~’20

連休の1日は染織実習コースの織物設計でした。

前回の染の実習の時の桜染めの帯揚は各自家で洗い、干し、アイロン仕上げまでしてもらいましたので、色やアイロンのかけ方を確認させてもらいました。
灰汁媒染の方は淡いピンクベージュで、アルミ媒染の方はオレンジベージュという感じでした。


生地違いの方もありましたが、ずいぶん雰囲気が違いました。
アイロンの当て方でも発色は違ってきます。
みなさん今まで持ってない色で、とても喜んでいただきました。
着物と合わせるのが楽しみとのことです!

次は、やはり前回染めた手つむぎ糸の糊付けをしました。
絹糸のウェーブを戻すべく、糊を付けた後にテーブルに糸を打ちつけるようにします。ここが織り物の風合いを決める最も重要なことなのです。
私は経糸も緯糸も共にします。糸を強くはたいて伸ばすと縮の原因や風合いのない織物になります。

お次は次回織るための織物設計です。
みなさん考えあぐねておりました。。
織ってみれば難しくないのですが、、まだ糸1本1本を混ぜるイメージがつかめないのだと思います。
まあ、糸にせよ、色にせよ、悪いものは混ぜてないのでどんな設計でもなんとかなるはずです。(^。^♪

乾いた糸を管に巻いてもらいました。
巻くときにも糸を伸ばさないことが大切です。


ぷくぷくの元気のいい、糸たちでした。。
織り上がりが楽しみです!!





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半幅帯連作プロジェクト―上質をコンパクトに その1

2020年09月12日 | 紬の上質半幅帯
                   赤城の節糸の残糸を使った半幅帯。洗い張りもして長年愛用しています。
                                     無地のところに味わいが出ます。

前々回のブログでも予告いたしました、「半幅帯連作プロジェクト」の予定が少し遅れておりますが、現在、半幅帯のご案内リーフレットの作成に入っております。出来上がりは10月初旬までにはと思っております。。

説明会は
10月24日(土)14:00~ 
ポプリホール会議室(小田急線・鶴川駅)で行います。
※定員はホールの規定に従い、定員の半分の人数にて行います。その他、換気などの感染症対策をして行います。

詳細はまたお知らせしますが、参加ご希望の方、お問合せはHPからお申し込みください。
参加ご希望の方には、詳細とリーフレットなどをお送りいたしますので、
ご住所、緊急の連絡先もお知らせ下さい。

この日がご都合の悪い方には工房で個別に対応もさせて頂きます。

受付後、折り返しのメールを差し上げます。
※メールにてお問い合わせの際は、tsumugi.sakurakobo★gmail.com からのメールを受信できるよう設定の上、お送り下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・

かつての普段着、浴衣という半幅帯のイメージに留まらないで、気軽でありながら、名古屋帯でお洒落をするのと変わりなく着物を着こなせる上質の半幅帯というのも今という時代に合うのではないでしょうか?

ただ、素材、質、内容を選ばないと、大人のお洒落着には難しく、その底上げが素材の力を借りる紬の半幅帯ではないかと思うのです。

これまで、創るだけでなく、使い手としても半幅帯に親しんできましたが、
そのメリットは気軽ということもありますが、あと、近年の気候温暖化で4月、10月でも夏日が来たりします。そんな時にも億劫にならずに着物を着ることもできます。
また、コロナ禍との付き合いもまだしばらく続きそうです。気負わずに着物を着るということのためにも、コロナの時代に上質でコンパクトな装いはふさわしいと思います。

半幅は結び方の演出や、リバーシブル、向きを変えての結びなど、自由なアレンジも楽しめます。着る人の創造力も磨かれます。

上質の半幅帯が、着物を着ることのハードルを下げ、でも質は落とさずに、、できればよいと思います。
これから着物を着たいと思っている方にもよいと思います。

■蒸し暑い時期にも気軽に涼しく着物を着ることができる。
■体調の悪い時、五十肩などの時にも締めやすい。
■洋服の方ばかりの中でも、目立ちすぎず軽やかに装える。
■結び方次第で様々に装いを演出できる。
■旅行の時にも楽な着こなしや、荷物を少なくできる。
■高齢になっても気負わず楽に、でもくだけ過ぎずに着ることができる。
■素材の上質なものであれば、洗い張りしながら一生使える。

是非、説明会にて実際の糸、色などもご覧頂きたく思います。
完成は21年5月を予定しています。
お申し込みをお待ちしています。→










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紬きもの塾20―― 染色実習

2020年09月06日 | 紬きもの塾’17~’20
暑さの中にも、そこかしこに秋の訪れを感じる今日この頃です。

翅うすきとんぼの低く草に触れ   小川濤美子

工房の庭先でも赤とんぼを見かけるようになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*
さて、先週末は延び延びになっていた紬塾の染色実習でした。
蒸し暑い日でしたが、みなさんマスクをしての染色。

風通しは良いとはいえ、湿度がかなり高く、マスクは応えました。。

でも、各自がつむいだ糸と帯揚げ、半衿などを無事に染めることができました。
写真は柿の枝の1煎目で染めた糸と2煎目で染めた半衿の1工程目。
それぞれ2工程行い、もう少し濃い色に染め上がりました。


9月に入ると、桜も葉緑素が抜け、赤みの色が強く出ます。アルミ媒染でも黄色系ではなく、サーモンピンクになります。季節で大きく違ってきます。自然の現象です。
画像は染色後、洗って軽~く絞ってますが、乾くと色は半減します。それを見越して染めます。
乾いた色を見て、染重ねなどを判断します。

糸も必ず天日に干します。干し方も、あぜを広げるようにすると乾きが早いのです。干した後、もう一度染めました。


灰汁媒染の方は淡い色ですが、2工程しました。
家に持ち帰り、室内で干しているところの写真を送ってくださいました。
いい感じになってます。1週間ほど室内で空気酸化をさせてからアイロン仕上げをします。

庭木を高枝バサミで伐るところから、チップ作り、煮出し、染、洗い、天日干し、アイロン仕上げ(帯揚は家に持ち帰って)まで行いました。
本格的なことを短時間でギュッと体験して頂きました。

また、各自家庭においても、半衿や派手になった帯揚げなどに、ひと色掛ける無媒染のやり方もお話ししました。
薬品は使いませんので、キッチンでも安心して行えます。

毎回のことですが、みなさん初めての体験でしたが、とても熱心に臨んでくださり満足そうな表情でしたが、「貴重な実習で大満足でした」とメールも頂き、こちらもホッとしています。


帯揚の媒染の待ち時間を使って、10分ほどの休憩をしました。
アイスコーヒーとかぼちゃプリン、つぶまる麦茶でした。
麦茶は毎年友人が送ってくれるものですが、粒のままで5~6分煮出します。
色は薄いのですが、透明感があり本当に香ばしくて、みなさんお代わりされてました。
疲れを癒しました~。(*‘∀‘)

次回、帯揚げ、半衿を持参してもらい、色を確認します。








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