中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第4回紬きもの塾 とことん着尽くす

2012年06月25日 | 紬塾 '9~'12
中野みどりHP

きものの更生などを中心に、実例も上げて見てもらいながら講義をしました。
襦袢にせよ着物にせよ素材の良いものを求め、染め替えたり、仕立て替えたりしながら大切に、愛着を持って着物をきてもらいたいという話しをしました。
襦袢も下に着るので見えないからと安物の生地を買うより1着目こそよい生地の、薄めの色を買い、だんだん濃い色に染め替えていくと汚れも目立たなくなり、新しさも出て気持ち良く使えるものです。



裏表で色が違う二重織の紗の母の着物から仕立て替えた雨コートを見てもらいました。長い時期着用できて重宝しています。

また、参加者の方が、モスリンの面白い柄の襦袢を持ってこられたのですが、虫に食われてしまってどうしましょう?という質問がありました。

もちろん正式な継ぎの当て方というのもあるのですが、私は穴の周りを色糸でかがってみては?と答えました。

塞ぐのもいいのですが、小さな穴でしたので、それ以上ほつれないようその穴をかがると、むしろ可愛く愛おしく感じられませんか?

身の回りの肌着や虫食いのセーターに私はこの方法でよく継ぎを当てて楽しんでいます。
靴下も何度でも継ぎを当ててすごいことになってるのもあります。
よそのお宅にもこういうのを履いて行って見せたりしてます。こうなると穴の開いた靴下もアート作品ですよ!

足袋の鼻緒ですりきれたところに並み縫いをチクチクしてるのもあります。
そのかわり買う時は良い生地の足袋を選ぶことにしています。
どうせ汚れるから使い捨て!ではなく薄汚れても大事に使うことを私は選びたいのです。

後半は麻の絽の襦袢地で伊達締め(平ぐけ)を縫いました。
長襦袢を着た上に使うと着崩れもしにくよいです。麻は吸湿性と発散性、放熱性にも優れていますので、夏には特に重宝します。

着物の上には博多などすべりの良いものがいいと思います。
そのほうが帯を締めやすいです。

しかし今期の方運針はできない(学んでない)方がほとんどでした。
6尺並み縫いをするのに難航しました。指ぬきも当然使えません。
 Before

After

でもなんとか基本を知ってもらい、恰好がついてきまして、ご覧の通り出来そうでしょ?
上の写真と下の写真の違いが分かりますか?

義務教育は読み書き算盤、運針!をお願いしたいです。

それから着物を着るのでしたら、和裁をしないまでも、クケ台と2尺と1尺指しは用意しておくとよいです。

 手前の方が使っているのはテーブルなどへ固定できるねじ式のクケ台

盛りだくさんの内容で講義は1時間の延長となりました。


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