中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第2回紬きもの塾ーー糸の力、色の神秘

2013年05月14日 | 紬塾 '13~'14


ある一時期に桜で染めた糸です。ほんの一例ですが、みなさんに見てもらいました。
この時期を経て生の草木で透明感のある色を染めるにはどうするのがいいかが少しわかってきました。
タイミング良く染めると発光するような色が染まります。
それにはよく観察しながらいろいろと試してみることです。
技法書は参考程度でいいのです。
また先入観を持たないで創意工夫することはなにより大切です。
今でも日々染も織りも発見があります

桜は何色ですか?という質問になかなか答えることはできません。
日本の色名を駆使しても、印刷用の色見本でも足りません。
「ピンクです」という答えがもっとも受けやすいのですが、、、それだけとは限りません。
生きた色とはは何か?
平板なベタっとしたものではなく光と影で生み出されてくる、立体的なもの。

いい色を引き出すためには、状態を注意深く観察します。
美味しいお茶を茶葉の声を聴きながら淹れるように。
こんな話を今回はさせてもらいました。

この日も目一杯話してしまい、帰りはバス停までみなさん急ぎ足となりました。

終わると私はぐったり、ビールで息を吹き返しました~。


参考までに2001年から年3回発行していた『櫻工房便り』創刊号の表紙と裏だけですがご覧ください。

12年前のものですが今も昔も同じこと言ってますね。
笹山さんの文はいいね!です。

片付けていて出てきたのですが、少し残っている号もあります。
まだパソコンも持っていなかった時代でとても苦労して作りました。
知り合いの建築家の事務所の簡易印刷機で100部手づくりしました。
色がうまく出なくて本当に困りました。3年間のNo.9で終わりました。

当時川崎市麻生区王禅寺に工房を構え「自分の着物は自分で織る」というコンセプトで10年にわたり20名ほどの人に織りの指導をしてきました。

趣味ではなく“着る”という確約のもとに受け入れ指導を始めました。
私と同じ糸で私と同じ機、やり方で、でもその人のカラーも引き出せるよう自分の作品を作る以上に配慮はしたつもりです。
そんな日々の、仕事に対するは発見や反省を日誌に綴ってもらっていました。
みんな一生懸命でした。

もう創刊号は残部がないのですが残っている号も5~6号あります。6~8頁建て。
「布の美展」会場で販売できると思います。

糸の貼付のないもの3ツ折りのあとのついているものなどB品もありますので1部 300円でお分けします。
ただ、今読んでもとてもとても貴重な内容だと思います。
捨ててしまうのは惜しいので是非興味ある方に読んでもらいたいです。

ご希望の方はかたち21の問い合わせ、katachi☆mbr.nifty.com(☆を@に変えてください)からお申し込みください。氏名、ご住所、電話番号をお書き添えください。
今立て込んでますので発送までお時間をいただくと思います。





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ものの美シリーズーー「布の美展」

2013年05月09日 | 展示会


6月1日(土)から6月4日(火)まで町田市の古民家「可喜庵」で
仁平幸春(染)西川晴恵(織)中野みどり(織)の3人展が行われます。

工芸評論家でかたち21代表の笹山央さんの企画による展覧会です。

たくさんの現代工芸家の作品に触れ、評論文を書いてきました。
そしてたどりついたことを端的な言葉で表すと「ものの美」です。

この言葉の内容の詳細は『かたち』No.11、12をご覧いただきたいと思います。

ものの美はただ表面的なキレイ、あるいは豪華、ではありません。
もっとわかりやすく言えばものの力、ものの存在感ということでしょう。

紬織りであれば糸の中に何を見るのか、扱いにくい糸をただ手を加えて扱いやすくしてしまうこと(糸の太細をただ均してしまったり、カラフルな色を染めて華やかにしたり、やみくもに複雑な組織織りにしたり)ではなく、作り手と素材、技法のやり取りの深さから生み出されてくる一枚の布の自然でありながら、見る人を引きつけるような力をもっているもののことでしょうか。

染布にしてもこれみよがしなデザイン、ツルツル、ピカピカしたブランド素材を売りにすることでもなく、どんな素材にも自由であり、真摯に向き合う作り手の深さが模様というものと絡み合い複合的な判断によって生かされてくる線であり、面であり、色であり、間だと思うのです。

帯と着物を中心に額装品、小物も加えての内容ある展示になります。


着物は関係ないと思われる方もたくさんいます(ある意味その気持ちもわかります…)が、
人が高度に生まれてきているのは布を織る能力を備えさせてもらっているからです。
衣の文化は人にだけあるのです。
その布を粗末にする暮らし方はそろそろ変えなければならないでしょう。
私たちは趣味でもの作りをしているわけでも綺麗事を並べ立ててるわけではありません。
いのちをかけて糸や布と向き合って仕事をしています。
是非ご高覧いただきたいと思います。


また2日(日)は笹山さんの「アート鑑賞いろは塾6回目」、
3日(月)は私の「ミニ紬きもの塾」も同じ会場内で行います。

展示中で場所が狭くなりますすので6~7名の定員となりま。
お早めにご予約ください。詳細はこちら

着ることや、布のこと、丁寧に暮らすことを真面目に一緒に考えてくださる方に是非ご参加いただきたいと思います。紬のいろはと究極をお話したいと考えています。

3人の作品についてはまた後日ご紹介します。
今、3人とも必死で制作中です。

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