中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

[こぼれ話2] 9月の着物

2009年09月24日 | 着姿・作品
 


暑さ寒さも彼岸までと言いますが、今日お彼岸の中日も蒸し暑く、
半袖の人が多かったですね。
9月に着る着物は透けない単衣ものですが、
真綿紬の単衣の着物はこの時期に最適な着物だと思います。
甘撚りや無撚りの糸で織られていて空気の通りがよいのです。

よく紬の単衣は着る時期が短くてと着物通のかたでも言われますが、
それは固い撚りのかかった玉糸や生糸を使った紬しかご存じないのかしら?と思います。
ふっくら紡がれた糸をふっくら織ると、暑いときは空気を逃がし、
寒いときは体温を糸の層に保ち温かく着られます。
私は初心者にこそ真綿紬のいいものをお奨めしています。
羽織やコートのいらない今、気軽に紬を着て欲しいと思います。
単衣紬は襦袢を替えれば真冬と真夏以外は着ることができ重宝なものなのです。


 


お彼岸の間2日ほど着物で外出しました。
一日は金工作家橋本真之さんの個展を見に上尾市まで、
もう一日は都内の知り合いのお宅を訪ねました。
半幅帯で気軽にしましたが、帯締めをすることで少し改まった感じになりますね。


 


半幅帯は上等のものを揃えると、今のようなほとんどの人が洋服の中にあっても、
ヘビーになりすぎないので、私はよく締めています。
結びもうんと楽ですし、蒸し暑い時期には帯枕や帯揚げがないだけでも涼しいです。
襦袢も今日は半襦袢にしました。洗濯も簡単です。
無理をして着ないことが長く着物を愉しむポイントですね。
真綿紬のよさはまだまだありますが、まずは着てみませんか。



  【次回から「紬塾'09」の後半が始まります。
   更新は10月20日前後の予定です。】



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