中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第4回アート鑑賞いろは塾

2012年10月31日 | かたち塾、アート鑑賞いろは塾


前回は講師、笹山先生の美術鑑賞遍歴を聞かせてもらいました。

高校生の時にダリの絵に興味を持ち、それからさまざまな様式の絵画と出会っていくのですが、一つを観ることでその反対にある様式についても観ることになり、時代を遡っていくことになったようです。
最後は先史時代にたどりつきました。

その観ていく中でわかっていったことについても画家やその絵を映写しながら順を追って話をしてくれました。
1時間でしたが濃密なとても良い話が聞けました。

私は最後に映写された先史時代の丸い耳付き土器の形のおおらかさと愛らしさに心踊りました。
こんな布を織ろう!と思いました。

美術、アート、モノ、との出会いの中で自分を磨き、高め、育てていく。
「人」より「モノ」が大切ですね。
こんなことを言うと批判を浴びそうですが、「モノ」を大切に思うことが本当に人を、自然を大切にすることに繋がると確信しています。

次回は11月10日(土)可喜庵の手前にある「家の展示館」で行います。
とてもやさしい空間です。工務店のモデルハウスで2階ですが、庭もあって緑や自然を感じられる造りになっています。
和室は床の間もあり、茶室としても使えるようになっています。オーナーの趣味!でもあります。
東、南からの光がたっぷり入ります。
豊かさとは?を考えたくなる空間です。

「取合せ」がテーマですので着物の話もあります。
是非お気に入りの着物でお出かけください。
詳細はこちらから


初回の5月のアート塾へざざんざ織りの単衣の紬に私が織った半幅帯をかるた結びにして参加くださった方です。
単衣といっても地厚な着物ですので3シーズン着用できます。帯締めを替えて季節を味わうとよいですね。
紐1本で季節や印象をガラッと変えてしまうのですから着物の取り合わせは面白いですね。

神楽坂での「取り合わせ」の展示会も来週末には詳細をお知らせできると思います。
今頑張って織ってます~土器みたいの。。

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第7回紬きもの塾 布を織る

2012年10月23日 | 紬塾 '9~'12
秋晴れの土、日、2日を使い、自分で紡いだ糸を使って布を織る実習をしてもらいました。
一人の方の持ち時間は1時間半です。3寸の長さを目標に織りました。
今回は写真にコメントを添えて綴ります。

 
着物での参加者。「またとない貴重な体験なので着物で来ました」とのことでした。
お召しになられているのは久留米絣の単衣の着物に型染めの古布から仕立てられた帯です。
背景の糸は庭木の木斛で染められた糸です。私は染色しながら・・・です。



初めての体験で緊張気味で経糸にも負担をかけてしまったようです。
糸が切れてしまいましたがピンで止めて直し方を見てもらう体験に繋がりました。
地糸と自分の糸とが柔らかく混ざってきれいです。黄色を少しアクセントに使いました。



この方はウールなどの織りをしている方ですが、着尺の機に座るのは初めてで杼の持ち方も違うので
はじめはぎこちなかったのですが、設計図通り織り進むことができました。
画像でもわかると思いますが、緯糸を入れるときに私は糸の太さや色の出方を考えて角度を変えます。
みなさんにもそうしてもらいました。
一律に入れている方が多いと思いますが一越一越し紬糸は表情が違うのですからそれを見ながら違えて織ります。



順番待ちのあいだに図案の清書中!


この方はほぼ当初の図案通り終了しました。
太い糸をたくさんつむぎました。




ユニークな方がいらっしゃいまして、、、機に座り予め用意した設計図(メジャー)を貼り付け織り始めたものの「もう少し自分の糸で練習してもいいですか?」と言われまして、「どうぞ^^;」ということになり・・・


こんな感じになりました。。。
下の方の白いところが“練習”です。
アドリブももちろんOKです。^^Y



最後の方はメジャー作りで糸の本数を数字に置き換えるというのがよくわからなかったということでメジャーは使わず織りました。
機織りではアナログ頭で数量を捉えるのですが、ザックリ掴むことが大切です。
でも初めての方には難しかったと思います。説明の仕方を研究してみます。
色糸は使わずモノトーンでまとめられました。



今回も実習終了後にはみなさんホットされ緊張から笑顔になりました。
「楽しかった!」と一様におっしゃられます。

それにしても太い糸をつむぐことも経糸に節のあるものを使って織るのは容易ではないのですがとても良く出来たと思います。
プクプクした布の立体感がおわかりいただけると思います。
こんな糸でマフラーを織ったらさぞや暖かいでしょうね。




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「かたちin KAGURAZAKA ―――きものと帯の取合せを中心に」展 予告

2012年10月14日 | 個展・展示会


先日の札幌での展示会が終了しました。ご来場くださいました皆さまありがとうございました。

鴨下さんの素敵なギャラリーで、展示もとてもオシャレ!でした。

高瀬季里子さんのバッグも鴨下蓉子さんのジュエリーも好みです~。



中川晃さんのガラスも技術レベルは高いのですが、ひょうきんなところが魅力です。



松原茂樹さんの磨かれた白い陶も静かに佇んでいますね。



このかたちの会のメンバーのうちの何人かと東京新宿区の神楽坂でも11月22日(木)~24日(土)に展示会を行います。和室と特別にキッチンもお借りしての展示です。
「取合せを愉しむ」展です。

今回は私の帯とショール、仁平幸春さんの染帯が中心になります。

キッチンにはうえやまともこさんの木の器やスプーンが並びます。




16日~18日には櫻工房内でも一部ご覧いただけるようにしたいと考えています。
また詳細は11月に入りましてお知らせします。
まずは自分の仕事をガッツリやらねば・・です。
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第6回紬きもの塾  織物設計

2012年10月09日 | 紬塾 '9~'12



来週の「織り」に備えて織物設計をしてもらいました。

自分がつむぎ、前回桜で染めたベージュの糸の長さを織り幅で割り、使えるヨコ糸の越し数をまずだします。

濃い色の地糸と合わせ3寸の予定の長さの中にどのようにヨコ縞を入れていくかを考えてもらいます。

一分方眼紙に大まかに描き、あとは数字(糸の越し数)に置き換えて自分の糸をほぼ使い切るように調整します。

織ってみなければ、紙の上に描いてもわかりにくいのですが、全くの初心者がいきなり機に座ってアドリブでというのは難しく、前もって設計したメジャーをもとに織ることになります。

初心者向けに用意した織りやすい生糸使いのタテではなく、節糸、紬糸のタテ糸ですので織るだけでも注意を要します。

糸味だけでも十分布として見ごたえはありますので、デザインを頭で考えすぎたり懲りすぎたりせずに、糸の形を思い浮かべ大らかに設計すると良いと思います。

私が日々使っている大島の黒松でできたどっしりとした機で織ってもらいますす。

「織る」ということ自体を体感してもらいたいです。

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