中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

麻(ヘンプ)ローライズステテコ&肌襦袢を作りました![1]

2016年04月27日 | 麻ローライズステテコ&肌襦袢/長襦袢
   [単衣紬との相性も抜群のヘンプ素材、ローライズステテコ&肌襦袢!!]
                                          
間もなく5月に入りますが、汗ばむ日も出てきました。
着物を着ると、帯周りや、太ももが汗ばみますが、紬などのカジュアルな装いは少しでも快適に楽に着たいものです。

そこでヘンプ(大麻)の生地を使って、和装用ステテコと肌襦袢(いずれも女性用)を麻福さんのご協力を得て作りました。
ヘンプ素材の良さは以前にもシーツの時に書きましたが、調湿性、抗菌性、消臭性などにすぐれ、肌着などには麻の中でも特によさそうです。

実際に着てみるとその清涼感は今までに味わったことのないような気持ちよさです。
洗うごとに滑らかさも増し、麻のゴワゴワ、堅いイメージとは全く違います。
麻はチクチクしていやだという方も是非お試しいただきたいと思います。
(使用前には繊維の毛羽を落とすために、必ず一度水洗いしてからお使いください)

また今回サンプルを冬の間も使ってみたのですが、ヘンプは通年使えるということもよくわかりました。
今までほかの麻素材もいろいろ使ってきましたが、ベストな素材に思います。

[ヘンプローライズステテコ&肌襦袢の特長]


<ステテコ>
・ローライズ仕様です。帯にかからず上げ下げもスムーズ。
・マチがたっぷりあり、足さばきも良い。
・正座時のひざ裏の汗を取ってくれます。
・ゴムひもの取り換え用の穴あり。
・平織りで、着物にひびかずスリムな着こなし。透けない着物なら裾除けは不要です。


                                        上質な糸で織られた清涼感のある生地です。

肌襦袢着用モデルは11号サイズの方。
<肌襦袢>
・身八口、袖下あきをやや大きで、通気性がよく涼しく着用。
・前身頃の重なりをたっぷりとり、長襦袢の襟を汗や汚れから守ります。
・上前身頃には紐をつけ、着やすくしました。室内着としても使えます。
・馬乗り(サイドのスリット)を深くとり、幅広い体型の方(7号~13号)に対応できます。
・衿、紐も共布で、とても丁寧な縫製(日本)。
・汗取り用の麻綿(わた)はあえてつけませんでしたが、蒸し暑い時期にはヘンプの蚊帳生地タオル(麻福製)2本でバイアス仕立「汗取り伊達巻」がオススメ!!
  

6月の展示会(2日~6日 於:可喜庵)(25日~30日 於:櫻工房)でタオル販売と作り方の説明 もいたします。汗取りとしては今までにない画期的なものです!!後日ご紹介します。

洗濯は、初回はネットなどに入れずに裏返して10分撹拌し、あとは流水でよくすすぎます。
2回目以降の洗濯はネットに入れて洗ってください(炭酸塩の洗濯がおススメです)。
乾燥機は絶対に使わないでください(縮みます)。

ステテコは和装としてだけではなく、長めのスカート下にもとても良いです。
私は冷房をほとんど使わないので、このステテコ&肌襦袢のサンプルをパジャマ代わりに昨年の夏に試着してみました。これがすごくて、これ以上の快適な真夏のパジャマはない!!と思いました。
贅沢なようですが、ヘンプは丈夫な繊維でもありますので、長く使っていただけると思います。

本日肌襦袢が入荷になりました。詳しくはこちらをご覧下さい。6/25追記

肌襦袢は6月末に出来上がってきますが、予約受付いたします。出来上がり次第発送します。
価格は未定ですが、1万円程と思います。
サイズはワンサイズのフリーサイズです。9~11号の方向ですが、紐がありますので7号、13号の方にも十分対応できます。

ステテコはM、L、2サイズです。
Mサイズ:腹囲80~88cm、丈70cm、Lサイズ:腹囲88~95cm、丈72cm
腹囲はウエストより3~4cm下のサイズです。Mは7、9号サイズの方向け、Lは11号サイズの方向けです。
モニター価格11.664円(10.800円+税)で販売致します。メールで使用感など簡単なアンケートにお答えいただける方は是非ご利用ください。[5/8までの期間限定です]←モニター価格終了しました。別のキャンペーンを検討中。
送料無料にて発送いたします。

また紬塾関連の方など、住所をご登録くださっている方はメールでお申し込みくださっても結構です。
詳しくは櫻工房Online Shopをご覧ください。

今回は限定製作ですのでお早めにお求めいただきたいと思います。

大麻は日本でも縄文時代から活用されてきたそうです。日本では麻といえば大麻でした。
戦後、大麻取締法により許可なく栽培ができなくなりました。
現在は自然エネルギーとしてのバイオマス燃料や、土壌の改良、医療用、建材にも新たな使いみちも見いだされてきているようです。

ヘンプは環境にも人にも安心の有用な植物です。早く国内でもいろいろな製品が生産され、活用されることを望みます。
ヘンプの詳しい情報は麻福さんのHPもご覧ください。

櫻工房の着心地の良い紬とともに、爽やかな使い心地のヘンプローライズステテコ&肌襦袢を是非お役立ていただきたいと思います。





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第8期「紬きもの塾’16」開講しました!

2016年04月23日 | 紬塾 '13~'16


今期も6名の方と来年1月まで紬織やきものにまつわるさまざまなことを一緒に学んでいきます。

今期の方々は着物を着ることにある程度慣れている方が多いのですが、もっと布のことを知りたい、紬になぜ魅かれるかを探求していきたい、美しいものはなんなのだろう?と自問する方など、ただきものを着たいだけではないもう一歩深く踏み込んでいきたい方が多いようです。
紬塾にピッタリ!の方たちです。

上の写真は、私の紬のサンプル布を皆さんに見てもらいました。
経糸をまずよく見ること、布の厚みや質感を触ってもらいました。鋭い質問もなどもありました。

自然な生きた色合いに「きれい・・・」とみなさんつぶやかれ、ふわ~っと放心した状態のようになります。
もっとカラフルなもの、華やかなものが世の中にはたくさんあると思うのですが、こんな地味な?ものになぜ魅入られるのでしょう。これからその核心に迫っていきたいと思います。
それは特別なものでもなく、自分の身近に、自分の中に宿っているものかもしれません。


横から見ると少しやせたように見える‥ ^ヮ^v


今日は私は梅染の刺し子織りの単衣紬に陶画更紗の帯を締めました。
小物は枇杷染の淡いピンクの帯揚げ、薄紫の平唐組の帯締めを使いました。

時間ぎりぎりまで目一杯話をしました。今期も充実した会になりそうです!
よろしくお付き合いのほどお願いいたします。
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初めての入院

2016年04月14日 | こぼれ話

雨にぬれる大山桜。(工房にて4/7撮影)

少し無理を重ねてしまい体調を崩し、1週間ほど入院していました。
3月の個展の準備期間が少なかったこともあり、かなり無理をし、根を詰め、終わってからも残務処理、次の展示に向けての準備で休みを取れずにいました。
再来週あたり、区切りがついたら、1泊近場の温泉にゆったり浸かってこようと思って場所を探していたところでした。

大したことはなく退院できましたが、無理をしたということと、運動不足が招いた病いとも思います。根を詰める座り仕事で、加齢による硬化も加わり血流も悪く、体は悲鳴を上げていたのだと思います。
仕事を長く続けていくためには、まず自分の体を一番にいたわってやらなければいけないですね。若い時は無理がききますが、いい加減に自覚せねば、、、(~_~;)です。

また、町医者での診察からすぐの総合病院への入院になりましたので、家人に着替えなどこまごまと頼むことになったのですが、案外手間取りました。きちんとまとめて一式しておかなければならない年齢になっていたのだということも思い知りました。

私の母は60になる前から、ちゃんといざ入院というときの為に、たんすの引き出し一杯分に、父の分と一緒に、寝間着や下着、タオル、洗面具など用意してあったことを思い出しました。「急な入院の時にはここから持ってきてね」と言われてました。私と違って几帳面な人でしたので。。。

今なら病院の売店で、何でも買えますが、やはり間に合わせではなく、自分で合うものを選んで揃えておくことは大切だと思いました。人に頼んで用意してもらっても合わないものではゆっくり療養できません。

安静を強いられていましたが、愛読書の幸田文『きもの』を昼間読んでいました。
その中の、母親の看病について書かれた箇所で、るつ子は子供のためにはきれいなものを用意してくれるのに、自分はくたびれた浴衣を着て、腰ひもも擦り切れたものを使って寝ている母親の姿を悲しみ、祖母と一緒に、桜の模様の浴衣と腰ひもを一晩で縫い上げるくだりがあります。

家庭での寝間着といえども人の見舞いや、医師の往診、きれいにしておいてあげたいという着ることへの執念を感じます。何度も読んでいた箇所でしたが、身に沁みて分かりました。

また、最後を迎えた時の朝に着替えさせた寝間着は新しい、秋の七草が咲き乱れた模様の浴衣だった、とも書かれています。その時々のシーンとその時着ていた着物は強い印象になって残るものですね。
私も母の最期の別れをした時の寝間着を覚えています。母が自分で気に入って選んだ母らしい柄でした。よく似合っていました。

しかし、我が身は恥ずかしながら、、、普段からはいているスウェットタイプのパンツにTシャツというスタイルで、これはまずい・・・と思いました。母が見ていたら「そんなだらしない格好をして!」と怒ったでしょう。

昔の人達は、身支度、着る、ということをとても大事なこととして、生きることの中心に、個人の尊厳として据えているのですが、今はいくらでも大量に衣類が売られていて緊張感がなくなっているところもあります。
こういう点でも今回の入院はいろいろ考えさせられ、反省したのでした。

さて、病棟でもメールは使えますので、アシスタントとはメールでやり取りし、仮仕立ての仕事を進めてもらいました。
仕事再開です。これから6月の展示に向け、単衣、夏向けの帯、着尺にとりかかっていきます。間に合うか・・・?でも無理はしません・・・!


4/7夜、ライティングして撮ったもの。下の白い小さな花がブルーベリー。今はほとんど花はないです。>_<

入院前日、雨に打たれた工房の桜はほぼ満開だったのですが、病院から戻ると花はかなり散って、赤い顎とシベがめだっていました。
桜の下にあるブルーベリーの花もほとんど庭になついているヒヨドリに食べられてました。本当においしそうにムシャムシャ食べます。帰るなり「来年はネットを張り、私が食べる!!」と家人に宣言しましたが、元気になった証拠ですね。(*^_^*)

来週末から開講の紬塾に穴を開けずに済み良かったです。
健康のありがたさをかみしめつつ、読者のみなさまもくれぐれもご自愛くださいませ。







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